東京メトロの値上げは2段階で進みます。2026年3月14日に千代田線(綾瀬〜北千住)の特定運賃と一部フリーきっぷが値上げ済みで、さらに2028年3月を目処に全路線の本格的な運賃改定が予定されています。この記事では、値上げの内容・理由・影響・節約対策をまとめて解説します。

結論
東京メトロの値上げは2026年実施済み+2028年予定の2段階

2026年3月14日に一部運賃・フリーきっぷが値上げ済み。2028年3月には民営化後初となる全路線の本格的な運賃改定が予定されています(値上げ幅は未定)。

2026年3月実施済み 千代田線(綾瀬〜北千住)IC: 146円→155円、共通1日乗車券: 900円→1,100円
2028年3月予定 全路線の基本運賃改定を検討中。値上げ幅は未発表(国交省への認可申請が必要)

東京メトロ 値上げの全体スケジュール

東京メトロの値上げは大きく2段階あります。すでに2026年3月14日に実施された値上げと、2028年3月に予定される本格的な運賃改定です。まず全体像を確認しましょう。

✓ 実施済み
2026年3月14日
千代田線(綾瀬〜北千住)特定運賃の値上げ。東京メトロ・都営共通1日乗車券などフリーきっぷの値上げ。
予定
2028年3月ごろ
全路線の基本運賃・定期券の本格改定を検討中。民営化後初・1995年以来の全面見直し。具体的な値上げ幅は未定。
⚠ 2026年3月の改定は全路線ではありません

2026年3月14日の改定対象は「千代田線(綾瀬〜北千住)の特定運賃」と「企画乗車券(フリーきっぷ)」のみです。一般の基本運賃は改定されていません。全路線の改定は2028年3月の予定です。

2026年3月14日の値上げ内容を詳しく解説

2026年3月14日のダイヤ改正にあわせて、東京メトロの一部運賃と企画乗車券が値上げされました。

千代田線(綾瀬〜北千住)の特定運賃

千代田線の綾瀬駅〜北千住駅間は、JR常磐線と並走しているため、JRの運賃を基準にした「特定運賃」が適用されています。2026年3月14日のJR東日本の運賃改定にあわせて、この区間も値上げとなりました。

種別 変更前 変更後 差額
大人 ICカード 146円 155円 +9円
大人 きっぷ 150円 160円 +10円
小児 ICカード 73円 77円 +4円
小児 きっぷ 70円 80円 +10円
通勤定期 1ヶ月 4,230円 4,910円 +680円

この区間の特定運賃は、鉄道駅バリアフリー料金が含まれず、加算もされません。

フリーきっぷ(企画乗車券)の値上げ

東京メトロと都営地下鉄が共同で発売しているフリーきっぷも値上げされました。観光やレジャーでよく使われるチケットが大きく値上がりしています。

乗車券名 変更前(大人) 変更後(大人) 差額
東京メトロ・都営共通1日乗車券 900円 1,100円 +200円
東京メトロ24時間券 610円 750円 +140円
東京メトロ・都営共通1日乗車券(小児) 450円 550円 +100円
東京メトロ24時間券(小児) 310円 380円 +70円
🗒 観光客向け「Tokyo Subway Ticket」も値上げ

訪日外国人に人気の「Tokyo Subway Ticket」も同日改定。24時間券800円→1,000円、48時間券1,200円→1,500円、72時間券1,500円→2,000円。「東京フリーきっぷ」(JR・メトロ・都営1日乗り放題)は1,600円→1,720円。なお2026年3月25日からQRコード乗車にも対応しました。

ℹ JR東日本の運賃改定も同日実施

2026年3月14日は、JR東日本(IC初乗り155円)、西武鉄道(IC初乗り169円)、つくばエクスプレス(IC初乗り180円)など首都圏の複数鉄道会社が一斉に運賃改定を行いました。東京メトロの一般運賃は今回の対象外でした。

2028年に予定される本格的な運賃改定とは?

いつから・どのくらい上がる?

2026年4月28日の決算記者会見で、東京地下鉄株式会社の小坂彰洋社長が「2028年3月を目処に全路線の運賃を引き上げる方向で検討している」と発表しました。

改定予定時期
2028年3月ごろ
国交省への認可申請が必要
値上げ幅
未定
2026年5月時点で具体的な金額は未発表

発表時点では具体的な値上げ幅は明らかになっていません。国土交通省への変更認可申請と審議を経て、詳細が決まる見通しです。「2028年3月」という約2年前のリードタイムは、行政手続きや利用者への周知に必要な準備期間となっています。

民営化後初の全面的な値上げ

東京メトロの前身・帝都高速度交通営団が民営化されて東京地下鉄株式会社となったのは2004年4月。以降、消費税転嫁やバリアフリー加算を除く実質的な基本運賃の引き上げは行われていませんでした。全面的な見直しとしては1995年以来となる歴史的な改定です。

時期 内容
1995年 前回の全面的な運賃引き上げ(営団地下鉄時代)
2004年4月 帝都高速度交通営団が民営化 → 東京地下鉄株式会社(東京メトロ)に
2023年3月18日 鉄道駅バリアフリー料金として全線で10円加算(用途限定の特定財源)
2024年10月 東京証券取引所プライム市場に上場(IPO)
2026年3月14日 千代田線(綾瀬〜北千住)特定運賃・企画乗車券を値上げ
2028年3月(予定) 全路線の基本運賃を本格改定(民営化後初・1995年以来の全面見直し)

東京メトロが値上げする理由

東京メトロが2028年の本格的な運賃改定に踏み切る背景には、主に3つの理由があります。

1
人件費・資材費の構造的な高騰

近年の急激なインフレや円安により、鉄道の運行・保守に必要なあらゆるコストが上昇しています。特殊鋼・銅・電子部品などの資材費に加え、深夜保守を担う専門職人材の確保コストも増加。これらは一時的ではなく構造的な変化であるため、恒久的な収益源である基本運賃の見直しが不可避と判断されました。

