「また高速道路が値上げ?」とニュースで耳にして、いつから・どこが・いくら上がるのか気になっていませんか。実は2024年6月に阪神高速がすでに値上げを実施しており、2026年10月には首都高も普通車で約10%の値上げが予定されています。本記事では2026年5月時点の最新情報をもとに、首都高・阪神高速・NEXCOの値上げ動向、「ひどい」と言われる理由、そして値上げに負けない節約方法までを一気に整理しました。
高速道路の値上げ早見表|首都高・阪神・NEXCO一覧(2026年5月時点)
まずは2026年5月時点で進んでいる、高速道路の値上げ・料金改定の全体像を一覧で確認しておきましょう。「実施済み」「実施予定」「議論中」の3パターンに整理すると見通しが立てやすいです。
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実施予定
首都高速道路|全車種平均8.1%値上げ
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実施済み
阪神高速道路|距離別料金制度に移行
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実施済み
NEXCO西日本(近畿圏)|阪神高速と同じ新料金体系へ
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実施予定
NEXCO障害者割引制度の見直し
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延期中
NEXCO深夜割引制度の見直し
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議論中
軽自動車の料金見直し
本記事は2026年5月17日時点の公表情報をもとに作成しています。首都高2026年10月実施分は意見募集と国土交通省の許可申請を経るため、正式承認前です。最新の確定情報は各高速道路会社の公式サイトをご確認ください。
首都高速道路の値上げ|2026年10月から普通車約10%増
2026年5月時点で最も大きなインパクトを持つのが、首都高速道路の値上げです。2025年12月24日に首都高速道路株式会社が公表した料金改定案では、2026年10月から全車種平均8.1%、普通車では約10%の値上げが予定されています。
適用開始日と承認スケジュール
料金改定の実施予定日は2026年10月です。意見募集は2025年12月24日から2026年1月15日まで延長され、その後関係自治体の議会議決と同意を経て、国土交通省への許可申請が行われる流れとなっています。
つまり、2026年5月時点では「実施予定」の段階であり、正式承認が下りるまでは確定ではありません。ただし、議会承認は通例どおり進むとみられ、首都圏で車を使う方は10月の値上げを前提に予算を考えておくのが現実的でしょう。
車種別の新料金一覧(上限料金の比較)
車種ごとに現行料金と改定後料金を比較すると、影響の大きさが一目でわかります。下限料金(普通車300円)と上限料金が適用される距離(55.0km)は据え置きなので、長距離になるほど影響が大きくなる構造です。
| 車種 | 現行料金 | 改定後料金 | 上限差額 |
|---|---|---|---|
| 軽・二輪 | 280円〜1,590円 | 280円〜1,740円 | +150円 |
| 普通車 | 300円〜1,950円 | 300円〜2,130円 | +180円 |
| 中型車 | 330円〜2,310円 | 330円〜2,520円 | +210円 |
| 大型車 | 400円〜3,110円 | 400円〜3,410円 | +300円 |
| 特大車 | 550円〜5,080円 | 550円〜5,570円 | +490円 |
出典:JAF Mate Online(2025年12月25日)。下限料金と上限距離は据え置き。
1kmあたり料金は29.52円→32.472円に
普通車を例にすると、1kmあたりの料金は現行29.52円から32.472円へ約3円(約10%)の引き上げです。一見小さな差に見えますが、長距離を走ると効いてきます。たとえば40km走行した場合、約120円の負担増になる計算です。
区間別の値上げ額(具体例)
実際の区間で見ると、値上げ幅は走行距離によって変わります。普通車・ETC利用時の代表的な例を紹介します。
