家族の代わりにゆうちょ銀行で手続きをしたいとき、委任状の入手方法や書き方に迷う方は多いのではないでしょうか。この記事では委任状が必要になるケース、正しい入手方法・記入方法に加えて、本人が委任状を書けない場合の対処法まで、ゆうちょ銀行の公式情報をもとに整理しました。
ゆうちょ銀行の委任状とは?必要になるケース一覧
ゆうちょ銀行の手続きは、原則として口座名義人本人が窓口で行うことを前提にしています。ただし、名義人が窓口に行けない事情がある場合は、委任状を使うことで家族などの代理人に一部の手続きを任せられます。委任状は「誰が」「誰に」「何の手続きを」任せるのかを書面で明確にするための書類です。
| 委任状で頼める主な手続き | 委任状では対応できない手続き |
|---|---|
| 通常・定額・定期貯金の払戻し | 総合口座の新規開設、投資信託取引 など |
| 住所・氏名・印章の変更 | |
| 通帳等・カードの再発行請求 | |
| 暗証番号の照会・誤回数消去請求 | |
| 国債に関する請求 | |
| マイナンバーの提供・口座管理への同意確認 |
出典:ゆうちょ銀行 公式委任状PDF/ゆうちょ銀行「委任状について」
代理人が委任状を持って手続きに来た際、ゆうちょ銀行側が委任内容を電話で確認する場合があると案内されています。委任者本人と連絡がつく状態にしておくとスムーズです。
なお、口座解約のように手続きの流れ全体を詳しく知りたい場合は、以下の記事で必要書類や窓口での手順を解説しています。
委任状はどこでもらえる?入手方法(ダウンロード・郵便局窓口)
委任状の入手方法は主に2つです。ゆうちょ銀行公式サイトからPDFをダウンロードする方法(日本語版・英語併記版あり)と、郵便局・ゆうちょ銀行の窓口で直接用紙をもらう方法です。急いでいない場合は、事前にダウンロードして自宅で記入してから窓口に向かうと、来店時間を短縮できます。
委任状は手続きの内容によって書式が分かれています。目的に合った書式を選びましょう。
| 書式 | 用途 |
|---|---|
| 委任状(通常) | 払戻し・住所変更・再発行請求など一般的な手続き |
| 委任状(送金用) | 振込・払込みなど送金に関する手続き |
| 委任状(相続用) | 相続手続き。代表相続人の実印欄がある点が通常用と異なる |
| 委任状(法人用) | 法人名義の口座に関する手続き |
ダウンロードした委任状はA4の白い用紙に等倍で印刷してください。感熱紙での印刷は不可とされています。コンビニのマルチコピー機(ネットプリント等)を使って印刷することも可能です。
郵便局の窓口に立ち寄る予定がある方は、年末年始やお盆など窓口の営業時間が変わる時期もあわせて確認しておくと安心です。
ゆうちょ銀行 委任状の書き方・記入例
委任状(通常)の記入項目は大きく3つに分かれます。順番に確認していきましょう。
委任者(名義人)欄の書き方
委任状を作成する口座名義人本人が記入する欄です。おなまえ・おところ(郵便番号含む)・お届け印・日付を記入します。お届け印が関係しない手続きの場合は、任意の印を押印すればよいとされています。
受任者(代理人)欄の書き方
手続きを頼まれる代理人のおなまえ・おところ(郵便番号含む)を記入します。代理人自身の印鑑は不要で、委任者のお届け印(または任意の印)のみで手続きできます。
委任する内容欄の書き方
チェックボックス形式で「貯金の払戻し」「住所等の変更」「通帳等・カードの再発行請求」「暗証番号の照会・誤回数消去請求」などから該当する項目を選び、払戻しの場合は金額も記入します。委任内容を明確にしておくことで、窓口でのやり取りがスムーズになります。暗証番号を照会したい場合や、暗証番号を忘れてしまった場合の対応は以下の記事も参考にしてください。
記入時にやってはいけないこと
①フリクションなど文字が消えるボールペンは使用できません。②委任状は委任者本人がすべての欄を自筆で記入・捺印することが前提のため、家族が代わりに書く「代筆」は避けましょう。③お届け印の押印忘れも差し戻しの原因になります。記入を間違えた場合は、修正せずに新しい用紙に書き直すのが確実です。
委任状と一緒に用意するもの(持ち物チェックリスト)
委任状だけでは手続きが完了しません。名義人・代理人それぞれで用意するものを確認しておきましょう。
名義人が用意するもの
- 通帳・証書(対象の手続きに関するもの)
- お届け印(委任状に押印したもの)
- 名義人本人の本人確認書類(コピー等、窓口の案内に従う)
代理人が用意するもの
- 代理人自身の本人確認書類
- 代理人の印章(お届け印と同一でなくても手続きできる場合があります)
- 記入済みの委任状
出典:ゆうちょ銀行公式FAQ「定額・定期貯金の満期手続きを代理人が行う際」
