「自動車税が値上がりする」という話を聞いて、不安に思っている方は多いのではないでしょうか。実は2026年の税制改正では、値上げどころか購入時の税が大幅に廃止されています。一方で、古い車を持つ方はすでに「値上がり」が起きている可能性があります。この記事では、自動車税・軽自動車税の変化を整理し、あなたの車への影響をわかりやすく解説します。
【2026年最新】自動車税の変化まとめ|廃止・延長・名称変更を一覧表で整理
2026年(令和8年)4月1日を境に、自動車にかかる税制が大きく変わりました。「値上げ」という言葉が先行しがちですが、実際には購入時の負担が軽くなる変更が中心です。まずは変更点を一覧で確認しましょう。
| 適用時期 | 税目 | 変更内容 | 方向性 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月1日〜 | 環境性能割 | 廃止(購入時の税が0円に) | 値下がり |
| 2026年4月1日〜 | 自動車税種別割 | 「自動車税」に名称変更(税率変更なし) | 変化なし |
| 2026年4月1日〜 | 軽自動車税種別割 | 「軽自動車税」に名称変更(税率変更なし) | 変化なし |
| 2026年5月〜2028年4月 | 自動車重量税(エコカー減税) | 2028年4月末まで延長(燃費基準は厳格化) | 延長 |
| 2026・2027年度 | 自動車税(EV等)グリーン化特例 | 取得翌年度の税率軽減(EV等)を2年延長 | 延長 |
| 2028年5月〜 | 自動車重量税(EV・PHEV) | 特例加算(増税)の導入予定 | 値上がり |
環境性能割が廃止(2026年4月1日〜)
「環境性能割」とは、車を購入するときに燃費性能に応じて0〜3%が課税されていた税金です。これが2026年3月31日をもって廃止されました。
具体的には、トヨタ・ヤリスのガソリン車(1.5L)では約50,800円、シエンタ(ガソリン)では約68,000円の節税になります。新車や中古車を購入する方にとっては、これが最も大きな恩恵と言えるでしょう。
💡 ポイント:電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は、もともと環境性能割が非課税または軽減されていたため、廃止による恩恵は主にガソリン車の購入者に集中しています。
自動車税・軽自動車税の名称変更(課税額は変わらず)
2026年4月から「自動車税種別割」は「自動車税」に、「軽自動車税種別割」は「軽自動車税」にそれぞれ名称が変更されました。ただし、課税される金額は一切変わっていません。毎年5月に届く納税通知書の名称が変わっただけです。
エコカー減税(重量税)の延長と燃費基準の厳格化
車検のたびに支払う「自動車重量税」のエコカー減税は、2028年4月末まで2年間延長されました。ただし、2025年5月1日から燃費基準が引き上げられたため、以前は減税対象だった車種でも、基準を満たせず減税額が減る(または対象外になる)ケースがあります。
自分の車がエコカー減税の対象かどうかは、日本自動車工業会のウェブサイトで確認できます。
軽自動車税の値上げはいつから?現状と今後をわかりやすく解説
サブキーワードの多くが「軽自動車税 値上げ」に関連していることからも、軽自動車ユーザーの方が特に心配されていることがわかります。結論から言えば、2026年現在、軽自動車税の税率は変わっていません。
現在の軽自動車税の税率(2026年・変更なし)
2026年5月現在の軽自動車税(四輪乗用・自家用)の税額は以下の通りです。最新の税率表でも変更がないことが確認できます。
| 登録時期 | 年間税額 | 備考 |
|---|---|---|
| 平成27年3月31日以前に登録 | 7,200円 | 旧税率(現在この対象車は希少) |
| 平成27年4月1日以降に登録 | 10,800円 | 現在の標準税率 |
| 新車登録から13年超(自家用) | 12,900円 | 重課(約20%増) |
ℹ️ 軽自動車税の特徴:軽自動車税は都道府県ではなく市区町村(市町村税)に納付します。また、軽自動車には月割り制度がなく、4月2日以降に購入した場合はその年度分は非課税になります。
軽自動車税が上がる唯一のケース:13年超の重課
軽自動車税が「上がった」と感じている方の多くは、この「13年超の重課」が原因です。新車登録から13年を超えた軽自動車(自家用)は、10,800円 → 12,900円(年間2,100円増・約20%増)になります。
「なぜ上がったのだろう?」と感じた方は、車検証の初度検査年月を確認してみてください。13年以上前の日付であれば、重課が適用されている可能性が高いです。
