2026年の医療費は、2段階で値上がりすることが決まっています。6月の診療報酬改定と8月の高額療養費制度改正、それぞれいつ・いくら上がるのか、そしてどう対策すれば家計への影響を抑えられるのか、わかりやすく解説します。

結論
2026年の医療費値上げは「6月」と「8月」の2段階

2026年6月〜(診療報酬改定):初診料が+57円、再診料が+21円(3割負担の場合)。入院時の食費・光熱水費も上昇します。

2026年8月〜(高額療養費制度):月の自己負担上限額が4〜7%程度引き上げ。年収370万円以上の方は特に影響が出ます。

対策のカギは「市販薬の活用」「医療費控除」「限度額適用認定証の事前取得」の3つです。

2026年の医療費値上げ・変更一覧

2026年に実施される医療費関連の変更は大きく3つあります。まずは全体像を表で確認しておきましょう。

変更の種類 いつから 主な内容
診療報酬改定 2026年6月1日〜 初診+57円、再診+21円(3割負担)、食費・光熱水費も上昇
高額療養費制度 第1段階 2026年8月〜 月の自己負担上限額を4〜7%引き上げ。年間上限を新設
高額療養費制度 第2段階 2027年8月〜(予定) 所得区分を4→12区分に細分化。高所得層ほど上限が上昇
OTC類似薬の追加負担 2027年3月〜(予定) 市販薬と同成分の処方薬に薬代の1/4を追加負担
💡 薬価は2026年4月から引き下げへ(朗報)

診療報酬の改定とは別に、薬価(処方薬の公定価格)は2026年4月1日からマイナス0.87%の引き下げとなっています。処方薬の薬剤費は少し下がる可能性があります。診察料は上がりますが、薬代はわずかに安くなる方向です。

⚠ 注意:変更の時期が異なります

6月の診療報酬改定と8月の高額療養費改正は別々の制度変更です。「医療費が値上がりした」と感じるタイミングがずれる場合があります。

【2026年6月〜】診療報酬改定で窓口負担はいくら増える?

診療報酬とは、病院・クリニックで受ける診察・検査・処方などの公定価格のことです。2年に1度見直されますが、2026年度の改定は本体部分が3.09%の引き上げと、1996年度(3.4%)以来30年ぶりの高水準となりました。

物価高騰や医療従事者の賃上げ対応が主な理由です。改定は2026年6月1日から施行されます。

初診料・再診料の負担増(3割負担の場合)

患者の窓口負担(3割負担)は具体的に以下のように変わります。

種別 2026年5月まで 2026年6月〜 変化
初診料(3割負担) 891円 948円 +57円
再診料(3割負担) 231円 252円 +21円
💡 なぜ増えるのか:2つの上乗せ

①物価対応料(新設):医療材料・光熱水費の高騰に対応するため、初・再診に2点(2026年6月〜)を上乗せ。2027年6月からは4点に拡充予定です。

②ベースアップ評価料の拡充:医療スタッフの賃上げに充てる加算が、初診6点→23点、再診2点→6点に引き上げられます(届出済みの医療機関の場合)。

入院費(食費・光熱水費)の変化

入院中の食費と光熱水費も値上がりします。特に食費は2024年度から3年連続での引き上げです。

項目 2026年5月まで 2026年6月〜 変化
入院食費(食事療養基準額/1食) 690円 730円 +40円
入院食費(生活療養基準額/1食) 604円 644円 +40円
光熱水費(療養病床・65歳以上/1日) 370円 430円 +60円

1週間入院した場合、食費だけで1日あたり3食×40円=120円、7日間で840円の負担増になります。長期入院が必要な方は、事前に費用を計算しておくと安心ですね。

💡 自己負担割合による影響の違い

後期高齢者(75歳以上)の方は自己負担割合が1割または2割です。3割負担の現役世代と比べると窓口での増加額は少なくなります。ただし通院頻度が高い方は積み重なりますので、ご注意ください。

出典:厚生労働省「個別改定項目について」

【2026年8月〜】高額療養費制度の自己負担上限が引き上げへ

高額療養費制度とは、1か月の医療費の自己負担が一定額(上限)を超えた場合に、超えた分を払い戻してくれる制度です。重い病気やケガの際に家計を守る大切な仕組みですが、2026年8月から自己負担の上限額が引き上げられます

