「障害年金が値上がりした」というニュースを見て、自分の受給額がいつからいくら増えるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。2026年度(令和8年度)は、障害基礎年金が前年度比+1.9%、障害厚生年金の報酬比例部分が+2.0%の増額改定となりました。本記事では、等級別の新金額・支給開始時期・前年度との比較・値上がりの理由をまとめて解説します。
いつから増額?支給スケジュールを確認
2026年度(令和8年度)の年金額改定は、2026年4月分の年金から新金額が適用されます。ただし、年金は「後払い」の仕組みのため、実際に口座へ振り込まれるのは少し後になります。
| 内容 | 時期 |
|---|---|
| 年金額の改定発表 | 2026年1月23日(厚生労働省) |
| 新金額の適用開始 | 2026年(令和8年)4月分から |
| 実際の支払い開始 | 2026年(令和8年)6月支給分(4・5月分)から |
障害年金は偶数月の15日(15日が土日祝の場合はその前日)に、前2か月分がまとめて支払われます。2026年4月・5月分の新金額は、2026年6月15日(月)の支給分から反映されます。
障害基礎年金の新金額(2026年度)
障害基礎年金は、自営業者・学生・専業主婦(夫)など、初診日に国民年金に加入していた方が対象です。障害の程度に応じて1級・2級があります(3級は基礎年金にはありません)。
1級・2級の受給額
| 等級 | 年額 | 月額(目安) |
|---|---|---|
| 1級 | 1,059,125円 | 88,260円 |
| 2級 | 847,300円 | 70,608円 |
※昭和31年4月1日以前生まれの方は1級1,056,125円(月額88,010円)、2級844,900円(月額70,408円)。月額は1円未満四捨五入の目安。
障害基礎年金1級の金額は、2級の1.25倍と法律で定められています。障害の程度がより重い方が1級の対象です。
子の加算額
18歳到達年度末(高校卒業相当)までの子どもを生計維持している場合、以下の加算が上乗せされます。
| 子の数 | 年額(1人あたり) | 月額目安(1人あたり) |
|---|---|---|
| 第1子・第2子 | 243,800円 | 20,316円 |
| 第3子以降 | 81,300円 | 6,775円 |
初診日が20歳前にある方の障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。
・前年所得が4,794,000円超の場合:全額支給停止
・前年所得が3,761,000円超の場合:2分の1の年金が支給停止
初診日が20歳以降の方や、障害厚生年金受給者には所得制限はありません。
家族構成別の受給額早見表
| 等級 | 子なし | 子1人 | 子2人 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 月額88,260円 | 月額108,577円 | 月額128,893円 |
| 2級 | 月額70,608円 | 月額90,925円 | 月額111,242円 |
※月額は年額を12で割った目安。「子」は18歳到達年度末までの子ども(障害等級1・2級の子は20歳未満まで)。
障害厚生年金の新金額(2026年度)
障害厚生年金は、初診日に厚生年金に加入していた会社員・公務員などが対象です。1・2級は障害基礎年金と合わせて受け取れます。
等級別の金額構成
| 等級 | 受給額の構成 |
|---|---|
| 1級 | 障害基礎年金(1,059,125円+子の加算)+ 報酬比例の年金×1.25 + 配偶者加給年金 |
| 2級 | 障害基礎年金(847,300円+子の加算)+ 報酬比例の年金 + 配偶者加給年金 |
| 3級 | 報酬比例の年金のみ (最低保障:年額635,500円 / 月額52,958円) |
| 障害手当金 | 報酬比例の年金の2年分(一時金) (最低保障:1,271,000円) |
障害厚生年金の報酬比例部分は、加入期間中の平均標準報酬月額や加入期間の長さによって個人ごとに異なります。「〇級だから〇円」と一概には言えません。給与が高く、加入期間が長いほど年金額も多くなります。正確な金額はねんきんネットや年金事務所でご確認ください。
配偶者加給年金
障害厚生年金1級または2級に該当し、生計維持関係にある65歳未満の配偶者(事実婚を含む)がいる場合に加算されます。
| 等級 | 年額 | 月額目安 |
|---|---|---|
| 1級・2級 | 243,800円 | 20,317円 |
| 3級・障害手当金 | なし | |
※配偶者自身が20年以上の老齢厚生年金・障害基礎年金などを受給している場合は対象外。
前年度(2025年度)との比較:いくら増えた?
