都市ガスの料金が「また上がった」と感じていませんか? 2026年11月検針分では、政府の支援の終了と東京ガスなどの基本料金引き上げが重なり、標準家庭で前月より月500〜700円台の値上がりです。いつまで続くのか・各社の値上げ幅・家計対策を解説します。

結論
都市ガスの値上げ、いつまで続く?3つのポイント

① 2026年11月検針分でさらに値上がり。標準家庭の前月比は東京ガス(30㎥)+744円、東邦ガス(29㎥)+553円。② 原因は政府の支援終了と東京ガスの46年ぶりの基本料金引き上げ。③ 12月検針分以降は原料価格しだい。冬季の支援再開は2026年10月7日時点で未確認です。

2026年の都市ガス値上げ、いつから?いくら上がった?

2026年10月使用分(11月検針分)から、都市ガス料金は複数の要因が重なってさらに値上がりしました。まず直近の動きをおさえておきましょう。

2026年11月検針分〜支援終了で一斉値上がり

政府は2023年1月から、都市ガス料金の補助を断続的に続けてきました。2026年の夏も7〜9月使用分が対象でしたが、9月使用分(10月検針分)が最終です。

11月検針分からは補助がなくなり、東京ガス・東邦ガスの発表にも値引きの記載はありません。

補助額の推移は以下のとおりです。

使用月(検針分) 都市ガスへの補助額 家庭(30㎥)への影響
2026年1〜2月使用分 −18.0円/㎥ 540円/月の値引き
2026年3月使用分 −6.0円/㎥ 180円/月の値引き
2026年4〜6月使用分 補助なし(0円) 値引きなし
2026年7・9月使用分 −14.0円/㎥ 420円/月の値引き
2026年8月使用分 −18.0円/㎥ 540円/月の値引き
2026年10月使用分(11月検針分)以降 補助なし(0円) 値引きがなくなる

出典:資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」。東京ガスの11月検針分は、原料価格の反映だけを見れば単位料金が1㎥あたり5.69円下がります。しかし支援の終了と約款改訂が上回り、標準家庭(東京ガス・月30㎥)で前月より744円の値上がりになります。

冬季の支援の再開は、2026年10月7日時点で政府の正式発表を確認できていません。値上がりが「一時的なもの」とは言い切れない状況です。

東京ガス、46年ぶりの基本料金値上げ(2026年10月)

東京ガスは2026年10月1日(11月検針分)から1都6県の基本料金を値上げしました。1980年(石油危機の影響)以来、46年ぶりの値上げです。

地域 基本料金の値上げ幅 標準家庭への影響(前月比)
東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・茨城 +150円/月 標準家庭(30㎥)で+744円
群馬 +150円/月(基準単位料金は+2.52円/㎥) 標準家庭(36㎥)で+939円

前月比の値上がり額には、基本料金の引き上げに加え、政府支援の終了と原料費調整の見直しが含まれます。東京ガスの11月検針分の発表では、値上がりの理由は「約款改訂後の諸係数の適用」と「政府補助金の終了」とされています。LNG価格ではなく固定費側と支援終了の影響が主因という点が注目されます。

大阪ガスも2026年10月に料金体系を改定

大阪ガスも2026年10月1日から料金体系を見直しました。新メニュー「一般料金S」を新設し、現行の「一般料金」は2026年9月30日で新規受付を終了しました。

新メニューでは基本料金が引き上げられる一方、従量料金単価が引き下げられる構成です。報道によると、2026年11月検針分の標準家庭(30㎥)は6,330円から6,902円へ、前月より572円上がるとされています。

使用量によって影響が異なりますので、大阪ガスの公式サイトで最新の料金表をご確認ください。

都市ガスが値上がりする理由は?わかりやすく解説

「毎月の使用量は変わっていないのに、なぜガス代が上がるの?」と疑問に思う方も多いですよね。仕組みを知ると、値上がりの理由がよくわかります。

① LNG(液化天然ガス)の輸入コスト上昇

都市ガスの原料はLNG(液化天然ガス)で、その大部分を海外(オーストラリア・カタール・アメリカなど)から輸入しています。ガス料金には「原料費調整額」という仕組みがあり、LNGの輸入価格の変動を毎月のガス代に自動的に反映します。

ウクライナ情勢の長期化などで欧州のLNG需要が高まり、日本が購入するLNGの価格も高止まりしています。

ガス料金の計算式(おさらい)ガス代 = 基本料金 + 従量料金(単位料金 × 使用量)
単位料金 = 従量料金単価 ± 原料費調整額(毎月変動する)

② 円安による調達コスト増

LNGはドル建てで取引されます。円安が進むと同じ量のLNGを輸入するためにより多くの円が必要になり、結果としてガス料金が上がります。2022〜2024年にかけての急激な円安が、ガス代の高騰に拍車をかけました。

