「阪急バスがまた値上げするって本当?」と気になっていませんか。実は阪急バスは2024年10月、2025年9月、そして2026年9月と3年連続で運賃改定を実施しており、特に2026年9月からは70歳以上の高齢者専用定期券「はんきゅうグランドパス70」が大きく値上げされます。この記事では、阪急バスの値上げスケジュール・対象エリア・改定額・理由・対策を、公式リリースのファクトを元にまとめました。サブ的に阪急電車(阪急電鉄)の運賃改定状況にも触れていますので、関西で阪急を使う方はぜひ確認してみてください。
阪急バス値上げの最新スケジュールまとめ
阪急バスの値上げは、ここ数年で段階的に進んでいます。2023年9月にも京阪神エリアで運賃改定があり、その後も毎年のように改定が続いている状況です。まずは直近3回の改定スケジュールをざっと押さえておきましょう。
実施済
実施済
予定
阪急バスの運賃改定は、認可上限運賃まで一度に上げるのではなく、お客様への影響を考慮して段階を踏んで実施する方針が公表されています。2024年10月の改定資料でも「認可上限額まで達さない一部エリアについて、来年度上半期を目途に上限額までの改定を予定」と明記されており、その通り2025年9月の兵庫エリア改定につながっています。
2026年9月の値上げ|はんきゅうグランドパス70 改定
2026年で最も注目すべき値上げが、2026年9月1日(火)からのはんきゅうグランドパス70の運賃改定です。70歳以上を対象とした阪急バス全線フリー定期券で、今回は通常の改定と違って改定幅がかなり大きいので、対象の方は事前に内容を確認しておきましょう。
改定日と対象
- 実施日:2026年9月1日(火)
- 対象:はんきゅうグランドパス70(70歳以上の阪急バス全線フリー定期券)
- 値上げ率:25〜33%
- 備考:通勤定期券・通学定期券・普通運賃には変更なし
改定前と改定後の発売額(公表分)
公式発表で具体的な金額が明らかになっている改定前後の発売額をまとめると以下の通りです。3ヶ月で+5,200円、1年で+17,800円の負担増となります。
| 有効期間 | 改定前 | 改定後(2026年9月1日〜) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 3ヶ月 | 15,700円 | 20,900円 | +5,200円(約33%) |
| 1年 | 53,600円 | 71,400円 | +17,800円(約33%) |
1ヶ月・6ヶ月の具体的な改定後額は、本記事執筆時点(2026年5月)では公式のプレス画像内のみで公開されています。最新の発売額は阪急バス公式サイトの定期券運賃ページか、各営業所での確認をおすすめします。
払戻基準額の変更(240円→250円)
2026年9月1日以降に発売するグランドパス70の払戻し基準額は240円から250円に変更されます。払戻し額の計算は「発売日時点の払戻基準額」をもとに行われるため、2026年8月31日までに購入した場合は240円、9月1日以降に購入した場合は250円で計算されます。
顔写真の提出・呈示が廃止
同じく2026年9月1日から、グランドパス70の顔写真の提出・呈示が不要になります。乗降時にIC読取機へタッチするだけでよくなり、よりスムーズに利用できるようになります。ただし、購入時の年齢確認のための公的証明書の呈示は引き続き必要で、2026年8月31日までは購入時・利用時とも顔写真が必要なので注意しましょう。
阪急バスと阪神バスの「はんきゅうグランドパス70」は共通定期券で、阪神バス側も2026年9月1日から同額に改定されます。阪神バスでは加えて普通運賃が250円→260円、通勤6ヶ月定期が60,750円→63,180円に値上げされる点も覚えておきましょう。
2025年9月の値上げ|兵庫エリアの運賃改定とグランドパス65販売終了
2025年9月1日(月)に実施された兵庫エリアの運賃改定は、2024年10月の改定で「来年度上半期を目途に上限額まで改定する」と公表されていた部分の実施回でした。同時に、65〜69歳向けの「はんきゅうグランドパス65」も販売終了となり、影響を受けた人が多い改定です。
