「また水道代が上がった……」そんな声が、全国の家庭から聞こえてきます。2024年は過去最多の82事業者が値上げを断行し、2025年はさらに多くの自治体が続く見込みです。なぜここまで水道料金の値上げが相次いでいるのか、そして自分の地域はどのくらい上がるのか——この記事では、理由・都市別の最新状況・家計への影響・節水対策まで、まとめて解説します。

結論
水道料金値上げの実態:2024〜2026年の主な動き
  • 2024年:32道府県82事業者が値上げ(800万人超対象)。過去最多規模
  • 2025年:関東だけで37自治体が値上げ。最大40%増の地域も
  • 値上げの主因:①水道管の老朽化 ②人口減少による収入減 ③資材・エネルギーコスト高騰
  • 2046年には全事業者の96%が値上げ必要、平均+48%の予測(EY Japan等)
  • 今できる対策:節水シャワーヘッドや節水コマの導入が効果的

水道料金の値上げ、全国でどのくらい上がっているの?

2024年は、全国の水道料金値上げが過去に例のないペースで進みました。32道府県の82事業者が水道料金を値上げし、対象人口は800万人を超えました。これは過去10年で最多の規模です。

2025年に入ってからも勢いは止まらず、関東地方だけで37の自治体が値上げを実施または予定しています。特に埼玉県本庄市では約40%の大幅値上げが決定し、市民の間で大きな話題となっています。

82
2024年に値上げした事業者数
37自治体
2025年に関東で値上げ
最大40%
値上げ率の最大例(本庄市)
96%
2046年までに値上げが必要な事業者割合(予測)
自治体名 値上げ率 実施時期
埼玉県本庄市 約40% 2025年4月
島根県津和野町 40% 2025年4月
愛媛県松前町 35.2% 2025年4月
埼玉県戸田市 33.7% 2025年4月
新潟市 平均29% 2025年1月
東京都羽村市 平均9.27% 2025年4月

⚠️ 今後も値上げは続く可能性が高いです。2026年以降も千葉県営水道(約20%)、埼玉県水道用水供給事業(約23%)など、大規模事業者の値上げが予定されています。

水道料金が値上がりする3つの理由

「なぜこれほど一斉に値上がりするのか」——近畿大学の浦上拓也教授をはじめ、専門家が共通して指摘する理由は3つあります。これらは全国の水道事業者に共通しており、一時的な問題ではありません。

① 水道管の老朽化が「待ったなし」に

日本の水道管の多くは、1960〜70年代の高度経済成長期に一斉に整備されました。法定耐用年数は40年ですが、現在は整備から50年以上が経過した管が増えており、全国の水道管の約22%が老朽化した状態です。

にもかかわらず、更新されたのは全国のわずか0.64%(2021年度、国土交通省)にすぎません。更新ペースが追いつかなければ、漏水事故や道路陥没のリスクが年々高まります。2024年1月の能登半島地震では、水道管の被害で最大約13万戸が断水しました。老朽管の修繕・耐震化に必要な費用を、水道料金の引き上げで補っているのが現状です。

② 人口減少で水道事業の収入が激減

水道事業は「独立採算制」です。つまり、料金収入以外に財源はありません。少子高齢化で人口が減り、節水型機器の普及で1人あたりの使用量も減ると、収入が自然に減っていきます。

島根県津和野町の例が象徴的です。約20年で人口が3割以上減少したこの町は、水道事業の赤字が続き、本来72%の値上げが必要なところを40%に抑えて実施を決断しました。利用者が減るほど、残った利用者の1人あたりの負担は増えていく——この悪循環が全国で起きています。

③ 資材・エネルギーコストの高騰

水道管の更新コストは、近年の物価上昇・資材高騰によって年々高くなっています。水道インフラは鉄管やコンクリートなどを大量に使うため、資材費の上昇が直撃します。加えて、ポンプの電力コストも上昇しており、運営コスト全体が増加しています。

💡 「なぜ今になって一斉に?」という疑問はもっともです。水道事業に詳しい近畿大学の浦上拓也教授は「20〜30年間物価が上がり、水道の諸費用も上がっていたが、人員を削減し設備改修を先送りして『安い水道』を守ってきた。しかし老朽水道管による事故も目立つようになり、今や『待ったなし』の状況だ」と説明しています(女性自身、2024年12月)。