| 区間 | 現行料金 | 改定後料金 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 川崎浮島JCT→空港中央(4.2km) | 300円 | 320円 | +20円 |
| 中央道接続→箱崎(18.8km) | 780円 | 840円 | +60円 |
| 川口JCT→葛西(長距離区間) | 1,260円 | 1,370円 | +110円 |
利用頻度別の家計影響シミュレーション
では、自分の利用ペースだとどれくらい値上げの影響を受けるのか。プライシー編集部で、利用頻度別に普通車の年間負担増を試算してみました。1回あたり約120円の値上げ(平均的な区間想定)として計算しています。
毎日のように首都高を使う方であれば、年間で2万円近い負担増になるケースもあります。ガソリン代や保険料と並んで、家計に静かに効いてくる出費ですよね。
2026年3月末で終了予定だった大口・多頻度割引(最大45%)は2031年3月末まで延長。都心流入割引・湾岸線誘導割引も同期間継続されます。物流事業者や法人ユーザーには配慮された形です。
阪神高速道路の値上げ|2024年6月から距離別料金制度に
関西エリアで車を使う方に直接関わる阪神高速の値上げは、2024年6月にすでに実施済みです。「最近高速料金が高くなった気がする」と感じていた方は、この改定が原因かもしれません。
普通車上限は1,320円→1,950円に
2024年6月1日午前0時から、阪神高速の料金体系が大きく変わりました。NEXCO西日本の発表によると、普通車の上限料金は1,320円から1,950円へ、630円の引き上げです。大型車では2,080円から3,110円と、さらに大きな改定となりました。
距離別料金制度のしくみ
今回の改定の特徴は単純な値上げではなく、料金体系自体の見直しです。改定前は32.3kmを超えると一律1,320円でしたが、改定後は51.7kmまで距離に応じた料金体系に変わり、上限が1,950円に伸びました。
阪神高速の試算では、ETC利用者の約90%は32.3km以下の走行であり、影響を直接受けるのは長距離利用の約10%とされています。「都心を素通りする長距離通過交通の負担を増やし、代わりに迂回ルートを使ってもらう」という、渋滞緩和の狙いも込められた改定です。
同時に導入された新割引制度
値上げと同時に、阪神高速とNEXCO西日本(近畿圏)で新しい割引制度も導入されました。長距離ユーザーには厳しい一方で、特定の使い方をする人にはお得になる「アメとムチ」の構造です。
- 深夜割引:0時〜4時の通行で20%割引
- 都心迂回割引:環状線を避けて湾岸線などへ迂回した場合に適用
- 大口・多頻度割引の拡充:法人向け最大45%
NEXCO(東日本・中日本・西日本)の動向
NEXCO3社全体で一律の値上げが行われる予定は、2026年5月時点ではありません。ただし、料金制度の見直しが複数進行しており、結果として「実質値上げ」と受け取られる動きがあります。順番に確認していきましょう。
深夜割引制度の見直しは2027年度以降に再延期
NEXCO3社が共同で進めてきた深夜割引制度の見直しは、当初2025年7月実施予定でしたが、2027年度以降に再延期されました。2026年4月に発生したETCシステム障害を受け、システム整備を慎重に進める必要があると判断されたためです。
見直し後の制度は、対象時間を現行の0〜4時から22時〜翌5時に拡大する一方、ETC無線通信で「割引時間内に実際に走った距離」だけを割引対象とする仕組みに変わります。物流業界からは「実質値上げ」との懸念も出ていますが、現時点では当面、現行の0〜4時・30%割引が継続される形です。
障害者割引制度の見直し(2026年4月から)
2026年4月1日からNEXCO3社の障害者割引制度が見直しされました。本人以外名義のETCカード登録が可能な範囲が、対象障害者が18歳未満の場合から20歳未満の場合に拡大されています。これは値上げではなく利用しやすくする方向の改定です。
近畿圏の新料金体系(NEXCO西日本)
NEXCO西日本の近畿圏については、阪神高速と歩調を合わせる形で2024年6月1日から新料金体系がスタートしています。これにより、阪神高速とNEXCO西日本のシームレスな対距離制が実現しました。
軽自動車料金値上げの議論
NEXCOの動向のなかで、これからの値上げ議論の中心になりそうなのが「軽自動車の料金区分見直し」です。2025年12月25日の社会資本整備審議会道路分科会・国土幹線道路部会では、軽自動車の料金負担増について国交省が検討している方針が示されました。
