近鉄(近畿日本鉄道)は2023年4月1日から約27年ぶりの運賃値上げを実施しました。初乗りは160円から180円へ、大阪難波〜近鉄奈良は570円から680円へと値上がりしています。近鉄バスでも2023年〜2024年にかけて順次改定が行われており、日々の通勤・通学代が増えて困っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、値上げのタイミング・金額・理由から、値上げ後に活用できる節約方法まで、公式資料をもとに詳しく解説します。

結論
近鉄の値上げはいつから?いくら?

2023年4月1日から実施済み。初乗り(1〜3km)が160円→180円(+20円)に、平均改定率は17%(普通運賃17.2%・通勤定期18.3%・通学定期9.2%)で、消費税改定を除くと約27年ぶりの値上げです。近鉄バスも2023年11月〜2024年にかけて段階的に値上げされています。

近鉄の値上げはいつから?

近鉄の電車運賃値上げは、2023年4月1日(土)から実施されました。消費税引き上げに伴う改定を除くと、1995年以来約27年ぶりの値上げです。

近鉄は2022年4月15日に国土交通省へ運賃改定を申請し、同年9月2日に認可を取得。以降、約半年の準備期間を経て2023年春の施行となりました。

📅 値上げのタイムライン2022年4月15日:国交省へ運賃改定申請
2022年9月2日:国交大臣より認可
2023年4月1日:新運賃スタート(現在もこの運賃)2028年3月31日:現行認可の期限

なお、現行の認可には2028年3月31日という期限が設けられており、2023〜2025年度の収支実績を確認した上で、期限後の運賃水準が改めて検討される見通しです。次の値上げがいつになるかは現時点では未発表です。

電車の値上げ額はいくら?主要区間・定期代一覧

今回の値上げは距離に比例して値上げ幅が大きくなる仕組みです。日常的な利用が多い短距離(10km以内)の改定率は12.5〜15.4%に抑えられていますが、長距離になるほど影響が大きくなります。

距離帯別の新運賃(普通旅客運賃・大人)

距離(km) 旧運賃 新運賃 値上げ額
1〜3km(初乗り)160円180円+20円
4〜6km210円240円+30円
7〜10km260円300円+40円
11〜14km300円360円+60円
15〜18km360円430円+70円
19〜22km410円490円+80円
23〜26km450円530円+80円
27〜30km500円590円+90円
31〜35km570円680円+110円
36〜40km640円760円+120円
51〜55km840円1,000円+160円
101〜110km1,470円1,740円+270円
181〜190km2,410円2,860円+450円

出典:近畿日本鉄道「鉄軌道旅客運賃の改定申請が認可されました」(2022年9月)

主要区間の値上げ前後比較

沿線利用者が特に気になる主要区間の変更額をまとめました。毎日往復で利用する場合、年間で数千円〜1万円以上の影響になる区間もあります。

区間 旧運賃 新運賃 値上げ額 往復・年間換算
大阪難波〜近鉄奈良570円680円+110円往復+220円/年間+55,000円※
大阪難波〜近鉄名古屋2,410円2,860円+450円往復+900円
京都〜近鉄奈良640円760円+120円往復+240円

※年間250日通勤利用で試算。実際の定期券利用では定期代の改定額が異なります。

⚠ 特急料金・加算運賃は据え置き

今回の改定では、特急料金(ひのとり・しまかぜ等)と吉野線・湯の山線・鳥羽線・志摩線・けいはんな線の加算運賃は改定なしです。特急をご利用の場合、特急料金自体は変わっていませんが、運賃部分が上がっています。

定期券の値上げ額

定期券も同様に値上げされています。改定率は通勤定期が平均18.3%(割引率は42.2%→41.6%に変化)、通学定期が平均9.2%です。

注目したいのが通学定期で、値上げ幅を通勤の約半分に抑えつつ、割引率は80.9%から82.5%に引き上げ。この割引率は大手私鉄の中で最大とのことです。学生さんや親御さんにとっては、値上げの中でも比較的影響が小さい改定になっています。

主要区間の定期代(1か月)

