アメリカン エキスプレス(NYSE: AXP)は、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが約18%を保有することでも知られる米国の大手決済・金融サービス企業です。本記事では、2026年7月時点の最新株価データをもとに、業績・配当・今後の見通し・Visa/Mastercardとの比較まで、投資判断に役立つ情報を整理しています。

結論
アメリカン エキスプレス(AXP)の株価は2026年7月時点で約352ドル

2026年7月2日終値は351.96ドル(52週レンジ:286.15〜387.49ドル)。2026年Q1は売上高・EPSともに市場予想を上回り、通期EPS見通しも17.30〜17.90ドルに引き上げられています。アナリスト13人が買い推奨、平均目標株価は約362ドルと、現在株価に対して若干の上値余地が見込まれています。

アメリカン エキスプレス(AXP)の最新株価と基本指標

アメリカン エキスプレス・カンパニー(American Express Company)は、1850年創業の米国の総合決済・金融サービス企業です。消費者向け・法人向けのクレジットカード発行から、加盟店の決済処理、旅行関連サービスまでを一貫して手がけています。

2026年7月時点の主要指標

株価(7月2日終値)
$351.96
NYSE上場 / ティッカー:AXP
時価総額
約2,400億ドル
発行済株式:約6.82億株
52週レンジ
$286〜$387
高値387.49 / 安値286.15
PER(TTM)
22.0倍
PSR:3.70倍
配当利回り(予想)
約1.08%
四半期配当:$0.82/株
ROE
約35.9%
PBR:7.06倍

ご注意:株価・各種指標はリアルタイムで変動します。最新データはYahoo!ファイナンス株探(米国株)などでご確認ください。本記事の数値は2026年7月時点のものです。

AXPの企業概要

アメリカン エキスプレスは「クローズドループモデル」と呼ばれる独自の事業構造を持ちます。VisaやMastercardが決済ネットワークの提供に特化し、カードの発行は銀行等に委ねているのに対し、AXPはカードの発行・ネットワーク運営・加盟店との契約を全て自社で管理しています。これにより、顧客データと加盟店データの両方を把握でき、プレミアム顧客向けのポイントプログラムや旅行特典を高度にカスタマイズできるのが強みです。

AXP株価の推移:直近1年と長期トレンド

直近1年(2025年7月〜2026年7月)の動き

2026年7月2日時点のAXP株価は351.96ドルで、52週安値(286.15ドル)から約23%の水準で推移しています。直近1年のトータルリターンは約20〜35%と、市場全体に対してアウトパフォームした局面もありました。

次回決算発表日:2026年7月25日(予定)決算結果の発表後は株価が大きく動くことがあります。投資を検討している方は決算スケジュールも確認しておきましょう。

移動平均線を見ると、5日・25日・75日・200日線のいずれも「上昇トレンド」で、現在の株価はすべての移動平均を上回っています(25日線乖離率:+7.05%、75日線乖離率:+10.54%)。ただし、2026年の年初来パフォーマンスは一時14%程度下落した局面もあり、Visa(−12%)・Mastercard(−11%)と同様に、決済セクター全体が年初に調整を受けた経緯があります。

長期トレンドの特徴

過去5年でAXP株は大幅な上昇トレンドを描いてきました。コロナ禍の2020年に大きく下落した後、旅行・消費の回復とともに急騰。2023〜2025年にかけても堅調な業績を背景に継続的に上昇しています。長期的には、プレミアム顧客の支出増加とカード手数料収入の拡大が株価を支える構造になっています。

株価チャートの確認先:詳細な株価チャートはYahoo!ファイナンス(AXP チャート)株探(チャート)で無料で確認できます。

アメリカン エキスプレスの業績:売上・利益・配当の推移

売上高・純利益・EPSの推移

AXPは直近3期連続で増収増益を達成しています。2025年12月期は売上高722億ドル(前期比+9.5%)、純利益107億ドル(+7.1%)と堅調です。

決算期 売上高 純利益 EPS(1株利益) 配当(年間)
2023年12月期 $60,515M $8,252M $11.21 $2.40
2024年12月期 $65,949M(+9.0%) $9,995M(+21%) $14.02 $2.80
2025年12月期 $72,229M(+9.5%) $10,701M(+7.1%) $15.38(+9.7%) $3.28(+17.1%)