背景には、軽自動車の利用比率が5%弱から15%まで増加し、新車販売の3〜4割を占めるまでになっていることがあります。一方、全国軽自動車協会連合会は「過度な料金負担増は不合理」として明確に反対しており、議論は続いています。実施時期や値上げ額は現時点では未確定です。
なぜ高速道路は値上げされるのか|3つの背景
「人件費が上がっている」「資材価格が高騰している」と説明されますが、もう少し深い構造的な背景があります。値上げの本質を理解しておくと、今後の議論も追いやすくなりますよ。
背景1:道路の老朽化対策
NEXCO3社が管理する高速道路は約9,600kmあり、そのうち供用から40年以上経過した道路は全体の約3割を占めます。10年後にはこれが約5割、20年後には約8割にまで増えると見込まれており、橋・トンネル・舗装などの大規模更新が避けられない時期に入っています。
NEXCO3社では橋梁などの更新追加費用が約1兆円、首都高・阪神高速を含めると約1.5兆円の追加財源が必要と試算されています。今回の値上げは、まさにこの更新財源確保が大きな目的の一つです。
背景2:人件費・資材価格の高騰
建設業界全体の労務費上昇、コンクリートや鋼材などの建設資材価格の上昇は、高速道路の維持管理コストにも直撃しています。首都高速道路株式会社が今回の改定理由として「人件費や資材価格の高騰」を最初に挙げているのは、こうした事情を反映しています。
背景3:災害対応コストの増加
近年は豪雨災害や地震などへの備えが従来以上に求められるようになり、災害対応のための補強・予備設備にもコストがかかります。安心して走れる道路を維持するためのコストが、料金にも反映される構図です。
有料期間2115年まで延長の背景
もう一つ知っておきたいのが、2023年5月に成立した改正道路整備特別措置法です。高速道路の有料期間は2065年から2115年まで50年延長されました。きっかけは2012年の笹子トンネル天井板崩落事故で表面化したインフラ老朽化問題。事実上、料金徴収が半永久的に続くことになり、関連債務残高は約28兆2,700億円(2022年3月末時点)に上ります。
「高速道路 値上げ ひどい」と言われる理由|批判の論点を整理
SNSやニュースのコメント欄を覗くと、「ひどい」「またか」「無料化はどうした」といった声があふれています。感情論で片付けず、批判の論点を整理してみると、この問題の構造が見えてきます。
「無料化されるはずだったのに」という批判
もともと高速道路は、建設費を料金で回収し終わったら無料開放されるという制度設計でした。ところが2014年・2023年と相次ぐ法改正で有料期間が延長され、2115年まで料金徴収が続く見込みです。これに対し「無料化との約束はどうなったのか」「事実上の永久有料化ではないか」と批判する声があります。
軽自動車も値上げ?業界団体が反対表明
議論中の軽自動車料金値上げに対しては、全国軽自動車協会連合会が「不合理」と痛烈に批判しています。論点は主に2つです。
- 道路への損傷負荷が他車種より圧倒的に小さい軽自動車に追加負担を求める根拠が薄い
- 地方では軽自動車が「生活の足」になっている家計への負担増、軽貨物事業者への影響
深夜割引見直しに「実質値上げ」の声
NEXCOの深夜割引見直しは、対象時間が拡大される一方で「割引時間内の走行距離のみ対象」という条件が加わるため、物流ドライバー向けの調査では反対61.4%・賛成12.9%と、多くが慎重姿勢を示しています。「制度を複雑にして実質的に値上げしているだけ」という見方も根強いです。
賛成派の論点も知っておく
一方で、値上げを是とする視点もあります。フェアに整理しておきましょう。
橋やトンネルの老朽化は実際に進行しており、笹子トンネル崩落事故のような重大事故を防ぐためには更新財源が不可欠です。利用者負担を上げずに税金から賄えば、高速道路を使わない人にも負担がいきます。受益者負担の原則からは、利用者が応分の負担をする方が筋が通るという考え方もあるのです。
値上げに負けない!高速料金を抑える方法
値上げ自体は止められなくても、使い方を工夫することで負担はかなり下げられます。ここではETCを前提に、現実的に効果のある節約方法を紹介します。
ETC割引を使いこなす(深夜・休日・平日朝夕)
NEXCO3社のETC割引は、時間帯と曜日で内容が大きく違います。代表的な3つを整理しておきましょう。
| 割引名 | 対象 | 条件 | 割引率 |
|---|---|---|---|
| 深夜割引 | 全車種 | 毎日0時〜4時 | 30% |
| 休日割引 | 普通車・軽自動車等 | 土日祝日(地方部) | 30% |
