自動車保険(任意保険)の値上げが2025〜2026年にかけて相次いでいます。大手損害保険会社4社が過去最大級の値上げを実施・予定しており、さらに2026年11月には自賠責保険も13年ぶりに値上げされます。「自分の保険はいつから、いくら上がるの?」という疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。本記事では、会社別の値上げ幅・時期から値上げの理由、そして保険料を安くする具体的な方法まで、最新情報をもとに解説します。
大手損保(代理店型)は2025〜2026年に6〜8.5%の値上げを実施。東京海上日動は2025年10月に過去最大の8.5%引き上げ済み。損保ジャパン・三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保は2026年1月に6〜7.5%値上げしています。ソニー損保(ダイレクト型)も2026年1月・7月に保険料を改定。自賠責保険は2026年11月1日から平均6.2%値上げ(13年ぶり)となります。
保険料が値上がりしても、ダイレクト型への乗り換えや補償内容の見直しで10〜30%節約できる可能性があります。
【2025〜2026年】自動車保険 値上げまとめ
まず、主要な損害保険会社の値上げ状況を一覧でご確認ください。代理店型(対面型)4社の値上げは既に実施済みのものと予定のものが混在しています。
| 保険会社 | 種別 | 値上げ幅 | 実施時期 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 代理店型 | 約8.5% | 2025年10月 | 実施済み |
| 損保ジャパン | 代理店型 | 約7.5% | 2026年1月 | 実施済み |
| 三井住友海上 | 代理店型 | 約7% | 2026年1月 | 実施済み |
| あいおいニッセイ同和損保 | 代理店型 | 約6% | 2026年1月 | 実施済み |
| 東京海上日動(追加) | 代理店型 | 約6.5% | 2026年10月(予定) | 予定 |
| ソニー損保 | ダイレクト型 | 非公表 | 2026年1月・7月 | 実施済み |
| 自賠責保険(全社共通) | 強制保険 | 平均6.2% | 2026年11月1日〜 | 予定 |
⚠️ 値上げは「契約・更新のタイミング」で適用されます
現在加入中の保険は、満期日が来るまで値上げ前の保険料が続きます。次回の契約更新(または新規契約)から値上げ後の料率が適用されます。今すぐ保険料が変わるわけではないのでご安心ください。
なぜ自動車保険は値上がりするのか?3つの理由
「交通事故は減っているのに、なぜ保険料が上がるの?」と感じる方は多いと思います。事故件数は確かに減少傾向にありますが、それ以上に保険会社の支出を押し上げる要因が増えているのです。
1. 車の修理費が急騰している
自動車保険の収支を最も圧迫しているのが、修理費の高騰です。損害保険料率算出機構のデータによると、保険金支払1件あたりの修理費は2018年の約26.7万円から2022年には約30万円へと、約12%増加しています。
背景には複数の要因があります。近年の車には衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)やレーダー式カメラなどの安全装置(ASV)が搭載されており、センサー類の部品代が非常に高額です。加えて円安による輸入部品の高騰、人件費・光熱費の上昇も加わり、修理1件あたりのコストが年々増加しています。
2. 大規模な自然災害の増加
近年、豪雨による車両の水没・冠水被害や、降雹(ひょう)によるボディへのダメージが増加しています。自然災害で車両が損傷した場合、車両保険で修理費が支払われます。1回の災害で多数の車両が被害を受けるため、保険会社の支出が一気に増加する仕組みです。
3. 損害保険料率算出機構の参考純率改定
日本の損害保険会社が保険料を設定する際、損害保険料率算出機構(損保料率機構)が算出する「参考純率」を目安にします。同機構は2024年6月に自動車保険の参考純率を平均5.7%引き上げることを届け出ており、これが2026年以降の各社保険料改定に反映されています。参考純率の改定は、保険業界全体に波及する構造的な要因です。
【会社別】自動車保険 値上げの詳細
各保険会社の値上げ状況には違いがあります。特に加入している会社の情報はしっかり確認しておきましょう。
東京海上日動|2025年10月に過去最大8.5%値上げ
東京海上日動は2025年1月に3.5%値上げしたばかりでしたが、修理費単価のさらなる上昇と事故件数の高止まりにより、同年10月にも追加で8.5%引き上げました。年内に2回値上げするのは業界でも異例の対応です。
2025年10月の8.5%という引き上げ幅は、これまでの最高改定率(2013年の4.6%)を大幅に上回る過去最大の値上げとなっています。さらに2026年10月にも約6.5%の追加値上げが報じられており、連続した保険料負担増が続く見通しです。
損保ジャパン|2026年1月に7.5%値上げ
損保ジャパンは2026年1月1日以降を始期日とする契約から、平均で約7.5%の保険料引き上げを実施しています。大手3社の中で最も高い値上げ幅です。物価上昇による修理費の高騰や、自然災害による支払保険金の増加が主な理由とされています。損保ジャパン公式サイトでも改定内容を確認できます。
三井住友海上|2026年1月に7%値上げ
三井住友海上は2026年1月に平均約7%の保険料値上げを実施しました。損保ジャパンと同様に、部品価格・人件費の上昇や自然災害の増加による保険金支払いの増加が背景です。
あいおいニッセイ同和損保|2026年1月に6%値上げ
あいおいニッセイ同和損保は2026年1月から約6%の値上げを実施しています。代理店型大手3社の中では最も低い値上げ幅ですが、それでも年間保険料に換算すると数千円単位の増加になる場合があります。
ソニー損保(ダイレクト型)|2026年1月・7月に改定
ダイレクト型(ネット型)を代表するソニー損保も、2026年1月1日以降を始期日とする契約から保険料の改定を実施しています。さらに2026年7月1日以降の契約についても追加改定が予定されています。具体的な値上げ率は公表されていませんが、「物価上昇による修理費の高騰や、事故および自然災害の増加等を踏まえた見直し」としています。
ただし、ダイレクト型はもともと代理店型より保険料水準が低いため、値上げ後も代理店型より安い場合が多いのが実態です。
💡 豆知識:料率クラスとは?