出典:株探(kabutan)米国株、2026年7月時点

2026年Q1実績と通期見通し

2026年第1四半期のEPSは4.28ドルと市場予想(4.00ドル)を7%上回り、売上高は前年同期比11%増の189億ドルに達しました。ネットカード手数料は16%増、純利息収益は12%増(為替調整後)と好調が続いています。

通期の会社ガイダンスは、売上高成長率9〜10%・EPS 17.30〜17.90ドルと引き上げられており、2025年実績(EPS 15.38ドル)から13〜16%の成長を見込んでいます。

配当の実績と見通し

項目 数値
配当利回り(予想) 約1.08%
年間配当実績 $3.41/株
四半期配当 $0.82/株
配当回数 年3回
直近増配率 +16.38%
直近権利付き最終日 2026年7月1日
配当月 2026年8月(予定)

出典:投資の森(AXP配当)、2026年7月時点

AXPは配当利回りこそ約1%と高くはありませんが、2025年12月期の増配率は約17%と高水準です。配当だけでなく自社株買いも組み合わせた総合的な株主還元策を継続しており、2025年に実施した自社株買いと配当の合計額は約80億ドルに達しました。

AXPのビジネスモデルと競争優位性:クローズドループとバフェット

クローズドループネットワークとは

アメリカン エキスプレスの最大の特徴は、業界で「クローズドループ(Closed-Loop)」と呼ばれる事業モデルです。

🔒 AXP:クローズドループ
カード発行・決済ネットワーク・加盟店決済を全て自社で一括管理。カード会員と加盟店の両方と直接関係を持つため、消費行動データをフル活用できる。高いROEと価格決定力の源泉。
🔓 Visa/Mastercard:オープンループ
決済ネットワークの提供に特化。カードの発行は銀行等のパートナーに委ねる。世界規模の取引量によるスケールメリットが強みだが、最終顧客との関係は間接的。

クローズドループモデルのメリットは、マーチャントディスカウント率(加盟店手数料)を直接コントロールできる点と、顧客の購買データを活用したパーソナライズされた特典・サービス提供ができる点にあります。これにより、高い利益率(営業利益率27%前後)を維持できる構造になっています。

バフェットがAXPを保有し続ける理由

バークシャー・ハサウェイは、2026年1Qの13F開示によると、AXP株を1億5,161万株保有しており、これはバークシャーのポートフォリオ全体の17.59%(約459億ドル相当)を占めます。アップル(22.18%)に次ぐ第2位の主力銘柄です。2026年1Qの時点で保有株数に変化はなく、長期保有を継続しています。

バフェットが長年にわたってAXPを保有する理由として、次の点が挙げられます。

  • 強力なブランドと富裕層顧客基盤:プレミアム顧客は景気後退時でも支出が安定しやすい
  • 高いROEと収益性:ROE約36%はクレジットカード業界でも高水準
  • 安定した増配実績:直近の増配率16%と、株主還元が継続している
  • 参入障壁の高さ:クローズドループモデルの構築には膨大な時間とコストが必要

AXP株価が動く3つの要因:個人消費・金利・競争環境

① 個人消費動向

AXPの収益の大きな柱は、カード会員の消費支出に連動するカード手数料(ディスカウント収益)と年会費です。米国の個人消費が拡大する局面ではAXPの業績・株価も上昇しやすく、反対に景気後退や消費者信頼感の低下は直接的なリスクとなります。2026年Q1に売上高が前年比11%増と好調だったのも、プレミアム顧客の支出が旅行・外食を中心に堅調だったことが主因です。

② 米国金利の影響

AXPはカードローン(リボ払い等)による利息収入も重要な収益源のひとつです。米連邦準備制度(FED)の政策金利が高い局面では、純金利収益が増加しやすい一方、借り手の返済能力が低下するリスクもあります。金利と与信コストのバランスが株価評価に影響を与えます。

③ 競争環境(Visa・Mastercard・フィンテック)

VisaやMastercardとのネットワーク競争に加え、Buy Now Pay Later(BNPL)サービスやデジタルウォレットなど新興フィンテックの台頭も長期的なリスク要因です。ただし、AXPのプレミアム顧客層はフィンテックへの乗り換えが起きにくいとされており、短期的な影響は限定的と見る分析が多数派です。

ポイント:AXPは景気敏感株の側面を持ちながらも、富裕層顧客への依存度が高いため、一般消費財の景気敏感株より下振れしにくい傾向があります。ただし、信用損失(貸倒れ)の増加は業績・株価の大きな下振れ要因となります。

アナリスト目標株価と今後の見通し

短期見通し(12か月)

