クレジットカードを作るとき、「国際ブランドはVisaとJCB、結局どっちがいいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。どちらも日本でよく見かけるブランドですが、実は加盟店の広がり方も、得意な特典の方向性もまったく違います。この記事では、VisaとJCBの違いを公式データで比較しながら、プライシー編集部が用途別の選び方まで整理して解説します。
迷ったらこの3パターンで考えてみてください。
Visa・JCBとは?国際ブランドの基礎知識
VisaもJCBも、クレジットカードの決済ネットワークを提供する「国際ブランド」です。カード会社(三井住友カードや楽天カードなど)が発行するカードには、必ずどれか1つの国際ブランドが付いています。世界にはVisa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Clubの「5大国際ブランド」があり、このうち日本で生まれた唯一の国際ブランドがJCBです。
JCBは1961年1月25日に「株式会社日本クレジットビューロー」として設立され、1981年から海外展開を始めました。JCB公式のCorporate Profileによると、2025年3月末時点の会員数は1億6,977万人、加盟店数は約5,600万店にのぼります。
一方のVisaは、1958年にアメリカのBank of Americaが「BankAmericard」として始めたサービスが前身で、1976年に「Visa」へ改称しました。Visa公式のFact Sheet(2025年6月末時点)では、利用可能な国と地域は200以上、加盟店は1億7,500万店以上と公表されています。設立の歴史はJCBよりVisaのほうが古く、規模の面でも世界最大級のネットワークを持っている、というのがまず押さえておきたい前提です。
VisaとJCBの違い一覧比較
まずは基本情報を一覧表で比較してみましょう。数字はすべて各社の公式発表資料に基づいています。
| 項目 | Visa | JCB |
|---|---|---|
| 発祥国 | アメリカ | 日本 |
| 設立 | 1958年(BankAmericardとして開始、1976年にVisaへ改称) | 1961年1月25日 |
| 会員数・カード数 | 決済クレデンシャル数 約50億(2025年6月末時点) | 1億6,977万人(2025年3月末時点) |
| 加盟店数(世界) | 1億7,500万店以上(2025年6月末時点) | 約5,600万店(2025年3月末時点) |
| 利用可能な国・地域 | 200以上 | 世界中(日本国内が特に強い、アジア・ハワイ等で拡大中) |
| プロパーカード | なし(すべて提携カード) | あり(JCB ORIGINAL SERIES等) |
| 本人認証サービス | Visa Secure | J/Secure |
| タッチ決済 | 対応 | 対応 |
| 海外キャッシング | 「Visa」「Plus」マーク付きATMで利用可 | 「JCB」「Cirrus」マーク付きATMで利用可 |
| 海外の日本語サポート | グローバル・カスタマー・アシスタンス・サービス | JCB PLAZA(ハワイ・グアム・台湾・韓国等)+ 24時間365日日本語コールセンター |
| 国内シェア(参考) | 50.8% | 28.0% |
国内シェアはIpsos「2020年キャッシュレス決済大規模調査」(2020年10〜11月・18〜79歳対象・回答者数209,883人)の数値です。やや古いデータですが公表されている国内シェアの一次情報としては現時点でもよく参照されており、Mastercardは17.8%でした。傾向としてはVisaが国内でも優勢な状況が続いているとみられます。
表を見ると分かる通り、会員数・加盟店数のスケールはVisaが圧倒的です。ただし数字が大きいからといって「Visaが常に正解」というわけではなく、JCBには日本国内に特化した強みがあります。次の章から、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
Visaの特徴・メリット・デメリット
Visaのメリット
Visa最大の強みは、なんといっても世界最大級の加盟店ネットワークです。200以上の国と地域、1億7,500万店以上の加盟店をカバーしているため、海外旅行や出張はもちろん、国内でも「Visaが使えなくて困った」という場面はほぼありません。
タッチ決済への対応も早くから進んでおり、コンビニやスーパーでのスマホ決済もスムーズです。実際の利用可能店舗については、Visaのタッチ決済が使える店は?業種別に解説でも詳しく紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
初めてクレジットカードを作る方にとっても、「とりあえず持っておけば困らない」という安心感は大きなメリットといえるでしょう。
Visaのデメリット
一方で、Visaには「プロパーカード」がありません。プロパーカードとは国際ブランドが自社で直接発行するカードのことで、JCBやAmerican Expressにはあります。Visaのカードはすべて三井住友カードや楽天カードなど提携会社が発行しているため、特典やサービスの内容は発行会社ごとに差が出やすいという側面があります。もっとも、Visa対応カードの選択肢自体は非常に多いので、発行会社を選ぶ楽しみと捉えることもできます。
ブランドごとのおすすめカードをまとめて比較したい方は、Visaカードおすすめはどれ?国際ブランド比較も参考になります。
JCBの特徴・メリット・デメリット
JCBのメリット
JCB最大の魅力は、日本発ブランドならではの国内優待の充実度です。JCB ORIGINAL SERIESパートナー店では対象の店舗でポイント還元率がアップするほか、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのオフィシャルスポンサーとして独自のキャンペーンを実施しているのもJCBならではです。
