「ヨーロッパは物価が高い」というイメージ、あるかもしれませんが、実は国によって物価は大きく異なります。東欧・南欧を中心に、日本より安く旅行できる国はたくさんあるのです。本記事では、ヨーロッパで物価が安い国を厳選して紹介し、各国の宿泊費・食費・交通費の目安を日本円で解説します。旅行前の予算計画にぜひお役立てください。
特に物価が安い国は以下の通りです。旅行スタイル別のおすすめをチェックしてみてください。
ヨーロッパの物価、東西・南北で大きく違うのはなぜ?
ヨーロッパ内で物価に大きな差があるのをご存知でしょうか。同じヨーロッパ旅行でも、行き先によって旅費が2倍・3倍変わることもあります。
その背景には、主に以下の3つの構造的な要因があります。まず旧東側諸国(東欧)は賃金水準が西欧の3分の1〜5分の1程度と低く、物価もそれに連動して安い傾向があります。次に、ユーロ圏外の通貨を使う国(チェコ・ハンガリー・ポーランド等)は、自国通貨の弱さにより外国人旅行者にとって割安に感じやすいのです。さらに、観光客が少ない地域は価格競争が起きにくく、ローカル価格が維持されています。
- 東欧(チェコ・ハンガリー・ポーランド・ブルガリア)
- 南欧の一部(ポルトガル・クロアチア)
- コーカサス地方(ジョージア)
- 北欧(ノルウェー・スウェーデン・デンマーク)
- 西欧(スイス・フランス・イギリス・オランダ)
- 南欧の観光地(イタリア・ギリシャの島嶼部)
2026年5月現在のレートについて
本記事の日本円換算は、2026年5月8日時点の七十七銀行仲値(1EUR ≈ 184円)をもとに計算しています。実際の旅行時はご自身で最新レートをご確認ください。
ヨーロッパで物価が安いおすすめの国
それでは、実際に旅行費が安いおすすめの国を順にご紹介します。各国の1日の予算目安と特徴も合わせてチェックしてみてください。
🇨🇿 チェコ(プラハ)— ビールが水より安い中欧の宝石
街全体が世界遺産に登録されたプラハは、「百塔の街」と呼ばれるほど美しい中世の街並みが残ります。東欧の中でも特に観光インフラが整っており、初めてのヨーロッパ旅行にもおすすめです。
チェコの最大の魅力のひとつがビール1杯が約450円という安さです。「水よりビールが安い」という言葉が有名なほど、地ビール文化が根付いています。ランチも伝統料理「グラーシュ(シチュー)」が1,500円前後で楽しめます。トラム・地下鉄の24時間乗り放題券も780円程度とリーズナブルです。
注意:プラハの旧市街は観光客向けのお店が多く、価格が割高になることがあります。地元の人が通う路地裏のレストランを選ぶと、より安くローカルな食事が楽しめますよ。
🔒 治安情報:プラハはヨーロッパ基準では比較的安全な都市ですが、スリや観光客向けのぼったくり(タクシー・両替所など)に注意が必要です。公共交通機関は安全で、カレル橋・旧市街広場など観光エリアは夜でも人通りがあります。体感治安は日本よりは劣りますが、他の東欧主要都市と同程度です。
🇭🇺 ハンガリー(ブダペスト)— ドナウの真珠と格安フォアグラ
「ドナウの真珠」と呼ばれるブダペストは、夜景の美しさがヨーロッパ随一とも言われます。温泉文化が発達しており、セーチェニ温泉など世界でも珍しい屋外温泉施設が楽しめます。
ハンガリーはフォアグラが格安で食べられることで有名です。高級食材として知られるフォアグラのソテーが、レストランで2,000〜3,000円台で楽しめることも珍しくありません。公共交通機関の1日乗り放題券も約980円と安く、観光地をぐるっと回るにも便利です。
節約ヒント:スーパーマーケットでお惣菜を購入して宿で食べると、食費を大きく節約できます。ハンガリーのスーパーは品揃え豊富でリーズナブルですよ。