項目 数値
アナリスト数 14人
買い推奨 13人
売り推奨 1人
平均目標株価(12ヶ月) 約$361.57
目標株価(最高) $450(Truist:$420)
目標株価(最低) $285(一部ベア)

出典:みんかぶ(米国株)、2026年7月時点

中長期シナリオ(TIKRモデル)

投資情報サービスのTIKRによるバリュエーション分析(2026年2月時点)では、2028年12月を想定ターゲットとしたシナリオ別の見通しが示されています。

シナリオ 想定条件 年率リターン目安
ローケース 個人消費軟化、報酬コスト上昇 約3.5%
ミッドケース プレミアム需要維持、コスト管理継続 約7.5%
ハイケース プレミアム獲得加速、信用安定維持 約11.0%

ベースケース(ミッドケース)での年率リターンは約7.5%と試算されており、一般的な株式投資の期待ハードル(10%程度)をやや下回る水準です。バリュエーション面での割高感を慎重に見る向きもある一方、プレミアム支出の持続性に期待する強気派も存在します。

なお、みんかぶのAI株価診断(2026年7月時点)では理論株価340.59ドルに対し現在株価が高いとして「割高・売り」判定となっています。これはAI独自モデルによる評価で、ファンダメンタルズ重視のアナリスト見通し(平均362ドル)とは見方が分かれている状況です。どちらの指標を参考にするかは、投資スタイルによって判断が異なります。

投資判断について:本記事はAXP株に関する情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧めるものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

AXP vs Visa vs Mastercard:主要指標の比較

決済・クレジットカード業界の代表3銘柄を比較してみましょう。どれが「いい投資先か」ではなく、それぞれの特徴を理解することが重要です。

指標 AXP(アメックス) V(Visa) MA(Mastercard)
ビジネスモデル クローズドループ(発行・ネットワーク一体) オープンループ(ネットワーク特化) オープンループ(ネットワーク特化)
ROE 約35〜36% 約53% 約210%(株式買い戻しによる圧縮)
配当利回り(予想) 約1.08% 約0.71% 約0.6%前後
直近増配率 +16.38% 参考:四半期$0.67→$0.67(安定) 参考:四半期$0.87(参考値)
PER(TTM) 22.0倍 —(要確認) —(要確認)
主な強み プレミアム顧客基盤・高い増配・バフェット保有 世界最大の取引量・高ROE 世界100以上の通貨対応・広範なネットワーク

出典:各種ファイナンスデータ、2026年7月時点。Mastercardの高ROEは積極的な自社株買い戻しによる株式資本の圧縮が主因で、事業効率の比較には注意が必要です。

事業モデルの本質的な違い

VisaとMastercardは「決済の橋渡し役」として世界規模の取引量でスケールするモデルです。一方、AXPはプレミアム顧客に絞った深い関係性で差別化しています。景気拡大局面では3社ともに恩恵を受けますが、景気後退時はAXPが富裕層に依存している分だけ一般的な消費低迷の影響を受けにくい反面、信用コスト(貸倒れ)の増加リスクはAXPの方が高くなります。VisaとMastercardはカードの信用リスクを銀行(発行者)に転嫁できるため、この点で構造的に優位です。

AXP株を買う前に知っておきたい投資リスク

AXP株への投資を検討する際には、以下のリスク要因も理解しておきましょう。

強み・追い風
  • プレミアム顧客の支出は景気後退に強い
  • クローズドループによる高い利益率
  • バークシャーの長期保有が信頼性を後押し
  • 積極的な増配・自社株買いで株主還元が充実
  • 2026年Q1も業績がアナリスト予想を上回った
リスク・逆風
  • 景気後退時の信用損失(貸倒れ)増加リスク
  • 規制強化(手数料上限・クレジット規制等)
  • フィンテックや新興決済サービスとの競争激化
  • PER22倍、PBR7倍とバリュエーション面の割高感
  • 個人消費の鈍化は直接業績に影響する

特に注意したいのは、バリュエーション面の割高感です。PBR7.06倍という数値は金融セクターの中でも高水準であり、業績の成長継続が株価を正当化する前提となっています。成長が鈍化した場合には株価の調整リスクがある点は把握しておくべきでしょう。

日本からアメリカン エキスプレス株(AXP)を買う方法

日本在住の方がAXP株を購入するには、米国株取引に対応したネット証券に口座を開設する必要があります。ティッカーシンボル「AXP」で検索すれば、すぐに見つかります。

