「最近マスクが少し高くなった気がする」「ニュースでナフサ不足と聞いたけど、マスクにも関係あるの?」——そんな疑問を持って検索された方も多いのではないでしょうか。2026年春の中東情勢の緊迫化で不織布マスクの原料コストが上昇していて、価格への影響がこれから本格化する見通しです。この記事では、マスクが高騰する3つの理由・過去からの価格推移・今後の見通し・家計負担を抑える対策まで、プライシー編集部が裏取り情報をもとに整理しました。

結論
マスクは2026年春以降「じわじわ値上がり」する可能性が高い
コロナ初期のような200倍の急騰ではなく、不織布の原料「ナフサ」の中東依存に起因する1〜3か月遅れの値上げ波及が中心です。状況別の動き方の目安は以下のとおりです。
今すぐ買い替える人 いつもの50〜60枚入りを大容量パックに切り替えて1枚単価を下げる
価格を見て判断したい人 プライシーで価格推移をチェックし底値タイミングで買う
様子見したい人 1〜2か月分の適量備蓄に留め、買い占めは避ける

マスク高騰の現状|2026年春以降に値上げ圧力が強まっている

2026年5月時点で、ドラッグストアの不織布マスクの店頭価格はまだ大きく動いていません。日本の物価データを見ると、2025年3月の不織布マスク1袋の全国平均価格は431円で、コロナ後の落ち着いた水準が続いていました。

ただし、ここに来て事情が変わりつつあります。2026年2月末以降のホルムズ海峡の事実上の封鎖でナフサ調達が滞り、不織布マスクの原料コストが上昇しているのです。マスクは紙おむつや生理用品と同じ「不織布系の使い捨て製品」のため、すでに値上げが始まっている同カテゴリと同じ波が来ると見られています。

「高騰」と聞いてイメージするものとのズレ

2020年のコロナ初期のような「店頭から消える・転売で数倍」という急騰ではなく、毎月のように1〜2割ずつ値上がりしていく緩やかなパターンになると見られています。じわじわ進む値上げは気づきにくく、気づいたときには「いつの間にか高くなっていた」となりやすいので、定期的に価格を確認しておくことが対策の起点になります。

マスクが高騰する3つの理由

マスク(特に不織布マスク)の価格が上昇するメカニズムを、サプライチェーンの上流から順に整理します。なんとなく「ニュースで聞いた」レベルの理解を、買い物の判断材料に落とし込んでみてください。

1. 不織布マスクの原料「ナフサ」が中東情勢で不足

不織布マスクのフィルター層は、ポリプロピレンなどの合成繊維で作られています。これらの繊維の元をたどると、原油から精製される「ナフサ」という石油化学原料に行き着きます。ナフサはエチレン・プロピレンに分解され、そこから合成繊維・プラスチックへと加工されていく仕組みです。

ここで問題なのが、日本のナフサ輸入のうち約74%が中東産(2024年データ)に依存していることです。2026年3月下旬時点で、国内12基のエチレン生産設備のうち6基が減産に入っている状況で、ナフサ系の素材コストが連鎖的に上昇しています。

ナフサ国内在庫は約20日分しかない

日本にはナフサの国家備蓄制度がなく、民間在庫は約20日分と言われています。中東以外からの調達切り替えには時間がかかるため、ナフサ価格の上昇は数か月単位で続く可能性があります。

2. 合成繊維メーカーが続々値上げを発表

不織布の中間原料を供給する合成繊維メーカーが、すでに値上げに動いています。象徴的なのが東レで、2026年4月出荷分からポリエステル繊維・不織布・アクリル繊維などを値上げすると発表しました。値上げ幅は1kgあたり20〜110円以上と幅があります。

さらに東レは「サーチャージ制」を導入し、最短1か月に1回のペースで価格改定できる体制を整えました。原料価格の変動を製品価格に素早く反映するための仕組みで、これまでの「過去3か月の平均ナフサ価格で決める」という商慣行を超えた素早い値上げが起きやすくなっています。

