ふるさと納税の「値上がり」が止まりません。2025年10月のポイント廃止に始まり、物価高による寄付金額の引き上げ、さらに2026年10月からは「6割ルール」も控えています。「まだお得なの?」「いつまでに寄付すればいい?」と気になっている方に向けて、いつ・何が・なぜ値上がりしたのかを時系列で整理し、2026年5月現在のお得な活用法もご紹介します。
自己負担2,000円で返礼品がもらえる制度の根幹は変わりません。以前よりお得感は薄れていますが、活用価値は十分あります。6割ルール前の2026年9月末までに寄付するとより多くの返礼品を受け取れる可能性があります。
ふるさと納税の「値上げ」はいつから?3つの変化を時系列で解説
ふるさと納税の「値上がり」は一度に起きたわけではなく、2025年〜2029年にかけて3段階の波として押し寄せています。まず全体像をつかみましょう。
| 時期 | 変化の内容 | 一般利用者への影響 |
|---|---|---|
| 2025年10月〜 | ポータルサイト・ポイントサイトによるポイント付与が全面禁止 | 楽天ポイント等の還元がなくなりお得度が低下 |
| 2025年〜(進行中) | 物価高対応で自治体が寄付金額を値上げ | 同じ返礼品でも寄付額が増加 |
| 2026年10月〜 | 6割ルール(費用上限を段階的に引き下げ)・地場産品基準の厳格化 | 返礼品の量・質が低下する見込み |
| 2027年〜 | 高所得者(課税所得1億円超)への控除上限193万円を設定 | 一般のサラリーマン層への直接影響はなし |
【2025年10月〜】ポイント全廃が実質的な値上げに
2025年10月1日より、総務省の告示に基づき、ふるさと納税ポータルサイトによるポイント付与が全面禁止になりました。対象は楽天ふるさと納税・ふるさとチョイス・さとふる・ふるなびなどすべてのポータルサイトと、モッピー・ハピタスなどのポイントサイト経由の還元です。
以前は楽天のスーパーポイントアップ(SPU)を組み合わせると10%超のポイント還元が得られるケースもありました。これが突然ゼロになったことは、実質的な「値上げ」といえるでしょう。
クレジットカードのポイントは引き続き還元されます
ポイント禁止の対象は「ふるさと納税ポータルサイト」と「ポイントサイト」によるポイント付与です。楽天カードやd払いなど決済サービスによるポイント付与は規制対象外のため、引き続き還元を受けられます。詳しくは後述の「お得に使う方法」をご参照ください。
なお、楽天グループはポイント禁止の無効を求める裁判を総務省に提起しています(2026年5月時点で裁判継続中)。結果次第では今後の状況が変わる可能性もあります。
物価高:約半数の自治体が寄付金額を値上げ済み
制度改正とは別に、物価高の影響で多くの自治体が返礼品の寄付金額そのものを引き上げています。さとふるが2025年10〜11月に実施した調査(305自治体・1,941名が回答)によると、49.8%の自治体が寄付金額の値上げを実施したと回答しています。
また、44.6%の自治体が「物価高が返礼品の選定に影響した」と回答しており、人気の食料品を中心に寄付金額の引き上げが広がっています。同じ返礼品でも、以前より多くの寄付が必要になっているケースが増えているのです。
「日用品」へのシフトが加速しています
値上がりの影響を受け、寄付者が選ぶ返礼品の傾向にも変化が起きています。「寄付金額が低い」(44.9%)、「日常使い・消耗品志向」(41.9%)の返礼品への需要が高まっており、豪華な食品よりも実用的な日用品を選ぶ傾向が強まっています。
【2026年10月〜】6割ルールで返礼品がさらに減量・値上がり見込み
2026年10月からは、通称「6割ルール」が段階的に導入されます。これは、自治体が寄付金のうち自由に使えるお金を6割以上確保しなければならないという新しい基準です。