📋 改正の背景

高齢化の進展と医療費の増加(国民医療費は過去最高の48兆円超)により、制度の持続可能性を確保するための見直しです。当初は2025年8月からの実施が検討されましたが、がん患者団体からの強い反対を受けて一度見送りとなり、その後段階的な引き上げ案が決定されました。

年収別の自己負担上限額の変化(第1段階:2026年8月〜)

70歳未満の方を対象に、月あたりの自己負担上限額が変わります。

年収の目安 2026年7月まで(現行) 2026年8月〜(第1段階) 変化幅
住民税非課税世帯 35,400円 / 24,600円 据え置き 変化なし
〜370万円未満 57,600円〜 引き上げ幅は比較的小さい +4%程度
370万円〜770万円 約80,100円〜 約86,000円〜 +約5,900円〜
770万円〜1,160万円 167,400円〜 数%引き上げ +7%程度
1,160万円以上 252,600円〜 さらに引き上げ +7%程度

※第2段階(2027年8月〜)では所得区分が12区分に細分化され、年収650〜770万円の方は月上限が約11万円程度(現行比で約3万円増)になる見込みです。

✅ 多数回該当はどうなる?

直近12か月で3回以上上限額に達した場合に、4回目以降の上限額が下がる「多数回該当」の仕組みは、今回の改正後も維持されます。多数回該当の上限額も原則として据え置きです。継続的に治療が必要な方にとっては一定の安心材料になります。

新設される「年間上限」の仕組み

2026年8月からは、月ごとの上限に加えて1年間の自己負担合計額に上限を設ける「年間上限」という仕組みも新たに導入されます。これは、長期にわたって高額な治療を続ける患者さんへの配慮措置です。毎月の上限額には達しないものの医療費が積み重なるケースでも、年間の合計が一定額を超えたらそれ以上の負担を求めないという設計です。

なぜ医療費は値上がりするのか?

「医療費がなぜ上がるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。大きく3つの理由があります。

30年ぶりの高水準改定となった3つの理由

理由 内容
①物価高騰への対応 医療材料・食材費・光熱水費の高騰を公定価格に反映するため(物価対応分:+0.76%)
②医療従事者の賃上げ 看護師・薬剤師だけでなく看護補助者・事務職員を含む賃金改善(賃上げ対応分:+1.70%)
③医療費総額の増加と持続可能性 国民医療費が過去最高の48兆円超となる中、制度を維持するために応能負担の強化が必要

診療報酬は国が定めた「医療サービスの公定価格」であるため、一般の物価高騰が即座に価格に反映されない仕組みです。今回の改定は2年に1度の見直しタイミングで、30年分のインフレを一気に反映しているともいえます。

2027年以降も変更が続く見通し

医療費の値上がりは2026年だけで終わりではありません。

  • 2027年6月〜:物価対応料が2点から4点に拡充(初・再診料にさらなる上乗せ)
  • 2027年8月〜:高額療養費制度の第2段階(所得区分の細分化)
  • 2027年3月〜(予定):OTC類似薬の追加負担(市販薬と同成分の処方薬に薬代の1/4を追加負担)

医療費の構造的な上昇傾向が続く中で、今から対策を考えておくことが大切です。

医療費値上げへの対策

値上がりするといっても、うまく制度や選択肢を活用すれば家計への影響を最小限に抑えられます。今すぐ実践できる3つの対策をご紹介します。

市販薬(OTC)を活用してセルフメディケーションを推進する

軽い風邪・頭痛・胃痛・花粉症などの症状は、市販薬(OTC薬)で対処することで外来受診の回数を減らせます。初診1回あたり948円の窓口負担がかかる中、市販薬を活用するのは賢い節約策です。

2027年3月からはOTC類似薬(市販薬と同成分の処方薬)に追加負担が設けられる予定のため、日頃からセルフメディケーションに慣れておくことがより重要になってきます。