毎日通勤・通学で近鉄を使う方が最も気になるのが定期代の変化ではないでしょうか。主要4区間の1か月定期代を、値上げ前後で比較してみましょう。

区間 通勤定期(旧) 通勤定期(新) 値上げ額
大阪難波〜近鉄奈良19,960円23,680円+3,720円
京都〜近鉄奈良20,980円24,880円+3,900円
大阪阿部野橋〜橿原神宮前21,090円25,010円+3,920円
近鉄名古屋〜近鉄四日市20,730円24,560円+3,830円

出典:近畿日本鉄道「鉄軌道旅客運賃の改定申請が認可されました」(2022年9月)

通勤定期は月3,720〜3,920円の値上がりで、年間に換算すると約44,640〜47,040円の負担増になります。長距離通勤の方ほど影響が大きくなりますね。一方、通学定期(1か月)は同区間で460〜470円程度の値上げにとどまっており、学生への配慮が感じられます。

近鉄が値上げした理由

コロナ禍による利用者の大幅減少

近鉄は1995年以降、消費税改定以外での運賃値上げを長年見送ってきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により鉄道利用が大幅に減少。会議や買い物のオンライン化など「新しい生活様式」が定着しつつあり、「不断の経営努力をもってしても収入減少を補うことは困難な状況」として値上げに踏み切りました。

2020年度の鉄軌道部門では、収入が約100億円に対して支出が約145億円と、約45億円の赤字を計上。このまま据え置き続けることは難しいと判断したのです。

約530億円の設備投資計画

値上げで確保した財源は、安全・快適な輸送サービスの継続に充てられます。2023〜2025年度の3年間で約530億円の設備投資が計画されており、主な内容は以下の通りです。

投資内容金額(目安)
一般車両の更新・車内防犯対策約180億円
バリアフリー整備の加速化約60億円
次世代の営業機器導入約60億円
将来へ向けた技術開発約30億円
その他(安全・防災・美装化等)残額

近鉄は日本最長の私鉄路線(約501km)を抱えており、維持・更新コストも膨大です。乗客1人あたりの走行距離が長い分、設備投資負担も大きくなりやすい構造を持っています。

近鉄バスの値上げ情報

近鉄グループのバス会社も、電車に続いて運賃値上げを実施しています。路線バスは電車と比べて燃料費の影響を受けやすく、乗務員不足への対応も重なって、各エリアで段階的に改定が行われています。

近鉄バス(一般路線バス)の値上げ内容

近鉄バス株式会社は、大阪府内を中心に複数回の値上げを実施しました。

実施日対象エリア改定内容
2023年11月1日大阪府内・信貴山上線平均12.5%値上げ。1区230円→270円
2024年7月1日堺市・富田林市の一部区間南海バスとの並行区間を同調改定
2024年10月1日茨木・摂津・吹田エリア阪急バスとの並行区間を同調改定
2024年12月1日四條畷市・門真市・京都市伏見区一部京阪バスとの並行区間を同調改定

2024年の改定は「同調改定」と呼ばれる形式で、並行区間で競合するバス会社(阪急バス・南海バス・京阪バス)の値上げに合わせて近鉄バスも運賃を揃えるものです。自社単独の申請ではなく、地域の運賃水準を統一する目的があります。

名阪近鉄バスの値上げ(2024年12月)

名古屋・岐阜エリアで運行する名阪近鉄バスは、2024年12月1日から消費税改定を除いて26年ぶりとなる値上げを実施しました。

名阪近鉄バスの改定内容:初乗り 180円 → 210円(+30円)、平均改定率16.2%
値上げ理由:乗務員確保のための賃上げ・燃料費高騰・バリアフリー対応費用の増加

値上げ後の節約方法

「値上げされてしまったから仕方ない」と諦める前に、知っておきたい節約手段があります。特にICOCAを使っている方は、登録するだけで実質的な割引が受けられます。

ICOCAポイント還元サービス(月11回以上で10%還元)

近鉄ICOCAポイント還元サービスは、2024年2月1日にスタートした公式の割引サービスです。以前の回数券(2024年2月末廃止)に代わる節約手段として導入されました。