対応している主な証券会社

証券会社 取引手数料(税込) 米ドル為替手数料
SBI証券 約定代金の0.495%(最低0円) 無料
楽天証券 約定代金の0.495%(最低0円) 無料
マネックス証券 約定代金の0.495%(最低0円) 参照要
auカブコム証券 約定代金の0.495%(最低0円) 参照要
松井証券 約定代金の0.495%(最低0円) 参照要

手数料は2026年7月時点の情報。最新手数料は各社公式サイトでご確認ください。

購入時の注意点

  • 最低投資額の目安:1株単位から購入可能。2026年7月時点では1株約352ドル(1ドル≒162円換算で約57,000円)が必要です(為替レートにより変動します)
  • 為替リスク:米国株はドル建てのため、円高になると円換算の評価額が下がります。外貨建て資産としての為替リスクを考慮してください
  • 売却時の追加手数料:売却時にはSEC Fee(米国現地証券取引所手数料)が別途かかります
  • 税金:米国株の配当には米国で10%の源泉徴収税がかかります。確定申告により外国税額控除を申請できる場合があります

プライシーアプリでの米国株確認について:プライシーは現在、Amazon・楽天等のECの商品価格比較に特化したアプリです。AXP株の価格チェックはYahoo!ファイナンスなどの株価情報サービスをご活用ください。

まとめ:アメリカン エキスプレス(AXP)株価のポイント

  • 2026年7月時点のAXP株価は約352ドル。52週レンジ(286〜387ドル)の中間よりやや上の水準で推移中
  • 2026年Q1は売上高+11%・EPS4.28ドルと市場予想を上回り、通期EPS見通しは17.30〜17.90ドル
  • バークシャーがポートフォリオの17.59%(約459億ドル)をAXPに投じており、バフェット銘柄として高い信頼性
  • クローズドループモデルによる高利益率(ROE約36%)と積極的な株主還元(増配率+16%)が特徴
  • アナリスト平均目標株価は約362ドル(13人買い・1人売り)。バリュエーション面では割高感を指摘する声もあり
  • 日本からはSBI証券・楽天証券など主要ネット証券で「AXP」で検索・購入可能。1株単位から投資できる

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よくある質問(FAQ)

アメリカン エキスプレスの株価は今後上がりますか?

多くのアナリストは強気な見方をしており、2026年7月時点の平均12ヶ月目標株価は約361ドル(現在株価351ドルより約3%上)です。ただし、バリュエーション面での割高感も指摘されており、一部アナリストは慎重なスタンスをとっています。株価の動向は個人消費・金利・経済環境によって変わります。投資判断はご自身の判断でお願いします。

AXPの配当はいつもらえますか?配当利回りはどのくらいですか?

アメリカン エキスプレスは年3回配当を実施しています。2026年7月時点の予想配当利回りは約1.08%で、直近の四半期配当は0.82ドル/株(年間実績3.41ドル/株)です。直近の増配率は約16%と高く、積極的な株主還元が続いています。直近の権利付き最終日は2026年7月1日(配当は8月予定)です。

バフェットはなぜアメリカン エキスプレスを長期保有しているのですか?

バークシャー・ハサウェイはAXP株を長年保有し続けており、2026年1Qのポートフォリオで17.59%(約459億ドル相当)を占めています。主な理由は①クローズドループモデルによる高い収益性(ROE35%超)、②強力なブランドと富裕層顧客基盤、③安定した増配実績の3点と見られています。なお、バークシャーの実際の投資方針については公式情報をご参照ください。

日本からアメリカン エキスプレス株(AXP)を買うには?

SBI証券・楽天証券・マネックス証券など主要ネット証券で購入できます。ティッカーシンボルは「AXP」です。取引手数料は約定代金の0.495%(税込)が多数派で、SBI証券・楽天証券は米ドルの為替手数料が無料です。1株単位から購入可能で、2026年7月時点では1株約352ドル(約57,000円目安)です。

AXPとVisaはどちらが投資先として優れていますか?

どちらが優れているかは投資目的によって異なります。VisaはROE約53%と高く、世界最大の決済ネットワークによる安定性が強みです。AXPはクローズドループモデルで高いROE(約35%)と積極的な増配(直近16%増配)が特徴ですが、プレミアム顧客依存度が高く景気敏感性もあります。投資判断はご自身でご確認ください。

記事の内容は執筆時点の情報を基にしています。掲載している価格・日程・仕様等は変更になる場合があります。最新情報はご自身でご確認ください。