現在は寄付金額の最大50%を返礼品調達・送料・手数料等の費用に充てられますが、2026年10月以降はこれが段階的に圧縮されます。最終的に2029年10月には費用の上限が40%に引き下げられる予定です。
| 時期 | 費用の上限 | 自治体の活用可能額 |
|---|---|---|
| 〜2026年9月(現在) | 寄付額の50%以下 | 50%以上 |
| 2026年10月〜2027年9月 | 寄付額の47.5%以下 | 52.5%以上 |
| 2027年10月〜2028年9月 | 寄付額の45%以下 | 55%以上 |
| 2028年10月〜2029年9月 | 寄付額の42.5%以下 | 57.5%以上 |
| 2029年10月〜 | 寄付額の40%以下 | 60%以上 |
返礼品の調達価格上限(寄付額の30%)は変わりませんが、送料・決済手数料・ポータルサイト手数料等に充てられる費用が段階的に圧縮されます。その結果、同じ返礼品を維持するために寄付金額を引き上げるか、量を減らすかの対応を迫られる自治体が増える見込みです。
なぜふるさと納税は値上がり続けるのか?総務省が改正を続ける理由
ふるさと納税の制度改正は2019年以降ほぼ毎年行われており、そのたびに利用者へのお得感が薄れています。なぜ総務省は次々と改正を進めるのでしょうか。
ふるさと納税は2008年に「生まれ育ったふるさとに貢献したい」という理念のもとで始まりました。当初は返礼品の想定すらありませんでしたが、自治体間の競争が激化するにつれて返礼品競争が加熱し、2015年頃には還元率70%超の返礼品や地域と無関係な高級家電・商品券が続出しました。
こうした状況を受け、総務省は制度の「正常化」に向けて規制を強化し続けています。
| 時期 | 主な改正内容 |
|---|---|
| 2019年6月 | 返礼品割合3割以下・地場産品限定を法制化(それまでは要請のみ) |
| 2023年10月 | 経費5割ルールの対象拡大(ワンストップ特例事務費等を含む)・熟成肉・精米の地場産品基準厳格化 |
| 2024年10月 | 複数県展開のホテルチェーン宿泊券(1人1泊5万円超)の制限 |
| 2025年10月 | ポータルサイト・ポイントサイトによるポイント付与を全面禁止 |
| 2026年10月〜 | 費用上限を段階的に4割へ引き下げ(6割ルール)・地場産品基準のさらなる厳格化 |
総務省はポイント禁止について「ポイント付与に係る競争が過熱しており、指定基準に適合していないことが疑われる」と説明しています。一方で楽天は「ポイントの原資は楽天が負担しており、禁止しても自治体の手数料は下がらない」と反発しており、制度の在り方をめぐる議論が続いています。
6割ルールで返礼品はどう変わる?具体的な影響を解説
「6割ルールで返礼品が減る」と言われても、実際にどのくらい影響があるのかイメージしにくいですよね。税理士・小林拓未氏は次のように説明しています。
「返礼品については、質が落ちたり、量が減ったりすることが考えられます。具体的には、1万円でもらえる量が減る、寄附額が1万2,000円前後に上がる、定期便の回数が見直されるといった変化が出る可能性があります」
現在の仕組みでは、自治体は寄付金額の最大30%を返礼品の調達費用に、残りの20%(合計50%)を送料・決済手数料・ポータルサイト手数料などの運営コストに充てています。
6割ルールで運営コストに使える割合が2026年10月から2.5%削減されると、同じ返礼品を維持するために寄付金額を引き上げるか返礼品の量を減らすかの対応を迫られます。どちらを選んでも、寄付者にとっては実質的な「値上げ」になります。
さらに2026年10月からは地場産品基準もさらに厳格化されます。区域外で製造された加工品は「区域内原材料100%使用」が条件になるなど、提供できる返礼品の種類も絞り込まれる可能性があります。
お気に入りの返礼品は2026年9月末までに狙うのが得策かもしれません
