「窓口で振込みしたら手数料が1,000円近くかかった」「銀行から手数料改定のお知らせが届いた」——そんな声を耳にする機会が増えていませんか。実は2023年以降、メガバンクから地方銀行まで、銀行の振込手数料の値上げが相次いでいます。この記事では、どの銀行が・いつから・いくら値上げしたのかを一覧で整理し、値上げを回避する具体的な方法までまとめて解説します。情報は2026年5月時点のものです。

結論
銀行の振込手数料はチャネル別に「二極化」しています

窓口・ATM(現金)の振込手数料はメガバンクで他行宛990円まで値上げされた一方、インターネットバンキング経由の振込は据え置き、もしくは値下げされています。値上げを避けたい方は、以下のいずれかの行動が最短ルートです。

いますぐ無料化 メインバンクで無料化条件(Olive・メインバンクプラス等)を満たすか、個人間送金は「ことら送金」を使う
中長期で節約 サブ口座としてネット銀行(住信SBI・楽天・PayPay・東京スター 等)を開設し、振込専用口座として使う
どうしても窓口 窓口でも「現金」より「口座出金」のほうが安い銀行があるため、窓口係に確認してから振込む

直近〜今後の銀行振込手数料の値上げスケジュール(2025-2026年)

銀行ごとに値上げの実施時期はバラバラで、自分のメインバンクがいつ・どれだけ値上げするのかは把握しづらいですよね。ここでは、主要銀行の振込手数料および関連手数料の改定スケジュールを時系列で整理しました。

2025年に実施された主な振込手数料の値上げ

2025年1月14日
みずほ銀行・みずほ信託銀行
窓口(他行宛)を一律990円に、ATM(現金)の他行宛を最大880円に統一。一方、みずほダイレクト(ネットバンキング)は他行宛を150〜320円から一律110円に値下げ。改定の詳細はみずほ銀行公式を参照
2025年4月1日
りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行
窓口の他行宛振込を770円→990円、ATM(現金)の他行宛を660円→880円に。グループ内宛も最大330円値上げ。ネットバンキング・キャッシュカード利用ATM・アプリは据え置き。詐欺・マネーローンダリング対策が主な理由と説明されています。
2025年6月2日
ゆうちょ銀行
公共料金扱いの払込み料金、ゆうちょBizダイレクト月額料金、振替口座受払通知料金、送金取消・組戻・訂正料金などを改定。法人向けの料金が中心。改定の詳細はゆうちょ銀行のお知らせを参照
2025年8月12日
三菱UFJ信託銀行
セルフ取引促進の観点から振込手数料を改定。改定告知(PDF)

2026年に予定されている振込手数料・各種手数料の改定

2026年1月5日
ゆうちょ銀行
貯金小切手振出料金550円、代金取立料金880円を新設。「手形・小切手機能の全面的な電子化」に向けた取り組みの一環として位置づけられています。
2026年3月1日
第四北越銀行
振込手数料、定額自動送金、残高証明書発行、円貨両替、窓口現金整理など各種手数料を改定。アプリ「第四北越りとるばんく」やBIZ-WEB(インターネットバンキング)の振込手数料は一部引き下げ。第四北越銀行ニュースリリースを参照してください。
2026年4月1日
七十七銀行
窓口の振込手数料を引き上げ(同一支店他人宛3万円未満330円→660円、他行宛660円→990円)。一方、個人インターネットバンキングと七十七銀行アプリは3万円未満同一店宛が無料、他行宛3万円以上も無料化など、デジタル取引は大幅優遇。改定内容は七十七銀行公式を参照。
2026年7月1日
七十七銀行
定額自動送金サービスの手数料を改定。窓口で申し込んだ自動送金は他行宛で550円となります。
▼ 値上げの傾向まとめ

2023年の三菱UFJ銀行の改定以降、メガバンク・地銀ともに「窓口・ATM現金は値上げ、ネット・アプリは据置か値下げ」というチャネル別差別化が定着しています。窓口を使い続けると、年間の振込回数次第では数千円〜数万円単位で出費が増えるおそれがあります。

主要銀行の振込手数料はいくらに値上げされた?早見表で比較

「結局、自分の銀行は何円になったの?」という疑問にまとめて答えるため、主要銀行の現行の他行宛振込手数料を一覧化しました。値上げの影響が最も大きいのは「窓口で現金振込」と「ATMで現金振込」の2チャネルです。