【都市別】水道料金値上げの最新状況(2025〜2026年)

サブKWで多数検索される各都市・地域の水道料金値上げ状況をまとめました。お住まいの地域をご確認ください。

都市・地域 値上げ時期 値上げ率 状況
東京都(都営水道) 2025年6〜9月 基本料金4か月間 無償化(減額) 減額措置
東京都 羽村市(多摩地区) 2025年4月 平均 9.27% 値上げ
神奈川県営水道(横浜市等) 2024年10月〜段階的 16%→19%→22%(3段階) 値上げ中
名古屋市 2025年10月(検討中) 平均 11.8%増(審議会答申) 検討中
新潟市 2025年1月 平均 29% 値上げ済
さいたま市(埼玉県水道用水) 2026年4月(予定) 23% 予定
浜松市 2025年10月 平均 17.9% 値上げ済
神戸市 2026年4月 10% 予定
姫路市 2025年4月 水道 12.1%・下水道 15.8% 値上げ済
柏市(千葉県) 2025年 基本料金2か月分 免除(軽減措置) 軽減措置
京都市 現時点では大幅値上げ発表なし 動向注視

東京都の水道料金:都区部は逆に減額措置

東京都の都営水道(23区・一部市部)は、2025年6月〜9月の4か月間、基本料金を無償化する措置を実施しました。口径20mmの標準世帯では4か月で約5,000円の負担が軽減される見込みです。ただし、多摩地区の羽村市など一部の市は独自に値上げを実施しているため、お住まいの市区町村に確認することをおすすめします。

神奈川県(横浜市・川崎市など)の水道料金

神奈川県営水道は2024年10月から3段階の値上げを実施しています。2024年10月に16%、2025年10月にさらに引き上げて19%、2026年10月に最終的に22%となる予定です。横浜市・川崎市など神奈川県内の多くの自治体が対象となります。

新潟市の水道料金:2025年1月から平均29%増

新潟市は2025年1月から水道料金を平均29%引き上げました。市内の約8割を占める口径13mmの家庭では、2か月30㎥の使用で3,872円→5,038円(1,166円増)となっています。

💡 なお、京都市については現時点では大幅な値上げ発表は確認できていません。今後の動向については京都市上下水道局の公式情報をご確認ください。

家計への影響は?月いくら上がる?

「数字の話はわかったけど、実際に自分の財布にどう響くの?」——値上げ率が出てもピンとこない方のために、具体的な試算をご紹介します。

値上げ率 値上げ前(月額) 値上げ後(月額) 増加額 年間増加額
10%(神戸市 目安) 約3,500円 約3,850円 +350円 +約4,200円
16%(神奈川 第1段階) 約3,500円 約4,060円 +560円 +約6,720円
22%(神奈川 最終段階) 約3,500円 約4,270円 +770円 +約9,240円
29%(新潟市) 約3,500円 約4,515円 +1,015円 +約12,180円
40%(本庄市・最大) 約3,500円 約4,900円 +1,400円 +約16,800円

※上記は4人家族・月額水道料金約3,500円を基準とした概算です。実際の金額はお住まいの地域・使用量によって異なります。

新潟市の公式事例では、口径13mm・2か月30㎥使用の世帯で2か月あたり1,166円増(月583円増)という具体的な数字が示されています。年間にすると約7,000円の負担増です。

2046年の衝撃予測──全事業者の96%が値上げ必要

2025年の値上げに驚いているかもしれませんが、将来の予測はさらに厳しい数字を示しています。

EY Japanなどの調査によると、2046年までに全国の水道事業者の96%が値上げを必要とし、平均値上げ率は48%に達するとされています。全国平均の月額水道料金は、2021年度の約3,317円から2046年には約4,895円になる見通しです。

3,317
2021年度・全国平均月額(月20㎥使用)
4,895
2046年予測・全国平均月額
+1,578
月あたりの増加予測
+18,900
年間増加額(予測)

人口減少が激しい地方ほど値上げ率は大きくなる傾向があります。1人あたりの負担が増える悪循環を断ち切るためには、水道事業の広域化・再編が不可欠ですが、今のところ抜本的な解決策は見えていません。

⚠️ 今後の対策として今できることは、節水で水の使用量を減らすことです。同じ料金体系でも使用量が減れば請求額は下がります。次のセクションで具体的な節水方法を紹介します。

