結論
バス運賃の値上げは2025〜2026年に全国で連鎖中。理由は「運転手不足」「燃料費高騰」「コロナ赤字」の三重苦

2025年春から2026年春にかけて、関東・関西・九州を中心に路線バスの運賃値上げが相次いでいる。均一区間で10〜40円、定期代で約9〜14%の引き上げが主流。今後も値上がりが続く見込みで、ICカード活用や定期購入タイミングの見直しが節約のカギになる。

通勤・通学でバスを使っている人にとって、「また値上がりするの?」という不安は切実だ。実際、2025〜2026年にかけて全国の路線バス事業者が相次いで運賃改定を実施している。東京・神奈川・埼玉・大阪・兵庫・福岡など、主要都市の多くのバスが値上がりした。

本記事では、バス値上げの理由・背景から、会社別の値上げ一覧、定期代への影響、節約術までをまとめて解説する。自分が使うバスがいつ・いくら上がったのかを確認し、生活費への影響を最小限に抑えよう。

バスが値上がりする3つの理由

全国でバス運賃の値上げが相次いでいる背景には、バス会社が抱える構造的な問題がある。主な理由は以下の3つだ。

👨‍✈️
運転手不足・賃金改善

バス運転手の平均給与は全産業平均を下回る。人材確保のために賃金引き上げが急務。その原資を運賃値上げで確保。

燃料費・維持費の高騰

軽油・ガソリン価格の高止まりと、部品・修繕費の上昇がコスト圧迫。経営を維持するための値上げが不可欠。

📉
コロナ禍の累積赤字

国土交通省によると、令和2〜4年度の全国路線バス累積赤字は約4,000億円。経営体力の回復が急務。

① 運転手不足と「2024年問題」

バス運転手の平均給与は長年にわたって全産業平均を下回っており、慢性的な人手不足が続いている。さらに2024年4月から改正労働基準法によるドライバーの残業上限規制が強化(いわゆる「2024年問題」)され、残業代減少により収入がさらに下がるリスクが生じた。

担い手を確保・維持するためには賃金水準の引き上げが欠かせない。国土交通省も「バス運転者の賃金引上げ原資を確保する」ことを明示して、貸切バスの公示運賃改定を実施している。

② 燃料費・コストの高止まり

軽油価格の高止まりに加え、部品や修繕費用も上昇傾向にある。路線バスは大量の燃料を消費するため、燃料費は経営コストの大きな部分を占める。インフレによる諸コスト上昇がバス会社の経営を直撃している。

③ コロナ禍の赤字と経営体力の低下

国土交通省の推計によると、コロナ禍(令和2〜4年度)の3年間で全国の路線バスの累積赤字は約4,000億円に上った。利用者数はコロナ前に比べて回復しているものの、経営体力が落ちた状態での値上げ圧力は依然として強い。

都営バスは据え置き中東京都営バスは2026年5月時点で大人210円を維持している。民営バスが230〜250円に値上がりする中、都営バスとの運賃差が以前より拡大している(2024年以前は10円差→現在は20〜40円差)。

【2025〜2026年】主要バス会社の値上げ一覧

2025年春から2026年春にかけての主要バス会社の運賃改定を、エリア別にまとめた。

関東エリア(東京・神奈川・埼玉)

会社名 実施日 主な変更内容 定期代
京急バス 2025年3月18日 横浜市内均一:220円→240円 値上げ
国際興業バス(埼玉) 2025年4月1日 埼玉県内全路線で20円値上げ 値上げ
国際興業バス(東京) 2025年10月1日 東京都内 IC:230円→240円 値上げ
東急バス 2025年10月1日 東京都内・川崎・横浜:現金230円→250円、IC230円→240円 値上げ
小田急バス 2025年10月1日 均一:240円→250円 値上げ
関東バス(均一区間) 2026年3月1日 現金・IC:230円→240円 値上げ
京急バス 2026年3月18日 均一区間:240円→250円
変動制初乗り:200円→220円
約9.5%値上げ
東武バスセントラル 2026年3月28日 初乗り:200円→220円(8.89%値上げ) 値上げ
東武バスウエスト 2026年3月28日 初乗り:200円→220円(13.95%値上げ) 値上げ
神奈中バス 2026年4月4日 横浜市内均一:220円→240円 値上げ

※ 黄色ハイライト行は2026年の値上げ。

関西エリア(大阪・兵庫)

会社名 実施日 主な変更内容 定期代
阪急バス(大阪・兵庫) 2024年10月1日 大阪・兵庫エリア:10〜20円程度値上げ 値上げ
阪神バス 2024年10月1日 神戸特区を除く全線:230円→240円 値上げ
近鉄バス 2024年10月1日 茨木・摂津・吹田エリア:230円→250円 値上げ
神戸市営バス 2024年10月1日 普通区:210円→230円 値上げ
阪急バス(兵庫エリア) 2025年9月1日 兵庫エリア追加値上げ 値上げ
阪神バス 2025年9月1日 神戸特区廃止、全区間250円に統一 値上げ

九州エリア(福岡・熊本)

会社名 実施日 主な変更内容 定期代
西鉄バス(久留米・佐賀) 2025年2月1日 久留米・佐賀地区で値上げ 値上げ
熊本都市バス 2025年10月1日 運賃・定期代の値上げ 値上げ
熊本電鉄バス 2025年10月1日 運賃・定期代の値上げ 値上げ
九州産交バス 2025年10月1日 運賃・定期代の値上げ 値上げ

その他エリア(広島・宮城など)

会社名 実施日 主な変更内容 定期代
広島電鉄バス 2025年2月1日 広島市内均一:220円→240円、その他30〜80円値上げ 値上げ
宮城交通 2025年3月1日 運賃・定期代の値上げ 値上げ
相鉄バス 2025年3月15日 運賃・定期代の値上げ 値上げ

上記は一部抜粋ですここで紹介した会社以外にも、全国各地で多数のバス会社が値上げを実施・予定している。利用するバス会社の公式サイトや、駅すぱあとのページで最新情報を確認することをおすすめする。

通勤・通学定期代はいくら上がる?