⚠️ 注意:13年超の重課は毎年の自動車税(種別割)だけでなく、自動車重量税(車検時に支払う)にも適用されます。合計すると1回の車検ごとの増税額は意外と大きくなりますので、下の早見表で確認してみてください。
13年超で上がる自動車重量税の早見表(車検2年分)
自動車重量税は車検のたびにまとめて支払う国税です。13年を超えると税額がおよそ40%近く上がり、さらに18年超でもう一段上がります。
| 車両重量 | 12年目まで(2年分) | 13〜17年目(2年分) | 18年目以降(2年分) |
|---|---|---|---|
| 〜1.0トン | 16,400円 | 22,800円 +6,400円 | 25,200円 |
| 〜1.5トン(国産セダン・SUV多数) | 24,600円 | 34,200円 +9,600円 | 37,800円 |
| 〜2.0トン(ミニバン・大型SUV) | 32,800円 | 45,600円 +12,800円 | 50,400円 |
※自家用乗用車・継続検査(2年)時の金額。出典:教えて!おとなの自動車保険。軽自動車の場合、12年目まで6,600円(2年分)→ 13〜17年目は8,200円(+1,600円)→ 18年目以降は8,800円。
ℹ️「13年経過」の正確な数え方:自動車税(種別割)の重課が始まるのは、新車登録から13年を経過した後に初めて迎える4月1日です。例えば2010年10月登録の場合、2024年4月1日から重課。自動車重量税は新規登録から12年10ヶ月以降に受ける車検から適用されます。
普通自動車・軽自動車で「実際に税が上がる」ケース別早見表
2026年は全体として税の負担が軽くなる方向ですが、状況によっては実質的な値上がりを感じることもあります。該当するケースがないか確認してみましょう。
①13年超の重課(普通車・軽自動車の早見表)
最も多くの方に関係する「値上がり」がこの重課制度です。新車登録から13年を超えたガソリン車・LPG車は約15%、軽自動車は約20%の重課が適用されます(ただしEV・HV・天然ガス車は対象外)。
| 車種 | 排気量 | 通常税額(年) | 13年超・重課税額(年) | 増額分 |
|---|---|---|---|---|
| 軽自動車(自家用) | 660cc以下 | 10,800円 | 12,900円 | +2,100円 |
| 普通自動車(自家用) | 1,000cc以下 | 25,000円 | 28,750円 | +3,750円 |
| 1,000〜1,500cc | 30,500円 | 35,175円 | +4,675円 | |
| 1,500〜2,000cc | 36,000円 | 41,400円 | +5,400円 | |
| 2,000〜2,500cc | 43,500円 | 50,025円 | +6,525円 | |
| 2,500〜3,000cc | 50,000円 | 57,500円 | +7,500円 | |
| 3,000〜3,500cc | 57,000円 | 65,550円 | +8,550円 |
※2019年10月1日以降に初回新規登録した自家用乗用車の税額。ディーゼル車は11年超から重課。出典:くらしの計算機(2026年3月時点)
②エコカー減税の燃費基準厳格化(実質的な増税になる車種も)
2025年5月から燃費達成基準が引き上げられたため、以前はエコカー減税の対象だった車種でも、次回の車検から減税額が減る(または対象外になる)ケースが出ています。
例えば、これまで重量税を50%減税されていたガソリン車が、新基準では「減税なし(本則税率)」になる場合があります。車検の費用が突然高くなったと感じた方は、このエコカー減税の基準変更が原因かもしれません。
💡 確認方法:次回車検の正確な重量税額は、普通車は国土交通省の照会サービス、軽自動車は軽自動車検査協会で確認できます。
③2028年5月以降のEV・PHEV重量税増税(予定)
現在EVやPHEVに乗っている方は、2028年5月1日以降に受ける車検から「特例加算」(重量税の増税)が導入される予定です。
EVはガソリン税を負担していないため、道路維持のための負担を公平化する観点から導入されます。具体的な金額は2027年度の税制改正で決定予定で、ガソリン車ユーザーの燃料税負担額を参考に設定されます。PHEVはEVの2分の1を目安とする方針です。
⚠️ 免除の経過措置あり:新車登録時の当初3年分は免除、また既存のEV・PHEVについても2028年5月1日以後の最初の車検は免除される予定です。
2028年以降の税制改正スケジュール|EVはいつ・いくら増税される?