マスクメーカーは、こうした中間原料を仕入れて不織布マスクを生産しています。原料コストの上昇分が完全には吸収しきれず、製品価格に反映されていくのが今後の流れです。

3. 円安と物流コストの上昇が追い打ち

マスクは中国・東南アジアからの輸入品も多く、円安が続く局面ではドル建ての仕入れコストが膨らみます。さらに、原油高に伴う海上輸送・国内物流の燃料費上昇も価格を押し上げる要因です。

これら3つの要因——(1) 原料ナフサの調達難 (2) 中間メーカーの値上げ (3) 円安・物流コスト——が重なるため、メーカー側にとっては「価格据え置き」を維持するのが難しい状況になっています。値上げの形は、店頭価格の改定だけでなく「同じ価格で内容量を減らす」「キャンペーン価格を縮小する」など、見えにくい形でも起きやすいので注意したいところです。

マスクの価格推移|過去から見る高騰の歴史

「マスク高騰」と言われたとき、過去の値動きと比べてどの位置にあるのかを把握しておくと、今後の判断がしやすくなります。総務省の消費者物価指数(CPI)と小売物価統計調査のデータを軸に、3つのフェーズで整理します。

マスク1袋(7枚入り)の全国平均価格の推移
プライシー編集部まとめ
500円 400円 330円 2016/9 2018 2020/12 2022 2024 2025/3 2026/5 458円 328円 431円

出典:日本の物価(小売物価統計調査・総務省CPI)。2026/5は2025年3月以降の上昇傾向を反映した編集部の参考値です。

2020年コロナ初期:50枚入りが原価の200倍に

過去最大の「マスク高騰」は2020年2〜3月でした。通常39円相当だった50枚入りマスクが、2月には3,980円、3月には8,000円と原価の約200倍まで暴騰した記録があります。きっかけは中国でのコロナ流行による生産・物流の混乱と、需要の世界的急増、そして転売目的の買い占めでした。

政府は2020年3月10日に国民生活安定緊急措置法でマスクの転売を規制し、ようやく落ち着きを取り戻しました。今振り返ると、あれは「需要急増 × 供給混乱 × 転売」の三重ショックによる例外的な高騰だったとわかります。

2021〜2024年:供給回復で原価割れの底値水準に

各社の増産が進み、世界的にもマスクの供給がだぶつき始めると、価格はむしろ下落しました。2020年12月の全国スーパー平均価格は328円で、2015年以降の調査期間中で最安値を記録しています。一時期はノーブランドの50枚入りが500円台で買える時期もあり、「マスクは安いもの」という感覚が定着しました。

2025〜2026年:原料起因でじわじわ再上昇

2025年に入ると、再び価格に上昇圧力がかかり始めます。2025年1月のマスクの消費者物価指数は112.9(2020年=100基準)で、前年同月から5.3ポイント上昇しました。原油・ナフサ価格、円安、人件費上昇が複合的に効いている水準です。

2026年春のホルムズ海峡封鎖はこの流れをさらに数段加速させる要因です。コロナ初期と違って供給網の壊滅ではないため急騰にはなりにくいものの、毎月コツコツ値上がりする展開は十分にあり得ます。

主要マスクの価格チャート|今いくらで買えるか

「マスク高騰」と一口に言っても、ブランドや容量によって価格の動きは違います。プライシー編集部で主要メーカーの不織布マスクをピックアップしましたので、現時点のAmazon価格・直近の値動きをチャートで確認しながら、ご自身が使っているマスクが今どのくらいで買えるのかを把握してみてください。

プライシーの価格チャートは、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングの主要ECモールを横断して価格を取得しています。値上げが発表されてから店頭価格に反映されるまでにはタイムラグがあるので、上下動を追って底値を見つけるのが基本戦略です。

マスク高騰はいつまで続く?今後の見通し

「いつまで続くのか」が一番気になるところですが、中東情勢に依存する話のため、確定的に「○月まで」と言える状況ではありません。それでも、ナフサ系の値上げ波及には分野別に1〜6か月のタイムラグがあると整理されているので、シナリオベースで把握しておきましょう。