取引金額等によっては、通常の必要書類に加えて「取引時確認」という本人確認の追加手続きが必要になる場合があります。まとまった金額の払戻しを予定している場合は、事前に窓口へ確認しておくと安心です。
ゆうちょ銀行の委任状が書けないときの対処法
委任状はここまで見てきた通り、委任者本人が自筆で記入・捺印することが前提です。そのため、本人が「書けない」状況では、原因によって取るべき対応が変わります。3つのパターンに分けて整理しました。
ゆうちょ銀行には、1つの総合口座につき本人カードと代理人カードの2枚を発行できる制度があります。ただし申し込み時には名義人本人(または委任状による代理手続き)が必要なため、名義人がすでに自分で書けなくなってから新規に作ることはできません。将来に備えて、本人が元気なうちに家族で相談しておくのがおすすめです。
認知症などで判断能力がない場合の対応
成年後見人等の法定代理権を持つ人がいる場合は、通帳・お届け印に加えて代理権を確認できる証明資料と代理人本人の確認資料を用意すれば、その代理人が払戻しを受けられます。法定代理権を持つ人がいない場合は、お近くのゆうちょ銀行・郵便局の窓口に相談しましょう。
法定代理権がまだない場合は、成年後見制度の利用を検討します。制度には大きく2つの種類があります。
家庭裁判所へ申立て → 審判・成年後見人の選任 → ゆうちょ銀行へ届出
公証役場で契約締結 → 判断能力低下後に家庭裁判所へ申立て → 任意後見監督人選任後にゆうちょ銀行へ届出
登記事項証明書(発行日から6ヶ月以内。または家庭裁判所の審判書抄本と確定証明書)、本人確認書類、すべての通帳・証書と使用する印章、「成年後見人等に関する届出書兼利用代理人等設定依頼書」が必要です。
成年後見制度の利用を開始すると、ATMやゆうちょダイレクトの利用は原則廃止となります。日常の出し入れがしづらくなる点は、事前に家族で確認しておきましょう。
出典:ゆうちょ銀行「成年後見制度に関するご案内」/ゆうちょ銀行公式FAQ
なお、本人の判断能力があるうちに将来へ備えたい場合は、任意後見制度のほかに「家族信託」を選択肢に入れて検討する方もいます。どの制度が合っているかは家庭の状況によって異なるため、司法書士や弁護士など専門家に相談しながら決めるのがおすすめです。
委任状を提出するときの注意点
代筆はしてもいい?
おすすめできません。ゆうちょ銀行は委任状のすべての欄を委任者本人が自筆で記入・捺印することを前提としています。本人以外が代わりに記入すると、窓口で手続きを受け付けてもらえない可能性があります。本人が記入できない事情がある場合は、前の見出しで紹介した対処法を参考に窓口へ相談してください。
いつまでに提出すればいい?
委任状の有効期限について、ゆうちょ銀行の公式情報に具体的な日数の明記は見当たりませんでした。ただし、記載した日付や委任内容が古くなっていると、窓口で改めて委任状の提出を求められる場合があります。手続きの予定が決まったら早めに記入を済ませ、できるだけ早いタイミングで窓口に持参するのが安心です。
よくある質問
ゆうちょ銀行の公式サイトからPDFをダウンロードするか、郵便局・ゆうちょ銀行の窓口でも入手できます。急いでいない場合は事前にダウンロードして記入しておくと、窓口での時間を短縮できます。
公式サイトでダウンロードしたPDFは、コンビニのマルチコピー機のネットプリント機能等を使えば印刷できます。印刷する際はA4の白い用紙に等倍で印刷し、感熱紙は使わないようにしましょう。
おすすめできません。委任状はすべての欄を委任者本人が自筆で記入・捺印することが前提です。代筆すると窓口で手続きを受け付けてもらえない可能性があります。
ゆうちょ銀行の公式情報には具体的な有効期限は明記されていません。ただし日付や委任内容が古いと窓口で再提出を求められることがあるため、できるだけ早めに窓口へ持参しましょう。
通常の手続きではお届け印(認印可)で足りますが、相続に関する委任状は代表相続人の実印が必要です。
ケガや体調不良で一時的に書けない場合は回復を待つか窓口に相談を、認知症などで判断能力がない場合は成年後見制度の利用を検討しましょう。詳しくは本文の「委任状が書けないときの対処法」をご覧ください。
まとめ
- 委任状は公式サイトからダウンロードするか、郵便局・ゆうちょ銀行の窓口で入手できる
- すべての欄を委任者本人が自筆で記入・捺印するのが原則。代筆は避ける
- 本人が書けない場合は原因(一時的・慢性的・判断能力の喪失)によって対応が異なる
- 認知症等で判断能力がない場合は、成年後見制度の利用を窓口に相談する
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