🔒 治安情報:ブダペストは物価が安い一方、スリや置き引きの被害報告が比較的多い都市です。特に電車・地下鉄内、観光地での貴重品管理に注意してください。旅行者向け詐欺も報告されています。一方、ドナウ川沿いや夜景スポットは警察が巡回しており、夜の散策自体は多くの旅行者がしています。基本的な対策をしていれば楽しめる都市です。
🇵🇱 ポーランド(ワルシャワ・クラクフ)— 東欧最大の経済大国
東欧最大の経済大国でありながら、物価は日本より安い水準を保っています。世界遺産のアウシュビッツ強制収容所や美しい旧市街を持つクラクフ、歴史的な首都ワルシャワなど観光スポットも充実しています。
ポーランドには「ミルクバー(バル・ムレチュニ)」と呼ばれる国が補助する大衆食堂が全国に存在します。このミルクバーを活用すると、1食500〜800円程度でお腹いっぱい食べることができます。ワルシャワの1日乗り放題券は約485円と非常にリーズナブルです。
🔒 治安情報:ポーランドはヨーロッパの中でも治安が良い国として知られています。クラクフもワルシャワも、旧市街エリアは夜でも安心して歩けると評判です。スリや詐欺は他の東欧都市よりも少なく、初めての一人旅にもおすすめです。
🇧🇬 ブルガリア(ソフィア)— EU最安水準の隠れた名国
EU加盟国の中でも最も物価水準が低い国のひとつです。ヨーロッパらしい美しい自然と歴史的建造物が揃いながらも、旅費は驚くほどリーズナブルです。バラ祭りで有名な「バラの谷」や黒海リゾートも人気があります。
ブルガリアはヨーロッパのなかでも特に旅費を抑えられる国です。首都ソフィアでは、地元のレストランでランチが300〜500円程度から食べられます。ホステルのドミトリーなら1泊800〜1,500円程度が相場で、ヨーロッパの中でもダントツの安さです。日本での知名度はまだ高くありませんが、コスパ重視の方には特におすすめの国です。
🔒 治安情報:ブルガリアは全体的に治安が安定しており、一般的な観光エリアは問題なく旅行できます。ソフィアの旧市街や観光スポット周辺での一般的なスリ対策は必要ですが、東欧の中でも安全な部類です。リゾート地のヴァルナや黒海エリアも治安は良好です。
🇵🇹 ポルトガル(リスボン・ポルト)— 西欧最安の大西洋リゾート
西ヨーロッパの中で最も物価が安いと言われる国です。フランスやスイスと同じユーロを使いながらも、物価は半分以下というイメージがあります。リスボンのノスタルジックなトラムや、ポルトの美しいアズレージョ(タイル建築)は必見です。
ポルトガルの名物スイーツ「パステル・デ・ナタ(エッグタルト)」は1個100〜200円程度で、街中のパン屋さんで気軽に食べられます。ランチの日替わりメニュー(プラトドジア)はスープ+メイン+飲み物がセットで1,500〜2,000円程度とリーズナブルです。
🔒 治安情報:ポルトガルは西欧の中でも治安が良い国として評価が高いです。特にリスボンは「ヨーロッパの首都の中でも安全な部類」と旅行者から言われることが多く、夜でも観光エリアを比較的安心して歩けます。スリは観光地で注意が必要ですが、凶悪犯罪に遭うリスクは非常に低い国です。
🇭🇷 クロアチア(ザグレブ)— アドリア海の宝石、ザグレブは穴場
2023年からユーロを導入したクロアチアですが、首都ザグレブや内陸部は観光地ドゥブロヴニクと比べてまだ物価が安い水準です。「魔女の宅急便」や「ゲーム・オブ・スローンズ」のモデル地としても知られています。
クロアチアはエリアによって物価の差が非常に大きいのが特徴です。ドゥブロヴニクの物価はザグレブの2倍程度とも言われているため、予算を抑えたい場合はザグレブやスプリトを拠点にするのがおすすめです。ドゥブロヴニクには日帰りでも十分楽しめます。