③ 政府の電気・ガス補助金終了

2023年から続いていた政府の補助は、2026年夏の7〜9月使用分(1㎥あたり14.0〜18.0円の値引き)を最後に終了しました。補助があった期間と比べると、その差額分だけ実質的な値上がりとなっています。冬季の再開は、2026年10月7日時点で政府の正式発表を確認できていません。

④ 基本料金の引き上げ(約款改訂)

2026年10月1日付で東京ガスなどが約款を改訂し、基本料金を引き上げました。人件費や資機材価格の高騰、保安体制の維持コストといった固定費の上昇が背景にあり、使用量が少ない月でも負担が増える点が従来の値上がりと異なります。

東京ガス・大阪ガス・ニチガスなど各社の値上げ状況

2026年11月検針分(10月使用分)の各社の状況をまとめました。原料費調整額は毎月変動するため、最新の単位料金は各社公式サイトでご確認ください。

東京ガスの値上げ

2026年11月検針分は、東京地区等で単位料金が1㎥あたり5.69円(税込)下方調整される一方、支援の終了と46年ぶりの基本料金値上げ(東京地区等は+150円/月)が重なり、標準家庭(30㎥)は前月より744円の値上がりとなります。

2026年6月検針分の従量料金単価(B表/20〜80㎥)は157円19銭/㎥となっています(東京ガス公式発表より)。最新の単位料金は東京ガスの料金ページで毎月確認できます。

大阪ガスの値上げ

大阪ガスも支援の終了と、2026年10月からの「一般料金S」への移行で、2026年11月検針分は標準家庭(30㎥)で前月より572円の値上がりとなる見込みと報じられています(支援終了分は423円)。2026年6月検針分の従量料金単価(B表/20〜50㎥)は165.36円/㎥でした。

東邦ガスの値上げ

東邦ガス(中部地区)も同様に支援終了の影響を受けています。2026年11月検針分の標準家庭(29㎥)は7,118円で、10月検針分より553円の値上がりです。料金表Bの従量単価は171.60円から190.68円/㎥になります。最新の料金は東邦ガスの公式サイトで毎月公表されています。

西部ガスの値上げ

九州・中国地方が対象の西部ガスも、原料費調整制度により毎月料金が変動しています。支援の終了は他社と同じく影響するため、料金の詳細は西部ガスの公式サイトをご確認ください。

ニチガス(日本瓦斯)の値上げ状況

ニチガスは都市ガスとLPガス(プロパンガス)の両方を提供しています。都市ガスについては、東京ガスなどの大手と同様に原料費調整制度に基づいて月ごとに料金が変動します。

報道によると、東京ガスエリアでは2026年11月検針分から、標準プランの基本料金が段階別に145.20円上がり、従量料金は1㎥あたり6.85〜6.86円下がるとされています。

加えて支援の終了で、値引き分が実質的な値上がりになります。

ニチガスの口コミには「急に値上がりした」という声もありますが、大手各社と同じく支援終了の影響が大きいと見られます。最新の料金はニチガスの公式料金ページでご確認ください。

会社名 対象エリア 2026年10月以降の主な動き
東京ガス 東京・神奈川・千葉・埼玉ほか 基本料金+150円(46年ぶり)。11月検針分は標準家庭で+744円
大阪ガス 近畿・北陸・中国 「一般料金S」新設で基本料金引き上げ。11月検針分は標準家庭で+572円と報道
東邦ガス 愛知・岐阜・三重 11月検針分は標準家庭(29㎥)で+553円
西部ガス 九州・中国地方 原料費調整で毎月変動
ニチガス 関東(東京・神奈川など) 11月検針分から単価改定(基本料金上げ・従量料金下げ)と支援終了
広島ガス 広島県 2026年8月から基本料金+440円(30年ぶり)

プロパンガスも値上がり中。都市ガスとどっちが高い?

「うちはプロパンガスだけど、都市ガスとどっちが高いの?」という疑問をお持ちの方も多いですね。実は、プロパンガスは都市ガスより高い傾向があり、値上がりの要因も少し異なります。

プロパンガスが値上がりする理由

プロパンガス(LPガス)の原料はLPG(液化石油ガス)で、原油価格と連動して価格が変動します。2026年はホルムズ海峡の地政学リスクや円安の影響でLPGの輸入コストが上昇し、プロパンガス料金の値上がりが続いています。

さらに、プロパンガスは事業者によって料金が大きく異なる点も特徴です。適正価格で利用できている家庭は全体のわずか約5%とも言われており、多くの家庭が割高な料金を払っている可能性があります。

都市ガス vs プロパンガス 値上がり比較

都市ガス(東邦ガス・標準家庭29㎥)
約7,118円
月額(2026年11月検針分)
プロパンガス(全国平均10㎥)
約9,194円
月額目安(2025年10月末時点)

単純比較は使用量が違うので難しい面もありますが、一般的にプロパンガスのほうが都市ガスより割高になりやすいと言えます。プロパンガスを使っている方は、ガス会社の乗り換えや都市ガスへの切り替え(工事が必要)を検討する価値があります。