メガバンク4行(個人)の他行宛振込手数料

銀行 窓口(現金) ATM(現金) ATM(カード) ネットバンキング
三菱UFJ銀行 990円 880円 275円(3万円未満)/275円(3万円以上) 三菱UFJダイレクト:154円/220円
三井住友銀行 990円 880円 275円 SMBCダイレクト:154円/220円・Olive月3回0円
みずほ銀行 990円 880円 改定なし みずほダイレクト:一律110円
りそな銀行 990円 880円 個人は改定なし マイゲート:165円

※ 金額は税込。三万円未満/三万円以上の区分や、無料化条件は銀行ごとに異なります。詳細は各行公式の手数料一覧をご確認ください。

ゆうちょ銀行の他行宛送金料金

チャネル 5万円未満 5万円以上
窓口(現金) 660円 880円
ATM(キャッシュカード) 220円 440円
ゆうちょダイレクト(ネット) 165円 165円

ゆうちょ銀行は基本的に個人・法人で共通の手数料となっています。窓口・ATMからの現金振込は受け取り側が振替口座(記号「0」始まり)でなくてはならない点に注意が必要です。

主な地方銀行(個人・他行宛振込手数料)

銀行 窓口(3万円未満) 窓口(3万円以上) ネット(3万円未満) ネット(3万円以上)
横浜銀行 715円 880円 154円 154円
千葉銀行 660円 880円 165円 330円
福岡銀行 605円 770円 220円 440円
七十七銀行(2026年4月〜) 660円 990円 無料〜220円 無料〜220円
第四北越銀行(2026年3月〜) 窓口は一律1,100円に引上げ 275円(個人アプリ・WEB) 275円

都市銀行(メガバンク)と比べると、地方銀行は窓口手数料がやや低めに設定されている傾向があります。ただし、第四北越銀行や七十七銀行のように、デジタルチャネルを優遇する一方で窓口を大幅に値上げするケースも増えています。

「改定前→改定後」でいくら値上がりした?主要銀行の差額比較

「いま実際にいくら上がったの?」というインパクトをつかむため、直近の主な改定を「改定前→改定後」で並べました。窓口・ATM現金チャネルが特に大きく上がっているのが分かります。

銀行・チャネル 改定前 改定後 差額
みずほ銀行:窓口(他行宛・3万円未満) 710円 990円 +280円
みずほ銀行:ATM現金(他行宛・3万円未満) 380円 880円 +500円
みずほ銀行:ネット(他行宛・3万円以上) 320円 110円 ▲210円(値下げ)
三井住友銀行:窓口現金(他行宛・3万円未満) 605円 990円 +385円
りそな銀行:窓口(他行宛) 770円 990円 +220円
りそな銀行:ATM現金(他行宛) 660円 880円 +220円
七十七銀行:窓口(他行宛・3万円以上)※2026年4月〜 880円 990円 +110円

注目すべきは、窓口・ATM現金は大幅に値上がりしているのに、ネットバンキングは据え置きまたは値下げされている点です。同じ「他行宛振込」でも、チャネルを変えるだけで数百円〜800円以上の差がついています。

なぜ銀行は振込手数料を値上げするのか(3つの理由)

「銀行間手数料は2021年に下がったのに、なぜ私たちの振込手数料は上がるの?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。値上げの背景には大きく3つの理由があります。

理由①:店舗・窓口・ATMの維持コストが上がっている

銀行の店舗は駅前など一等地にあるケースが多く、賃料・人件費・現金輸送・警備など、現金を扱うコストは年々上昇しています。窓口での振込みは1件あたりに人手と時間がかかり、各銀行の改定告知でも「事務コストの増加」「現金取扱費用の増加」が値上げ理由として明記されています。第四北越銀行の改定告知でも、キャッシュレス決済やデジタル取引の進展と事務コストの上昇が理由として挙げられています。

理由②:特殊詐欺対策と高度化する不正取引への対応

特殊詐欺(オレオレ詐欺・還付金詐欺など)やマネーロンダリングの手口は年々高度化しており、銀行はその対策に多大なコストをかけています。りそなホールディングスのリリースでは「詐欺・マネーローンダリングの犯罪手口の高度化等に伴い、被害等防止のための対策も煩雑化しています」と、値上げ理由を明確に説明しています。特に窓口・ATMでの現金振込は、なりすましやマネロンに使われやすいチャネルでもあるため、料金面でデジタルに誘導する動きが強まっています。

理由③:インターネットバンキングへの利用シフトを促すため

各銀行とも、窓口・ATMの値上げと同時に、ネットバンキング・スマホアプリの手数料は据え置きか値下げを実施しています。みずほダイレクトの他行宛振込手数料は2025年1月14日に一律110円へ値下げされていますし、三井住友銀行のOliveでは他行宛振込が月3回まで無料です。「窓口は使わせない、ネットを使ってもらう」という料金設計が鮮明になっているわけですね。