改定日と対象エリア
- 実施日:2025年9月1日(月)
- 対象:兵庫エリア(大阪・京都エリアの運賃は変更なし)
- 兵庫エリアの対キロ区間制運賃は変更なし
- 一部路線で対キロ区間制から「地帯制」への運賃制定形態変更(上限運賃変更認可の対象)
具体的な区間別の改定額は、阪急バス公式の経路検索ページで2025年9月以降の日時・利用区間を入力すると改定後の運賃が表示されます。改定の全体像については2025年4月7日付の改定概要PDF(阪急バス公式)でも確認できます。詳細は公式サイトをチェックしてみてくださいね。
2024年10月の改定では兵庫エリアは比較的小幅な改定にとどまっており、2024年6月の公式リリースで「認可上限額まで達さない一部エリアについて、来年度上半期を目途に上限額までの改定を予定」と明記されていました。この「上限額までの改定」を実施したのが、今回(2025年9月)の改定にあたります。
グランドパス65の販売終了(2025年8月31日)
同じ改定のタイミングで、65歳〜69歳を対象とした「はんきゅうグランドパス65」が2025年8月31日(日)で新規発売を終了しました。2025年8月31日までに購入した方は、有効期間内であれば引き続き利用できます。一方、グランドパス70(70歳以上)はそのまま継続販売されています。
65〜69歳のユーザーへの影響
グランドパス65が廃止されたことで、65〜69歳でバス通勤・通学・買い物に頻繁に利用する方は通勤定期券への切り替えが必要になります。利用区間によっては年間で金額が倍近くになるケースもあり、影響が大きい変更といえるでしょう。
2025年9月1日の改定では、hanica定期券の「乗越し制度」(定期券面に記載の運賃区間を超えて利用する場合の運賃)も変更されています。区間外利用が多い方は、改定後のルールを公式サイトで確認しておきましょう。なお、hanicaのチャージ額に対するプレミア率は8%で据え置きです。
2024年10月の値上げ|大阪・兵庫エリアの運賃改定
2024年10月1日(火)に大阪・兵庫エリアで実施された運賃改定は、2023年9月の上限運賃変更認可申請を受け、段階的に上限額まで改定していく流れの2回目にあたります。大阪エリアでは比較的わかりやすい一律値上げが行われました。
大阪エリアは普通運賃が一律20円アップ
大阪エリアでは、現行運賃区間ごとに一律20円の値上げが実施されました。具体的な改定例は次の通りです。
| 区間 | 改定前 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 230円区間 | 230円 | 250円 | +20円 |
| 250円区間 | 250円 | 270円 | +20円 |
| 270円区間 | 270円 | 290円 | +20円 |
| 290円区間 | 290円 | 310円 | +20円 |
| 茨木〜余野(忍頂寺車作線) ※最大値上げ区間 | 830円 | 940円 | +110円 |
最も大きく値上げされたのは、JR茨木駅・阪急茨木市駅から余野方面の忍頂寺車作線(830円→940円、+110円)でした。郊外の長距離路線ほど改定幅が大きい傾向です。
高齢者専用定期券と通学定期券の改定
普通運賃だけでなく、各種定期券にも変更が入りました。
- 高齢者専用定期券(はんきゅうグランドパス65・70):発売額を改定
- 通学学期定期券(阪急スクールパス630およびフリー):割引率を引き上げ
- 通勤定期券・通学定期券:割引率の変更なし
- ICカード「hanica」のチャージプレミア率:8%で据え置き
尼崎市域は阪神バスの運賃に同調する形になっており、エリアによって扱いが分かれています。
阪急バスが値上げした理由
「なぜここまで連続で値上げするの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。阪急阪神ホールディングスのプレスリリースでは、運賃改定の理由として大きく3つが示されています。
