「九州電力からまた値上げ?」「請求書がじわじわ高くなっている気がする」と感じていませんか。実は九州電力の直近の値上げは2025年4月に実施済みで、今、家計に効いてくるのは政府の電気・ガス料金支援が2026年4月使用分で終了することによる「実質値上げ」です。本記事では、いつから・いくら・なぜ値上げになったのかと、家計でできる現実的な対策を、公式情報をベースに整理しました。
いま動くべきポイントを、置かれている状況別にまとめました。
九州電力の値上げはいつから?対象プランと改定内容
九州電力の直近の値上げは、2024年11月28日に発表され、2025年4月1日(5月検針分)から適用されたものです。検針日基準なので、実際に請求額の変化を体感し始めたのは2025年5〜6月頃という方が多いはずです。
対象プラン一覧
今回の値上げは、低圧側では主に2016年4月に新規受付を終了した「旧オール電化メニュー」が中心です。普段あまり意識しないプラン名が並びますが、検針票や「きゅうでんBiz」のマイページで自分の契約プランを確認してみてください。
| 区分 | 対象プラン | 改定の中身 |
|---|---|---|
| 低圧(一般家庭) | 季時別電灯、時間帯別電灯、ピークシフト電灯、高負荷率型電灯、低圧季時別電力、深夜電力A/B、第2深夜電力、低圧蓄熱調整契約 | 夜間電力量料金単価および蓄熱単価の見直し(季時別電灯はデイタイム・リビングタイムも見直し) |
| 高圧以上(事業者) | 業務用季時別電力A/A-Ⅰ、産業用季時別電力A/A-Ⅰ ほか | 電力量料金単価および市場価格調整等の見直し |
今回の改定対象は旧オール電化向けプランが中心です。スマートファミリープランや従量電灯Bは「プラン自体の単価変更」はありません。ただし後述する補助金終了の影響は同じように受けるので油断は禁物です。
値上げの中身は「夜間料金の引き上げ」がポイント
今回の改定の特徴は、単純な一律値上げではなく夜間料金を中心に引き上げ、昼間料金を引き下げる「時間帯別の組み替え」になっている点です。日本経済新聞の報道によれば、時間帯別電灯では午前10時から午後5時までの電力量料金を1キロワット時あたり2円引き下げる一方で、朝と夜の時間帯は引き上げという内容になっています。エコキュート等で夜間に集中して電力を使ってきたご家庭ほど、影響が大きくなる構造です。
値上げで電気代はいくら上がる?世帯別シミュレーション
「結局、自分の家計だといくら変わるの?」が一番気になるポイントですよね。九州電力が公表している試算では、季時別電灯を6kVAで契約・使用量610kWhのモデルケースで月額+453円の値上がりとされています。ただ、ほとんどの方にとってはこの数字より、次にやってくる「補助金終了による実質値上げ」のほうが家計インパクトが大きくなる見込みです。
世帯別の月額シミュレーション(補助金終了でいくら上がる?)
スマートファミリープラン契約を前提に、補助金が手厚かった2026年1〜2月使用分と、補助金が完全終了した4月使用分以降の月額を比較してみました。同じ使い方でも月+900〜2,250円の差が出る計算です(燃料費調整額・再エネ賦課金は含めず単純化)。
| 世帯モデル | 月使用量 | 補助金あり (1〜2月分) | 補助金なし (4月〜) | 差額/月 | 年換算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし (30A) | 200kWh | 約4,171円 | 約5,071円 | +900円 | 約1.1万円 |
| 2人世帯 (30A) | 300kWh | 約6,118円 | 約7,468円 | +1,350円 | 約1.6万円 |
| 3人世帯 (40A) | 400kWh | 約8,541円 | 約10,341円 | +1,800円 | 約2.2万円 |
| 4人以上 (50A) | 500kWh | 約10,964円 | 約13,214円 | +2,250円 | 約2.7万円 |
※プライシー編集部試算。スマートファミリープランの基本料金・電力量料金単価をもとに、2026年1〜2月の補助単価4.5円/kWhの値引きを反映。燃料費調整額・再エネ賦課金・各種割引は含めていません。実際の請求額とは差が出ます。
「電気代は1人暮らしの2倍くらい?」と思いがちですが、再エネ賦課金や使用量帯別単価が積み重なって、補助金終了の影響額も世帯人数に応じて大きくなります。4人以上の世帯では年間2.7万円の差。4月の請求書が来てから慌てないよう、今のうちに節電・プラン見直しの準備を始めておくと安心です。