時期マスク価格への影響家計でやっておきたいこと
短期
(〜3か月)
原料在庫の消化が進み、メーカーや小売店の仕入れ価格改定が表面化。店頭の値札はまだ動かない時期も普段の購入価格を記録しておく。底値が下がる前のサインに気づきやすい
中期
(3〜6か月)
合繊メーカーの値上げが製品に反映され、店頭価格が1〜2割上昇するシナリオが現実味。容量の少量化も同時に進む可能性大容量パック・箱買いで1枚単価を下げる。価格チャートを見て底値で買う
長期
(半年〜1年)
中東以外(米国・ベトナム等)からのナフサ調達切り替えが進めば緩和。情勢悪化が続けば再加速のシナリオも布マスクやウレタンマスクなど代替品の使い分けを検討
「終わる」より「落ち着く」がリアル

過去のコロナ時のように一気に下がるシナリオは考えにくく、新しい価格水準にゆっくり馴染んでいく展開が現実的です。「終息を待つ」より「上がった水準で賢く買う」発想に切り替えるのがおすすめです。

マスク高騰の対策|家計負担を抑える方法

マスクは毎日使う消耗品なので、1箱あたりの値上げ幅が小さくても年間で見ると地味に効きます。例えば1人1日1枚を365日続けると年間365枚で、世帯人数や使用頻度によって出費はぐっと変わります。下の試算を見ながら、自分の家のマスク代を一度ざっくり把握してみてください。

世帯構成年間消費量の目安1枚10円の場合の年間コスト1枚15円に上昇した場合差額
1人暮らし(1日1枚)約365枚約3,650円約5,475円+1,825円
2人世帯約730枚約7,300円約10,950円+3,650円
4人家族約1,460枚約14,600円約21,900円+7,300円

1枚あたり5円の値上げでも、4人家族で1年続くと7,000円超の差になります。次の4つの軸で対策しておくと、値上げ局面でも家計への影響を抑えやすくなります。

大容量パック・箱買いで1枚あたりの単価を下げる

同じブランドでも、30枚入り・50枚入り・100枚入り・120枚入りでは1枚あたりの単価が大きく違います。一般的には、容量が大きいほど1枚単価は下がる傾向にあります。値上げ局面では特にこの差が広がりやすいので、収納スペースに余裕があれば50枚→100枚以上にシフトするだけで家計効率が上がります。

ただし、肌に合うかどうかは個人差があるので、初めてのブランドはまず小容量で試してから大容量に切り替えるのが安心です。

価格推移を追って底値で買う

マスクはネット通販で1日のうちにも価格が変わる商品です。「高い時に買う」と「底値で買う」の差は、月の購入額で1〜2割変わってきます。プライシーの価格チャートでお気に入りブランドの推移を追っておくと、値上げ局面でも底値で買える確率が上がります。

底値の見極めが難しい場合は、「過去3か月の最安値より少し高いくらい」を一つの目安にすると判断しやすくなります。

用途別に使い分けて消費量を減らす

「全部を高機能マスクで揃える」必要は必ずしもありません。感染対策が必要な場面(医療機関・人混み)と、軽い外出(散歩・買い物)で使い分けるのも有効です。前者は不織布の3層構造、後者は薄手のタイプといった具合に分けると、高単価マスクの消費を抑えられます。

布マスク・ウレタンマスクなど代替品の検討

不織布の原料が高騰しているなら、繰り返し洗って使える布マスクやウレタンマスクを「代替」として持っておくのも一つの手です。ピッタマスクのようなポリウレタンタイプは洗って繰り返し使えるので、感染リスクが低い場面では消費量を大幅に減らせます。

ただし、不織布マスクと比べてフィルター性能は劣るので、用途に合わせて使い分けることが前提です。

過去の高騰時から学ぶ|やってはいけないこと

2020年のマスク高騰の教訓として、家計にも社会にもマイナスになる行動パターンが3つあります。同じ轍を踏まないように整理しておきます。

1. 必要以上の買い占め・転売目的の購入

パニック購買は店頭欠品を誘発し、結果としてさらなる価格上昇を招きます。家庭の必要量を見極めて、1〜2か月分程度の備蓄に留めるのが現実的です。転売目的の購入は国民生活安定緊急措置法の対象になる可能性もある点に注意してください。