また、JCBはプロパーカードを自社発行しているため、「JCB カード W」のように年会費無料でも還元率が高いカードや、「JCBゴールド」「JCBプラチナ」といったステータス性の高いカードまで、一貫したサービス設計のラインアップが揃っています。JCB CARD Wと女性向けの派生カードとの違いはJCBカードWのデメリットとplus Lの違いで詳しく解説しているので、検討中の方はぜひ読んでみてください。
海外でも、ハワイやグアム、台湾、韓国など日本人に人気の旅行先では「JCB PLAZA」というサービス窓口が用意されており、現地の観光案内や加盟店予約を日本語でサポートしてくれます。海外でも日本語サポートを重視したい方には心強いポイントです。
JCBのデメリット
正直なところ、海外での加盟店シェアはVisaにまだ及びません。JCBの世界の加盟店数は約5,600万店で、Visaの1億7,500万店以上と比べると規模の差は明らかです。ヨーロッパやアメリカの小規模店舗では「JCBが使えなかった」というケースも起こり得るため、海外利用がメインになる方は注意が必要です。
VisaとJCB、どっちを選ぶべき?【プライシー編集部の選び方】
比較表だけを見ると「結局どちらが優れているのか」で迷ってしまいますよね。ここで押さえておきたいのが、VisaとJCBはそもそも目指している方向性が違うという点です。
プライシー編集部の見立て:Visaは「決済カードブランド」、JCBは「T&Eブランド(Travel & Entertainment=旅行・エンターテインメント)」と整理すると分かりやすくなります。前者は決済インフラの広さを追求し、後者は旅行・グルメ・エンタメの優待の濃さを追求している、というイメージです。
「どこでも使える」ことを最優先に設計。決済インフラの広さと信頼性が武器で、特典は発行会社ごとに任される。
「持っていて得をする」ことを重視。旅行・グルメ・エンタメの優待サービスを自社で作り込み、プロパーカードで一貫した体験を提供する。
この軸を踏まえたうえで、具体的な人物像に当てはめて考えてみましょう。
渡航先での「使えない」リスクを最小化したいなら、加盟店数で優位なVisaが安心です。海外旅行を重視したカード選びはクレジットカードのブランドおすすめ|海外旅行もあわせてチェックしてみてください。
普段使いのスーパーやコンビニ、レジャー施設での優待を活かしたいなら、国内特典が充実したJCBに軍配が上がります。
使える場所の広さを優先するならVisa。国内のポイント優待を重視したいならJCBも十分候補になります。
2枚持ちという選択肢
「結局どちらか一方に絞れない」という場合は、VisaとJCBを2枚持ちして使い分けるのも現実的な選択肢です。海外旅行や出張のときはVisa、日常の買い物やレジャー施設ではJCBの優待を活用する、という組み合わせなら、それぞれのブランドの強みだけを享受できます。
使い分けの目安:「海外で困らないための1枚(Visa)」+「国内でお得を積み重ねる1枚(JCB)」という役割分担で考えると、カード選びに迷いにくくなります。1枚のカードが使えないトラブルに備えられるという意味でも、2枚持ちにはメリットがあります。
VisaとJCBの代表的なカード例
最後に、それぞれのブランドを代表するカードを1枚ずつ紹介します。カード自体の詳細な比較・ランキングは別記事に譲り、ここではブランドの特徴が分かりやすい例として押さえておきましょう。
| カード名 | ブランド | 年会費 | ポイント還元率 |
|---|---|---|---|
| 三井住友カード(NL) | Visa | 永年無料 | 通常0.5%、対象のコンビニ・飲食店のスマホタッチ決済で最大7% |
| JCB カード W | JCB | 永年無料(18〜39歳で入会、以降も継続) | 常時1.0%(通常のJCBカードの2倍) |
より上位グレードのステータスカードを検討している方は、JCBのプロパーカードならではの優待が気になるのではないでしょうか。招待制の上位カードについてはJCBゴールド ザ・プレミアは申し込む価値がある?で詳しく解説しています。
よくある質問
海外に行く機会が多い方はVisa、国内利用が中心で優待を重視したい方はJCBがおすすめです。決めきれない場合は2枚持ちで使い分ける方法もあります。
あります。海外での対応力が高いVisaと、国内優待が充実したJCBを組み合わせることで、それぞれの弱点を補い合えます。1枚のカードが使えないトラブルへの備えにもなります。
国内の主要チェーン店ではほとんど問題なく使えますが、海外、とくにヨーロッパやアメリカの個人経営の小規模店舗では対応していないケースがあります。JCBの世界の加盟店数は約5,600万店で、Visaの1億7,500万店以上と比べると規模に差があるためです。
プロパーカードとは国際ブランドが自社で直接発行するカードのことです。Visaのカードはすべて三井住友カードや楽天カードなど提携会社が発行する「提携カード」で、Visa自体が発行するカードは存在しません。JCBにはJCB ORIGINAL SERIESというプロパーカードがあります。
Mastercardも国際ブランドの中で世界的なシェアを持つ「決済ブランド」で、Visaと似た性質を持ちます。日本国内ではコストコで唯一使える国際ブランドとしても知られています。VisaとMastercardの違いはVisaとマスターカードの違いは?選び方も解説で詳しく比較しています。
「使える場所の広さ」を優先するならVisaが無難です。ただし、国内のコンビニやカフェでのポイント優待を重視したいなら、年会費無料で還元率が高いJCB カード W(18〜39歳限定)も有力な候補になります。
国際ブランド自体に審査基準の違いはありません。審査を行うのはVisaやJCBではなく、三井住友カードやJCBカードなど各カード発行会社です。一般的に、流通系やネット系のカードは申し込みやすく、銀行系やステータス性の高いカードは審査がやや慎重に行われる傾向があります。
まとめ
- ✓Visaは加盟店1億7,500万店以上・利用可能な国と地域200以上を誇る世界最大級の「決済ブランド」
- ✓JCBは日本発唯一の国際ブランドで、プロパーカードと国内優待が強みの「T&Eブランド」
- ✓海外重視ならVisa、国内の優待重視ならJCB、迷ったら2枚持ちが現実的な選択肢
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