| 平日朝夕割引 | ETCマイレージ登録者 | 平日6〜9時・17〜20時、月5回以上 | 最大50%還元 |
休日割引はGW・お盆・年末年始・シルバーウィーク・3連休は除外されます。「連休だからお得に走れる」と思いきや対象外なので注意してください。2026年度の除外日一覧はJAHICのまとめが分かりやすいです。
ETCマイレージサービスでポイント還元
無料登録できるETCマイレージサービスでは、支払額10円ごとに1ポイントが付与され、1,000ポイントで500円分の無料通行分と交換できます。平日朝夕割引もこの登録が必須なので、まだの方はぜひ登録しておきましょう。
大口・多頻度割引(事業者向け最大45%)
法人や個人事業主で利用頻度が高い場合、ETCコーポレートカードを通じた大口・多頻度割引で最大45%の割引が受けられます。配送業や営業車などで毎日のように高速道路を使う方は、検討の価値が大いにあります。
ルート選択:一般道との使い分け
すべてを高速道路で走る必要はありません。値上げ後は「絶対に時短したい区間だけ高速、それ以外は一般道」といったメリハリ運転に切り替えるのも有効です。カーナビや地図アプリで「有料道路を使わない」設定にして比較すれば、所要時間と料金のバランスを見ながら判断できます。
よくある質問(FAQ)
2026年5月時点では、首都高速道路が2026年10月から普通車約10%の値上げを予定しています。阪神高速とNEXCO西日本(近畿圏)は2024年6月1日にすでに新料金体系へ移行済みです。NEXCO東日本・中日本では一律の料金値上げは予定されていません。
全車種平均で8.1%、普通車では約10%の値上げです。普通車の1kmあたり料金は29.52円→32.472円、上限料金は1,950円→2,130円(+180円)になります。下限料金300円と上限到達距離55.0kmは据え置きなので、長距離になるほど値上げの影響が大きくなります。
はい、2024年6月1日午前0時から新料金が適用されています。普通車上限が1,320円→1,950円に630円引き上げられ、距離別料金制度の上限到達距離も32.3km→51.7kmに拡大しました。同時に深夜割引(0〜4時20%)や都心迂回割引などの新割引も導入されています。
2026年5月時点で、NEXCO3社一律の通行料金値上げは予定されていません。ただし深夜割引制度の見直し(2027年度以降に再延期)や、軽自動車の料金区分見直しが議論されており、内容次第では「実質値上げ」になる可能性があります。
国土交通省で料金区分の見直しが検討されていますが、2026年5月時点で値上げ実施は決まっていません。全国軽自動車協会連合会は「軽自動車は道路への損傷影響が小さい」「家計負担増は不合理」として反対を表明しています。今後の議論次第です。
ETC割引を使い分けるのが基本です。深夜割引(0〜4時30%)、休日割引(土日祝日地方部30%)、平日朝夕割引(最大50%還元)が代表的。ETCマイレージサービスへの無料登録で、ポイント還元も活用できます。法人利用なら大口・多頻度割引で最大45%割引も可能です。
主に3つの理由があります。(1)NEXCO3社管理道路の約3割が供用40年以上で大規模更新時期に入っていること、(2)人件費・建設資材価格の高騰、(3)豪雨災害・地震などへの対応コスト増加です。首都高・阪神高速含めて約1.5兆円の追加更新財源が必要とされています。
まとめ|2026年の高速道路値上げで知っておきたいこと
この記事の要点
- 首都高は2026年10月から全車種平均8.1%、普通車約10%値上げ予定(上限1,950円→2,130円)
- 阪神高速は2024年6月に実施済み。普通車上限が1,320円→1,950円に
- NEXCOの深夜割引見直しは2027年度以降に再延期。当面は0〜4時30%割引が継続
- 値上げの背景は道路老朽化・人件費高騰・災害対応。約1.5兆円の追加更新財源が必要
- 節約にはETC各種割引(深夜・休日・平日朝夕)とマイレージ登録が基本
- 軽自動車の料金値上げは議論中。全軽自協が反対表明、実施時期は未確定
高速道路の値上げは、単純な「サービスの値上げ」ではなく、老朽化した日本のインフラをこの先も維持していくための原資確保という、構造的な問題が背景にあります。とはいえ、ドライバーにとって負担が増えるのは確かなので、ETC割引や使い分けで自衛していくのが現実解ですね。
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