後払い決済サービスをめぐる消費者トラブルは、ここ数年で急増しています。「身に覚えのない請求書が届いた」「返品したはずなのに督促状が来た」といった声も少なくありません。この記事では、国民生活センターの公表データをもとに、後払い決済で実際に起きているトラブルの種類・原因・対処法・予防策を整理しました。困ったときの相談窓口もあわせて確認しておきましょう。
後払い決済のトラブルはどれくらい増えている?
国民生活センターが2025年7月2日に発表した資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられた後払い決済サービス関連の相談件数は、この数年で大きく増加しています。
出典:国民生活センター「増加し続ける後払い決済サービスが関連する消費者トラブル」(2025年7月2日発表)。2025年度は同資料の集計時点(同年5月31日まで)で5,320件と、通年の件数とは単純比較できません。
2021年度の14,555件から2024年度は43,964件へと、約3倍に増加しました。件数の伸びからも、後払い決済サービスの利用拡大にともなってトラブルの絶対数も増えていることがうかがえます。同資料では、消費者へのアドバイスとして「不当な請求に応じず、まず支払い前に契約内容を確認すること」「トラブル時は最寄りの消費生活センターに相談すること」が挙げられています。
後払い決済で実際に起きているトラブルとは?
寄せられている相談内容を見ると、大きく4つのパターンに分けられます。自分が今どのパターンに当てはまるかを確認してみてください。
第三者が氏名や住所を勝手に使って商品を注文し、商品は第三者が受け取る一方で、請求書だけが本人宅に届くパターンです。実際に「不正利用ではない」と業者側に判断され、弁護士名の督促状が届いたという事例も報道されています。
返品・キャンセル手続きをしたのに、決済システムへの反映にタイムラグがあり、処理が完了する前に督促状が自動的に発送されてしまうケースです。
「初回無料」などの表示に惹かれて申し込んだところ、実は定期購入契約になっており、解約条件がわかりにくいまま請求が継続してしまうパターンです。
後払い決済は商品を受け取ってから支払う仕組みのため、うっかり支払いを忘れてしまい、督促状が届いてから気づくケースも多く見られます。
なぜ後払い決済のトラブルは起きるのか
なぜここまでトラブルが増えているのでしょうか。主な要因は次の3つに整理できます。
なりすまし詐欺の巧妙化
住所の表記ゆれなどを利用して不正検知の判定をすり抜けようとする手口が組織化・巧妙化していると指摘されています。
定期購入の複雑な解約条件
「初回無料」といった訴求と、わかりにくい解約手続きの組み合わせが、意図しない継続契約を招きやすくしています。
市場拡大にともなう絶対数の増加
後払い決済サービス自体の利用者が増えているため、トラブルの発生率が同じでも相談件数の絶対数は増えていく構造にあります。
トラブルの増加を受けて、法整備を求める動きも出ています。2026年2月10日には東京弁護士会が後払い決済サービスについての新しい法規制を求める意見書を公表しており、消費者保護のあり方をめぐる議論は今も続いています。
後払い決済でトラブルに遭ったらどうすればいい?
実際に請求書や督促状が届いたときは、慌てて支払う前に、まず状況を確認することが大切です。
身に覚えのない請求が届いたときの対応手順
家族が注文していないか確認したうえで、請求書に記載された販売店・決済代行会社に連絡し、注文内容を確認します。
電話・メールでのやり取りは日時と内容をメモしておきましょう。なりすましの疑いがある場合はその旨も伝えます。
業者とのやり取りで解決しない、対応に不安がある場合は、消費者ホットライン「188」に相談しましょう。
支払いが遅れて督促状が届いたときの対応手順
後払い決済の支払いを忘れていた場合は、督促状を放置しないことが重要です。督促状を無視し続けると、数か月後に「弁護士委託前通告」が届き、その後は支払督促や少額訴訟(60万円以下の請求は少額訴訟の対象になり得ます)に進み、最終的には給与(手取りの4分の1、または33万円を超える部分)や預金の差し押さえに至ることもあります。身に覚えのある請求であれば、早めに販売店・決済代行会社へ連絡し、支払い方法を相談するのが最も確実な対応です。
「返品したのに請求が届いた」「気づいたら定期購入になっていた」場合は、返品時の伝票番号や受付番号などの記録を用意したうえで、販売店・決済代行会社に連絡し、返品事実または解約意思を伝えましょう。システム反映のタイムラグで請求が先行しているだけのケースも多く、記録を示せばスムーズに訂正してもらえることがあります。
相談できる窓口一覧
| 状況 | 相談先 | 備考 |
|---|---|---|
| どこに相談すればいいかわからない | 消費者ホットライン「188」 | 最寄りの消費生活センター等を案内してもらえる |
| 注文内容・請求内容を確認したい | 販売店・決済代行会社の窓口 | 請求書に記載の連絡先へ |
| 弁護士名の督促状が届いた | 弁護士(法テラス等) | 対応の要否を含めて相談できる |
| なりすまし被害が明確な場合 | 警察(生活安全課等) | 詐欺被害として相談・被害届の検討 |
督促状を無視するのは避けましょう。身に覚えのある請求であっても、連絡をせずに放置すると法的手続きに進んでしまう可能性があります。支払いが難しい場合も、まずは連絡して事情を伝えることが大切です。
後払い決済トラブルを防ぐにはどうすればいい?
