「キャッシング」と「ローン(カードローン)」、どちらもお金を借りる方法ですが、実は仕組みも金利も別物です。この記事では、キャッシングとカードローンの違いを金利・限度額・審査・返済方法の項目別に整理し、自分にはどちらが向いているのかが分かるように解説します。総量規制やショッピング枠との関係など、見落としがちな注意点もまとめました。
大きな違いは「金利」と「審査の手間」です。低金利でまとまった金額を借りたいならカードローン、手持ちのクレジットカードで今すぐ少額だけ借りたいならキャッシングが向いています。
キャッシングとローン(カードローン)の違いを一覧比較
まずは主要な違いを一覧表で確認しましょう。詳しい内容は次の見出しから項目別に解説していきます。
| 項目 | キャッシング | カードローン |
|---|---|---|
| 位置づけ | クレジットカードに付帯する借入機能 | 借り入れに特化した独立の金融商品 |
| 金利の目安 | 年15.0〜18.0%程度 | 年1.5〜14.5%程度 |
| 利用限度額の目安 | 数万円〜100万円程度 | 数十万円〜数百万円程度 |
| 審査 | 付帯済みなら原則不要/新規付帯は数日〜1週間程度 | 最短即日〜1週間程度 |
| 主な返済方式 | 元利定額リボ払い・一括返済が中心 | 残高スライドリボ払いが中心 |
| 年会費 | クレジットカード自体の年会費に準じる | 無料の商品が多い |
いちばんの分かれ目は金利がキャッシングより低い商品が多いという点です。次の見出しから、それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
キャッシングとは?
キャッシングとは、クレジットカードに付帯している「お金を借りる機能」のことです。多くのクレジットカードには、買い物に使う「ショッピング枠」とは別に「キャッシング枠」が設定されていて、ATMやWeb申請から現金を引き出したり、口座に振り込んでもらったりできます。
すでに持っているクレジットカードにキャッシング枠が付帯されていれば、新たな審査を受けずにそのまま利用できるケースが多いのも特徴です。急な出費でとにかく早く借りたいときに使われることが多い一方、金利はカードローンよりも高めに設定されているカードが目立ちます。カードのキャッシングをネット上で完結させる「ネットキャッシング」という利用方法もあり、より具体的な手順は以下の記事でも解説しています。
ローン(カードローン)とは?
カードローンとは、借り入れそのものに特化した金融商品です。クレジットカードのようにお店で買い物に使う機能はなく、専用カードやアプリを使って、ATMや口座振込で現金を借りることに絞られています。銀行や消費者金融など幅広い金融機関が扱っており、キャッシングに比べて金利が低く設定されている商品が多いのも特徴です。
なお、住宅ローンやマイカーローンのように使いみちが決まっている「目的別ローン」とは異なり、カードローンは使いみちを問わず借りられる「多目的ローン」に分類されます。用途が決まっている場合は、目的別ローンの方が金利が低く設定されていることも多いため、以下のような記事もあわせてチェックしてみてください。
キャッシングとカードローンの違いを項目別に解説
ここからは、金利・限度額・審査・返済方法・年会費という5つの項目に分けて、それぞれの違いを詳しく見ていきます。なお、どちらも「お金を借りるサービス」である以上、共通点もあります。利用には審査が必要なこと、借りた金額に対して利息が発生すること、返済が遅れると信用情報に影響することは、キャッシングもカードローンも変わりません。その上で、以下の項目に違いが出てきます。
金利の違い
最も大きな違いが金利です。法律上の上限を見ても、その差がはっきり分かります。利息制限法では借入金額に応じて年15.0〜20.0%が上限と定められていますが、実際の適用金利はキャッシングとカードローンで傾向が異なります。
クレジットカードのキャッシングは、JCBカードSの例では年15.00〜18.00%と、上限に近い水準で設定されていることが多いです。一方カードローンは、三井住友銀行カードローンの例で年1.5〜14.5%と、借入額が大きいほど低い金利が適用される仕組みになっています。
この差は、実際の利息額にすると無視できない金額になります。JCBが公開している試算例では、50万円を50回で返済した場合、カードローン「FAITH」(年12.50%)の利息は132,172円、クレジットカードのキャッシング(年18.00%)の利息は190,336円で、その差はおよそ58,000円にのぼります。同じ金額を借りるにしても、選ぶサービスによって支払う利息が大きく変わることが分かりますね。
キャッシングの利息は「借入額×金利÷365日×借入日数」で日割り計算されます。三井住友銀行の例では年18.0%で10万円を30日間借りた場合の利息は1,479円ですが、10日で返済できれば493円ほどに抑えられます。借りたらできるだけ早く返すことが、利息を減らす一番シンプルな方法です。
利用限度額の違い
キャッシング枠は数万円〜100万円程度に収まる商品が多いのに対し、カードローンは数十万円から数百万円まで幅広く設定できる商品が目立ちます。まとまった金額を借りたい場合は、カードローンの方が選択肢が広いといえるでしょう。キャッシング枠の限度額の考え方や増枠の仕組みについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
審査・融資スピードの違い
キャッシング枠がすでに付帯しているクレジットカードなら、新規審査なしでそのまま借りられることがほとんどです。まだ付帯していない場合は数日〜1週間程度の審査が必要になることもあります。カードローンは新規契約が前提のため、最短即日で借りられる商品もあれば、1〜2週間ほどかかる商品もあり、金融機関によって差があります。
返済方法の違い
カードローンは、借入残高に応じて毎月の返済額が変わる「残高スライドリボルビング方式」が主流です。一方キャッシングは、毎月の返済額があらかじめ一定に決まっている「元利定額リボルビング方式」や、次回の支払いでまとめて返す「1回払い(一括返済)」が中心になっています。どちらの方式でも、リボ払いを選ぶと返済期間が延びて総支払額が想定より増えることがあるため、返済計画は事前にシミュレーションしておくと安心です。
年会費・付帯サービスの違い
カードローンは年会費が無料の商品が多く、借りていない間はコストがかかりません。キャッシングはクレジットカード自体の年会費に準じる形になるので、キャッシング機能を使うこと自体に追加費用がかかることは少ないですが、そもそも年会費のあるカードを選んでいれば、その分のコストは発生し続けます。
キャッシングとカードローン、どちらが向いている?
