都市ガスの料金が「急に高くなった」と感じていませんか? 2026年は政府補助金の終了LNG価格の高止まりが重なり、大手ガス会社が一斉に値上がりしています。さらに東京ガスは1980年(石油危機)以来46年ぶりの基本料金値上げを2026年10月に予定。この記事では、なぜ値上がりしているのか・各社の値上げ幅・プロパンガスとの違い・今後の見通しと家計対策まで、まとめて解説します。

結論
2026年の都市ガス値上げ、3つのポイント

補助金終了(2026年4月〜)で標準家庭の負担が月150〜200円増加。② 東京ガスが10月に46年ぶりの基本料金値上げ(基本料金+150円)。③ LNG輸入コストと円安圧力が続き、当面は高止まりの見通し。ガス会社の切り替えや使い方の見直しで対策できます。

2026年の都市ガス値上げ、いつから?いくら上がった?

2026年に入り、都市ガス料金は複数の要因が重なって値上がりが続いています。まず直近の動きをおさえておきましょう。

2026年4月〜補助金終了で一斉値上がり

政府は2023年1月から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として都市ガス料金の補助を続けてきました。2026年に入っても1〜3月使用分は支援が継続されていましたが、4月使用分(5月請求分)以降は補助がゼロになりました。

補助の削減スケジュールは以下のとおりです。

使用月(検針分) 都市ガスへの補助額 家庭(30㎥)への影響
2026年1〜2月使用分 −18.0円/㎥ 540円/月の値引き
2026年3月使用分 −6.0円/㎥ 180円/月の値引き
2026年4月使用分以降 補助なし(0円) 月150〜200円の負担増

出典:資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」。これにより、大手都市ガス4社(東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガス)がそろって値上がりし、標準的な家庭(月30㎥使用)で月150〜200円程度の負担増となっています。

補助金の再開予定は現時点で未定。経済産業省の公式サイトでも2026年4月以降の支援事業は発表されていません。値上がりが「一時的なもの」とは言い切れない状況です。

東京ガス、46年ぶりの基本料金値上げ(2026年10月)

2026年4月、東京ガスは2026年10月1日から1都6県の基本料金を値上げすると発表しました。1980年(石油危機の影響)以来、46年ぶりの値上げです。

地域 基本料金の値上げ幅 標準家庭(30㎥)への影響
東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・茨城 +150円/件 月5,734円 → 5,884円(+2.6%)
群馬 +241円/件 月2.6%超の値上げ

単位料金も1㎥あたり0.02円引き上げられます。東京ガスの担当者は値上げの理由として「人件費や資機材価格の高騰、保安体制の維持コスト増加」を挙げており、LNG価格ではなく固定費側の上昇が主因という点が注目されます。

大阪ガスも2026年10月に料金体系を改定

大阪ガスも2026年10月1日から料金体系を見直します。新メニュー「一般料金S」を新設し、現行の「一般料金」は2026年9月30日で新規受付を終了します。

新メニューでは基本料金が引き上げられる一方、従量料金単価が引き下げられる構成です。ガスをたくさん使う家庭と少ない家庭で影響が異なりますので、大阪ガスの公式サイトで最新の料金表を確認することをおすすめします。

都市ガスが値上がりする理由は?わかりやすく解説

「毎月の使用量は変わっていないのに、なぜガス代が上がるの?」と疑問に思う方も多いですよね。仕組みを知ると、値上がりの理由がよくわかります。

① LNG(液化天然ガス)の輸入コスト上昇

都市ガスの原料はLNG(液化天然ガス)で、その大部分を海外(オーストラリア・カタール・アメリカなど)から輸入しています。ガス料金には「原料費調整額」という仕組みがあり、LNGの輸入価格の変動を毎月のガス代に自動的に反映します。

ウクライナ情勢の長期化などで欧州のLNG需要が高まり、日本が購入するLNGの価格も高止まりしています。

ガス料金の計算式(おさらい)ガス代 = 基本料金 + 従量料金(単位料金 × 使用量)
単位料金 = 従量料金単価 ± 原料費調整額(毎月変動する)

② 円安による調達コスト増

LNGはドル建てで取引されます。円安が進むと同じ量のLNGを輸入するためにより多くの円が必要になり、結果としてガス料金が上がります。2022〜2024年にかけての急激な円安が、ガス代の高騰に拍車をかけました。