▼ 銀行間手数料はすでに値下げ済み

2021年10月、全銀ネットは40年以上変わらなかった銀行間手数料を廃止し、為替取引1件あたり62円(税抜)の「内国為替制度運営費」を新設しました。つまり、銀行同士がやり取りするコストは下がっているのに、利用者が支払う窓口・ATM手数料は上がっている、という構図になっています。

銀行振込手数料の値上げを避ける具体策

値上げをそのまま受け入れるしかない——というわけではありません。チャネルを変えたり、無料化条件を満たすことで、家計への影響を最小限に抑えられます。優先度順に整理しました。

対策①:窓口・ATMからインターネットバンキングへ切り替える

最も効果的な対策は、窓口・ATM(現金)からインターネットバンキング・スマホアプリに切り替えることです。みずほ銀行を例にとると、窓口(現金)990円とみずほダイレクト110円では、1回の振込で880円もの差が出ます。月3回の振込で年間31,680円もの差です。

振込方法(みずほ銀行・他行宛) 1回あたり 月3回×12ヶ月 差額(年間)
窓口(現金) 990円 35,640円
ATM(現金) 880円 31,680円 ▲3,960円
みずほダイレクト(ネット) 110円 3,960円 ▲31,680円
住信SBIネット銀行(ネット) 77円 2,772円 ▲32,868円
無料化条件達成(Olive等) 0円 0円 ▲35,640円

※ 月3回の他行宛振込(家賃・習い事・公共料金など)を行う家庭を想定した試算です。振込回数が増えれば差はさらに開きます。

1
各銀行のスマホアプリ・ネットバンキングを契約する

三菱UFJダイレクト、SMBCダイレクト、みずほダイレクト、マイゲート(りそな)など、月額無料で利用可能です。

2
ワンタイムパスワードを登録して上限を引き上げる

上限額の初期値が低い銀行もあります。ワンタイムパスワードを使えば、1日あたりの振込上限を1,000万円〜2,000万円まで上げられます(不正対策のため、振込後は元の上限に戻すと安心です)。

3
家賃・公共料金などの定期振込を「自動振込」で設定

毎月の定額振込は、ネットバンキングの「自動振込」機能を使えば、操作なしで継続できます。

対策②:無料化条件を満たす(メガバンク・ゆうちょ)

多くのメガバンクは、特定の条件を満たすと他行宛振込手数料が月1〜3回無料になります。すでに使っている銀行があるなら、まずはここをチェックしましょう。

銀行 無料化の主な条件 他行宛無料回数
三菱UFJ銀行 スーパー普通預金(メインバンクプラス)でEco通帳設定/給与受取設定 月1〜3回
三井住友銀行 Oliveアカウントを開設 月3回
みずほ銀行 みずほマイレージクラブ+資産運用1,000万円以上などの条件を満たす 月3回
PayPay銀行 給与受取口座に設定 月3回
ゆうちょ銀行 ゆうちょダイレクト・通帳アプリの利用 同行宛のみ月5回

対策③:ネット銀行をサブ口座として使う

振込頻度が多い方は、ネット銀行を「振込専用口座」として持っておくのがおすすめです。実店舗を持たない分、振込手数料が圧倒的に安く設定されています。

  • 住信SBIネット銀行:他行宛77円。ランクに応じて月1〜20回無料
  • 楽天銀行:他行宛145円。給与・賞与・年金受取設定で月3回無料、ステージで最大月5回まで無料
  • PayPay銀行:他行宛145円。給与受取で月3回無料
  • 東京スター銀行:取引明細書を「郵送しない」設定で他行宛月5回まで実質無料(キャッシュバック)
  • あおぞら銀行(BANK支店):他行宛月9回まで無料、以降150円
  • SBI新生銀行:ステージにより他行宛月1〜10回無料、無料回数超過後は75〜214円

対策④:個人間送金は「ことら送金」で無料に

家族・友人・割り勘など、個人あての送金で振込手数料を払うのはもったいない時代になりました。ことら送金は、対応銀行のスマホアプリ間で「1回10万円以下の個人あて送金」を手数料無料で行えるサービスです。

  • 携帯電話番号・メールアドレスだけで送金可能(口座番号を聞かなくてOK)
  • 主要銀行(みずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな・ゆうちょ・PayPay銀行・住信SBI・SBI新生 ほか多数)が対応
  • 累計送金額は2026年4月時点で3兆円を突破
▼ ことら送金の注意点

