東急電鉄は2023年3月18日に17年ぶりとなる運賃の値上げを実施しました。改定率は平均12.9%で、東急バスも2025年10月1日に値上げを実施しています。「いつから?」「いくら上がった?」「なぜ?」を、電鉄・バスまとめてわかりやすく解説します。
東急の値上げ 早見表(電鉄・バス)
東急グループの主な運賃改定をまとめた早見表です。電鉄とバスでそれぞれ時期が異なりますので、ご確認ください。
| 実施日 | 対象 | 主な変更内容 | 改定率 |
|---|---|---|---|
| 2023年3月18日 | 東急電鉄(電車全線) | 初乗りIC 126円→140円、通勤定期も約12.9%値上げ | 平均12.9% |
| 2024年4月1日 | 東急バス(1回目) | IC運賃 220円→230円 | 約4.5% |
| 2025年10月1日 | 東急バス(2回目) | IC運賃 230円→240円、通勤定期1ヶ月 10,290円→10,800円 | IC約4.3% |
| 2025年3月15日 | 東急電鉄(通学定期のみ) | 通学定期券を平均約30%値下げ(子育て応援施策) | −約30% |
2026年3月14日にはJR東日本が平均7.1%の運賃値上げを実施しています。JR東日本をご利用の方は別途ご確認ください(東急線の運賃には影響ありません)。
東急電鉄の値上げはいつから?(2023年3月18日実施)
東急電鉄の値上げは2023年3月18日(土)から実施されました。消費税改定を除いた実質的な意味では17年ぶりとなる運賃の引き上げです。対象路線は東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・池上線・東急多摩川線・世田谷線の7路線となっています。
値上げ幅・改定率
今回の改定率は平均12.9%。初乗り運賃はIC利用で126円から140円へ(約11%アップ)となりました。世田谷線は均一制のIC運賃が147円から160円に改定されています。なお、こどもの国線は普通運賃・定期運賃ともに据え置きです。
| キロ程 | 改定前(旧IC) | 改定後(新IC) | 値上げ幅 |
|---|---|---|---|
| 1〜3km(初乗り) | 126円 | 140円 | +14円 |
| 4〜7km | 157円 | 180円 | +23円 |
| 8〜11km | 199円 | 227円 | +28円 |
| 12〜15km | 220円 | 250円 | +30円 |
| 16〜20km | 251円 | 288円 | +37円 |
| 21〜25km(渋谷〜横浜相当) | 272円 | 309円 | +37円 |
| 26〜30km | 304円 | 347円 | +43円 |
出典:東急電鉄「2023年3月18日 東急線運賃改定のご案内」(2023年2月17日発行)
「関東大手私鉄で最安クラス」を返上東急電鉄は長年、関東大手私鉄の中でも特に運賃水準が低い路線として知られていました。今回の改定率12.9%という引き上げ幅は、その"最安クラス"の水準を解消し、他の大手私鉄並みに近づけるためのものでもありました。沿線住民にとっては「そこまで安くなかった?」と感じるかもしれませんが、改定前の東急は同じ距離を乗っても他社より割安だったケースが多かったのです。
主要区間の運賃比較
よく使われる主要区間で、改定前後の運賃を比較しました。通勤や外出で東急線を使っている方は参考にしてみてください。
| 区間(IC) | 改定前 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 渋谷 → 中目黒(東横線) | 126円 | 140円 | +14円 |
| 渋谷 → 自由が丘(東横線) | 157円 | 180円 | +23円 |
| 渋谷 → 武蔵小杉(東横線) | 199円 | 227円 | +28円 |
| 渋谷 → 横浜(東横線) | 272円 | 309円 | +37円 |
| 渋谷 → 三軒茶屋(田園都市線) | 157円 | 180円 | +23円 |
| 渋谷 → 溝の口(田園都市線) | 220円 | 250円 | +30円 |
| 世田谷線(均一制) | 147円(IC) | 160円 | +13円 |
通勤定期代への影響
毎月の通勤定期代にも、改定率とほぼ同程度の値上げが適用されました。1ヶ月あたりで数百〜1,500円以上の出費増となるため、特に通勤距離が長い方には大きな影響です。
| キロ程 | 改定前(1ヶ月) | 改定後(1ヶ月) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1〜3km | 4,380円 | 4,990円 | +610円 |
| 4〜7km | 5,960円 | 6,780円 | +820円 |
| 8〜11km | 7,530円 | 8,570円 | +1,040円 |
| 12〜15km | 8,290円 | 9,430円 | +1,140円 |
| 16〜20km | 9,440円 | 10,740円 | +1,300円 |
| 21〜25km(渋谷〜横浜相当) | 10,110円 | 11,510円 | +1,400円 |
| 26〜30km | 11,270円 | 12,830円 | +1,560円 |
たとえば渋谷〜横浜間(21〜25km区間)の場合、1ヶ月定期は月1,400円、年間で約16,800円の出費増になる計算です。
通学定期は? 2025年に逆に値下げへ
