マクドナルド、スシロー、丸亀製麺など外食チェーンが次々と値上げを発表するなか、「サイゼリヤも値上げしたのでは?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、サイゼリヤは2020年7月の「1円値上げ」を最後に、主要メニューの価格を据え置きしています。この記事では、ミラノ風ドリアなど主要メニューの最新価格・過去の値上げ履歴・なぜ値上げしないのか・今後の見通しまでを、公式発表と一次情報をもとにまとめました。
サイゼリヤは値上げした?結論【2026年5月時点】
外食業界全体では原材料費・人件費の高騰を背景に、ほとんどのチェーンが2023〜2026年に値上げを実施しています。一方でサイゼリヤは、看板メニュー「ミラノ風ドリア」が今も税込300円のまま提供されており、主要メニューの価格は2020年7月以降ほぼ動いていません。
2026年2月18日にはグランドメニューの改定が実施されましたが、こちらも価格改定ではなく、野菜メニューの掲載位置を見直すなど「選びやすさ」を高めるための改定でした。新メニュー追加や価格変更は伴っていません。
本記事の価格はすべて2026年5月17日にサイゼリヤ公式サイトで確認した税込価格です。一部店舗で取り扱いのない商品や価格が異なる場合があります(公式注記より)。最新の価格はご来店前に公式メニューブックで確認してみてください。
サイゼリヤの値上げ履歴|過去の価格改定を時系列で整理
サイゼリヤの値上げの歴史は、他の外食チェーンと比べてもかなり異質です。直近20年以上の主要メニュー価格は、ほぼ「下がるか、据え置き」で推移してきました。看板メニュー「ミラノ風ドリア」を軸にタイムラインで整理してみます。
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1999年11月ミラノ風ドリアを480円→290円に大幅「値下げ」
「もっと多くの人に食べてもらうため」として、創業者・正垣泰彦氏の判断で480円から290円への大幅値下げを実施。これが「安いサイゼリヤ」のイメージを決定づけ、人気が爆発しました。
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2011〜2019年税込299円で長期維持
消費税8%時代を通じて、ミラノ風ドリアは税込299円で約20年維持。原材料費の上昇局面でも価格を動かさず、サイゼリヤの代名詞になりました。
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2020年7月299円→300円の「1円値上げ」(直近の値上げ)
コロナ禍を機に、全商品を50円単位の価格に統一。ミラノ風ドリアは1円のみ値上がりして300円に。狙いは利益ではなく「コインの受け渡し削減」で、実際にコインのやり取りは6〜8割減、会計時間も30%減少しました。一部メニューは10〜29円の値下げになっています。
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2020年7月〜現在主要メニューは価格据え置き継続
2022〜2025年にかけて外食産業全体が値上げに動くなか、サイゼリヤだけは主要メニュー価格をほぼ動かさず維持。2026年2月のグランドメニュー改定も価格変更を伴いませんでした。
サイゼリヤの「直近の値上げ」は2020年7月の1円値上げです。これを除けば、ミラノ風ドリアは1999年から実質的にほぼ同じ価格帯(290〜300円)で提供されてきた、外食では極めて珍しい存在と言えます。
サイゼリヤが値上げしない理由|独自戦略を整理
原材料費・人件費・光熱費が上がるなかで、なぜサイゼリヤだけが値上げしなくて済むのでしょうか。一般のニュースメディアの分析や公式の発信を整理すると、いくつかの独自戦略が組み合わさっていることが見えてきます。代表的な3つを紹介します。
サイゼリヤは原料調達から加工・物流・店舗運営までを自社で一気通貫させる「垂直統合(SPA)」型の事業モデルです。ミラノ風ドリアのホワイトソースとミートソースはオーストラリア産の生乳・牛肉を使い、現地工場で製造してから日本に輸入するなど、流通中間マージンを徹底的に削減しています。
モバイルオーダー・セルフレジ・配膳ロボットの導入で省人化を進め、調理マニュアルの徹底や盛り付けの簡素化で人件費とオペレーションコストを大幅に圧縮しています。2020年の「1円値上げ」も実は会計時間30%減を実現する効率化施策の一環でした。