「EV・PHEVに乗り換えれば税金が安い」というイメージは、2028年以降に変わっていきます。今後の税制改正の流れをスケジュールで確認しましょう。
| 時期 | 対象 | 変更内容 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月1日〜 | 全車種(購入時) | 環境性能割が廃止。新車・中古車購入時の税が0円に | 実施済み |
| 2026〜2028年4月 | EV・PHEV・HV等 | エコカー減税(重量税)を2028年4月末まで延長 | 実施中 |
| 2026〜2027年度 | EV・PHEV等 | グリーン化特例(自動車税の取得翌年度約75%軽減)を2年延長 | 実施中 |
| 2028年5月1日〜 | EV・PHEV(車検時) | 重量税に「特例加算」を導入(金額は2027年度税制改正で決定予定) | 決定済み・詳細未定 |
| 2028年新規登録分〜 | 新規登録EV | 自動車税の課税方式を「排気量」→「車両重量」へ変更(詳細は2027年度決定) | 方針決定・詳細未定 |
EVの増税幅はまだ確定していませんが、「ガソリン車と同程度の負担」を目標に設定される見込みです。EVへの乗り換えを検討している方は、2028年以降のコスト変化も頭に入れておくといいでしょう。
自動車税の負担を減らす方法まとめ
自動車税は毎年発生する固定費のひとつ。上手に節税・節約できれば、長期的に見ると大きな差になります。
①買い替えタイミングを13年目前に設定する
先に紹介した通り、ガソリン車は13年を超えると約15〜20%の重課が加算されます。自動車税と重量税の両方が上がるため、長く乗るほど税負担が重くなる仕組みです。
- ガソリン車に13年以上乗っている
- 年間の税額アップが気になる
- 車検費用が以前より高くなった
- 修繕費の増加も感じている
- HV・EVなど重課対象外の車に乗っている
- 年間の税増額が2,100〜5,000円程度で許容範囲
- 車はまだ故障が少なく状態がいい
特に軽自動車の場合、13年超の重課は年間2,100円増(12,900円)と他の維持費に比べると小さいため、税金だけで乗り換えを決断する必要はないかもしれません。総合的な維持費(修繕費・燃費等)と合わせて判断しましょう。
②環境性能の高い車を選ぶ
2026年4月以降もエコカー減税(重量税の軽減)とグリーン化特例(初年度の自動車税軽減)は継続されています。EV・PHEV・燃料電池車は重量税が免税、自動車税は取得翌年度に約75%軽減される優遇が残っています。
なお、2028年以降はEV・PHEVへの特例加算が導入予定ですが、それまでの間は引き続き優遇措置を受けられます。燃費のよい車を選ぶことは、エコカー減税の基準維持の面でも重要です。
③マイカー通勤なら駐車場代の非課税制度を活用する
2026年から、マイカー通勤者が会社から受け取る通勤手当のうち駐車場代(月5,000円まで)が所得税の非課税対象になりました。これまで駐車場代は全額課税対象でしたが、改正によって手取り額が増えます。
💡 例)月額5,000円の駐車場代を会社から支給されている場合:課税所得から月5,000円が除外されるため、所得税・住民税の節税効果が生まれます。年間で数千円〜1万円程度の手取り増加が見込めます(税率によって異なる)。
会社員の方は、人事・総務部門に駐車場代の申請状況を確認しておくといいでしょう。車にかかるコストを少しでも取り戻せる制度ですので、ぜひ活用してみてください。
④自動車税の支払いをポイント二重取りする
税金そのものは下げられなくても、支払い方法を工夫することで実質的な節約が可能です。クレジットカードやスマホ決済でポイントを獲得しながら、さらにプライシーアプリのポイント還元も組み合わせると最大2.1%のポイント還元を受けられます。
たとえば自動車税が36,000円の場合、2.1%のポイント還元なら756円分のポイントが戻ってくる計算です。毎年確実に節約できる手間のかからない方法として、ぜひ活用してみてください。
よくある質問
2026年5月現在、軽自動車税(四輪乗用・自家用)の税率は変わっていません。2015年(平成27年)4月1日以降に登録した軽自動車は10,800円が標準税率です。ただし、新車登録から13年を超えた軽自動車は12,900円(約20%増)に重課されます。
ガソリン車・LPG車は約15%、軽自動車は約20%の重課が加算されます。たとえば1,500〜2,000ccの普通車なら36,000円→41,400円(年間+5,400円)、軽自動車なら10,800円→12,900円(年間+2,100円)になります。なお、ハイブリッド車・電気自動車・天然ガス車は重課対象外です。
2026年4月1日から環境性能割が廃止されたため、車を「購入するとき」の税負担は大きく下がりました。一方、毎年支払う自動車税(種別割)・軽自動車税の税率は変わっていません。13年超の古い車を持つ方には重課が適用され、実質的な値上がりを感じる場合があります。
2026年の軽自動車税の税率変更はありません。名称が「軽自動車税種別割」から「軽自動車税」に変わりましたが、金額は据え置きです。将来的には2028年以降にEV・PHEVへの課税強化が予定されていますが、一般的な軽自動車(ガソリン車)の税率についての変更は、2026年5月現在では決まっていません。
まとめ:2026年の自動車税は「誰にとっての値上げか」を確認しよう
この記事のポイント
- 2026年4月から環境性能割が廃止。車の購入時の税負担が数万円単位で軽減された
- 軽自動車税の税率は変更なし(10,800円/年)。名称変更のみ
- 13年超のガソリン車・軽自動車は重課(約15〜20%増)が適用。これが「値上がり」の主因
- 2028年5月以降、EV・PHEVは重量税に特例加算(増税)が導入予定。金額は2027年度に決定
- 2026年からマイカー通勤の駐車場代(月5,000円まで)が所得税の非課税対象に。会社員は申請を確認しよう
- 支払い方法を工夫することで自動車税の実質的な節約が可能(最大2.1%ポイント還元)
「自動車税が値上がりした」というニュースは、多くの場合13年超の重課か、エコカー減税の基準厳格化が原因です。まずはご自身の車の登録年と排気量を確認し、実際の税額を把握しておきましょう。
