自己破産をすると、信用情報機関に「事故情報」が登録され、一定期間はクレジットカードを新しく作れなくなります。この記事では、CIC・JICC・KSCという3つの信用情報機関ごとの登録期間の違いや、審査に通りやすくするための対策、クレジットカードが使えない間の代替手段まで、2026年7月時点の公式情報をもとにまとめて解説します。
信用情報機関によって異なりますが、目安は5〜7年です。CIC・JICCは免責許可決定や破産申立の事実発生から5年程度で情報が消去されるのに対し、KSC(全国銀行協会)は2022年11月の見直しにより登録期間が10年から7年に短縮されました。ただし正確な時期は人によって異なるため、ご自身の信用情報を開示請求して確認するのが一番確実です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。自己破産の手続きやご自身のケースへの影響については、弁護士・司法書士など専門家にご相談ください。
自己破産をするとクレジットカードはどうなる?|強制解約とポイント失効のタイミング
自己破産の手続きに入ると、それまで使っていたクレジットカードは基本的に使えなくなります。多くのカード会社では、弁護士・司法書士からの受任通知が届いた時点や、破産手続きの開始が判明した時点で、会員規約に基づいて強制解約となる運用が一般的です。解約のタイミングはカード会社ごとに運用が異なるため、「いつ止まるか」を正確に予測するのは難しいのが実情です。
強制解約に伴って、それまで貯めていたポイントも規約上失効してしまうケースがほとんどです。「破産の手続きが終わってから使い切ろう」と考えていても間に合わないことが多いので、家計が厳しくなってきた段階で、ポイントの使い道は早めに検討しておくと安心です。
注意したいのは、受任通知が届く前でもカードが止まることがある点です。カード会社は「途上与信」と呼ばれる定期審査を、増枠申請時やカードの有効期限切り替え時などに行っており、この際に信用情報の異変に気づかれると、通知が来る前に利用停止・強制解約となるケースもあります。「まだ何も連絡が来ていないから大丈夫」とは限らない、ということは覚えておきましょう。
すでに支払いの延滞が続いている方は、自己破産に至る前の段階でクレジットカードがどうなるか気になるかもしれません。延滞日数ごとの影響については、以下の記事も参考にしてください。
なぜ作れなくなる?信用情報機関に登録される「事故情報」の仕組み
自己破産をするとクレジットカードが作れなくなるのは、いわゆる「ブラックリスト」という特別な名簿があるからではありません。実際には、CIC・JICC・KSCという指定信用情報機関に、自己破産の事実が「事故情報(異動情報)」として登録され、カード会社の審査時にその情報が参照される仕組みです。
CIC・JICC・KSC|信用情報機関ごとの登録期間の違い
3つの信用情報機関では、登録期間の考え方がそれぞれ異なります。特にKSCについては、2022年11月4日に全国銀行協会が官報情報の登録期間を「10年間から7年間に短縮」すると公式発表しており、この最新ルールを反映していない解説記事もまだ多く見られるので注意が必要です。
| 信用情報機関 | 登録期間 | 起算点 |
|---|---|---|
| CIC | 5年間 | 免責許可決定が確認できた会員会社のコメント登録日 |
| JICC | 契約継続中および契約終了後5年以内 | 破産申立という事実の発生日 |
| KSC(全国銀行協会) | 2022年11月4日から7年間(従来は10年間) | 破産・個人再生の決定が官報に公告された日 |
CICは2009年4月1日以降、官報情報そのものの収集・保有を取りやめています。そのため「破産の記録がどの機関にどれだけ残るか」は、契約していたカード会社がどの信用情報機関に加盟しているかによっても変わってきます。
登録期間はいつから数える?起算点の違いに注意
「5年」「7年」という数字だけを見ると同じように感じますが、起算点が異なる点に気をつけましょう。CICは会員会社が免責許可決定を確認してコメント登録した「報告日」が起点になるのに対し、JICCは破産を申し立てた事実が発生した日、KSCは破産・個人再生の決定が官報に公告された日が起点です。同じ自己破産でも、機関によって数え始めのタイミングが数ヶ月〜半年ほどずれることがあります。
なお、KSCの登録期間短縮が2022年11月4日より前にすでに登録されていた情報にも遡って適用されるのかどうかは、全国銀行協会の公式発表内で明確にされていません。ご自身や過去に破産した時期が2022年11月より前の場合は、次に紹介する開示請求で実際の登録状況を確認しておくことをおすすめします。
自分の信用情報を確認する方法(開示請求の手順)
「あと何年待てばいいのか」を推測に頼らず知りたい場合は、信用情報機関に開示請求をするのが確実です。近年はスマホやインターネットから手軽に申し込めるようになっています。
自己破産後でも作りやすいクレジットカードはある?選び方を解説
流通系・消費者金融系カードが狙われやすい理由
カード会社が「破産経験者でも審査に通します」と公式にうたうことはありません。ただし、一般的な傾向として、銀行系・信販系・交通系のカードは審査基準がやや厳しいとされる一方、流通系(スーパーや家電量販店が発行するカード等)や消費者金融系のカードは、収入や属性に関する基準が比較的緩やかな傾向があるといわれています。あくまで傾向であり、審査通過を保証するものではない点は理解しておきましょう。
たとえば流通系カードの代表格であるエポスカードは、公式サイトで18歳以上(高校生を除く)であれば申し込み可能としており、具体的な収入基準は明示されていません。こうした「年齢要件のみを明示し、収入面のハードルを前面に出していない」カードは、審査の間口が比較的広いカードの一例として挙げられることが多いです。もちろん最終的な可否は個別審査によるため、確実に通るわけではない点にはご注意ください。
選ぶときのチェックポイント