③ 政府の電気・ガス補助金終了

2023年から続いていた政府の補助が2026年4月使用分で終了しました。2026年1〜2月使用分は1㎥あたり18.0円の値引きが適用されていましたが、3月使用分で6.0円に縮小され、4月以降はゼロになりました。補助があった期間と比べると、その差額分だけ実質的な値上がりとなっています。補助金の再開は現時点で未定です。

東京ガス・大阪ガス・ニチガスなど各社の値上げ状況

各社の値上げ状況をまとめました。原料費調整額は毎月変動するため、最新の単位料金は各社公式サイトでご確認ください。

東京ガスの値上げ

2026年4月検針分(5月請求)から補助金終了の影響が直撃しています。加えて2026年10月1日には46年ぶりの基本料金値上げ(東京地区等は+150円/件、単位料金+0.02円/㎥)が予定されています。標準家庭(30㎥)の月額は約5,884円と見込まれます。

2026年6月検針分の従量料金単価(B表/20〜80㎥)は157円19銭/㎥となっています(東京ガス公式発表より)。最新の単位料金は東京ガスの料金ページで毎月確認できます。

大阪ガスの値上げ

大阪ガスも補助金終了で2026年4月から値上がりしています。2026年6月検針分の従量料金単価(B表/20〜50㎥)は165.36円/㎥です。さらに2026年10月から「一般料金S」に移行し、基本料金体系が変わります。

東邦ガスの値上げ

東邦ガス(中部地区)も同様に補助金終了の影響を受けています。2026年6月検針分の従量料金単価(B表/20〜50㎥)は172.68円/㎥となっており、大手4社の中では比較的高い水準です。最新の料金は東邦ガスの公式サイトで毎月公表されています。

西部ガスの値上げ

九州・中国地方が対象の西部ガスも、原料費調整制度により毎月料金が変動しています。補助金終了後の2026年4月以降は値上がり傾向にあります。料金の詳細は西部ガスの公式サイトをご確認ください。

ニチガス(日本瓦斯)の値上げ状況

ニチガスは都市ガスとLPガス(プロパンガス)の両方を提供しています。都市ガスについては、東京ガスなどの大手と同様に原料費調整制度に基づいて月ごとに料金が変動します。2026年1〜3月は18〜6円/㎥の補助金が適用されていましたが、4月以降はその補助がなくなり実質値上がりしています。

ニチガスの口コミには「急に値上がりした」という声もありますが、大手各社と同じく補助金終了の影響が大きいと見られます。最新の料金はニチガスの公式料金ページでご確認ください。

会社名 対象エリア 2026年10月以降の主な動き
東京ガス 東京・神奈川・千葉・埼玉ほか 基本料金+150円(46年ぶり)
大阪ガス 近畿・北陸・中国 「一般料金S」新設で基本料金引き上げ
東邦ガス 愛知・岐阜・三重 原料費調整で毎月変動(2026年時点独自値上げ未発表)
西部ガス 九州・中国地方 原料費調整で毎月変動
ニチガス 関東(東京・神奈川など) 補助金終了で実質値上がり
広島ガス 広島県 2026年8月から基本料金+440円(30年ぶり)

プロパンガスも値上がり中。都市ガスとどっちが高い?

「うちはプロパンガスだけど、都市ガスとどっちが高いの?」という疑問をお持ちの方も多いですね。実は、プロパンガスは都市ガスより高い傾向があり、値上がりの要因も少し異なります。

プロパンガスが値上がりする理由

プロパンガス(LPガス)の原料はLPG(液化石油ガス)で、原油価格と連動して価格が変動します。2026年はホルムズ海峡の地政学リスクや円安の影響でLPGの輸入コストが上昇し、プロパンガス料金の値上がりが続いています。

さらに、プロパンガスは事業者によって料金が大きく異なる点も特徴です。適正価格で利用できている家庭は全体のわずか約5%とも言われており、多くの家庭が割高な料金を払っている可能性があります。

都市ガス vs プロパンガス 値上がり比較

都市ガス(標準家庭30㎥)
約5,700〜
7,000円
月額目安(東京地区ほか、2026年現在)
プロパンガス(全国平均10㎥)
約9,194円
月額目安(2025年10月末時点)

単純比較は使用量が違うので難しい面もありますが、一般的にプロパンガスのほうが都市ガスより割高になりやすいと言えます。プロパンガスを使っている方は、ガス会社の乗り換えや都市ガスへの切り替え(工事が必要)を検討する価値があります。