運賃改定は定期代にも直撃する。値上げ率は概ね通勤・通学定期ともに約9〜14%が目安だ。

通勤定期への影響

例として、京急バスの2026年3月18日改定では通勤定期が約9.5%値上がりした。仮に1ヶ月の通勤定期が改定前に8,000円だった場合、改定後は8,760円程度になる計算で、年間で約9,000円の追加負担となる。

会社員の場合、通勤手当の申請内容を更新する必要がある。運賃改定後は忘れずに人事・総務部門に申請を出そう。

通学定期への影響

学生の通学定期も値上げの対象となっており、京急バスでは約9.5%の引き上げが実施されている。保護者にとっても家計への影響は無視できない。

一部のバス会社では、運賃改定日前後に残日数がある定期について、差額精算なしで買い替えができる経過措置を設けている場合がある。各社の公式サイトで確認してほしい。

会社の通勤手当はどう変わる?

企業の通勤手当は「実費支給」が一般的なため、定期代が上がれば手当額も増える。ただし自動的に増額されるわけではなく、従業員が改定後の定期代を申請する必要がある点に注意しよう。申請が遅れると、差額を自己負担する期間が生じてしまう。

定期代更新のタイミングに注意次の定期更新の前に必ず改定後の金額で申請しよう。通勤費管理システムを使っている企業では自動更新される場合もあるが、確認は必須だ。

バス値上げで損しないための節約術

値上がりは避けられないが、うまく対処すれば出費の増加を抑えることができる。実践的な節約術を紹介する。

① ICカードを必ず使う

一部のバス会社では、現金よりICカード(Suica・PASMOなど)のほうが安い場合がある。また、IC決算では乗り降りの手間が減り、スムーズに乗車できる。現金払いを続けている人はICカードへの切り替えを検討しよう。

② 値上げ前に長期定期を購入する

運賃改定が決まっている場合、改定前に6ヶ月定期を購入することで、有効期間中は旧運賃が適用される。年間で数千円単位の節約になるケースもある。ただし、払い戻しは手数料がかかる場合があるので、利用頻度をよく考えたうえで購入しよう。

③ 定期券の必要性を見直す

週休2日制の場合、1ヶ月の通勤日数は約20日前後になる。乗車回数によっては、定期券より1回ずつ払う方が安くなるケースもある。「1ヶ月定期の元を取るには何回乗ればいいか?」を計算してみると良いだろう。

④ 代替交通手段を検討する

バスの値上げをきっかけに、電車との乗り換えルートを見直したり、自転車や電動キックボードを活用したりする方法もある。特に短距離の場合は、自転車通勤への切り替えで交通費をゼロにできる可能性もある。

今後もバスは値上がりし続けるのか?

残念ながら、バス運賃の値上がりはしばらく続くと見られている。その理由は構造的な問題が解消されていないからだ。

値上がりが続く理由
  • 運転手不足は解消されていない
  • 燃料費の高止まりが続いている
  • コロナ赤字の回収が途上
  • 人口減少で利用者数の回復が見込みにくい
  • インフラ維持コストの増大
値上がりを抑える要因
  • 公共交通への補助金・支援策
  • AI・自動運転技術による省人化
  • 都営バスなど公営交通の価格抑制
  • 利用者離れを防ぐための競争

国土交通省は地方バス路線の維持や運転手確保を目的とした支援策を検討しているが、人口減少・過疎化が進む地域では路線の縮小・廃止のリスクも高まっている。「値上がりしながら路線も減る」という状況が広がる可能性もある。

今後もバス会社の公式サイトやニュースで運賃改定の情報を定期的にチェックし、早めの対策を取ることが重要だ。

この記事のまとめ

  • バス値上げの主な理由は「運転手不足による賃金改善」「燃料費高騰」「コロナ赤字回収」の三重苦
  • 2025〜2026年に関東・関西・九州など全国主要都市のバスが相次いで値上げ。均一区間で10〜40円、定期代9〜14%程度の引き上げが多い
  • 節約術は①ICカード活用②値上げ前に長期定期購入③定期の必要性を計算④代替交通手段の検討
  • 構造的な問題が解消されていないため、今後も値上がりが続く可能性が高い。定期的に最新情報をチェックしよう

よくある質問

なぜバスの運賃が値上がりしているのですか?

主に3つの理由があります。①バス運転手の不足に対応するための賃金引き上げ(その財源として運賃値上げが必要)、②燃料費・維持費の高騰、③コロナ禍による累積赤字(国土交通省推計で約4,000億円)の回収です。これらは構造的な問題のため、しばらく値上げ傾向が続くと見られています。

自分が使うバスはいつ値上がりしますか?

バス会社によって実施日が異なります。本記事の一覧表を参照するか、利用するバス会社の公式サイトや駅すぱあとの運賃改定情報ページを確認してください。2026年春(3〜4月)に関東を中心に多くの会社が値上げを実施しました。

バス値上げへの対策はありますか?

以下の対策が効果的です。①ICカード(Suica・PASMO等)を使う(現金より安い場合あり)、②値上げ前に6ヶ月定期を購入して旧運賃を適用させる、③通勤日数から定期券の必要性を再計算する、④電車や自転車などの代替手段を検討する。会社員の場合は定期代改定後に通勤手当の申請更新も忘れずに。

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