「固定電話が値上がりする」という話を耳にして、どれくらい負担が増えるのか、自分の電話が対象なのかが気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、2026年4月から実施されているNTTの固定電話(加入電話)の値上げについて、いつから・いくらになるのかを整理し、解約すべきかどうかの判断材料と対策をまとめています。

結論
固定電話の値上げ:どう対処すればいい?
ほぼ使っていない 解約を検討。年間25,080円の固定費をゼロにできます
光回線を契約中 ひかり電話(月額550円〜)に切り替えで大幅に節約できます
高齢者・防災重視 継続か、値上げ対象外のワイヤレス固定電話(現行と同額)に切り替え

固定電話の値上げはいつから?新料金と対象サービス一覧

値上げ開始日と対象サービス

2026年4月1日ご利用分から、NTT東日本・NTT西日本の「加入電話」および「加入電話・ライトプラン」の基本料金(回線使用料)が値上げされました。手続きは不要で、2026年4月1日利用分から自動的に新料金が適用されています。

対象となるのは、昔ながらの銅線(メタル回線)を使った固定電話サービスです。加入権(施設設置負担金)を購入して契約している方の多くが「加入電話」に該当します。

⚠️ ひかり電話は今回の値上げ対象外です

光回線を使った「ひかり電話」「ひかり電話ネクスト」は今回の値上げ対象ではありません。フレッツ光などの光回線とセットで利用している方は影響なしです。

NTT東西の新旧料金一覧(住宅用・事務用)

値上げ幅は住宅用が一律月220円増、事務用が一律月330円増です。取扱所の区分(1〜3級)によって基本料金は異なりますが、値上げ幅は全プランで統一されています。

区分 用途 改定前(月額・税込) 改定後(月額・税込) 増加額
3級取扱所 住宅用 1,870円 2,090円 +220円
3級取扱所 事務用 2,750円 3,080円 +330円
2級・1級取扱所 住宅用 1,760円 1,980円 +220円
2級・1級取扱所 事務用 2,640円 2,970円 +330円

※ ほとんどの住宅用回線は「3級取扱所」に該当します。上記の1,870円→2,090円の変更が一般的なケースです。なお、月額利用料とは別に「電話のユニバーサルサービス料」と「電話リレーサービス料」も必要です。

なぜ30年ぶりに値上がるのか?背景と今後の見通し

加入電話の利用者減少とメタル回線の老朽化

NTT東西によると、今回の値上げの主な理由は3つです。

  • 加入電話の利用者・通信回数の大幅な減少:スマートフォンや光回線の普及で、加入電話の契約数はピーク時から大幅に落ち込んでいます。利用者が減っても設備の維持コストは変わらないため、1回線あたりの負担が増しているのです
  • 老朽化した設備の保全・更改コスト増大:電柱・管路・局舎など老朽化した通信設備の交換・補強・修理費用が年々増加しています
  • 人件費・物価の上昇:設備の保守に必要な人員の採用・育成コストも上昇し、サステナブルな体制の維持が困難になっています

これらを総合した結果、約30年ぶり(31年ぶり)の基本料改定が実施されることになりました。「たった220円」に見えますが、その背後にはインフラ老朽化という大きな課題があります。

2035年をめどにメタル回線廃止、代替サービスへ移行

今回の値上げは、より大きな流れの一部です。NTT東西は、メタル設備を利用した加入電話について2035年頃までにはサービスレベルの維持が困難な状況を迎えるとして、光回線・モバイル回線を用いたサービスへの段階的な移行を進める方針を打ち出しています。

また、2025年5月には改正NTT法が成立し、これまでNTT東西に課せられていた固定電話の「全国一律提供義務」も廃止されました。固定電話を取り巻く環境は、今後ますます変化していくことが予想されます。

💡 代替サービスへの移行スケジュール(概要)

2026年度〜:銅線(メタル回線)の段階的な廃止を開始
2035年頃:メタル回線でのサービス提供終了、光回線・モバイル回線への完全移行を目標

年間の負担増はいくら?住宅用・事務用の試算

「月220円の値上げ」と聞くと小さく感じるかもしれませんが、年間で計算するとどうでしょうか。

値上げ前(住宅用・年)
22,440
月1,870円 × 12ヶ月
値上げ後(住宅用・年)
25,080
月2,090円 × 12ヶ月
年間の増加額
+2,640
月+220円 × 12ヶ月