- 年会費が無料、または低額であること(審査に落ちても金銭的な負担が小さい)
- キャッシング機能を申し込まない(ショッピング枠のみで申請する)
- 過去に自分が延滞・破産の対象にしたことがある会社は避ける
自己破産の有無にかかわらず、審査に不安がある方向けの選び方は以下の記事でも詳しく紹介しています。
自己破産後の審査に通りやすくするための対策
信用情報の事故情報が消えるのを待つだけでなく、申し込み方にもコツがあります。複数の弁護士・司法書士監修記事で共通して挙げられている対策を紹介します。
信用情報の事故情報が消えてから申し込む
開示請求で事故情報が消去されたことを確認してから申し込むと、審査落ちのリスクを大きく減らせます。
複数社に同時申し込みをしない
短期間に何社も申し込むと「申込ブラック」とみなされ、かえって審査に不利になることがあります。1社ずつ、時間を空けて申し込みましょう。
キャッシング枠を0円に設定する
ショッピング枠のみを希望し、キャッシング枠を申し込まないことで、審査のハードルを下げやすくなります。
安定した収入・勤続年数を示せるようにする
転職直後や収入が不安定な時期は避け、勤務先・年収が安定している状態で申し込むと通過しやすくなる傾向があります。
審査に落ちてしまった場合は、最低でも半年ほど間隔を空けてから次のカードに申し込むのが無難です。焦って何社も立て続けに申し込むと、かえって信用情報に「申込情報」が積み重なり、状況が悪化することがあります。
クレジットカードが作れない間はどうする?使える代替手段
デビットカード・プリペイドカード
デビットカードは口座残高からその場で引き落とされる仕組みのため、基本的に与信審査がなく、破産手続き中や事故情報が残っている期間でも作りやすいのが特徴です。プリペイドカードも同様に、事前にチャージした金額の範囲でしか使えないため審査が不要です。「今すぐキャッシュレス決済をしたい」という方は、まずこちらを検討するとよいでしょう。デビットカードとクレジットカードの具体的な違いは、以下の記事で整理しています。
審査がまったく行われないカードを探している方向けに、審査なしを掲げるカードの実態も別記事で解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
家族カードは使える?本人が破産者か配偶者かで結果が変わる
家族カードが使えるかどうかは、「誰が破産したか」で結果が大きく変わります。事故情報は個人単位で登録されるため、本会員(カード契約の名義人)が誰かによって影響範囲が変わってくるのがポイントです。
- 本会員のカードは強制解約
- そこにぶら下がる家族カードも同時に利用不可
- 名義人の信用力に基づいて発行されているため、家族の意思では継続できない
- 信用情報は個人単位で管理されるため本人への影響なし
- 本会員のカード・家族カードともに利用を継続できる
- ただし新規に本会員名義のカードを破産者本人が作ることはできない
ETCパーソナルカード
高速道路を利用する機会が多い方は、ETCパーソナルカードも選択肢になります。クレジットカードのような与信審査がなく、16歳以上であれば申し込み可能です。ただし保証金(デポジット)が最低20,000円から20,000円単位で必要で、月平均利用額の4ヶ月分程度が目安とされています(預けた金額の80%までしか利用できません)。年会費は1,257円(税込)で、申し込みは郵送のみ、受け取りまで約1ヶ月かかる点も覚えておきましょう。
よくある質問(FAQ)
本会員が破産した場合、その家族カードも利用できなくなります。一方、家族の誰かが本会員となっているカードを破産者本人が家族カードとして使っていた場合は、信用情報が個人単位で管理されるため、本会員側への影響はありません。詳しくは本文の「家族カードは使える?」の項目をご覧ください。
明確な基準が公表されているわけではありませんが、複数の専門家記事では半年程度の間隔を空けることが推奨されています。短期間に何度も申し込むと「申込ブラック」とみなされ、さらに審査が通りにくくなる可能性があります。
任意整理は裁判所を通さない私的な手続きのため、自己破産に比べて信用情報の登録期間が短い傾向があるとされています。個人再生は自己破産と同様に裁判所の手続きを伴うため、影響の大きさも近いとされています。どの手続きが自分に合っているかは、債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談して判断するのがおすすめです。
CIC・JICCともに本人からの開示請求が可能です。CICはインターネット開示で500円、JICCはスマホ申込で700円(税込)で、自分の信用情報に事故情報が残っているかを確認できます。詳しい手順は本文の「自分の信用情報を確認する方法」をご覧ください。
生活保護を受給していること自体がクレジットカードの審査に直接影響するわけではありませんが、収入の安定性という観点では審査上不利になりやすいとされています。生活保護受給者のクレジットカード事情は、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事のポイント
- 自己破産後にクレジットカードが作れるようになるまでの目安は5〜7年。CIC・JICCは5年程度、KSCは2022年11月の見直しで7年に短縮された
- 正確な時期を知りたい場合は、CIC(500円)・JICC(700円)の開示請求で自分の信用情報を確認するのが確実
- 作れない期間は、デビットカード・プリペイドカード・家族カード(配偶者名義)・ETCパーソナルカードなどで代替できる
- 審査に通りやすくするには、事故情報消去後に1社ずつ、キャッシング枠なしで申し込むのがコツ
自己破産後のクレジットカード事情は、信用情報機関ごとにルールが異なり、しかも2022年のKSCのように制度が変わることもあります。思い込みや古い情報で判断せず、不安な場合は開示請求で自分の状況を確認する、または弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。