ここまでの違いを踏まえて、それぞれどんな人に向いているのかを整理してみましょう。
- 今すぐ少額だけ借りたい
- すでにキャッシング枠付きのカードを持っている
- 次の給料日までのつなぎ資金がほしい
- 新規の審査を受ける時間がない
- まとまった金額を借りたい
- できるだけ低い金利で借りたい
- 返済期間に余裕を持たせたい
- おまとめ・借り換えも検討している
「とにかく急いでいて少額」ならキャッシング、「金額が大きく、利息もできるだけ抑えたい」ならカードローンと覚えておくと、選ぶときに迷いにくくなります。
キャッシング・カードローンの利用方法
キャッシングの借り方
手持ちのクレジットカードの会員サイトやアプリで、キャッシング枠が設定されているか確認します。設定がなければ、カード会社に申し込んで枠を付帯してもらう必要があります。
提携ATMでカードを使って引き出す方法のほか、会員サイトやアプリから申請して指定口座に振り込んでもらう方法もあります。
手数料や利用可能時間はカード会社によって異なるため、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。
楽天カードのように、キャッシングの申し込み方法や金利をカード会社ごとに詳しく解説している記事もあるので、利用中のカードに合わせて確認してみてください。
カードローンの借り方
Web・アプリ・店頭窓口など、金融機関によって申込方法が異なります。本人確認書類や収入証明書類が必要になる場合があります。
最短即日から1〜2週間程度、審査にかかる時間は金融機関によって差があります。
審査通過後にカードやアプリが発行され、ATMや振込で借入できるようになります。
返済についても、返済方法や手順を具体的に知っておくと安心です。イオンカードのキャッシングを例に、返済の手順を詳しく紹介している記事もあわせてどうぞ。
利用時の注意点
総量規制の対象になる
貸金業法では、個人向けの貸付は原則として年収の3分の1までと定められています(総量規制)。この規制の対象になるかどうかは、借入先によって異なるので整理しておきましょう。
| 借入の種類 | 総量規制の対象か |
|---|---|
| クレジットカードのキャッシング | 対象 |
| 消費者金融のカードローン | 対象 |
| 銀行のカードローン | 対象外(銀行独自の基準で審査) |
| クレジットカードのショッピング枠 | 対象外(割賦販売法が適用) |
クレジットカード会社は貸金業法上の「貸金業者」にあたるため、キャッシングは消費者金融のカードローンと同じく総量規制の対象になります。一方で銀行は貸金業者ではないため銀行のカードローンは規制の対象外ですが、多くの銀行が自主的に年収基準の目安を設けて審査しているため、実質的には無制限に借りられるわけではありません。
キャッシング利用でショッピング枠が減ることがある
クレジットカードの利用可能枠は「ショッピング枠+キャッシング枠」の合計で管理されているカードが多く、キャッシングを利用すると、その分ショッピングに使える残り枠が圧迫されることがあります。旅行や大きな買い物の予定がある月にキャッシングを使うと、思わぬところでショッピング枠が足りなくなることもあるので注意しましょう。
借りすぎ・返済遅延に注意する
借入前に返済シミュレーションをして、無理なく返せる金額かどうかを確認しておきましょう。返済が遅れると遅延損害金が発生するだけでなく、信用情報に記録が残り、その後の借入やクレジットカードの審査に影響する可能性があります。
よくある質問
同時に利用すること自体は可能ですが、貸金業法の対象となる借入(クレジットカードのキャッシング、消費者金融のカードローンなど)は合計で年収の3分の1までという総量規制がかかります。すでにキャッシングを利用している場合は、追加で借りられる金額がその分減っている点に注意しましょう。
商品によって条件が異なります。安定した収入がない学生を対象外としている商品が多く、多くのカードローンは満20歳以上で安定継続収入があることを条件にしています。学生本人名義のクレジットカードにキャッシング枠が付帯されている場合でも、限度額は低めに設定されるのが一般的です。
貸金業法上の総量規制(年収の3分の1まで)は、クレジットカードのキャッシングや消費者金融のカードローンが対象です。一方、銀行のカードローンは銀行法の管轄で貸金業法の対象外のため、この規制を直接受けません。ただし銀行も自主的に年収基準の目安を設けて審査しているため、際限なく借りられるわけではありません。
多くの場合、借入日から返済完了日までの日数に応じて日割りで利息が発生します。例えば年18.0%の金利で10万円を30日間借りた場合の利息は1,479円ほどですが、10日で返済できれば493円ほどに抑えられます。借りたらできるだけ早く返すことが、利息を減らす基本になります。
まとめ
この記事のポイント
- キャッシングはクレジットカード付帯の借入機能、カードローンは借り入れ専用の金融商品
- 金利はキャッシングが年15.0〜18.0%程度、カードローンが年1.5〜14.5%程度と、カードローンの方が低い傾向
- 50万円を50回で返済した場合の利息差は約58,000円という試算もあり、まとまった金額を借りるならカードローンが有利になりやすい
- キャッシング・消費者金融のカードローンは総量規制(年収の1/3まで)の対象。銀行カードローンは対象外だが独自基準で審査される
- 借入前は返済シミュレーションをして、無理のない金額・期間で利用する
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