モバイルバッテリーは一般ゴミとして捨てることができません。この記事では、正しい処分方法を「通常品」と「膨張品」に分けてわかりやすく解説します。家電量販店の回収ボックスやメーカーの回収サービスなど、無料で処分する方法を具体的な手順つきでまとめました。
モバイルバッテリーは燃えるゴミにも燃えないゴミにも出せません。内蔵されたリチウムイオン電池がゴミ処理場で発火し、大きな火災につながるおそれがあるためです。
最も手軽な処分方法は、家電量販店やホームセンターに設置されているJBRC回収ボックスに持ち込むことです。端子部分をテープで絶縁してから投入すれば、費用は一切かかりません。
膨張しているバッテリーは回収ボックスに入れられないため、お住まいの自治体の清掃担当に連絡するか、メーカーの回収サービスを利用しましょう。
モバイルバッテリーは何ゴミ?一般ゴミでは出せない理由
モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は、衝撃や高温にさらされると発火・爆発するおそれがあります。一般ゴミとして廃棄すると、ゴミ収集車やゴミ処理場で圧縮・破砕された際にショートし、火災を引き起こす可能性があります。
実際に、ゴミ処理施設で発生したリチウムイオン電池が原因とみられる火災は、2023年度に8,543件と前年度(4,260件)から倍増しています。また、2018〜2021年度の4年間で被害額は約111億円に達しており、社会問題になっています。
こうした背景から、ほとんどの自治体ではモバイルバッテリーを燃えるゴミ・燃えないゴミのどちらでも受け付けていません。「資源有効利用促進法」に基づき、メーカーやリサイクル団体を通じた適切なルートでの処分が求められています。
⚠ ゴミ袋に入れるのは絶対NG
モバイルバッテリーをゴミ袋に入れて出すと、収集車内での火災リスクがあります。実際に、不燃ゴミの区分で回収されたリチウムイオン電池による火災が全体の72%を占めています。
モバイルバッテリーの処分方法
モバイルバッテリーを処分するには、主に4つの方法があります。いずれも基本的に無料です。状況に応じて最適な方法を選んでください。
| 処分方法 | 費用 | 膨張品 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| JBRC回収協力店 | 無料 | ✕ | 近くに家電量販店がある人 |
| 自治体の回収 | 無料 | △(要確認) | 回収ボックスが近くにない人 |
| メーカー回収 | 無料 | ◯ | Anker等の対応メーカー製品 |
| 携帯キャリアショップ | 無料 | △(要確認) | 携帯ショップが最寄りの人 |
JBRC回収協力店に持ち込む
最も一般的で手軽な方法が、JBRC(一般社団法人JBRC)の回収協力店に持ち込むことです。ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダデンキ、ケーズデンキなどの家電量販店や、ホームセンター、スーパーなどに設置された回収ボックスに入れるだけで完了します。
JBRCの公式サイトでは、郵便番号や住所から最寄りの回収協力店を検索できます。購入店舗やメーカーを問わず、JBRC会員企業が製造した製品であれば回収してもらえます。利用手順は以下のとおりです。
協力店・協力自治体検索ページから郵便番号を入力すると、近くの回収拠点が表示されます。
処分するバッテリーのUSB端子等をテープで覆い、ポリ袋に入れます(詳しい手順は後述)。
回収ボックスが見当たらない場合は、店員に声をかければ対応してもらえます。
JBRC回収の条件
回収対象は「JBRC会員企業製」「破損・膨張・水濡れなし」「ハードケース型」のバッテリーです。膨張品やラミネート型(柔らかいパウチ型)は対象外となります。リサイクルマークの有無は店舗によって対応が分かれますが、ヨドバシカメラなどリサイクルマーク不問で回収する店舗もあります。
自治体の回収ボックス・拠点回収を利用する
お住まいの自治体が設置している回収ボックスや、拠点回収を利用する方法です。2025年4月の環境省通知により、自治体でのリチウム蓄電池の分別回収体制が拡大しています。
自治体によって対応は異なりますが、市区町村の公式サイトで「リチウムイオン電池」「モバイルバッテリー」と検索すると、最新の回収方法が確認できます。一部の自治体では、膨張したバッテリーも清掃事務所への持ち込みで受け付けています。
メーカーの回収サービスを利用する
一部のメーカーは、自社製品の無料回収サービスを提供しています。たとえばAnker(アンカー)は、公式サイトのフォームから申し込むだけで、送料Anker負担で回収してもらえます。膨張した製品も回収対象です。
2026年4月からは改正資源有効利用促進法の施行により、一定規模以上のメーカーにモバイルバッテリーの回収が義務づけられるため、各メーカーの回収サービスは今後さらに充実していく見込みです。
携帯キャリアショップに持ち込む
au、ソフトバンク、ドコモなどの携帯キャリアショップでも、モバイルバッテリーの回収を受け付けている場合があります。スマホの機種変更やキャリア乗り換えのついでに処分したい場合に便利です。対応状況は店舗によって異なるため、事前に電話で確認しましょう。
💡 近くに回収ボックスがない場合は?
