新社会人や転職のタイミングで悩みがちなのが「給与振込口座はどこにすればいいのか」という問題ではないでしょうか。手数料や金利、特典は銀行によって差が大きく、なんとなく選んでしまうと年間数千円単位で損をすることもあります。この記事では、給与振込口座を選ぶときに見るべきポイントと、実際におすすめできる銀行を手数料・金利・特典の面から比較して紹介します。あわせて「ゆうちょ銀行は給与振込に向いているのか」という、意外と見落とされがちな疑問にも編集部の視点でお答えします。
給与振込口座はどう選ぶ?おすすめ銀行を一覧比較
給与振込口座は「これが正解」という1つの銀行があるわけではなく、何を重視するかで最適な選択肢が変わります。まずは自分がどのタイプかをチェックしてみてください。
下の表は、給与振込口座の候補としてよく比較される銀行を「給与受取だけで得られる手数料優遇」を軸にまとめたものです。詳しい条件は各銀行の項目で解説します。
| 銀行 | 他行宛振込手数料無料(給与受取時) | ATM手数料無料 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 月3回(繰越で最大5回) | ハッピープログラムの条件次第 | 楽天経済圏との相性が良い |
| 住信SBIネット銀行 | 月5回(シルバーランク) | 月5回 | 給与受取だけでシルバーに到達 |
| auじぶん銀行 | 月3回(レギュラーステージ) | 入出金各月2回 | auユーザーとの相性が良い |
| ソニー銀行 | 月1〜2回(非会員) | 月4回(非会員) | 外貨預金との組み合わせに強み |
| PayPay銀行 | 月3回(要エントリー) | 3万円以上の出金は0円 | PayPayとの連携が便利 |
| 三井住友銀行(Olive) | 条件達成で優遇あり | 条件達成で優遇あり | 給与受取キャンペーンでポイント還元 |
| イオン銀行 | 0回(ブロンズステージ) | 月1回(ブロンズステージ) | イオンでの買い物が多い人向け |
| りそな銀行 | キャンペーンによる | キャンペーンによる | 季節ごとの給与受取キャンペーンが手厚い |
| 東京スター銀行 | ランクによる | ランクによる | 給与振込で普通預金金利が優遇 |
| ゆうちょ銀行 | 無料回数なし(220〜440円) | 局内ATMは土日祝も無料 | 全国の郵便局・ATM網が強み |
この表は「給与受取という条件だけ」で得られる優遇を比較したものです。多くのネット銀行はクレジットカード利用や口座振替の設定などを組み合わせることで、さらに上のランクを目指せます。詳しくは各銀行の公式サイトでご確認ください。
給与振込口座を選ぶ4つのポイント
給与振込口座を決めるときは、なんとなくのイメージではなく、以下の4つの軸で比較すると失敗しにくくなります。
- 振込・ATM手数料:他行への振込やATM利用が無料になる回数
- 普通預金金利:給与受取で金利が上乗せされるかどうか
- ATM・コンビニ対応の広さ:生活圏で使いやすいATM網か
- 給与受取特典・ポイント還元:口座開設・給与受取キャンペーンの有無
1. 振込・ATM手数料
給与を受け取った口座から家賃や生活費を別口座に移す、あるいはATMで現金を引き出す機会は意外と多いものです。他行宛の振込手数料は、メガバンクの窓口だと1回あたり990円かかることもありますが、みずほ銀行のインターネットバンキングなら110円というように、使う手段によって大きな差が出ます。給与振込口座を選ぶ際は「無料になる回数」と「無料になる条件」を必ず確認しましょう。
2. 普通預金金利
ネット銀行の中には、給与受取を条件に普通預金金利が上乗せされるところもあります。金額としては小さく見えても、給与という毎月の入金が対象になるため、長い目で見ると地味に効いてくる項目です。金利は変動するため、最新の数値は口座開設前に各銀行の公式サイトで確認するのがおすすめです。
3. ATM・コンビニ対応の広さ
普段どこで現金を引き出すか、生活圏に対応ATMがあるかも重要なポイントです。ネット銀行はセブン銀行やイーネットなどのコンビニATMと提携しているところが多く、都市部なら困ることは少ないでしょう。一方で、地方や転勤が多い働き方の場合は、全国に店舗網を持つゆうちょ銀行やメガバンクの安心感が光る場面もあります。
4. 給与受取特典・ポイント還元
近年は「給与受取」をトリガーにしたキャンペーンやポイント還元を用意している銀行が増えています。三井住友銀行のOliveのように、条件達成でまとまったポイントがもらえるキャンペーンを実施している銀行もあるので、口座開設のタイミングで最新のキャンペーン内容をチェックしておくと得をしやすくなります。