運転者不足と人件費の上昇
バス業界全体で深刻化している運転者不足に対応するため、人件費・待遇改善コストが増加しています。阪急阪神HDのリリースでも「深刻化する運転者不足に対応するための待遇改善」が明示されています。2024年問題(自動車運転業務の時間外労働上限規制)以降、業界全体で運転手の確保が難しくなっており、阪急バスも同様の課題に直面しています。
燃料費・原材料・電気代の高騰
燃料を始めとした全般的な物価高騰が、バス事業の運営コストを押し上げています。タイヤや車両部品、メンテナンス費用、車庫の電気代まで含めて全方位的にコストが上昇している状況です。
環境対策(EVバス導入)のコスト
カーボンニュートラルへの対応として、EVバスの導入も進められています。EVバスは車両価格が従来のディーゼル車より高く、充電設備の新設も必要なため、事業運営コストを更に押し上げる要因になっています。
運転者不足・燃料費高騰・環境対策コストの3点セットは、阪急バスに限らず全国の路線バス事業者が共通して抱えている課題です。2026年4月の値上げ一覧記事でも見られるように、物価上昇の波は公共交通機関にも広がっています。
値上げ前にできる対策と影響を抑える方法
値上げが避けられないなら、せめて影響を最小限に抑えたいですよね。阪急バスの公式ルールをもとに、値上げ前に検討できる対策を整理しました。
定期券は改定前日まで「改定前運賃」で買える
阪急バスの定期券は、改定日の前日まで改定前の運賃で購入可能です。継続購入は有効期限の13日前から購入できるため、改定日を跨ぐ場合は事前購入で値上げ前運賃を確保できます。
改定日前に購入した定期券は、有効期間内であれば改定日を跨いでもそのまま利用できます(差額の追加支払いは不要)。例えば2026年8月31日までに購入したグランドパス70は、有効期間内であれば9月1日以降も改定前のままご利用いただけます。
ICカード「hanica」のプレミア率を活用
阪急バスのICカード「hanica」は、チャージ額に対して8%のプレミアが付くお得な仕組みです(2026年5月現在)。例えば3,000円チャージすると240円分のプレミアが付与され、合計3,240円分として使えます。複数回の改定を経てもプレミア率は8%で据え置かれているため、頻繁にバスを使う方は活用したい仕組みです。
1日乗車券・PiTaPa 1ヵ月定額型サービスの活用
利用頻度や用途によっては、1日乗車券やhanica定期券、PiTaPa 1ヵ月定額型サービスなど、自分の使い方に合った商品を選び直すことで負担を抑えられる可能性があります。
PiTaPa 1ヵ月定額型サービスは、よく利用する区間の運賃を事前に登録しておくと、登録運賃以下の区間を1ヵ月間(毎月1日〜末日)何回乗っても定額になる仕組みです。インターネットから登録でき、窓口に行く必要がないのもメリット。運賃改定があると登録内容を一度削除して再登録する必要があるので、対象の方は改定タイミングを忘れずに確認しておきましょう。
事前にやっておきたいチェックリスト
- 自分の利用エリア(大阪/兵庫/京都)と利用区間が改定対象か確認する
- 定期券更新タイミングが改定日を跨ぐ場合、13日前から事前購入を検討する
- 70歳前後の方は、グランドパス70の改定前後でどちらが得か比較する
- hanicaチャージのプレミア(8%)と現金払いの差を計算しておく
- PiTaPa 1ヵ月定額型サービス登録者は、改定後の再登録手続きを忘れない
- 家族で阪急バスを利用しているなら、定期種別の見直しを家族単位で行う
阪急電車(阪急電鉄)の運賃値上げ状況
「阪急バスが値上げするなら、阪急電車も値上げするの?」と気になる方も多いはず。結論からいうと、阪急電鉄は現時点で新たな運賃改定の予定を公表していません。直近の改定は2023年4月の「鉄道駅バリアフリー料金」の上乗せです。
直近の運賃改定(2023年4月1日のバリアフリー料金)