トラブルに巻き込まれないためには、利用前のひと手間が効果的です。
契約前のチェックリスト
- ✓購入前に支払い期限・手数料・上限額などの契約条件を確認する
- ✓「初回無料」表示の商品は、定期購入契約になっていないか解約条件まで確認する
- ✓身に覚えのない請求書が届いたら、支払う前に販売店・決済代行会社へ確認する
- ✓督促状が届いたら放置せず、早めに連絡・相談する
- ✓家計管理を徹底し、支払い能力を超えた利用を避ける
主要な後払い決済サービスの違いは?
後払い決済サービスにはいくつか種類があり、手数料や利用上限が異なります。代表的なサービスを簡単に比較しました。
| サービス | 特徴 | コンビニ払い手数料の目安 |
|---|---|---|
| NP後払い | 国内での利用実績が広く、支払い場所が豊富 | 無料 |
| Paidy | Amazon・Appleストア等に対応、口座振替は無料 | 390円 |
| atone | ポイント還元機能あり | 209円(2026年9月〜の予定と案内) |
| メルペイスマート払い | メルカリと連動、AI審査 | 220〜990円 |
| GMO後払い | 多数のECサイトで採用 | 330円前後 |
上記は目安です。手数料や上限額は変更されることがあるため、詳細は各サービスの公式情報や下記の関連記事でご確認ください。
よくある質問
すぐに支払わず、まず請求書に記載された販売店や決済代行会社に連絡して、注文内容を確認しましょう。家族が注文していないかも確認してください。解決しない場合は消費者ホットライン「188」に相談できます。
無視を続けると、弁護士委託前通告、支払督促や少額訴訟といった法的手続きに進み、最終的には給与や預金の差し押さえに至る可能性があります。身に覚えのある請求であれば、早めに連絡して支払い方法を相談することをおすすめします。
まずは請求書記載の販売店・決済代行会社に連絡しましょう。解決しない、または対応に不安がある場合は消費者ホットライン「188」から最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。弁護士名の督促状が届いた場合は弁護士へ、明確な詐欺被害の場合は警察への相談も検討してください。
なりすまし詐欺の手口が巧妙化していることに加え、定期購入の複雑な解約条件、そして後払い決済サービス自体の利用拡大にともなう絶対数の増加が主な要因とされています。
購入前に支払い期限や手数料などの契約条件を確認すること、「初回無料」表示の商品は解約条件まで確認すること、そして身に覚えのない請求には支払う前に確認を取ることが基本になります。
まとめ
- ✓後払い決済関連の消費生活相談は2021年度の14,555件から2024年度は43,964件へ、約3倍に増加
- ✓主なトラブルは「身に覚えのない請求」「返品後の請求」「定期購入の誤認契約」「支払い忘れ」の4パターン
- ✓身に覚えがない場合は支払わず確認、支払い忘れの場合は早めの連絡が基本
- ✓困ったときは消費者ホットライン「188」に相談できる
普段の買い物も、賢く管理しませんか
プライシーアプリなら、欲しい商品の価格推移をチェックしたり、値下げ・クーポン発見時にプッシュ通知を受け取ったりできます。無駄な出費を減らす習慣づくりに役立ててください。
プライシーアプリを見てみる