最近、自治体からの「指定ごみ袋の価格を改定します」というお知らせを受け取った方も多いのではないでしょうか。スーパーで売っている市販のポリ袋も、気づけばじわじわ値上がりしています。
この記事では、ごみ袋値上げの理由から自治体別の改定一覧、家計への影響試算、節約対策まで、2026年8月時点の最新情報をもとに解説します。
- 自分の自治体は
- 自治体別の改定一覧で確認(1枚あたりの金額に統一。一覧に無い自治体の調べ方も掲載)
- 値上げの理由
- 指定袋はごみ処理コスト増、市販ポリ袋は原材料・物流コスト高騰
- 家計への影響
- 週2回・45L1枚なら年+1,560円(水戸市の例)
- 最も効く対策
- ごみの量自体を減らして使用枚数を減らす
ごみ袋が値上がりしている2つの理由
ごみ袋の値上げには、大きく分けて2つの流れがあります。「自治体が発行する指定ごみ袋の値上げ」と「市販のポリ袋・ごみ袋の値上げ」です。それぞれ理由が異なるため、分けて理解するのがポイントです。指定ごみ袋の値上げ:ごみ処理コストの上昇
多くの市区町村では「指定ごみ袋」を使わないとごみを収集してもらえません。その指定袋の価格は自治体が設定するため、値上げも自治体の判断によります。 値上げの主な理由は、ごみ処理にかかるコストの増大です。ごみ収集車の燃料費、収集・焼却施設の維持費、人件費などが近年一斉に上昇しています。たとえば水戸市では、2028年度のごみ処理事業費が2020〜2023年度平均の約1.2倍にあたる36億3,000万円に膨らむ見通しです。 なお、全国でどれくらいの自治体が指定ごみ袋を導入しているかというと、全国都市家庭ごみ有料化実施状況(2024年4月現在)によれば、全国の市区町村のうち486市以上が家庭ごみの従量制有料袋制度を実施しています。値上げは一部地域の問題ではなく、全国規模の動きです。 長年価格を据え置いてきた自治体も多く、「もう限界」と判断して値上げに踏み切るケースが増えています。潮来市のように20年以上料金を据え置いてきた結果、大幅な値上げになった例もあります。市販ごみ袋の値上げ:原材料・物流コストの高騰
スーパーやドラッグストアで売っている市販のポリ袋・ごみ袋の値上げは、製造コストの上昇が原因です。ポリ袋の主原料は石油由来のポリエチレン(ナフサ系)。日本サニパックなどのメーカーは、以下の要因が重なったとしています。- 中東・ペルシャ湾情勢の不安定化によるポリエチレン国際市況の上昇
- 海上運賃・戦争保険料の急騰(コンテナ不足も重なる)
- 円安の定着による輸入原材料コストの増加
- 電力・燃料コストの上昇
ごみ袋の値上げはいつから?最近の価格改定まとめ
全国各地で指定ごみ袋の価格改定が相次いでいます。2024〜2026年にかけて特に多くの自治体が値上げを実施・予定しています。主な事例を時系列で確認してみましょう。2024〜2026年の値上げ動向
| 自治体 | 改定時期 | 1枚あたりの価格 |
|---|---|---|
| 茨城県 水戸市 | 2026年4月〜 (実施済み) |
45L:30円 → 45円20L:15円 → 20円30L(30円)を新設 |
| 滋賀県 彦根市 | 2026年6月19日〜 (出荷分から) |
40L:13円 → 23円30L:11円 → 20円22L:10円 → 18円12L:8円 → 14円(税抜) |
| 大阪府 熊取町 | 2026年7月〜 | 45L:20円 → 45円20L:10円 → 20円30L(30円)・10L(10円)を新設 |
| 茨城県 鹿嶋市 | 2026年8月21日〜 (出荷分から順次) |
45L:14.85円 → 17.9円30L:11円 → 14.3円20L:7.15円 → 10.45円 |
| 岡山県 瀬戸内市 | 2026年4月〜 |
サイズによらず1L=1円に統一 (45L=45円・20L=20円) |
| 北海道 旭川市 | 2027年4月〜 (予定) |
各サイズ1.5倍に改定 (40L 80円→120円ほか。市の公表は単位表記なし) |