代表的な市販薬の価格は日々変動しています。プライシーで最安値をチェックして、まとめ買いのタイミングを見極めましょう。

⚠ セルフメディケーション税制の活用も忘れずに

市販薬(スイッチOTC医薬品)の年間購入額が12,000円を超えた場合、確定申告で「セルフメディケーション税制」が使えます(上限88,000円)。領収書を保管しておきましょう。

医療費控除・セルフメディケーション税制を活用する

1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合、確定申告で「医療費控除」を受けられます。病院の診察費・処方薬代だけでなく、通院の電車・バス代も対象です。

医療費が増える年こそ、控除の申告を忘れないようにしましょう。日頃から領収書をまとめておく習慣をつけておくと、確定申告の際に慌てずに済みますよ。

医療費控除が使える人
  • 年間の医療費合計が10万円超
  • 通院交通費も合算で10万円超
  • 家族全員分を合算して超えた場合も可
セルフメディケーション税制が使える人
  • 市販薬(スイッチOTC)の年間購入額が12,000円超
  • 定期健診・予防接種を受けている
  • 医療費控除との併用は不可(いずれか選択)

高額療養費制度の「限度額適用認定証」を事前に取得する

入院や手術など高額な医療費が予想される場合は、事前に「限度額適用認定証」を申請しておくことを強くおすすめします。この証明書を医療機関の窓口に提示することで、最初から自己負担の上限額のみを支払うことができます(後日払い戻しを待つ必要がなく、一時的な大きな出費を避けられます)。

申請先は加入している健康保険の種類によって異なります(会社員は健康保険組合、自営業者・無職の方は市区町村の国民健康保険担当窓口)。入院が決まったら、早めに申請しておきましょう。

まとめ

2026年の医療費値上げ まとめ

  • 2026年6月〜:診療報酬改定で初診料+57円、再診料+21円(3割負担)。30年ぶりの高水準改定。
  • 2026年8月〜:高額療養費制度の月の自己負担上限を4〜7%引き上げ。年収370万円以上の方に影響。
  • 理由:物価高騰・医療従事者の賃上げ・制度の持続可能性確保の3点。
  • 対策①:市販薬(OTC)を活用してセルフメディケーションを推進する。
  • 対策②:医療費控除・セルフメディケーション税制を忘れずに確定申告する。
  • 対策③:入院予定がある場合は「限度額適用認定証」を事前に申請する。

医療費の値上がりは避けられませんが、制度や選択肢を上手に活用することで家計への影響を抑えることができます。市販薬の価格は日々変動しているので、プライシーで最安値をチェックして賢く節約してみてください。

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市販薬の価格は日々変動しています。プライシーでAmazon・楽天・Yahoo!の最安値を横断比較して、医療費の節約に役立てましょう。

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よくある質問

医療費の値上げはいつから始まりますか?

2段階で実施されます。2026年6月1日から診療報酬改定(初診・再診・入院費の変更)、2026年8月から高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げが始まります。

初診料はいくら上がりますか?

3割負担の方の場合、+57円(891円→948円)となります。再診料は+21円(231円→252円)の値上がりです。1点=10円で計算された公定価格に基づきます。

高額療養費制度はいつ、どのくらい変わりますか?

2026年8月(第1段階)から月の自己負担上限額が4〜7%程度引き上げられます。例えば年収370〜770万円の方は月上限が約8万円台から約8万6,000円に変わります。2027年8月(第2段階)にはさらに所得区分が細分化されます。

収入が低い人(住民税非課税世帯)は影響を受けますか?

住民税非課税世帯の方は、今回の見直しでは自己負担上限額は据え置き(変化なし)となる見通しです。低所得者への配慮が盛り込まれています。

OTC類似薬の追加負担はいつから始まりますか?

2027年3月の実施を目指して調整が進められています。市販薬と同成分の処方薬約77成分・1,100品目を対象に、薬代の1/4を追加自己負担とする案です。子どもやがん患者など継続治療が必要な方は対象外となる方向です。

医療費控除は使えますか?

はい、利用できます。1年間の医療費合計が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合、確定申告で医療費控除を申請できます。通院の交通費(公共交通機関)も対象です。領収書は必ず保管しておきましょう。

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