2
4,000億円規模の設備投資計画

2025〜2027年度の中期経営計画で総額4,000億円の設備投資を予定しています。内訳は既存路線の安全投資・バリアフリー化・自動運転技術導入に約3,500億円、有楽町線延伸(豊洲〜住吉)・南北線延伸(白金高輪〜品川)の新線建設に約500億円。この巨大投資の財源として運賃改定が必要とされています。

3
上場企業としての財務規律

2024年10月の東証プライム上場により、東京メトロは機関投資家・個人投資家の目に晒される純粋な民間企業となりました。ROE(自己資本利益率)の向上や安定的な配当維持が求められる中、インフレによるコスト増を吸収しながら投資を継続するには運賃のベースアップが論理的帰結となります。

💡 JR東日本と比べて2年遅れの理由

JR東日本は2026年3月に値上げを実施しましたが、東京メトロは2028年と2年遅れです。2025年3月期の東京メトロの営業利益率は約28.5%と高い収益力を持つため、他社より長く値上げを先送りできました。とはいえ、インフレの波からは最終的に逃れられないとの判断です。

定期券・通勤費への影響は?

2026年3月時点の定期券(一般路線)

2026年3月14日の改定は千代田線(綾瀬〜北千住)の特定区間と企画乗車券のみのため、一般路線の通勤・通学定期券は現在のところ変更ありません。ただし、綾瀬〜北千住を含む定期券をお持ちの方は、値上がり後の金額が適用されています。

2028年の改定で定期券はどうなる?

2028年3月の全面改定では、普通運賃とあわせて通勤・通学定期券も改定される可能性が高いと見られています。ただし、現時点(2026年5月)では定期券の値上げ幅は未発表です。発表されるまでは正確な金額は確認できません。

⚠ 通勤手当の再申請を忘れずに

2028年の改定が実施された場合、定期券の更新時から新運賃が適用されます。新しい定期代が会社の通勤手当の上限を超える場合は、人事・総務部門に早めに申請しましょう。定期券の有効期間中は旧運賃のまま使用できます。

値上げに備えた交通費の節約方法

東京メトロの値上げに備えて、今からできる節約対策を紹介します。

ICカード(PASMO・Suica)を使う

紙のきっぷよりもICカードのほうが安く乗れます。千代田線(綾瀬〜北千住)では、きっぷ160円に対してICカードは155円と5円の差があります。毎日の通勤・通学でICカードを使うだけで、年間で積み重なる節約になります。

メトロポイントクラブ(メトポ)を活用する

PASMO定期券でメトポに登録すると、乗車のたびにポイントが貯まります。「To Me CARD(クレジットカード)」との組み合わせでポイント還元率がアップ。貯まったポイントはPASMOへのチャージに使えます。

6ヶ月定期券で割引を最大化する

定期券は期間が長いほど割引率が高くなります。6ヶ月定期は1ヶ月ごとの購入と比べて約13〜15%お得になるケースが多いです。2028年の値上げが実施される前に長期定期を購入するという選択肢も検討できますが、引っ越しや転職の予定がない場合に限ります。

priceyアプリで日用品の値下がりをカバーする

交通費の値上がりは家計に直接響きますが、priceyアプリを使えばスマホで日用品・食料品の価格推移を確認し、値下がりのタイミングでまとめ買いできます。交通費以外の出費を見直すことで、家計全体のバランスを保てます。

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東京メトロ 値上げまとめ

  • 2026年3月14日に千代田線(綾瀬〜北千住)の特定運賃と企画乗車券が値上げ済み
  • 2028年3月を目処に全路線の本格的な運賃改定を検討中(民営化後初)
  • 2028年の値上げ幅は2026年5月時点で未定。国交省への認可申請が必要
  • 値上げの理由は人件費・資材費高騰、4,000億円の設備投資、上場後の財務規律
  • 節約対策はICカード利用、メトポ活用、6ヶ月定期の活用が基本

よくある質問

東京メトロはいつから値上げになりますか?

2段階あります。2026年3月14日に千代田線(綾瀬〜北千住)の特定運賃と一部フリーきっぷが値上げ済みです。さらに2028年3月を目処に、全路線の基本運賃の本格改定が検討されています。

2028年の値上げ幅はいくらですか?

2026年5月時点で具体的な値上げ幅は発表されていません。国土交通省への変更認可申請と審議を経て、詳細が決まる見通しです。発表があり次第、この記事を更新します。

定期券も値上げになりますか?

2026年3月の改定では、千代田線(綾瀬〜北千住)の特定区間の定期券のみ値上げされました(通勤1ヶ月: 4,230円→4,910円)。一般路線の定期券は現在未改定です。2028年の本格改定時には通勤・通学定期券も改定される可能性が高いと見られていますが、詳細は未定です。

千代田線の綾瀬〜北千住はなぜ値上がりしたのですか?

この区間はJR常磐線と並走しているため、JRの運賃を基準とした「特定運賃」が適用されています。2026年3月14日にJR東日本が運賃改定を実施したため、それにあわせて東京メトロの綾瀬〜北千住間の特定運賃も連動して改定されました。

東京メトロ24時間券はいくらになりましたか?

2026年3月14日の改定で、東京メトロ24時間券は大人610円から750円に、小児310円から380円に値上がりしました。東京メトロ・都営地下鉄共通1日乗車券は大人900円から1,100円、小児450円から550円になっています。

記事の内容は執筆時点の情報を基にしています。掲載している価格・日程・仕様等は変更になる場合があります。最新情報はご自身でご確認ください。