都市ガスの値上げはいつまで続く?今後の見通し

「この値上がりはいつ終わるの?」——多くの方が気になるところですね。2026年後半の見通しをまとめます。

  • LNG価格:2026年は6〜7ドル/百万Btu程度で安定する見込みもある一方、欧州の冬の寒波や地政学リスクで20ドル超に急騰するシナリオも残っています
  • 東京ガスの基本料金値上げ:2026年10月実施は確定済みです
  • 政府補助金:2026年4月以降の再開は現時点で未発表です
  • 為替(円安):円安が続く限り、LNGの輸入コストへの上昇圧力は続きます

短期的に大幅な値下がりが期待しにくい状況です。電気代の値上がりも同時進行しており、光熱費全体の見直しが急務といえます。

今すぐできるガス代値上がり対策

値上がりに対して家計を守るために、今すぐできることがあります。大きく「使い方の見直し」と「ガス会社の切り替え」の2つのアプローチがあります。

日常の使い方を見直して節約

ガスをもっとも多く使うのはお風呂とキッチンです。ちょっとした工夫で意外と節約できますよ。

節約方法 効果の目安 難易度
追い焚きを減らす(家族で時間をそろえる) 年間約6,190円節約 ★☆☆
シャワーを1分短縮する 年間約2,070円節約 ★☆☆
浴槽の湯量を20リットル減らす 1回あたり約11.8円節約 ★☆☆
鍋に蓋をして加熱時間を短縮 小さな積み重ねに ★☆☆
給湯温度を42℃→40℃に下げる 1日あたり約6円節約 ★☆☆

東京ガス都市生活研究所の調査では、複数の節約術を組み合わせることで年間約23,500円の節約が実現できるとされています。

ガス会社・料金プランを切り替える

2017年の都市ガス自由化以降、ガス会社を自由に選べるようになりました。現在のガス会社より安いプランに切り替えるだけで、月々の固定費を削減できます。

  • 電気とガスをセット契約するとセット割引が受けられるケースが多い
  • ガス会社の切り替えは基本的に工事不要・手数料無料
  • 引っ越しのタイミングで見直すのがベストですが、現住所でも切り替え可能

プライシーアプリでは価格の変動をチェックできます。光熱費と合わせて生活コストを見直したい方にもご活用いただけます。詳しくは プライシー公式サイト をご覧ください。

よくある質問

都市ガスの料金は「基本料金+従量料金」で構成されており、従量料金の中に「原料費調整額」が含まれているためです。原料費調整額は、都市ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の輸入価格の変動に応じて毎月自動的に調整されます。LNGの輸入価格が上がると原料費調整額も上がり、ガス代が値上がりします。

大阪ガスは2026年10月1日から「一般料金S」という新しい料金メニューを導入します。新メニューでは基本料金が引き上げられ、従量料金単価は引き下げられます。なお、原料費調整額の変動(毎月の変動)による値上がりは2026年4月検針分以降も続いています。

ニチガス(日本瓦斯)の都市ガス料金も、原料費調整制度に基づいてLNGの輸入価格に連動して変動します。また、2026年4月以降は政府による補助金(電気・ガス料金支援)が終了したため、補助金分だけ実質的な負担が増えています。具体的な月別の料金はニチガス公式サイトの料金表でご確認ください。

一般的に、プロパンガスのほうが都市ガスより高い傾向があります。標準的な使用量での月額を比較すると、都市ガス(30㎥使用)が5,700〜7,000円程度なのに対し、プロパンガス(10㎥使用)の全国平均は約9,194円(2025年10月末時点)です。プロパンガスは事業者によって料金が大きく異なるため、適正価格かどうか確認することも重要です。

最も効果が大きいのは「ガス会社・料金プランの見直し」です。新電力と同様に、都市ガスも2017年の自由化以降、複数のガス会社から選べるようになっています。次に効果的なのはお風呂の使い方の改善で、追い焚きを減らすだけで年間約6,190円、シャワー時間を1分短縮するだけで年間約2,070円の節約が見込めます。

まとめ

都市ガス値上げ対策チェックリスト

  • 2026年4月〜補助金終了で月150〜200円の負担増(大手4社共通)
  • 東京ガスは2026年10月に46年ぶりの基本料金値上げ(+150円)
  • 値上がりの主因はLNG価格高騰・円安・補助金終了の三重苦
  • プロパンガスも値上がり中。都市ガスより割高になりやすい
  • 追い焚き削減(年間約6,190円)・シャワー1分短縮(年間約2,070円)が節約の近道
  • ガス会社・料金プランの切り替えで固定費の削減も検討する

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