サイゼリヤは中国・東南アジアを中心に海外で大きな利益を上げており、海外事業の高収益で国内事業を補填する構造になっています。国内は薄利でも、グループ全体で利益を出せる仕組みです。
他社が次々と値上げするなかで価格を据え置けば、相対的に「お得感」が増します。価格を据え置くことで来店客数が増え、結果的に売上も利益も伸ばすという、いわば「逆張りの戦略」がうまく機能しています。
「値上げしない」はいつまで続く?今後の見通し
「いつかはサイゼリヤも値上げするのでは?」という不安は、利用者なら誰しも気になるところですよね。会社の公式スタンスと業績データから、現時点で読み取れる範囲をまとめてみます。
松谷社長の公式スタンス
サイゼリヤの松谷秀治社長は、2026年8月期の決算発表に際して「原価高騰による単純な値上げはしない」と明確に発言しています。一方で「新しい提案商品を作ることで価格設定を見直す施策は取り得る」とも述べており、既存メニューの値上げではなく、新メニューの導入による客単価アップを目指す方針が読み取れます。
2026年2月のグランドメニュー改定の中身
直近の改定(2026年2月18日)も、価格そのものを動かす内容ではありませんでした。サイゼリヤ公式のリリースによると、改定の主旨は「野菜料理を取り入れて、よりバランスの良い食事を提案すること」。サラダ・スープのページに野菜料理をまとめ、選びやすさを高めるカテゴリ再構成が中心でした。ドリンクバーに「ミニッツメイドゼロシュガーレモネード」が追加された程度で、価格改定はありません。
「値上げしないのに増収増益」が成り立つ仕組み
「値上げせずにどうやって利益を増やすの?」という疑問は当然ですよね。ITmediaの分析によると、サイゼリヤは1品あたりの価格を上げる代わりに、「新メニュー追加 × 注文点数アップ」で客単価を底上げする戦略を取っています。たとえば「ポップコーンシュリンプを使った新作グラタン・ドリア」のように、季節ごとに新メニューを投入し、追加注文を生むことで結果的に客単価が伸びる仕組みです。これは「ミラノ風ドリアを300円→350円にする」ような値上げではなく、「あと一品頼みたくなる」を作るアプローチです。
業績データが示す「値上げしなくても利益が出ている」事実
こうした戦略が機能している証拠が、業績数字です。会社の業績が苦しくなれば値上げ圧力が高まりますが、サイゼリヤの直近の数字はその逆です。2026年8月期の連結業績見通し(会社発表)は以下のとおりで、3年連続で過去最高益を更新する見通しです。
| 項目 | 2026年8月期 見通し | 前期比 |
|---|---|---|
| 連結売上高 | 2,763億円 | +8% |
| 連結営業利益 | 190億円 | +23% |
| 連結純利益 | 124億円 | +11% |
来店客数も伸び続けており、既存店売上高は45ヶ月連続で前年超えを記録した時期もあるなど、値上げをしなくても集客と利益の両輪が回っている状態です。「値上げしないこと自体が集客装置になっている」とも言えますね。
「現時点で値上げの公式発表はない」が事実ですが、原材料費の高騰が長期化したり、円安が想定を超えて進めば、新メニュー導入時に実質的な価格見直しが入る可能性はあります。確実な情報は、サイゼリヤの公式リリースとIR情報をチェックするのが最も信頼できます。
他の外食チェーンと比較|サイゼリヤの異質さがよくわかる
主要な外食チェーンの値上げ状況を一覧にすると、サイゼリヤがいかに「異質」かが一目でわかります。2023〜2026年にかけて、ほぼすべての大手チェーンが値上げを実施しているなかで、サイゼリヤだけが主要メニュー価格を据え置いている形です。
| チェーン | 値上げ状況 | 備考 |
|---|---|---|
| サイゼリヤ | 据え置き | 2020年7月以降、主要メニュー据え置き |
| スシロー | 値上げあり | 一皿ごとの段階的な価格改定 |
| くら寿司 | 値上げあり | 2023年以降の段階的改定 |
| はま寿司 | 値上げあり | 平日価格の見直しを含む改定 |
| 吉野家 | 値上げあり | 牛丼の段階的な価格改定 |
| 松屋 | 値上げあり | 牛めし価格の継続的な改定 |
| 丸亀製麺 | 値上げあり | うどん・天ぷらの価格改定 |
| モスバーガー | 値上げあり | バーガー類の継続的改定 |
| 日高屋 | 値上げあり | 主要メニューの段階的改定 |