6割ルールの導入前後で、同じ返礼品の寄付金額が変わる可能性があります。気に入った返礼品がある方は2026年9月末までに計画的に寄付を済ませることも一つの選択肢です。ただし年間の控除上限額を超えた寄付は控除の対象外となりますので、まず自分の上限額を確認してから計画を立てましょう。
同時施行:地場産品基準の4つの厳格化
2026年10月から6割ルールと同時に、返礼品として認められる「地場産品基準」もさらに厳しくなります。これは総務省が2025年6月24日に発表した指定基準の見直しに基づくもので、具体的には以下の4点が変わります。
①加工品の原材料基準の明確化
区域外で製造された加工品は、区域内で生産された原材料を100%使用している場合のみ返礼品として認められます。たとえば「区域内のりんごを100%使用して区域外で製造したりんごジュース」はOKですが、一部でも他地域の原材料が混ざる場合はNGです。
②付加価値基準の導入
製造の主要部分を海外などに依存している商品に対し、返礼品の価格の半分以上の付加価値が区域内で生み出されたことを証明・公表することが義務付けられます。産地だけでなく「どこで価値を生んでいるか」が問われるようになります。
③「ゆるキャラ」グッズ等の基準明確化
自治体のキャラクターグッズを地場産品として提供する場合、そのキャラクターが「自治体の広報活動に資するもの」であることの具体的な実績や計画を示すことが新たに必要になります。
④体験型返礼品(買物券など)の基準明確化
買物券などの体験型返礼品は、区域内で生産された農作物のみを取り扱う直売所など、提供するサービスと地域の間に強い関連性があるものに限定されます。汎用的な買物券は認められなくなる可能性があります。
これらの基準変更により、これまで返礼品として提供できていた一部の食品・グッズ・体験型サービスが対象外になることが予測されます。返礼品のラインナップが絞り込まれる可能性があることも、2026年9月末までに寄付を検討する理由の一つです。
【2027年〜】高所得者への控除上限が新設、一般層への影響は?
2025年12月に発表された与党税制改正大綱では、課税所得1億円以上(概ね年収1億円超)の高所得者を対象に、住民税の特例控除額に193万円の上限を設けることが盛り込まれました。適用開始は2027年分の寄付からです。
独身または夫婦共働きの場合、所得税の寄付金控除(201万円)+住民税の基本控除(44万円)+住民税の特例控除(193万円)を合計した約438万円が控除の実質的な上限になります。
一般のサラリーマン・会社員への直接的な影響はありません
今回の制限は課税所得1億円以上という非常に高い水準を対象としており、一般的な給与所得者には影響しません。ただし「富裕層優遇」という批判が今後も続くようであれば、将来的に一般層へも影響が及ぶ可能性はゼロではないと専門家も指摘しています。
値上がりしても「やらなきゃ損」は変わらない?損得分岐点を解説
ここまで値上がりの話が続きましたが、「それでもふるさと納税は得なの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、自己負担2,000円で返礼品がもらえるという制度の根幹は変わっていません。
ふるさと納税の仕組みは、控除上限額の範囲内で寄付をすれば、寄付額から2,000円を引いた金額がそのまま税額控除されます。つまり実質2,000円の自己負担で返礼品を受け取れるわけです。
現在も返礼品の調達割合上限は寄付額の30%です。たとえば1万円の寄付であれば、市場価値にして3,000円相当の返礼品がもらえる計算になります。2,000円の自己負担で3,000円相当の品物が届くので、差し引きで1,000円分はお得です。
税理士・小林拓未氏も「返礼品の魅力が減少したとしても、返礼品自体がもらえなくなるわけではないので、依然として得な制度であることは変わりません」と述べています。
特に年収400万〜800万円前後の会社員の方は控除上限額が数万円〜十数万円あり、活用しない手はありません。控除上限額のシミュレーションは各ポータルサイトの公式サイトで無料で確認できます。