🔒 治安情報:クロアチアは全体的に治安が良く、ザグレブは旅行者が「夜でも安心して歩ける」と評価することが多い都市です。ドゥブロヴニクも治安は良好です。海沿いのリゾートエリアも問題なく旅行できます。スリへの一般的な注意は必要ですが、女性の一人旅でも安心して訪れられる国です。
🇬🇪 ジョージア(トビリシ)— コーカサスの隠れた宝庫
欧州評議会加盟国でEU加盟候補国のジョージアは、コーカサス地方に位置する旅行者から注目を集める国です。世界最古のワイン発祥地とも言われ、「クヴェヴリ」と呼ばれる陶器でつくる伝統ワインが格安で楽しめます。
ジョージアは数年前まで「世界最安クラスの旅行先」と言われていましたが、ウクライナ情勢の影響でロシア人や欧米人の移住が増え、近年は物価が上昇傾向にあります。それでも首都トビリシのローカル食堂では1食250〜800円程度で食べられ、ブルガリアと並ぶ最安水準を維持しています。
🔒 治安情報:ジョージアは旅行者に対して非常にフレンドリーで、治安も良好です。トビリシ旧市街や観光エリアは夜でも安心して歩けます。外務省の危険情報はロシア国境付近の一部地域(南オセチア・アブハジア)に出されていますが、通常の観光エリアへの渡航に支障はありません。観光客として訪れる分には東欧諸国と同等かそれ以上の安全性です。
ジョージアはヨーロッパ?
ジョージアは地理的にはアジアとヨーロッパの境界に位置しますが、文化的・政治的にはヨーロッパへの志向が強く、欧州評議会加盟国です。旅行者の間では「ヨーロッパ的な文化とアジア的な物価を持つ国」として人気が高まっています。
国別・旅費の目安比較(日本円換算・2026年5月版)
7か国の旅費目安を一覧で比較してみましょう。旅行スタイル(節約型・標準型)によっても大きく変わりますので、目安として参考にしてください。
| 国名 | 宿泊費(1泊) | 食費(1食) | 交通費(1日) | 1日合計目安 | 物価水準 |
|---|---|---|---|---|---|
| 🇧🇬 ブルガリア | 800〜1,500円 | 300〜500円 | 〜300円 | 3,000〜8,000円 | 最安 |
| 🇬🇪 ジョージア | 1,000〜2,000円 | 250〜800円 | 〜1,000円 | 3,000〜1万円 | 最安 |
| 🇵🇱 ポーランド | 3,000〜1万円 | 500〜1,500円 | 約485円 | 5,000〜1万5,000円 | 安い |
| 🇨🇿 チェコ | 3,000〜6,000円 | 約1,500円 | 約780円 | 1万〜2万円 | 安い |
| 🇭🇺 ハンガリー | 4,600〜7,800円 | 1,500〜3,000円 | 約980円 | 6,000〜2万円 | 安い |
| 🇭🇷 クロアチア | 3,700〜6,400円 | 1,000〜3,000円 | 約465円 | 5,000〜2万円 | やや安い |
| 🇵🇹 ポルトガル | 3,300〜1万円 | 1,500〜2,500円 | 約1,300円 | 1万〜1万5,000円 | やや安い |
※宿泊費はホステル(ドミトリー・個室)の目安です。中級ホテル利用の場合は1.5〜3倍程度を想定してください。
※2026年5月8日時点の為替レートを基準にしています。旅行時期により変動します。
比較のポイント:この表は「ローカルに過ごした場合」の目安です。観光地の高級レストランやリゾートエリア(ドゥブロヴニク等)に泊まると、これより大幅に費用が上がることがあります。
ヨーロッパ旅行をもっと安くする節約術
旅行先を安い国に絞るだけでなく、旅のスタイルを工夫することでさらに費用を抑えられます。特に効果的な節約術を5つご紹介します。
① オフシーズン(11〜3月)を狙う