スマートファミリープラン契約者は「プラン値上げ」はゼロ
繰り返しになりますが、スマートファミリープランや従量電灯Bは今回の値上げの対象外です。スマートファミリープランの料金単価を整理すると以下の通りです(2026年5月時点)。
| 区分 | 単価(税込) |
|---|---|
| 基本料金(30A) | 948.72円 |
| 基本料金(50A) | 1,581.20円 |
| 電力量料金 〜120kWh | 18.37円/kWh |
| 電力量料金 121〜300kWh | 23.97円/kWh |
| 電力量料金 301kWh〜 | 25.57円/kWh |
| 2年契約割引 | 年間777円 |
注意したいのは「燃料費調整額の上限なし」
スマートファミリープランは自由料金プランのため、規制料金の従量電灯Bと違って燃料費調整額に上限がありません。燃料価格が高騰した局面では、スマートファミリープランのほうが従量電灯Bより請求額が高くなる可能性があります。為替や原油・LNG価格が動いた月は、検針票の燃料費調整額の欄を一度チェックする習慣をつけておきたいところです。
2026年4月から電気・ガス補助金が終了|実質値上げのタイミングに備える
「九州電力 値上げ」で検索している方が今いちばん気にすべきなのは、実はプラン改定よりも2026年4月使用分から政府の電気・ガス料金支援が終了することです。これは九州電力だけでなく全国の電力会社・ガス会社の利用者に共通する話で、検針票上は単価が変わらなくても請求額が跳ね上がります。
補助金フェードアウトのタイムライン
経済産業省 資源エネルギー庁の電気・ガス料金支援サイトによると、2026年の補助単価は段階的に縮小されていきます。
1〜2月使用分
3月使用分
4月使用分〜
標準世帯で月いくら上がる?
1か月の使用量が250kWhの標準的な家庭で計算すると、1〜2月は月額約1,125円(4.5円×250kWh)が国の支援で値引かれていました。これが4月にゼロになるため、同じ使い方をしていても請求額が月+約1,000円〜1,100円増える計算になります。年額にすると約1.3万円〜1.5万円のインパクトです。使用量が多いご家庭ほど影響額も比例して大きくなるので、4人家族など電気をよく使う世帯はもう一段大きな差が出ます。
2026年3月分は補助がまだ残っていますが、1〜2月の3分の1の単価になっています。「先月より高くなった」と感じる人が出やすいタイミングなので、4月の本格終了に備えるなら3月の請求書で家計感をつかんでおくのがおすすめです。
なぜ九州電力は値上げした?主な3つの理由
2025年4月の値上げの理由は、九州電力公式によれば「需給構造の変化への対応」です。やや抽象的なので、具体的に3つのドライバーに分けて整理しました。
夜間の電力調達コストが上昇している
九州は太陽光発電の導入量が全国でも多く、昼間は太陽光で電力を賄える時間帯が増えました。その結果、相対的に夜間の電力需要の比重が高まり、火力発電を稼働させて夜間電力を調達するコストが膨らんでいます。今回の改定で夜間料金を引き上げ、昼間料金を引き下げたのはこのためです。
再エネ賦課金が過去最高に
太陽光・風力など再生可能エネルギーの普及を支える「再エネ賦課金」は、2026年度に1kWhあたり4.18円(前年度は3.98円)に決定し、初めて4円台に乗りました。月300kWh使う家庭で月1,254円・年15,048円の負担となります。これは九州電力だけでなく全国共通のコストです。
燃料費・円安の影響が続いている
九州電力は火力発電への依存度が高く、LNGや石炭の輸入コストが円安・国際情勢の影響で上振れしやすい構造です。これは燃料費調整額として毎月の電気料金に反映されており、原油・LNG価格が動くと請求額もそれにつれて動きます。
過去の値上げ年表(2022〜2025)
九州電力の料金は2022年以降、毎年のように改定や手数料変更が続いています。「最近よく値上げを聞くなあ」という体感は気のせいではなく、実態として年単位で改定が積み重なっています。
10月分〜
4月1日〜
4月1日〜
4月1日〜
4月使用分〜
こうして並べると、毎年4月前後に何かしらの改定が入っているのがわかりますね。「春は電気代の更新シーズン」と覚えておくと、家計の見直しタイミングが取りやすくなります。
九州電力の値上げに家計でできる対策
では、値上げと補助金終了に対して家計でできることは何か。効果の出やすい順に整理すると、(1) 節電 / (2) プラン見直し / (3) 新電力への乗り換えの3階建てで考えるのが現実的です。一気に全部やる必要はありません。