給与振込口座におすすめの銀行
ここからは、給与振込口座の候補としてよく名前が挙がる銀行を1つずつ紹介します。すべて「給与受取」だけで一定の優遇が受けられる銀行です。
楽天銀行
楽天銀行は、給与・賞与を受け取ると翌月に他行振込手数料の無料回数が進呈される仕組みです。月3回まで無料になり、使わなかった分は2回まで繰り越せるため、最大で月5回まで無料になります。楽天ポイントを普段から貯めている方や、楽天カード・楽天証券などをまとめて使いたい方と相性が良い銀行です。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、スマートプログラムという優遇ランク制度を採用しており、給与・賞与・年金のいずれかを受け取るだけでシルバーランクに到達し、ATM・他行宛振込がそれぞれ月5回無料になります。口座振替の利用など条件を追加すればゴールド以上も狙えるため、手数料をとにかく抑えたい方に向いています。
auじぶん銀行
auじぶん銀行は「じぶんプラス」というステージ制度があり、給与受取だけでレギュラーステージとなり、ATM入出金が各月2回、他行宛振込が月3回無料になります。キャッシュレス決済の利用などを組み合わせるとシルバーステージ以上に上がり、Pontaポイントの還元率もアップします。auやUQ mobileのユーザーであれば、さらにメリットを感じやすいでしょう。
ソニー銀行
ソニー銀行は「優遇プログラム Club S」でランクが分かれる仕組みです。プログラムに未加入の状態でも振込手数料が月1〜2回、ATM手数料が月4回無料になり、資産形成や外貨預金を組み合わせて使いたい人にも向いています。ランクが上がるほど無料回数も増えるので、給与受取を続けながら徐々に優遇を積み上げていくイメージです。
PayPay銀行
PayPay銀行は、公式サイトへの事前エントリーと給与受取を組み合わせることで他行宛振込手数料が月3回無料になり、3万円以上のATM出金は手数料が0円になります。PayPayやPayPayマネーへの出金もスムーズなので、普段からキャッシュレス決済をよく使う方には使い勝手の良い選択肢です。
三井住友銀行(Olive)
三井住友銀行は「Olive」というオールインワン口座サービスを軸に、給与受取者向けのキャンペーンを積極的に展開しています。条件を満たすことでVポイントがまとまってもらえるキャンペーンを実施していることが多く、メガバンクならではの安心感とポイント還元を両立したい方に向いています。キャンペーン内容や還元額は時期によって変わるため、口座開設前に公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。
イオン銀行
イオン銀行は、給与受取だけだとMyステージでブロンズステージに到達し、他行ATM手数料が月1回無料になる一方、他行宛振込の無料回数は付与されません。単体では手数料メリットが大きいとは言えませんが、イオンカードやWAONの利用を組み合わせるとステージが上がり、優遇が手厚くなります。イオンでの買い物頻度が高い方には検討する価値があります。
りそな銀行
りそな銀行は季節ごとに給与受取キャンペーンを実施しており、たとえば「春のまつりそな」では1回の給与入金が10万円以上なら各月15,000円、2ヶ月連続達成で最大30,000円がもらえる内容になっています。メガバンク・準メガバンクの中では給与受取特典が手厚い部類で、対象期間・条件はキャンペーンごとに異なるため、公式サイトで最新の開催状況を確認してから申し込むのがおすすめです。
東京スター銀行
東京スター銀行は、スターワン円普通預金に給与振込があると翌月から優遇金利(年0.1%)が適用される仕組みです。パート・アルバイトでも給与振込の記載があれば自動的に対象になり、別途申請が不要な点も手軽です。手数料の無料回数よりも金利優遇を重視したい方に向いています。
ゆうちょ銀行は給与振込口座に向いている?メリット・デメリット
ここまで紹介したネット銀行のおすすめランキングには、実はゆうちょ銀行がほとんど登場しません。しかし「ゆうちょ銀行を給与振込先にしたい」と考える方は一定数いらっしゃいます。編集部として調べてみたところ、ゆうちょ銀行には他行にはない強みがある一方、給与振込口座として見ると注意しておきたい点もあることが分かりました。
ゆうちょ銀行のメリット