「実際に毎月いくら増えるのか」を確認しましょう。障害基礎年金2級の場合、月額1,300円・年間15,600円の増額となります。
障害基礎年金の新旧比較表
| 等級 | 2025年度(令和7年度) | 2026年度(令和8年度) | 増加額(月) | 増加額(年) |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 月額 86,635円 | 月額 88,260円 | +1,625円 | +19,500円 |
| 2級 | 月額 69,308円 | 月額 70,608円 | +1,300円 | +15,600円 |
子の加算・配偶者加給年金の前年比較
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 増加額(年) |
|---|---|---|---|
| 子の加算(第1・2子) | 年額 238,900円 | 年額 243,800円 | +4,900円 |
| 配偶者加給年金(1・2級) | 年額 238,900円 | 年額 243,800円 | +4,900円 |
※2025年度の金額は厚生労働省・日本年金機構の公表値をもとにしています。
なぜ値上がりした?物価スライドの仕組み
障害年金の金額は、毎年度「物価スライド」と「賃金スライド」の仕組みに基づいて改定されます。これにより、物価や賃金の変動に応じて、年金の実質的な価値が維持されるよう設計されています。
物価スライドとは
物価スライドとは、消費者物価指数の変動に連動して年金額を調整する仕組みです。2025年の消費者物価指数が前年比+3.2%と上昇したことが、今回の改定の主な要因となっています。
マクロ経済スライドとの関係
ただし、年金財政の持続可能性を守るために「マクロ経済スライド」という調整が加わります。現役世代の減少や平均寿命の延びを考慮し、物価上昇率そのままではなく若干抑えられた改定率が適用されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名目手取り賃金変動率 | +2.3% |
| マクロ経済スライド調整 | ▲0.4% |
| 実際の改定率(基礎年金) | +1.9% |
| 厚生年金(報酬比例部分)の改定率 | +2.0% |
物価や賃金が下落した場合、年金額が引き下げられることもあります。ただし、急激な引き下げは行われず、段階的に調整される仕組みになっています。
障害年金生活者支援給付金も増額
障害年金に上乗せして支給される「障害年金生活者支援給付金」も、2026年度は増額されました。
| 等級 | 2025年度 | 2026年度 | 増加額(月) |
|---|---|---|---|
| 1級 | 月額 6,813円 | 月額 7,025円 | +212円 |
| 2級 | 月額 5,450円 | 月額 5,620円 | +170円 |
障害年金生活者支援給付金は、前年の所得が一定額以下であることが要件です。また、障害年金とは別に手続きが必要です。受け取れているかどうか不明な場合は、年金事務所または市区町村にご確認ください。
この記事のまとめ
- 改定率:障害基礎年金+1.9%、障害厚生年金(報酬比例)+2.0%
- 適用開始:2026年4月分から。実際の支払いは6月支給分より
- 障害基礎年金2級:月額70,608円(前年度比+1,300円/月、+15,600円/年)
- 障害基礎年金1級:月額88,260円(前年度比+1,625円/月、+19,500円/年)
- 障害厚生年金3級:最低保障月額52,958円(年額635,500円)
- 生活者支援給付金:1級月額7,025円、2級月額5,620円(別途手続き・所得要件あり)
- 値上がりの理由:物価スライド(CPI+3.2%)とマクロ経済スライド調整(▲0.4%)の適用
よくある質問
障害基礎年金2級は、月額70,608円(年額847,300円)になりました。前年度(2025年度)の月額69,308円から1,300円/月・15,600円/年の増額です。昭和31年4月1日以前生まれの方は月額70,408円です。
新金額は2026年4月分から適用されますが、年金は2か月分まとめて後払いのため、実際に口座に振り込まれるのは2026年6月15日支給分(4月・5月分)からです。
障害厚生年金3級の最低保障額は年額635,500円(月額52,958円)です。ただし、報酬比例の年金は個人の加入期間・標準報酬月額によって異なります。最低保障を上回る場合は、実際の計算額が支給されます。
2025年の消費者物価指数が前年比+3.2%上昇したことを受け、物価スライドが適用されたためです。ただし、年金財政の持続可能性を確保するため「マクロ経済スライド」により▲0.4%の調整が加わり、最終的な改定率は+1.9%となりました。
障害年金生活者支援給付金は、毎年度改定されますが、前年の所得が一定額以下であることが受給要件です。すでに受給中の方は、条件を満たしていれば自動的に新しい金額が適用されます。まだ申請していない方は、市区町村窓口または年金事務所で別途手続きが必要です。