2. ネット転売価格での高値づかみ

過去の高騰時には、店頭価格の5〜10倍で転売されたマスクをやむなく購入したケースが多発しました。少し待てば正規ルートに入荷することが大半なので、急いでネットの怪しい高値出品を買わない判断も大切です。

3. 出所不明の海外輸入マスクへの飛びつき

高騰局面では、性能表示が曖昧な海外マスクが急増します。フィルター性能やJIS規格適合の表記を確認せずに買うと、感染対策の効果が落ちる可能性があります。日本製や国内ブランドのマスクは、容量と単価を比較すれば代替手段が見つかることが多いので、焦らず比較したいところです。

よくある質問

マスクが高騰している理由は何ですか?

2026年春の中東情勢の緊迫化でホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、不織布マスクの原料となるナフサの調達が滞っているためです。合成繊維メーカー(東レなど)はすでに値上げを発表していて、円安と物流コスト上昇も追い打ちをかけています。コロナ初期のような転売起因の高騰ではなく、原料コスト起因のじわじわ型の値上げが特徴です。

マスクの高騰はいつまで続きますか?

中東情勢に依存するため確定的なことは言えませんが、ナフサ系の値上げ波及には1〜6か月のタイムラグがあると整理されています。中東以外からの調達切り替えが本格化するまで数か月単位の遅れが見込まれていて、半年〜1年程度は不透明な状況が続く可能性が高いです。短期で終息するというより、新しい価格水準に落ち着いていくシナリオが現実的です。

今、買いだめした方が良いですか?

家庭での適量備蓄(1〜2か月分程度)は合理的ですが、過剰な買い占めはおすすめしません。パニック購買は店頭欠品を誘発し、結果としてさらなる価格上昇につながります。普段より少し多めに確保しておく程度に留めて、価格チャートを見ながら底値で買い足していく方が効率的です。

コロナ時の高騰と今回は何が違いますか?

2020年コロナ初期は「需要急増 × 供給混乱 × 転売目的」の三重ショックで50枚入りが原価の約200倍まで暴騰しました。今回は需要は平時で、原料(ナフサ)の調達難に起因するコストプッシュ型の値上げです。そのため、店頭から消えるような急激な品薄ではなく、毎月のように1〜2割ずつ値上がりしていく緩やかなパターンが想定されています。

どのマスクが一番影響を受けやすいですか?

不織布マスクが最も影響を受けやすいです。フィルター層に使われるポリプロピレン繊維がナフサ由来のため、原料コストが直接価格に響きます。次いで使い捨てのプリーツ・立体タイプ全般、医療用のN95タイプも影響を受けます。一方、ポリウレタン製のピッタマスクなども原料の一部にナフサ由来素材を含みますが、繰り返し使えるため1枚あたりの実効コストでは影響を抑えやすいです。

マスクの平均価格は今いくらですか?

総務省の小売物価統計調査によると、2025年3月時点の不織布マスク1袋(7枚入り)の全国平均は約431円です。地域差も大きく、2025年2月時点では最高547円(山口)から最安291円(大分)まで200円以上の開きがありました。50枚入りの大容量パックなら1枚あたり10〜30円程度が一つの目安で、ブランドや時期によって変動します。

まとめ|マスク高騰は「じわじわ型」、底値タイミングで賢く買う

この記事のポイント

  • 2026年春のホルムズ海峡封鎖でナフサが不足、不織布マスクの原料コストが上昇
  • 東レが2026年4月から繊維・不織布を値上げし、サーチャージ制も導入
  • 1〜3か月のタイムラグで店頭価格にじわじわ反映される見通し
  • コロナ初期と違い、急騰ではなく緩やかな値上げパターンが想定される
  • 大容量パック・価格チャートのチェック・用途別の使い分けが対策の柱
  • 必要以上の買い占めや高値転売品の購入はNG。1〜2か月分の備蓄が現実的

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