2023年3月の改定時点では、通学定期は家計負担に配慮して据え置きとなりました(こどもの国線を除く全線が対象)。
さらに2025年3月15日には、東急グループが打ち出した「子育て・学生応援 東急スクラムプロジェクト」の一環として、通学定期を平均約30%値下げする運賃改定が実施されました。子育て世帯や学生の家計を応援する取り組みです。
通学定期をお使いの方は、2025年3月15日以降に継続購入することで、値下げ後の料金が適用されます。新しい定期代は東急電鉄の公式サイトや券売機でご確認ください。
東急電鉄が値上げした理由
東急電鉄が17年ぶりの値上げに踏み切った背景には、大きく2つの要因があります。どちらも利用者にとっては「なるほど」と感じる部分があるかもしれません。
安全設備への大規模投資が経営を圧迫
東急電鉄はコロナ禍以前から、他の私鉄と比べて突出した規模の設備投資を続けてきました。公式発表によれば、コロナ前5年間の年平均設備投資額は約540億円で、これは関東大手私鉄7社の平均の2倍以上に相当します。
その結果、次の安全設備が全駅・全車両・全踏切への整備を完了しています。
- ホームドア・センサー付固定式ホーム柵:全駅整備率100%
- 車内防犯カメラ:全車両設置率100%(2020年7月完了)
- 踏切障害物検知装置:全踏切設置率100%(2021年完了)
- 田園都市線 新型車両の導入(2022年度完了)
これらの設備維持費用は年々増加しており、2006年度と比べると鉄道事業に要するコストは約300億円(3割以上)も上昇したとされています。
テレワーク定着で定期利用者が大幅減少
コロナ禍を経てテレワークが定着したことで、東急線の定期利用者数は大きく減少しました。同業他社と比べても特に落ち込みが大きく、東急電鉄は「コロナ前の需要水準には戻らない」と判断しています。
東急線の沿線は世田谷・目黒・渋谷など、大手企業勤めや高収入層の居住者が多い地域です。まさにテレワーク移行が進みやすいホワイトカラー職が多く、定期券離れが特に顕著だったといえます。
値上げの主な理由まとめ①安全設備(ホームドア・防犯カメラ・踏切)の整備コスト増大 ②テレワーク定着による定期利用者の減少 の2つが主な背景です。
東急バスの値上げ(2024年・2025年)
東急バスも電鉄に続き、2回にわたって運賃を引き上げています。
- 2024年4月1日:IC運賃 220円 → 230円
- 2025年10月1日:IC運賃 230円 → 240円、通勤定期(1ヶ月)10,290円 → 10,800円
2025年10月の値上げでは、通勤定期が1ヶ月あたり510円の引き上げとなりました。こちらも通学定期は家計負担に配慮して据え置きとなっています。
東急バスの値上げ詳細(路線別の運賃・定期代一覧など)は下記の専用記事で解説しています。
今後の東急の値上げ予定は?
現時点(2026年5月)では発表なし
2026年5月現在、東急電鉄の基本運賃について次回改定の公式発表はありません。2023年3月の大規模改定から3年が経過していますが、追加値上げの動きは現時点では確認されていません。
ただし、物価上昇や人件費・エネルギーコストの増加が続く中、今後の動向は引き続き注意が必要です。公式サイトのお知らせを定期的にチェックしておくとよいでしょう。
首都圏の他社動向
東急以外の首都圏鉄道では、次のような動きがあります。東急沿線と乗り継ぎで利用する路線も値上がりしている可能性があるため、あわせてご確認ください。
- JR東日本:2026年3月14日から値上げ実施済み(山手線内・電車特定区間の廃止、平均7.1%)
- 東京メトロ:2026年3月14日に千代田線(綾瀬〜北千住間)の特定運賃を小幅改定。さらに2028年3月には本格的な全線の運賃改定を予定
まとめ:東急の値上げポイント
東急の値上げ まとめ
- ✓ 東急電鉄(電車)は2023年3月18日から平均12.9%値上げ。17年ぶりの改定
- ✓ 初乗りIC運賃は126円→140円、渋谷〜横浜は272円→309円へ
- ✓ 通勤定期は距離に応じて月600〜1,560円アップ。通学定期は据え置き→2025年3月に値下げ
- ✓ 値上げの理由は①安全設備の大規模投資コスト増②テレワーク定着による定期利用者減少
- ✓ 東急バスは2025年10月1日からIC運賃240円に(前回2024年4月220→230円)
- ✓ 2026年5月現在、東急電鉄の次回値上げ予定の発表はなし
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2023年3月18日の改定以降、東急電鉄(鉄道各線)の初乗りIC運賃は140円です(改定前は126円)。世田谷線は均一制で160円(改定前147円)となっています。こどもの国線は据え置きです。
2023年3月の改定では、通学定期は家計負担に配慮して据え置きとなりました。さらに2025年3月15日からは逆に平均約30%の値下げが実施されています(「子育て・学生応援 東急スクラムプロジェクト」の一環)。
東急バスの運賃改定は2回行われています。1回目は2024年4月1日(IC 220円→230円)、2回目は2025年10月1日(IC 230円→240円)です。通勤定期(1ヶ月)は2025年10月の改定で10,290円→10,800円(+510円)になりました。詳細は東急バス値上げ記事をご覧ください。
2026年5月現在、東急電鉄の基本運賃についての次回改定予定は公式発表されていません。最新情報は東急電鉄公式サイトのお知らせでご確認ください。