電話をほとんど使わなくても、年間2万5千円以上の固定費がかかることになります。通話料やオプション費用はこの金額に含まれておらず、別途かかる点も念頭に置いておきましょう。

法人・複数回線の場合の試算

事務用回線を複数持っている法人の場合、影響はさらに大きくなります。

回線数 月額コストアップ(事務用) 年間コストアップ
5回線 1,650円 19,800円
20回線 6,600円 79,200円
50回線 16,500円 198,000円
100回線 33,000円 396,000円
200回線 66,000円 792,000円

多くの回線を抱える企業ほど、早めのコスト見直しが重要です。

解約すべきか?用途別の判断フロー

値上げをきっかけに「いっそ解約しようか」と考えている方も多いと思います。ただし、解約の判断は「金額」だけで決めると後悔することもあります。以下の用途別カードで、ご自身の状況を確認してみてください。

解約を検討する
  • 月に1〜2回も使わない
  • 家族全員がスマホを持っている
  • FAXを使っていない
  • 電話番号の変更が許容できる
  • 光回線も契約していない
ひかり電話に切り替える
  • 光回線(フレッツ光等)をすでに使っている
  • 固定電話の番号を維持したい
  • 今より大幅に安くしたい(月額550円〜に削減可)
  • FAXを使っている
現状維持・ワイヤレス固定電話を検討
  • 高齢の家族がスマホを使えない
  • 緊急時の位置情報通知が必要
  • 光回線を引けないエリアに住んでいる
  • 停電時の通話手段として確保したい
解約後に気をつけること
  • FAXが使えなくなる(代替サービスが必要)
  • 病院・銀行等に届けている番号の変更が必要
  • スマホのみになると通話料が増える場合がある
  • 緊急通報時の位置情報自動送信が使えなくなる

💡 判断に迷ったら「直近3ヶ月の着信・発信履歴」を確認しましょう

固定電話の使用実績は、請求書の通話明細やNTTのマイページで確認できます。3ヶ月で通話ゼロなら、解約のハードルは低いでしょう。

「解約」「利用休止」「一時中断」の違いを確認しよう

固定電話を手放す場合、選択肢は「解約」だけではありません。将来的に再開する可能性があるかどうかで、最適な手続きが変わります。

項目 解約 利用休止 一時中断
電話番号 喪失(再取得不可) 変更になる 保持したまま
加入権 喪失 維持(5年ごと更新) 維持
月額料金 なし なし 基本料金あり
再開時の番号 新しい番号(新規契約) 新しい番号 同じ番号
こんな人向け 完全にやめる しばらく使わないが再開の可能性あり 番号を残しつつ一時停止

「番号を捨てたくないが月額を払い続けるのも嫌」という方には利用休止が選択肢になります。ただし再開時は番号が変わるので注意が必要です。一時中断は番号を保持できますが基本料金は継続します。詳細な条件は各事業者の公式サイトでご確認ください。

値上げ後の対策:ひかり電話・ワイヤレス固定電話・解約

ひかり電話に切り替える(月額コスト比較)

すでに光回線(フレッツ光など)を契約しているなら、「ひかり電話」への切り替えが最もコスパの高い選択肢です。

サービス 月額基本料(税込) 年間基本料 停電時
加入電話(値上げ後・住宅用) 2,090円 25,080円 一部通話可
ひかり電話(基本プラン) 550円〜 6,600円〜 使用不可
ワイヤレス固定電話 1,870円(予定) 22,440円(予定) 要確認

ひかり電話(基本プラン)の月額基本料は550円(税込)。ただし、フレッツ光などの光回線の月額料金が別途必要です。すでに光回線を使っているご家庭なら、加入電話から切り替えるだけで月最大1,540円、年間で18,480円以上の節約になります。

⚠️ ひかり電話の注意点

ひかり電話は停電時に使えません(電源が必要なため)。また、光回線が不要なシニア世帯では、月額セット料金が実質的に高くなる場合があります。

ワイヤレス固定電話(2026年4月〜全国提供)

NTT東西が2026年4月から全国での提供を開始した「ワイヤレス固定電話」は、携帯通信網を使って固定電話を利用できる新しいサービスです。

  • 既存の電話番号をそのまま使える
  • ターミナルアダプタを接続するだけで利用可能
  • ナンバー・ディスプレイなどのオプション機能も利用可能
  • 住宅用(3級)の月額基本料は1,870円(値上げ後の加入電話より低い水準)