今日からできる節電のコツ
節電は1つあたりの削減額は小さいものの、追加コストゼロで今日から始められます。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでも紹介されている定番の組み合わせは以下の通りです。
エアコンの設定温度を季節ごとに1度ずらす
夏は1度高く、冬は1度低くするだけで消費電力が約10%前後減るとされています。フィルター清掃も月1〜2回が目安です。
冷蔵庫の詰め込みすぎを解消する
庫内に冷気が回りやすくなり、効率的に冷えます。家庭の電気使用量の中でも冷蔵庫の割合は大きく、買い替え時には省エネタイプを選ぶことで年間6,000〜8,000円の削減効果が期待できます。
白熱電球・古い蛍光灯をLEDに置き換える
消費電力は約1/5〜1/10、寿命も40,000時間程度と圧倒的に長持ち。玄関や廊下など毎日点灯する箇所から順に交換するのが効率的です。
使っていない家電の待機電力をカット
テレビ・電子レンジ・温水洗浄便座などのコンセントを抜くか、スイッチ付きタップで物理的に遮断します。家庭の電気代の約5%が待機電力という調査もあります。
九州電力の中でのプラン見直し
「新電力に乗り換えるのはまだハードルが高い」という方は、まず九州電力内のプラン変更を検討してみてください。たとえば従量電灯Bの方がスマートファミリープランに切り替えると、301kWh以上の3段目料金が1.4円/kWh安くなる上に2年契約割引(年777円)も付きます。一方でオール電化向けの夜間型プランを契約している方は、今回の値上げの影響を強く受けているので、生活パターンと合っているか改めて確認しておく価値があります。
新電力への乗り換え(最も効果的)
家計インパクトが最も大きいのは、九州電力以外の新電力会社への切り替えです。お得電力ナビによれば、Webサイトからの申し込みは5〜10分程度で完了し、解約手続きも新しい電力会社側が代行してくれます。
新電力に切り替えても、家まで電気を届ける送配電網は引き続き九州電力送配電のものを使います。電気の品質や安定性は変わらず、停電が増えることもありません。引っ越しも工事も不要なので、検針票を手元に用意してWebから申し込むだけです。
節電に役立つ省エネグッズ
節電を仕組み化する補助アイテムもあわせて紹介します。プライシーの価格チャートで底値タイミングを確認しながら、無理のないタイミングで揃えていくのがおすすめです。
九州電力の値上げに関するよくある質問
2026年1〜2月使用分(低圧 −4.5円/kWh)と3月使用分(同 −1.5円/kWh)が対象です。2026年4月使用分以降は補助なしの状態に戻り、再開時期は2026年5月時点で未定です。
2025年4月の改定により、九州電力の料金は東京電力や関西電力など他の大手電力会社とほぼ同水準まで上がったと整理されています。これまで「九州エリアの電気代は比較的安い」とされてきた優位性は、以前ほどはっきりしなくなったといえる状況です。契約プランや使用量によっても差が出るので、検針票で実際の単価を確認するのが確実です。
増えません。家庭まで電気を届ける送配電網は引き続き九州電力送配電が管理しており、新電力会社はその上で電気の「販売」だけを行う仕組みです。停電の頻度・電気の品質・復旧スピードのいずれも九州電力契約時と変わりません。
原則として可能です。ただしマンション全体で「高圧一括受電契約」を結んでいる物件では、個別の切り替えができない場合があります。契約形態が分からないときは、管理会社や大家さんに「高圧一括受電かどうか」を確認するのが早いです。
不要です。新しい電力会社に申し込むと、そちらの会社が現在の九州電力との解約手続きをまとめて代行してくれます。利用者がやることは、検針票を見ながら申し込みフォームに必要事項を入力することだけです。違約金の有無は新旧それぞれのプランの規約で事前に確認しておきましょう。
まとめ:今すぐ確認したい3つのポイント
- 九州電力の直近の値上げは2025年4月1日から。対象は旧オール電化メニュー中心で、スマートファミリープラン・従量電灯Bは据え置きです
- 本当の山場は2026年4月使用分から政府の電気・ガス料金支援が終了すること。標準世帯で月+約1,000円〜1,100円の負担増です
- 家計の打ち手は「節電 → 九州電力内でのプラン見直し → 新電力への乗り換え」の順に。新電力の申し込みはWebで5〜10分、電気の品質は変わりません
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