都市ガスの値上げはいつまで続く?今後の見通し

「この値上がりはいつ終わるの?」——多くの方が気になるところですね。2026年10月7日時点の見通しをまとめます。

  • LNG価格:2026年は6〜7ドル/百万Btu程度で安定する見込みもある一方、欧州の冬の寒波や地政学リスクで20ドル超に急騰するシナリオも残っています
  • 東京ガスの基本料金値上げ:2026年10月1日に実施済みで、元には戻りません
  • 原料費調整:直近3か月の平均原料価格を3か月遅れで反映するため、12月検針分以降は今後の原料価格しだいで上下します(東京ガスの11月検針分は単位料金が下方調整)
  • 政府補助金:夏の支援は9月使用分で終了しました。冬季の再開は2026年10月7日時点で正式発表を確認できていません
  • 為替(円安):円安が続く限り、LNGの輸入コストへの上昇圧力は続きます

短期的に大幅な値下がりが期待しにくい状況です。電気代の値上がりも同時進行しており、光熱費全体の見直しが急務といえます。

今すぐできるガス代値上がり対策

値上がりに対して家計を守るために、今すぐできることがあります。大きく「使い方の見直し」と「ガス会社の切り替え」の2つのアプローチがあります。

日常の使い方を見直して節約

ガスをもっとも多く使うのはお風呂とキッチンです。ちょっとした工夫で意外と節約できますよ。

節約方法 効果の目安 難易度
追い焚きを減らす(家族で時間をそろえる) 年間約6,190円節約 ★☆☆
シャワーを1分短縮する 年間約2,070円節約 ★☆☆
浴槽の湯量を20リットル減らす 1回あたり約11.8円節約 ★☆☆
鍋に蓋をして加熱時間を短縮 小さな積み重ねに ★☆☆
給湯温度を42℃→40℃に下げる 1日あたり約6円節約 ★☆☆

東京ガス都市生活研究所の調査では、複数の節約術を組み合わせることで年間約23,500円の節約が実現できるとされています。

ガス会社・料金プランを切り替える

2017年の都市ガス自由化以降、ガス会社を自由に選べるようになりました。現在のガス会社より安いプランに切り替えるだけで、月々の固定費を削減できます。

  • 電気とガスをセット契約するとセット割引が受けられるケースが多い
  • ガス会社の切り替えは基本的に工事不要・手数料無料
  • 引っ越しのタイミングで見直すのがベストですが、現住所でも切り替え可能

プライシーアプリでは価格の変動をチェックできます。光熱費と合わせて生活コストを見直したい方にもご活用いただけます。詳しくは プライシー公式サイト をご覧ください。

よくある質問

都市ガスの料金は「基本料金+従量料金」で構成されており、従量料金の中に「原料費調整額」が含まれているためです。原料費調整額は、都市ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の輸入価格の変動に応じて毎月自動的に調整されます。LNGの輸入価格が上がると原料費調整額も上がり、ガス代が値上がりします。

大阪ガスは2026年10月1日から「一般料金S」という新しい料金メニューを導入しました。新メニューでは基本料金が引き上げられ、従量料金単価は引き下げられます。報道によると、2026年11月検針分の標準家庭(30㎥)は前月より572円上がるとされています(支援終了分を含む)。

ニチガス(日本瓦斯)の都市ガス料金も、LNGの輸入価格に連動して変動します。夏の政府補助金が9月使用分で終了し、実質的な負担が増えています。報道では、東京ガスエリアで11月検針分から基本料金が上がり、従量料金が下がる改定もありました。具体的な月別の料金はニチガス公式サイトの料金表でご確認ください。

一般的に、プロパンガスのほうが都市ガスより高い傾向があります。標準的な使用量での月額を比較すると、都市ガス(東邦ガスの標準家庭・29㎥使用)が7,118円(2026年11月検針分)なのに対し、プロパンガス(10㎥使用)の全国平均は約9,194円(2025年10月末時点)です。プロパンガスは事業者によって料金が大きく異なるため、適正価格かどうか確認することも重要です。

最も効果が大きいのは「ガス会社・料金プランの見直し」です。新電力と同様に、都市ガスも2017年の自由化以降、複数のガス会社から選べるようになっています。次に効果的なのはお風呂の使い方の改善で、追い焚きを減らすだけで年間約6,190円、シャワー時間を1分短縮するだけで年間約2,070円の節約が見込めます。

まとめ

都市ガス値上げ対策チェックリスト

  • 2026年11月検針分から補助金終了で値上がり(東京ガス+744円・東邦ガス+553円)
  • 東京ガスは2026年10月に46年ぶりの基本料金値上げ(+150円)。冬季の補助金再開は未発表
  • 値上がりの主因は補助金終了と基本料金の引き上げ。LNG価格・円安も影響
  • プロパンガスも値上がり中。都市ガスより割高になりやすい
  • 追い焚き削減(年間約6,190円)・シャワー1分短縮(年間約2,070円)が節約の近道
  • ガス会社・料金プランの切り替えで固定費の削減も検討する

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