今日からできる水道代の節約術

値上がりが避けられないなら、使用量を減らして月々の請求額を抑えるのが現実的な対策です。特にシャワーの使い方を変えるだけで、節水効果が大きく変わります。

節水グッズを活用する

節水シャワーヘッドは、工具不要で取り付けられる製品が多く、初期投資が少ない割に長期的な節水効果が期待できます。プライシーで各商品の価格推移を確認してから購入するのがおすすめです。

日常でできる節水ポイント

グッズの導入に加え、日常の習慣を見直すことで水の使用量はさらに減らせます。

  • シャワーにする・時間を短くする:浴槽に貯めるより、5分のシャワーのほうが水使用量が少ない
  • 歯磨き・洗顔中は水を止める:流しっぱなしの場合、1分あたり約12リットルを消費
  • 洗濯はまとめて洗う:こまめな少量洗濯より、まとめて一度に洗う方が節水になる
  • お風呂の残り湯を活用:洗濯や掃除に活用し、2回利用することで水道代を節約
  • 食洗機の活用:意外にも手洗いより節水になるケースが多い(食洗機は約6〜10リットル、手洗いは最大100リットル以上かかることも)

💡 節水シャワーヘッドの節水効果は? 一般的な節水シャワーヘッドへの交換で、シャワー使用量を30〜50%削減できます。4人家族で毎日シャワーを使う場合、年間で数千円〜1万円超の節約になるケースもあります。値上がり分を「節水」で取り戻すことも十分可能です。

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まとめ

水道料金値上げ:要点まとめ

  • 2024年は過去最多の32道府県82事業者が値上げ。2025年も関東37自治体が続く
  • 主な理由は「①インフラ老朽化」「②人口減少による収入減」「③コスト高騰」の3つ
  • 値上げ率は地域差が大きい。新潟市29%、神奈川県最終的に22%、神戸市10%など
  • 東京都(都区部)は2025年6〜9月に基本料金無償化の逆進施策を実施
  • 2046年には全事業者の96%が値上げ必要、全国平均で月+1,578円の予測(EY Japan等)
  • 対策は節水シャワーヘッドや節水コマの活用+日常の節水習慣

水道料金の値上がりは、インフラ老朽化と人口減少が重なって起きる構造的な問題です。一時的なものではなく、今後も段階的に続く可能性があります。家計へのインパクトを最小限にするために、今から節水グッズの活用や日常の節水習慣を取り入れておきましょう。

水道料金はなぜ値上がりするの?

主な理由は3つです。①高度経済成長期(1960〜70年代)に整備された水道管の老朽化が進み、更新費用が急増していること、②少子高齢化・人口減少により水道利用者が減り、料金収入が減少していること、③資材・エネルギーコストの高騰です。水道事業は独立採算制のため、これらのコストを料金に転嫁せざるを得ない状況です。

東京都の水道料金は値上がりするの?

東京都(都区部の都営水道)は、2025年6〜9月の4か月間、基本料金を無償化する措置を実施しました。ただし、多摩地区の市は独自の料金体系を持っており、羽村市では2025年4月から平均9.27%の値上げが実施されています。お住まいの市区町村の水道局にご確認ください。

水道代の値上がりはいつまで続く?

少なくとも2040年代まで続くとみられています。EY Japanなどの推計では、2046年までに全国の水道事業者の96%が値上げを必要とし、平均値上げ率は48%に達するとされています。老朽化した水道インフラの更新が完了するまで、料金の上昇圧力は続く見通しです。

節水グッズで水道代はどのくらい減る?

節水シャワーヘッドへの交換で、シャワー使用水量を30〜50%削減できるケースが多いです。4人家族で毎日シャワーを使う場合、年間数千円〜1万円超の節約効果が期待できます。また、節水コマは蛇口を交換するだけで約30%の節水が可能で、コストも数百円と低く抑えられます。

横浜市や神奈川の水道料金はどう変わる?

神奈川県営水道は2024年10月から段階的に値上げを実施中です。2024年10月に約16%、2025年10月にさらに引き上げて約19%、2026年10月に最終的に約22%(2024年10月前比)となる予定です。横浜市・川崎市・相模原市など神奈川県内の多くの地域が対象となります。

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