光回線を引くのが難しいエリアや、スマホへの移行が難しい高齢者のいるご家庭に適した選択肢です。

解約してスマホのみに切り替える際の注意点

解約を選ぶ場合は、以下の点を事前に確認しておくと安心です。

  • 登録番号の変更手続き:病院・銀行・クレジットカード会社など、固定番号を届け出ているところへの変更が必要です
  • FAXの代替手段:FAXを利用している場合は、ネットFAXサービスや複合機の設定変更が必要になります
  • 通話料の見直し:スマホの通話料プランによっては、長時間通話のコストが増える場合があります

ひかり電話に切り替える際の電話機の確認

ひかり電話に切り替える場合、今お使いの電話機が光回線のホームゲートウェイ(HGW)のアナログポートに接続できれば、そのまま使えます。ただし、ワンタッチダイヤルや留守録機能が正常に動作しない場合もあるので、電話機の互換性を事前にメーカーサイトで確認しておきましょう。

この機会に電話機を買い替える場合は、コードレスタイプが人気です。迷惑電話対策機能付きのモデルが充実しています。プライシーでは各商品の価格推移チャートを確認でき、安い時期を見極めた購入に役立てられます。

📋 まとめ:固定電話値上げの要点

  • 2026年4月1日から、NTT東西の「加入電話」が住宅用月+220円、事務用月+330円値上げ(ひかり電話は対象外)
  • 住宅用(3級)は月1,870円→2,090円。年間の基本料は25,080円、前年比+2,640円
  • 理由は設備老朽化・利用者減少・コスト上昇。2035年頃までにメタル回線は廃止予定
  • ほぼ使っていないなら解約、光回線契約済みならひかり電話(月550円〜)への切り替えが節約策として有効
  • 高齢者や防災重視の方は、値上げ対象外のワイヤレス固定電話(2026年4月〜全国展開)も選択肢のひとつ

固定電話の買い替えは価格チェックから

電話機の価格は時期によって大きく変動します。プライシーで価格推移をチェックして、お得なタイミングで購入しましょう。

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よくある質問

固定電話の値上げはいつから始まりましたか?

2026年4月1日のご利用分から、NTT東日本・NTT西日本の「加入電話」「加入電話・ライトプラン」の基本料金が値上げされています。お客さまによる手続きは不要で、自動的に新料金が適用されています。

ひかり電話も値上げされますか?

今回の値上げは「加入電話(メタル回線)」のみが対象です。光回線を使った「ひかり電話」「ひかり電話ネクスト」は今回の値上げ対象外となっており、基本料金の変更はありません。

加入電話とは何ですか?

加入電話とは、NTT東日本・西日本が提供する、銅線(メタル回線)を使った固定電話サービスです。昔ながらの「加入権(施設設置負担金)」を購入して契約するタイプの電話で、「加入電話・ライトプラン」は加入権が不要な代わりに基本料金が少し高めに設定されています。

固定電話を解約すると電話番号はどうなりますか?

加入電話を解約すると、その電話番号は利用できなくなります。ひかり電話への切り替えであれば、同じ番号を継続して使えるケースが多いです。解約前に、病院・銀行・クレジットカード会社など届け出ている先への番号変更手続きを忘れずに行ってください。

事務用と住宅用で値上げ幅は違いますか?

はい、異なります。住宅用は一律月220円(税込)の値上げ、事務用は一律月330円(税込)の値上げです。取扱所の区分(1〜3級)によって基本料金は異なりますが、値上げ幅はどのプランでも同じです。

解約ではなく「利用休止」や「一時中断」はできますか?

できます。「利用休止」は月額料金をゼロにしつつ加入権を維持できますが、再開時は電話番号が変わります。「一時中断」は電話番号を保持したまま回線を止められますが、基本料金は継続します。完全にやめる「解約」とは異なる選択肢なので、将来再開する可能性があるかどうかで判断しましょう。詳細はNTT東日本・西日本の公式サイトでご確認ください。

記事の内容は執筆時点の情報を基にしています。掲載している価格・日程・仕様等は変更になる場合があります。最新情報はご自身でご確認ください。