| 兵庫県 相生市 | 2024年10月〜 | 45L:45円 → 46円30L:30円 → 31円20L:20円 → 21円 |
| 北海道 留寿都村 | 2024年7月〜 | 価格改定 (金額は村サイト参照) |
| 茨城県 潮来市 | 2025年4月〜 | 資源物用を大幅値上げ (20年以上据え置きから) |
発表単位:水戸市・彦根市・瀬戸内市・相生市は10枚1組、鹿嶋市は20枚1組、熊取町は1枚単価。彦根市のみ税抜表示で、袋のサイズも40L・30L・22L・12Lです。旭川市は公表資料に単位の表記がないため、金額ではなく改定率で記載しています。
出典は各自治体の公式ページ(水戸市/彦根市/熊取町/鹿嶋市/瀬戸内市/旭川市/相生市/留寿都村)。
2028年以降の改定を表明している自治体
京都府亀岡市は「燃やすしかない」「埋め立てるしかない」の2種類の指定ごみ袋を2倍に値上げする方針を固めています。30リットルの袋は1枚30円から60円になる見込みで、2028年4月の改定を予定し、2026年9月市議会に条例改正案を提出するとされています。条例改正案はまだ提出前のため、確定した改定ではありません。一覧に無い自治体を調べる
お住まいの自治体が上の表に無い場合は、次の順で探すと最短で確認できます。市区町村のトップページから探すと環境・ごみのページまで階層が深く、たどり着けないことがあります。- 検索窓に「(市区町村名) 指定ごみ袋 価格改定」と入力する。「値上げ」より「価格改定」のほうが自治体の告知文で使われる言葉なので、公式ページが上位に出ます
- 出てこない場合は「(市区町村名) ごみ処理手数料 改定」で検索する。袋そのものではなく手数料の条例改正として告知されている自治体があります
- それでも見つからなければ、市区町村の公式サイト内検索で「指定袋」を検索する。担当課は「環境課」「生活環境課」「廃棄物対策課」などの名称です
- 旧袋が使えるかは自治体で違う:鹿嶋市は改定前に購入した袋をそのまま使えます。一方で瀬戸内市は袋の色が黄色から青色に変わり、現行の黄色い袋が使えるのは2026年6月30日までとされました
- 2026年は品薄が起きている:旭川市は2026年6月5日から購入制限を実施しました。買いだめは品薄をさらに悪化させる面があります
全国の指定ごみ袋は今後さらに値上がりするのか
値上げが続く背景
残念ながら、ごみ袋の値上げはしばらく続く可能性が高いと言えます。背景には構造的な問題があります。- ごみ処理施設の老朽化・更新需要:全国のごみ焼却施設の多くが建設から20〜30年以上経過しており、大規模改修や建て替えが必要な時期を迎えています。
- 燃料費・人件費の高止まり:収集業務のコストは短期間で下がる見通しがなく、自治体の負担は続きます。
- 市販袋の原材料コスト圧力:円安基調と中東情勢の不透明感が続く限り、ポリエチレンの調達コストは高止まりしやすい状況です。
有料化の動きも拡大している
茨城県では、古河・坂東・境・五霞の4市町が指定ごみ袋の有料化を計画しています。当初2026年4月の開始を予定していましたが延期となり、新しい開始予定は2027年4月1日に変更されました。これまで無料でごみ袋を配布していた自治体が有料化に踏み切るケースも増えており、「値上げ」だけでなく「新たな費用負担の始まり」という地域も出てきています。 もちろん、すべての自治体が値上げするわけではありません。ごみ減量に成功した自治体では値下げに踏み切った例もあります。大切なのは、自分の自治体の動向をこまめにチェックしておくことです。ごみ袋値上げで家計はどれくらい増える?試算してみた
平均的な家庭での年間コスト増加額
実際に家計への影響を計算してみましょう。水戸市の事例(燃えるごみ袋45Lが300円→450円)を使って試算します。| ごみ出しの頻度 | 年間の袋代 (改定前→改定後) |
差額 |
|---|---|---|
| 週2回 (年104枚) |
約3,120円 → 約4,680円 |