最大の強みは、全国的なネットワークの広さです。ゆうちょ銀行は全国に約24,000店舗の郵便局・ゆうちょ銀行、約31,200台のゆうちょATMを展開しており、都市部だけでなく地方や離島でも同じように使えます。さらに郵便局内・ゆうちょ銀行店舗内のATMなら、土日祝日でも入出金手数料が0円という点も見逃せません。転勤が多い仕事や、実家が地方にある方にとっては心強い選択肢です。
ゆうちょ銀行のデメリット
一方で、給与振込口座として見るとネット銀行に劣る面もあります。まず、ゆうちょ銀行から他の金融機関への振込手数料は、5万円未満でATM利用220円、ゆうちょダイレクト利用でも165円かかり、給与受取を条件にした振込手数料の無料回数は用意されていません。生活費を他行の口座へこまめに移す使い方をする場合、手数料がじわじわ負担になります。
また、ゆうちょ銀行の口座は「記号・番号」という独自の形式になっており、他行宛の振込では店名・預金種目・口座番号への変換が必要です。会社側の給与振込システムがこの形式に対応していないケースも一部にあるため、指定したい場合は事前に人事や経理に確認しておくと安心です。
- 転勤や地方勤務が多く、全国どこでも同じ口座を使いたい人
- 通帳での入出金管理をシンプルに続けたい人
- 土日祝日に窓口・ATMで現金を引き出す機会が多い人
- 他行への振込をこまめに行い、手数料を極力抑えたい人
- ネット銀行のような給与受取特典やポイント還元を重視する人
- 会社の給与振込システムがゆうちょの記号番号形式に対応しているか未確認の人
ネット銀行・メガバンク・ゆうちょ銀行、どれを選ぶべきか
最後に、3タイプの金融機関を比較の視点で整理しておきます。
| タイプ | 手数料の安さ | 給与受取特典 | ATM・店舗網 | こんな人に向く |
|---|---|---|---|---|
| ネット銀行 | ◎(無料回数が多い) | ◎(キャンペーン豊富) | △(コンビニATM中心) | スマホ完結で手数料を抑えたい人 |
| メガバンク | △(窓口は割高) | ○(Oliveなど一部手厚い) | ○(都市部中心に多い) | 大手の安心感を重視する人 |
| ゆうちょ銀行 | △(他行宛は有料) | △(給与受取限定の優遇は少ない) | ◎(全国どこでも均一) | 地方勤務・転勤が多い人 |
1つの口座に絞らず、「給与を受け取るメイン口座」と「現金を頻繁に引き出すサブ口座」を使い分ける方法もあります。ネット銀行で手数料メリットを受けつつ、ゆうちょ銀行やメガバンクを現金の引き出し用に併用するという組み合わせも検討してみてください。
給与振込口座に関するよくある質問
変更できます。多くの会社では「給与振込先届出書」のような書式に新しい口座情報を記入して人事・経理部門に提出する流れが一般的です。締め日の関係で反映まで1〜2ヶ月かかる場合があるため、変更したい月の給与日から逆算して早めに手続きしておくと安心です。
会社が同意すれば複数口座への分割振込に対応してもらえる場合がありますが、法律上の義務ではありません。厚生労働省の通達では、賃金の銀行振込は労働者本人の同意を得たうえで、本人名義の口座に振り込むことが原則とされています。分割を希望する場合は、まず会社の担当部署に相談してみましょう。
ゆうちょ銀行自体は給与振込に対応しており、公式サイトにも給与受取専用のページが用意されています。ただし、会社側が使っている給与振込システムがゆうちょ銀行特有の「記号・番号」形式に対応しているかは会社ごとに異なるため、指定する前に人事・経理へ確認しておくとスムーズです。
会社が特定の金融機関を案内すること自体は可能ですが、最終的には労働者本人の同意が必要です。厚生労働省の見解でも、給与の銀行振込は個々の労働者の同意を得たうえで行うものとされており、希望する銀行がある場合は相談してみる価値があります。
向いています。多くのネット銀行は、給与受取という条件だけで振込手数料やATM手数料の無料回数が付与される仕組みを整えており、メガバンクより優遇を受けやすい傾向にあります。一方で、現金を使う機会が多い方は、店舗・ATM網の広さも合わせて確認しておくと失敗しにくくなります。
まとめ
- 給与振込口座は「手数料」「金利」「ATM対応」「特典」の4つの軸で比較すると選びやすくなります
- 手数料を抑えたいなら住信SBIネット銀行や楽天銀行など、給与受取だけで優遇されるネット銀行が有力候補です
- ゆうちょ銀行は全国のATM網が強みですが、他行宛振込手数料や給与受取特典の面ではネット銀行に見劣りします
- 迷ったら「メイン口座はネット銀行、現金の引き出しはゆうちょ銀行やメガバンクを併用」という組み合わせも選択肢です
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