JBRC協力店が近くにない場合は、①お住まいの自治体のゴミ分別案内ページを確認する、②メーカーの送料無料回収サービスを利用する(Ankerなど)、③携帯キャリアショップに相談する、の3つの方法を試してみてください。2025年以降、自治体での回収体制が全国的に拡充されているため、以前は対応していなかった自治体でも回収が始まっている可能性があります。
処分前にやるべき絶縁処理の手順
モバイルバッテリーを回収ボックスに入れる前に、必ず端子の絶縁処理を行いましょう。端子がむき出しのまま他の金属に触れると、ショートして発火するおそれがあります。
完全に使い切る必要はありませんが、残量が少ないほうが安全です。充電が残っている状態でも処分は可能です。
USB Type-A、Type-C、microUSBなどの端子部分を、ビニールテープや絶縁テープで覆います。金属部分が完全に見えなくなるまでしっかり巻きましょう。Type-Cなど小さい端子はテープが浮きやすいため、指の腹でしっかり押し付けてください。
絶縁処理をしたモバイルバッテリーは、1つずつポリ袋に入れてから回収ボックスに投入します。複数のバッテリーを裸のまままとめて入れると、互いに接触してショートするリスクがあります。
💡 使えるテープの種類
JBRCの安全処置事例集では、絶縁テープ(電気絶縁用ビニールテープ)の使用が推奨されています。絶縁テープが手元にない場合は、一般的なビニールテープやセロハンテープでも代用できます。
膨張したモバイルバッテリーの処分方法
膨張したモバイルバッテリーは、通常の回収ボックスには入れられません。JBRCの回収対象からも明確に除外されています。膨張品は発火リスクが高いため、以下の手順で慎重に対処しましょう。
膨張しているかの見分け方
以下の症状がある場合、バッテリーが膨張している可能性があります。
- 本体が明らかに膨らんでいる・歪んでいる
- 机の上に置くとガタガタする(平らでなくなっている)
- ケースの継ぎ目に隙間ができている
- 異臭がする
膨張バッテリーの一時保管方法
処分先が見つかるまでの一時保管は、安全に行うことが重要です。
- 金属製の缶など、不燃性の容器に入れる
- フタは密閉せず、軽く乗せる程度にとどめる(ガスが溜まるのを防ぐ)
- 直射日光や暖房器具のそばを避け、涼しく風通しのよい場所に置く
- 可燃物(紙、布など)からは離す
具体的な処分先と手順
膨張したモバイルバッテリーは、以下のルートで処分できます。
①自治体の清掃担当に連絡するのが最も確実な方法です。電話で「膨張したモバイルバッテリーを処分したい」と伝えれば、持ち込み先や回収方法を案内してもらえます。多くの自治体では清掃事務所への直接持ち込みで対応しています。
②メーカーに回収を依頼する方法もあります。Ankerなど一部メーカーは膨張品も送料無料で回収しています。お持ちの製品のメーカーサイトで回収サービスの有無を確認しましょう。
③一部の家電量販店でも、店頭での持ち込み相談に応じてくれる場合があります。ただし膨張品の対応は店舗ごとの判断になるため、必ず事前に電話で確認してください。
⚠ 膨張バッテリーでやってはいけないこと
分解・穴あけ・ガス抜きは絶対にNGです。リチウムイオン電池の内部は非常に反応性が高く、外気や水分に触れると発火・爆発する危険があります。「ガスを抜いてから捨てよう」と穴を開ける行為は、最も危険な処分方法です。
モバイルバッテリー処分時の注意点
安全に処分するために、以下のポイントを必ず守りましょう。
- 一般ゴミに混入させない — 燃えるゴミ・燃えないゴミのどちらにも出さない
- 破損品を回収ボックスに入れない — 膨張・破損・水濡れしたバッテリーはJBRC回収対象外。回収ボックスに入れると他のバッテリーに引火するリスクがある