+1,560円/年(月+130円) |
| 週3回 (年156枚) |
約4,680円 → 約7,020円 |
+2,340円/年(月+195円) |
ごみ袋の値上げに負けないための節約・対策
値上がりが続くごみ袋費用を少しでも抑えるために、今すぐできる対策を紹介します。ごみを減らす(最も効果的)
「ごみ袋を安く買う」よりも「そもそもごみ袋の使用枚数を減らす」ことの方が長期的にはコスト削減効果が大きいです。具体的には以下の方法が効果的です。- 生ごみを減らす:食材の使いきりを意識する。野菜くずはコンポストや乾燥して減量する
- 資源ごみの分別を徹底する:プラスチック・紙類・缶・びんをしっかり分別することで燃えるごみの量が減る
- ごみ袋を最後まで使う:容量の70〜80%まで入れてからまとめる習慣をつける
- 大袋1枚に圧縮する:小袋をまとめて大袋1枚に入れることで袋の枚数を減らせる場合がある。ただし後述のとおり、改定後は大袋にまとめても割安にならない自治体があります
- 瀬戸内市:どのサイズでも1リットルあたり1円に統一。改定理由として「1リットル当たりの換算で大きいごみ袋で出したほうが安価となる価格設定となっていた」ことを挙げています
- 熊取町:改定後は45L 45円・30L 30円・20L 20円・10L 10円で、どのサイズも1リットルあたり1円です
指定袋の使用枚数が月2枚減れば、水戸市の改定後価格(1枚45円)なら年間1,080円の節約になります。
ごみ有料化・値上げを機にごみ減量に取り組んだ自治体では、有料化前と比べてごみの総量が3割以上減少した事例もあります。日々の分別と食品ロス削減が、そのまま袋代に効いてきます。
自治体のルールを確認して市販袋を活用する
自治体によっては、市販の透明・半透明のポリ袋をごみ袋として使えるケースがあります。指定袋が義務づけられていない自治体では、市販のポリ袋をまとめ買いする方が割安になる場合があります。 まずはお住まいの自治体の収集ルールを確認してください。指定袋が必須の地域で市販袋を使うと収集してもらえなくなるため、必ず事前確認が必要です。価格比較ツールで安い時期に買う
市販のポリ袋・ごみ袋は価格変動があります。プライシーを使うと価格推移チャートでお得なタイミングがわかります。まとめ買いを検討している方は、価格が一時的に下がったタイミングを狙うと節約になりますよ。よくある質問
全国的に2023年頃から値上がりの動きが広がり、2024〜2026年にかけて多くの自治体で実施されています。2026年の改定は次のとおりです。
値上げの時期は自治体ごとに異なるため、記事内の自治体別の改定一覧をご確認ください。
まず記事内の自治体別の改定一覧をご確認ください。
一覧に無い場合は「(市区町村名) 指定ごみ袋 価格改定」で検索すると公式ページが見つかりやすいです。「値上げ」より「価格改定」のほうが自治体の告知文で使われる言葉だからです。
見つからないときは「(市区町村名) ごみ処理手数料 改定」でも検索してみてください。袋ではなく手数料の条例改正として告知されている場合があります。
まとめ
ごみ袋値上げ:知っておきたいポイント
- 2つの値上げがある:自治体の指定袋(ごみ処理コスト増)と市販袋(原材料・物流コスト増)は理由が異なる
- 2024〜2026年に集中:全国の多くの自治体で価格改定が実施・予定されている。水戸市は2026年4月に実施済みで、燃えるごみ袋45Lは1枚30円から45円に
- 「大袋にまとめると得」が崩れた自治体がある:瀬戸内市・熊取町は改定後どのサイズも1リットルあたり1円。大袋にまとめても袋代は変わらない
- 年間数千円の影響:燃えるごみ袋だけでも年間1,500〜2,300円増の試算。全種合計ではさらに大きくなる可能性
- 最善策は「ごみを減らす」:使用枚数を減らすことが根本的な節約。食品ロスの削減と資源ごみの分別徹底が鍵
- 市販袋の価格をプライシーで追跡:市販ポリ袋が使える自治体では、価格チャートで安い時期にまとめ買いするのがおすすめ