2023年4月1日に阪急電鉄が実施した運賃改定は、国土交通省の「鉄道駅バリアフリー料金制度」の活用によるもの。神戸高速線を除く全線で普通運賃に一律10円が上乗せされ、通勤定期券(通学定期券を除く)も最大2,060円(6ヶ月)の増額となりました。
- 普通運賃:一律+10円(神戸高速線除く)
- 通勤定期券(6ヶ月):最大+2,060円
- 徴収期間:2023年度〜2035年度(2036年度以降も継続予定)
- 使途:ホームドア・エスカレーター等の駅整備
- 年間収入見込み:約36億円
今後の運賃改定予定
阪急電鉄の公式FAQでは、「現時点では新たな運賃改定の予定はございません」と回答されています(2025年3月25日更新)。バス事業と鉄道事業で扱いが異なる点は押さえておきたいポイントです。
関西の鉄道では、京阪電車が2025年10月に値上げを実施するなど、私鉄各社で運賃改定の動きが続いています。首都圏でも山手線や東京メトロで運賃改定・改定予定があり、全国的に鉄道の値上げ局面に入っているといえそうです。
阪急バスの値上げに関するよくある質問
直近の値上げは2024年10月1日(大阪・兵庫エリア)、2025年9月1日(兵庫エリア)、2026年9月1日(はんきゅうグランドパス70)の3回です。普通運賃の改定は2025年9月で一区切りとなり、2026年9月は70歳以上の高齢者専用定期券のみの改定となります。
はい、はんきゅうグランドパス65(65〜69歳対象)は2025年8月31日で新規発売を終了しました。2025年8月31日までに購入した定期券は、有効期間内であれば引き続き利用可能です。70歳以上向けのグランドパス70は引き続き販売されています。
はい、改定日前に購入した定期券は有効期間内であれば改定日を跨いでもそのまま使えます。差額の追加支払いは不要です。継続購入の場合、改定日以降に購入する分は改定後の運賃が適用される点に注意してください。
阪急阪神ホールディングスのプレスリリースによると、(1)深刻化する運転者不足への待遇改善、(2)燃料を始めとした物価高騰、(3)環境対策としてのEVバス導入コスト、という3つが主な理由として挙げられています。利用者の減少傾向もあわせ、収支改善のため改定を実施しているとしています。
阪急電鉄の公式FAQ(2025年3月25日更新)では、現時点で新たな運賃改定の予定はないと案内されています。直近の改定は2023年4月1日のバリアフリー料金10円上乗せです。今後の動向は阪急電鉄の公式サイトで確認してみてください。
阪急バス公式サイトの経路検索ページで、改定日以降の日付と利用区間を入力すると改定後の運賃が表示されます。区間別の運賃表も「運賃・乗車券」ページから市町別に確認可能です。
まとめ|阪急バスの値上げは段階的に進行中
この記事の要点
- 阪急バスは2024年10月・2025年9月・2026年9月と3年連続で運賃改定を実施
- 2024年10月:大阪エリア普通運賃が一律20円アップ/高齢者・通学定期券も改定
- 2025年9月:兵庫エリアの実施運賃を上限まで改定/グランドパス65販売終了
- 2026年9月:はんきゅうグランドパス70を25〜33%値上げ(1年53,600円→71,400円)
- 値上げ理由は運転者不足・燃料高騰・EVバス導入の3点
- 改定日前日まで改定前運賃で定期券を購入可能。継続購入は有効期限13日前から
- 阪急電鉄(鉄道)は2023年4月の改定後、新たな改定予定は未発表
3年連続の値上げで「阪急バスを使い続けて大丈夫?」と心配になる方もいるかもしれませんが、運賃改定の対象や時期はエリア・利用するチケット種類によって全く違うのがポイントです。普通運賃のみ利用する方、通勤定期券派、グランドパス利用者…それぞれ影響の出方が違うので、まずは自分の利用パターンに当てはまる改定だけをチェックして、必要に応じて事前購入や乗車券の見直しを進めてみてくださいね。
普段の買い物でも物価上昇を実感している方は多いはず。日々の出費の見直しには、価格チャートで「いつが買い時か」を確認できるプライシーのアプリも便利です。値上げの波を上手に乗り越えていきましょう。