自動車保険の保険料は車種(型式)ごとの「料率クラス」によっても変わります。対人・対物・人身傷害・車両の4分野で1〜17の17段階(軽自動車は1〜7の7段階)があり、数字が大きいほど保険料が高くなります。損害保険料率算出機構のサイトで自分の車の料率クラスを確認できます。
【2026年11月】自賠責保険も13年ぶりに値上げ
車を所有するすべての人に加入が義務づけられている自賠責保険(強制保険)も、2026年11月から値上げが決定しました。任意保険とは別に支払う必要があるため、カーオーナーの出費はダブルで増えることになります。
自賠責保険と任意保険の違いをおさらい
| 自賠責保険(強制保険) | 任意保険 | |
|---|---|---|
| 加入 | 全員加入義務あり | 任意(加入しない選択も可) |
| 補償対象 | 相手への対人賠償のみ | 対人・対物・自車・自身のケガ等 |
| 保険料 | 全社共通(一律) | 会社・条件によって異なる |
| 支払限度 | 死亡3,000万円・傷害120万円等 | 補償内容に応じて設定 |
いつから?いくら上がる?車種別の保険料変化
損害保険料率算出機構は2026年4月30日に金融庁長官へ届け出を行い、2026年11月1日以降を始期日とする契約から新料率が適用されます。平均改定率は6.2%の引き上げで、2013年4月以来13年ぶりの値上げです。
| 車種 | 契約期間 | 現行保険料 | 改定後 | 増加額 |
|---|---|---|---|---|
| 自家用乗用車(普通車) | 24か月 | 17,650円 | 18,560円 | +910円 |
| 軽自動車(検査対象) | 24か月 | 17,540円 | 18,660円 | +1,120円 |
| 自家用小型貨物車(バン等) | 24か月 | 20,340円 | 21,430円 | +1,090円 |
出典:損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率表(2026年4月届出)」 ※沖縄県・離島を除く地域の数値
13年ぶりなのに、なぜ今値上げ?
自賠責保険料は2013年を最後に値上げされておらず、4回の値下げを経て現在の水準になっています。今回値上げの主な理由は2つ。①インフレによる社費・代理店手数料の上昇(赤字状態が継続)②コロナ禍の事故減少で膨らんだ「滞留資金」が2025年度末時点で約2,000億円減少し、赤字補てんが追いつかなくなったためです。ちなみに値上げ後の18,560円は、2013年当時の27,840円より大幅に安い水準です。
軽自動車の自動車保険 値上げ|任意保険・自賠責それぞれの影響
軽自動車オーナーの方は、任意保険・自賠責保険の両方で値上げの影響を受けます。特に注目したいのが自賠責保険の値上げ額です。
軽自動車の自賠責、増加額は普通車より大きい
上の表を見ていただくと、自賠責保険(24か月)の増加額は普通車(乗用車)が+910円なのに対し、軽自動車は+1,120円と210円多く上がります。これは軽自動車の改定率が普通車より高く設定されているためです。
任意保険(軽自動車)の料率クラスについて
任意保険(代理店型)の値上げは普通車と同様に6〜8.5%が適用されます。ただし、軽自動車は「料率クラス」が1〜7の7段階(普通車は1〜17段階)と区分が異なります。軽自動車は走行距離が少ない傾向があり、保険料水準が普通車より低めに設定されている場合が多いです。
💡 軽自動車オーナーが今できること
任意保険と自賠責の両方で値上げが続く軽自動車ですが、ダイレクト型保険への切り替えで任意保険部分を年間数千〜数万円節約できる可能性があります。自賠責は全社共通のため節約できませんが、任意保険の比較見直しは効果的です。
値上がりした保険料を安くする方法
自動車保険が値上がりしているからといって、諦める必要はありません。工夫次第で保険料を大幅に節約できます。ただし、補償を削りすぎて「いざという時に困る」事態は避けたいところです。やっていいことと避けるべきことを正しく理解しておきましょう。
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1ダイレクト型(ネット型)に乗り換える
値上げが発表されているのは、ほとんどが対面で契約する「代理店型」の保険会社です。インターネットで直接申し込む「ダイレクト型(ネット型)」は、代理店手数料がかからないためもともとの保険料水準が低く、乗り換えると同じ補償内容でも一般的に20〜30%保険料が安くなるケースがあります。インターネット割引(約1万円程度)も適用できるのも大きなポイントです。ソニー損保・SBI損保・イーデザイン損保などが代表的なダイレクト型保険会社です。乗り換えの際は、補償内容を現状と合わせて比較することが大切です。