- 分解しない — 内部の電池セルを取り出そうとする行為は発火の原因になる
- 水に濡らさない — リチウムイオン電池は水と反応して発火する性質がある
- 長期間放置しない — 使わなくなったモバイルバッテリーを引き出しの奥に放置すると、経年劣化で膨張が進行し、最悪の場合は自然発火する
【2025〜2026年】モバイルバッテリー処分の最新動向
モバイルバッテリーの処分を取り巻く環境は、2025年から大きく変わりつつあります。今後はさらに処分しやすくなる見通しです。
2025年4月:環境省通知で自治体回収が拡大
環境省は2025年4月15日付の通知で、全国の市区町村にリチウム蓄電池の分別回収体制の構築を要請しました。2023年度時点でリチウムイオン電池を分別回収している自治体は75%にとどまっていましたが、この通知を受けて未対応の自治体でも回収体制の整備が進んでいます。
お住まいの自治体が最近になって回収を始めている可能性があるため、処分の際は最新情報を市区町村の公式サイトで確認することをおすすめします。
2026年4月:リサイクル義務化でメーカー回収が義務に
2026年4月に改正資源有効利用促進法が施行され、モバイルバッテリー・スマートフォン・加熱式たばこが「指定再資源化製品」に追加されます。年間1,000台以上を生産・輸入販売するメーカーには、回収とリサイクルが義務づけられます。
これにより、家電量販店や公共施設に設置される回収ボックスの増加が見込まれ、処分の選択肢はさらに広がります。取り組みが不十分なメーカーには指導・勧告・罰金が科されるため、メーカー独自の回収サービスも拡充していくでしょう。
モバイルバッテリーの処分に関するよくある質問
基本的に無料です。JBRC回収協力店への持ち込み、自治体の回収ボックス、メーカーの回収サービス(Ankerなど)はいずれも費用がかかりません。不用品回収業者を利用する場合は有料になることがあります。
乾電池式のモバイルバッテリーは、乾電池と本体ケースを分けて処分できます。乾電池は自治体の電池回収ルールに従い、本体ケース(プラスチック部分)は不燃ゴミとして処分できる場合がほとんどです。お住まいの自治体のルールを確認してください。
JBRCの回収協力店では、JBRC会員企業製であることが条件のため、リサイクルマークがない場合は断られることがあります。ただし、ヨドバシカメラなど一部の店舗ではリサイクルマークの有無を問わず回収に応じています。対応は店舗によって異なるため、事前の確認をおすすめします。
充電してもすぐに残量がなくなる、充電に異常に時間がかかる、本体が熱くなりやすい、膨張している、といった症状があれば寿命のサインです。モバイルバッテリーの寿命は一般的に300〜500回の充放電サイクルとされ、使い方にもよりますが2〜3年が目安です。
家庭から出る数個程度であれば、回収ボックスへの持ち込みで問題ありません。数十個以上の大量処分が必要な場合は、JBRCの「排出者専用サイト」から法人向けの回収を申し込むか、産業廃棄物処理業者に相談してください。
まとめ
モバイルバッテリーの正しい処分方法
- モバイルバッテリーは一般ゴミNG。家電量販店等のJBRC回収ボックスに持ち込むのが最も手軽
- 処分前に端子をテープで絶縁し、個別にポリ袋に入れてから回収ボックスへ
- 膨張したバッテリーは回収ボックスに入れず、自治体の清掃担当かメーカーに連絡
- 2026年4月のリサイクル義務化で、処分の選択肢は今後さらに広がる見通し
不要になったモバイルバッテリーは、放置すると膨張や発火のリスクが高まります。使わなくなったタイミングで早めに処分しましょう。
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