個人向けサービスのため、法人や個人事業主あての送金には使えません。仕事の振込や請求書払いは、引き続きネットバンキング・ネット銀行を活用してください。

ATM手数料・両替手数料など「振込以外」の値上げにも注意

振込手数料以外にも、銀行のさまざまな手数料が値上げ・新設されています。「振込は気を付けていたのに、別の手数料で取られていた」とならないよう、まとめてチェックしておきましょう。

ATM時間外手数料・コンビニATM利用手数料

メガバンクの自行ATMは平日昼間が無料でも、時間外(早朝・深夜)や休日は110〜220円、コンビニATMは110〜330円かかるケースが大半です。熊本銀行は2026年1月19日からコンビニATM手数料を平日昼間220円に改定するなど、地方銀行でもATM手数料の見直しが続いています。

紙の通帳・両替・残高証明書・小切手などの付随手数料

  • 紙の通帳発行手数料:三菱UFJ銀行は70歳未満の新規発行に1冊550円。肥後銀行は2025年春から紙通帳発行に550円を導入。
  • 円貨両替手数料:第四北越銀行は2026年3月1日から窓口扱い・両替機扱いとも値上げ。
  • 残高証明書発行手数料:第四北越銀行は同日改定で値上げ。
  • 貯金小切手振出料金:ゆうちょ銀行は2026年1月5日に550円で新設。
  • 代金取立料金:ゆうちょ銀行は同日に880円で新設。
▼ ペーパーレス・キャッシュレス化が値下げのカギ

多くの銀行で、紙の通帳をWeb通帳に切り替えるだけで、振込手数料の無料回数が増えるなどの優遇が受けられます。家計の固定費を見直すタイミングで、紙→Webへの切替もあわせて検討してみてください。

銀行振込手数料の値上げに関するよくある質問

銀行の振込手数料はいつから値上げされましたか?

2023年10月の三菱UFJ銀行を皮切りに、2024年10月に三井住友銀行、2025年1月にみずほ銀行、2025年4月にりそなグループと、メガバンク4行が順次窓口・ATM(現金)の振込手数料を値上げしました。2026年も第四北越銀行(3月1日)、七十七銀行(4月1日)などで改定が予定されています。

なぜ窓口だけが大きく値上げされているのですか?

窓口は人件費・店舗運営費・現金管理コストがかかるほか、特殊詐欺やマネーロンダリングの対策にも多大な費用がかかっています。銀行各社は、利用者をインターネットバンキングへ誘導することでこれらのコストを下げる方針を取っており、その料金設計の一環として窓口・ATM現金の値上げが進んでいます。

ネット銀行に切り替えると年間でいくら節約できますか?

仮にメガバンクの窓口(990円)から住信SBIネット銀行(77円)に切り替えた場合、1回あたり913円の差です。月3回の他行宛振込を行う方なら、年間で32,868円の節約になります。さらに無料回数を活用すれば、年間ほぼゼロに抑えることも十分可能です。

振込手数料を無料にする方法はありますか?

はい、複数の方法があります。①メガバンクの無料化条件(Olive、メインバンクプラス、マイレージクラブなど)を満たす、②ネット銀行のステージ条件を達成する、③個人あて10万円以下なら「ことら送金」を使う、④同行宛振込であれば多くの銀行で無料、というルートが現実的です。

ことら送金とは何ですか?個人間の送金が本当に無料ですか?

ことら送金は、みずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな・埼玉りそなの5行を株主として設立された「ことら」が提供する、個人間少額送金の共同インフラサービスです。1回10万円以下の個人あて送金が手数料無料で利用でき、対応銀行のスマホアプリから携帯電話番号やメールアドレスを使って送金できます。法人・個人事業主あての送金には利用できない点だけ注意が必要です。

まとめ:振込手数料の値上げ時代を乗り切るチェックリスト

銀行振込手数料の値上げに対応する3つのアクション

  • 窓口・ATM(現金)からの振込を避け、インターネットバンキング・スマホアプリに切り替える
  • メインバンクの無料化条件(Olive・メインバンクプラス・マイレージクラブなど)を必ず確認する
  • 振込頻度が高い方は、住信SBI・PayPay銀行・楽天銀行・東京スター銀行などをサブ口座として開設する
  • 個人あて10万円以下の送金は「ことら送金」で完全無料に
  • 紙の通帳・両替・小切手など、振込以外の手数料の値上げにも目を配る

銀行の振込手数料は、メガバンクから地方銀行まで「窓口・ATMは値上げ/ネットは据置か値下げ」というチャネル別差別化が広がっています。使い方を見直すだけで年間数万円の節約が可能な領域ですから、家計の固定費を見直すタイミングで、ぜひメインバンクの利用方法を再点検してみてくださいね。

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