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2特約・補償内容を見直す
何年も契約内容を見直していない場合、不要な特約が付いたままになっている可能性があります。例えば弁護士費用特約や個人賠償責任特約は、家族の他の保険と重複していることがあります。ただし、補償を削りすぎると事故時に困るため、専門家に相談しながら慎重に判断しましょう。
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3年齢条件・運転者限定を見直す
「本人・配偶者限定」や「26歳以上限定」など、実態に合った設定にするだけで保険料が変わります。子どもが車に乗らなくなった、夫婦しか運転しないといった変化があれば、条件の絞り込みで節約できます。逆に条件を絞りすぎると対象外の人が事故を起こした際に補償されないリスクがあるので注意が必要です。
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4一括払いに変更する
月払いから年払い(一括払い)に変更するだけで、月払い手数料(保険料の約5%)を節約できます。月払いで年間6万円の保険料なら約3,000円の節約になります。クレジットカードで一括払いにすれば、ポイント還元も受けられて実質の負担をさらに減らせます。
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5割引制度を活用する
各保険会社が提供する割引制度を組み合わせることで、保険料を大幅に抑えられます。主な割引の目安は以下の通りです。
割引の種類 割引の目安 インターネット割引(ダイレクト型) 約1万円程度 ゴールド免許割引 約10% 新車割引 約10% ASV割引(安全装置搭載車) 約5% 保険証券不発行割引 約500円程度 早期契約割引 約500円程度
⚠️ やってはいけない節約:補償内容を削りすぎる
車両保険をなくせば保険料はぐっと下がりますが、事故や自然災害(雹害・水没等)が起きたとき、修理費用を全額自己負担することになります。保険料の節約と補償のバランスは慎重に考えてください。
まとめ
🚗 自動車保険 値上げ まとめ
- 東京海上日動は2025年10月に過去最大の8.5%値上げ済み(2026年10月にさらに約6.5%追加予定)
- 損保ジャパン(7.5%)・三井住友海上(7%)・あいおいニッセイ(6%)は2026年1月に値上げ済み
- ソニー損保も2026年1月・7月に保険料改定(値上げ率は非公表)
- 自賠責保険は2026年11月1日から平均6.2%値上げ(13年ぶり)。軽自動車の増額(+1,120円/24か月)は普通車(+910円)より大
- ダイレクト型保険への乗り換えや割引活用で10〜30%の節約が可能。補償を削りすぎない範囲で見直しを
よくある質問
値上げは「契約・更新のタイミング」で適用されます。現在加入中の保険は満期日まで値上げ前の保険料が続きます。例えば損保ジャパンの場合、2026年1月以降に新規契約・更新をした分から7.5%値上げ後の料率が適用されます。今すぐ保険料が変わるわけではないのでご安心ください。
はい、ダイレクト型のソニー損保も2026年1月・7月に保険料の改定を実施しています。ただし、具体的な値上げ率は公表されていません。一般的にダイレクト型はもともと代理店型より保険料水準が低いため、値上げ後も代理店型と比べると安い場合が多いです。
2026年11月1日以降を始期日とする契約から適用されます。軽自動車(検査対象車)の24か月契約は現行17,540円から改定後18,660円に、1,120円の値上げとなります。普通車(乗用車)の+910円より増加額が大きい点にご注意ください。
はい、等級(ノンフリート等級)制度により、無事故の場合は毎年等級が上がり保険料が下がります。ただし、全体の保険料水準の値上げ分が等級割引を上回ると、無事故でも保険料が上がる場合があります。等級割引と値上げ幅の兼ね合いについては、ご加入の保険会社に確認するのが確実です。
任意保険は満期前でも解約・乗り換えが可能です。ただし、中途解約の場合は短期率での精算となるため、戻ってくる保険料が少なくなることがあります。また、等級の引き継ぎには条件があるため、乗り換え前に現在の保険会社と乗り換え先に確認することをおすすめします。満期のタイミングに合わせて乗り換えるのが、手続き上もっとも簡単です。