💡 ICOCAポイント還元サービスのポイント

ICOCAで近鉄を月に11回以上利用すると、その月の利用総額の10%がポイントとして翌月15日に付与されます。定期券区間の乗車分は対象外ですが、定期区間外の利用は対象になります。

通勤や通学で毎日乗る方(月20日・往復で40回)なら、値上げ前の回数券的な割引を十分代替できるサービスです。たとえば大阪難波〜近鉄奈良(680円)を月40回利用すると、27,200円分の乗車に対して2,720円分(約2,720ポイント)が戻ってきます。

登録手順(黒色の定期券自動発売機で完了)

1
定期券発売駅の「黒色」定期券自動発売機へ

黒色でないと利用登録できません。近鉄の主要駅に設置されています。

2
「チャージ / ICOCAポイント・履歴を確認する」を選択

画面の案内に従って操作します。

3
ICOCAをトレイに置き「ICOCAポイントの利用者登録をする」を選択

規約に同意し、必要情報(氏名・生年月日・電話番号)を入力して確定。

4
登録完了!当月分から遡ってポイント計算が始まります

付与されたポイントは翌月15日からチャージ可能。有効期限は付与月を含む3か月後の末日です。

⚠ ICOCA限定・他社ICカードは対象外

このサービスはICOCA専用です。Suica・PiTaPa・manacaなど他社の交通系ICカードでは利用できません。また、WEBからの登録も不可で、必ず近鉄の定期券自動発売機で手続きが必要です。

通学定期の割引率は大手私鉄最大(82.5%)

近鉄の通学定期は今回の値上げで割引率が80.9%から82.5%に引き上げられ、大手私鉄の中で最大の割引率になっています。お子さんが近鉄通学の場合、ICOCAポイントとの併用はできませんが(定期区間は対象外)、もともとの定期代が割安になっている点はメリットです。

よくある質問

値上げではなく、2024年2月29日をもって廃止(発売終了)されました。対象は普通回数券(パールカード11)・時差回数券(オフピークチケット)・土休日割引回数券(サンキューチケット)の3種類です。ただし、通学用割引回数券・障害者用割引回数券・生駒鋼索線用の回数券は引き続き発売されています。代替として「近鉄ICOCAポイント還元サービス」が2024年2月から開始されました。

2023年4月の改定では特急料金(特別車両料金・個室料金含む)は改定対象外です。運賃部分は値上がりしましたが、特急に乗る際に別途支払う特急料金は据え置きです。したがって、特急利用時の合計金額は「運賃の値上げ分」だけ増加しています。

吉野線・湯の山線・鳥羽線・志摩線・けいはんな線に設定されている加算運賃は今回の改定対象外です。これらの路線では基本運賃の値上がり分が増えますが、加算運賃自体は変わっていません。

現時点では次回の値上げ時期は公式に発表されていません。今回の認可には2028年3月31日という期限が設けられており、2023〜2025年度の収支実績を確認した上で、期限後の運賃水準が検討される見通しです。ただし値上げが確定しているわけではなく、収支改善が進めば据え置きになる可能性もあります。

まとめ:近鉄の値上げポイントと節約術

📋 この記事のまとめ

  • 値上げ時期:2023年4月1日から実施済み。消費税改定を除くと27年ぶり
  • 値上げ幅:初乗り160円→180円(+20円)、平均改定率17%。長距離ほど値上げ幅が大きい
  • 値上げ理由:コロナ禍による利用者減少+2023〜2025年度に約530億円の設備投資が必要
  • 近鉄バス:2023年11月〜2024年12月に段階的に値上げ(エリア・路線により異なる)
  • 節約方法:ICOCAポイント還元サービス(月11回以上で10%還元)を活用しよう。定期券自動発売機で要登録

値上げの影響を少しでも和らげたい方は、まずICOCAポイント還元サービスへの登録から始めてみてください。月11回以上の利用で10%が戻ってくるので、通勤・通学での日常利用なら回数券廃止前と同水準の節約効果が期待できます。

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