| ほっともっと | 値上げあり | のり弁含む主要弁当の改定 |
各チェーンの値上げ時期・金額・理由については、プライシーで個別に解説記事を用意しています。気になるチェーンがあれば、合わせてチェックしてみてください。
サイゼリヤをもっとお得に使うコツ
サイゼリヤは「そもそも全部安い」のですが、知っているとさらにお得に使える工夫もあります。値上げしないからこそ、定番の使いこなしを押さえておくと節約効果が大きくなります。
平日ランチ500円は破壊力が大きい
平日11:00〜15:00のランチセットは、パスタかドリア+サラダ+スープ付きで税込500円。+200円でドリンクバーまで付けられるため、合計700円で「主食+サラダ+スープ+飲み放題」が成立します。コンビニのおにぎり2個+飲料を買うのと変わらない、もしくは安いことも。テレワーク中のランチや外回り中の食事として、これ以上のコスパは外食ではなかなか見つけにくいです。
ワイン100円&500円メニューで「サイゼ飲み」
グラスワイン(赤・白)が120mlで税込100円。柔らか青豆の温サラダ(200円)やミラノ風ドリア(300円)などのつまみと合わせれば、いわゆる「1,000円以下のサイゼ飲み」が現実的に成立します。値上げが続く居酒屋業態と比べると、ここ数年でコスパ差はむしろ広がっている印象です。
サイゼリヤに公式クーポンがないという事実も知っておきたい
多くの外食チェーンが「アプリクーポン」「LINEクーポン」で割引していますが、サイゼリヤは基本的に公式クーポンを発行していません。これは「クーポンに頼らず、定価そのものを安く提供する」という方針の裏返しです。クーポン文化に慣れていると最初は戸惑いますが、その分メニュー価格の安さは納得感があります。
まとめ|サイゼリヤの「値上げしない」は2026年5月時点も継続中
この記事のポイント
- サイゼリヤの直近の値上げは2020年7月の「1円値上げ」。それ以降は主要メニューの価格を据え置き継続中(2026年5月時点)
- ミラノ風ドリア・辛味チキン・ティラミス クラシコは税込300円。グラスワインは100円、平日ランチは500円から
- 2026年2月のグランドメニュー改定でも価格変更はなく、野菜メニューの整理など「選びやすさ」中心の改定
- 値上げしない理由は「自社工場・農場の垂直統合」「店舗オペレーション効率化」「海外事業の利益で国内を補填」の3本柱
- 松谷社長は「原価高騰による単純な値上げはしない」と明言。2026年8月期は3年連続最高益見通しで、値上げ圧力は弱い
- 外食チェーンの大半が値上げを実施するなか、サイゼリヤは数少ない「値上げしないチェーン」のひとつ
外食・日用品の値上げ情報をまとめてチェック
サイゼリヤ以外のチェーンや日用品の値上げ・セール情報は、プライシーアプリ(iOS / Android)でまとめて追えます。価格の推移グラフや値下げ通知で、賢く節約してみませんか。
プライシーアプリを試すよくある質問(FAQ)
2020年7月の「1円値上げ」(全商品を50円単位の価格に統一)が直近の値上げです。それ以降は、主要メニューの価格を据え置きで維持しています(2026年5月時点・公式メニュー確認)。ただし一部メニューの追加・終了は通常運転で行われています。
税込300円(本体273円)です。2020年7月に299円から300円に「1円値上げ」されて以降、価格据え置きが続いています。1999年に480円から290円へ大幅値下げされた歴史を含めても、25年以上ほぼ300円前後を維持してきたメニューです。
大きく3つの理由があります。(1)自社工場・自社農場まで含めた「垂直統合」モデルで原価を徹底的に下げている、(2)モバイルオーダー・配膳ロボット・調理マニュアル徹底で店舗オペレーションを極限まで効率化している、(3)海外事業(中国など)の高収益で国内事業を補填する構造を作っている、の3点です。
平日11:00〜15:00の「500円ランチ」(パスタ・ドリア+サラダ+スープ付き)は値上げされていません。+100円の600円メニュー(牛100%ハンバーグ)や、+200円でドリンクバーを付けるオプションも従来どおりです。
現時点で公式の値上げ発表はありません。松谷秀治社長も「原価高騰による単純な値上げはしない」と発言しています。一方で「新しい提案商品で価格設定を見直す施策は取り得る」とも述べているため、既存メニューの値上げではなく、新メニュー追加を通じた客単価アップが今後の方向性として想定されます。