2026年5月現在も高還元率の返礼品は存在します
制度の厳格化が進む一方で、自治体の独自努力によりコスト削減を図り、還元率の高い魅力的な返礼品を維持しているケースも多くあります。各ポータルサイトの還元率ランキングを活用して、コスパの良い返礼品を選ぶのがおすすめです。
値上げ後でもお得に使う方法【2026年5月最新キャンペーン情報】
ポイント廃止後も各ポータルサイトは独自のキャンペーンを打ち出しています。2026年5月時点で使える代表的なお得情報をご紹介します。ただしキャンペーン内容は変更・終了する場合がありますので、利用前に各サイトの公式ページで最新情報をご確認ください。
楽天ふるさと納税:5と0のつく日に楽天カード決済で最大5%還元
楽天ふるさと納税でポータルサイトによるポイント付与はなくなりましたが、楽天カードの「5と0のつく日」キャンペーンは引き続き対象です。毎月5・10・15・20・25・30日に楽天カードで決済すると最大5%のポイント還元が受けられます(月間上限あり)。
ふるさとチョイス:感謝券コードで500円引き+d払いで最大24%還元
ふるさとチョイスでは2026年12月31日まで、感謝券コード「z26k9Y」を入力すると寄付金額から500円引きになります。さらにd払いを使った寄付では、金曜・土曜に決済すると+3%還元(抽選で最大+20%)のキャンペーンも実施しています。
ふるなび:ふるなびマネーで4%即増量キャンペーン
ふるなびでは独自の電子決済サービス「ふるなびマネー」を展開しています。クレジットカードでチャージするとチャージ額の4%分が即時増量されます(付与上限なし・2026年5月時点)。たとえば1万円をチャージすると10,400円分のふるさと納税が可能です。増量分の有効期限は付与から12ヶ月です。
まとめ:ふるさと納税の「値上げ」5つのポイント
- 2025年10月〜:ポータルサイトによるポイント付与が全面廃止。クレジットカードのポイントは引き続き還元される
- 物価高の影響で約半数(49.8%)の自治体が返礼品の寄付金額を値上げ済み
- 2026年10月〜:6割ルールが段階的スタート。返礼品の量・質が低下する可能性あり(2029年10月に費用上限が最終的に40%へ)
- 2027年〜:課税所得1億円超の高所得者への控除上限(193万円)が設定。一般のサラリーマンへの直接影響はなし
- 自己負担2,000円で返礼品がもらえる制度の根幹は変わらない。以前よりお得感は薄れたが、活用価値は依然として高い
よくある質問
大きく3段階あります。①2025年10月のポータルサイトによるポイント付与の全面廃止、②物価高に対応した自治体による寄付金額の引き上げ(約半数の自治体が実施済み)、③2026年10月から段階的に導入される「6割ルール」(返礼品の減量・値上がり見込み)です。
2026年10月から段階的に導入されるルールで、自治体が寄附金のうち自由に使えるお金を6割以上(2029年10月以降)確保しなければならない基準です。これにより自治体が返礼品調達や送料等に使えるコストが削減されるため、同じ寄付額でもらえる返礼品の量や質が下がると予測されています。
制度上、自己負担2,000円で返礼品がもらえる仕組みは変わりません。ポイント廃止や6割ルールで以前よりお得感は薄れていますが、2,000円の自己負担で数千〜数万円相当の返礼品を受け取れる点は依然として大きなメリットです。税の控除という観点でも、控除上限額の範囲内で活用しない手はありません。
6割ルール導入後は返礼品の量・質が下がる可能性があるため、同じ返礼品を選ぶなら2026年9月末以前の方がお得です。ただし年間の控除上限額は変わりませんので、焦って上限を超えた寄付をしないよう注意してください。まず控除上限額を確認したうえで計画的に利用することをおすすめします。
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