ヨーロッパのピークシーズンは7〜8月と12月(クリスマス)です。この時期は宿泊費・航空券ともに高騰します。11〜3月のオフシーズンを狙うと、宿泊費が3〜5割安くなることも珍しくありません。天気の面では不利ですが、観光地の混雑も少なく落ち着いた旅ができます。
5〜6月や9〜10月の「ショルダーシーズン」は、天気も良く混雑も少ない狙い目の時期です。航空券もオフシーズン並みに抑えられることがあります。
② LCCとユーレイルパスで移動費を節約
ヨーロッパ内の移動にはLCC(格安航空会社)が発達しています。easyJetやRyanairなどを使えば、国をまたぐ移動が片道数千円から可能です。複数国を周遊するなら、ユーレイルパス(ヨーロッパ鉄道乗り放題)も選択肢に入れてみてください。
③ スーパー・ローカル食堂を活用する
観光客向けのレストランはどの国でも割高です。地元の人が通うスーパーマーケットでお惣菜を買ったり、「ミルクバー(ポーランド)」「大衆食堂」などのローカルな飲食店を積極的に利用しましょう。特に朝食や昼食をスーパーで済ませるだけで、1日あたり1,000〜2,000円の節約になります。
④ ホステル・ゲストハウスで宿泊費を抑える
東欧のホステルは中級ホテルと同等のクオリティを持ちながら、価格は3分の1〜5分の1程度です。特に「ポルトガルはホステルのクオリティが世界一」とも言われており、清潔で設備が充実した宿が安く見つかります。ドミトリー(相部屋)ではなく個室タイプのホステルも増えているので、快適さと節約を両立できますよ。
⑤ 無料で楽しめる観光スポットを活用する
ヨーロッパの物価安い国には、入場無料で楽しめる絶景スポットや旧市街が豊富にあります。有料観光地だけを回ると思わぬ出費になりますが、以下のような無料スポットを中心に旅程を組むと大幅な節約になります。
- チェコ(プラハ):カレル橋・旧市街広場・天文時計(外観)— 街全体が世界遺産なので歩くだけで絵になる
- ハンガリー(ブダペスト):ドナウ川沿いの夜景散策・ブダ城丘(外観)・漁夫の砦(一部エリア無料)
- ポーランド(クラクフ):クラクフ旧市街・中央広場・ヴァヴェル城広場(外観)
- ポルトガル(リスボン):アルファマ地区散策・トラム25番線沿いの街並み・ベレン地区の河岸
- クロアチア(ザグレブ):ドラツ市場・聖マルコ教会広場・アドリア海のビーチ
- ジョージア(トビリシ):旧市街散策・ナリカラ要塞の丘(外観)・スルグニチーズの試食(市場)
観光入場料は意外とかさみやすいもの。「歩いて楽しめる旧市街の街並み」を中心に旅程を組み立てると、1日2,000〜3,000円の節約につながることもあります。
よくある質問(FAQ)
EU加盟国の中ではブルガリアが最も物価水準が低く、1日の旅費目安は3,000〜8,000円程度です。ジョージア(欧州評議会加盟国)も同水準かそれ以下で旅行できます。次いで、チェコ・ハンガリー・ポーランドが「安い国」の代表格です。
旅行先と旅のスタイルによって大きく異なります。節約型でブルガリアやジョージアを旅するなら5,000〜8,000円、チェコやハンガリーなら1万〜1万5,000円が目安です。中級ホテル利用・外食中心の場合は2〜3万円ほど見ておくと安心です。
はい、円安の影響は大きく出ています。2026年5月時点で1EUR≈184円と高止まりしており、ユーロ圏の国(ポルトガル・クロアチア等)は数年前より3〜4割割高に感じます。一方、自国通貨を持つチェコ・ハンガリー・ポーランド・ブルガリアなどは円安の影響が比較的小さく、依然として旅行しやすい水準です。
チェコ(プラハ以外のエリア)、ポルトガル(リスボン・ポルト)、クロアチア(ザグレブ・スプリト)は、物価が安い上に比較的治安がよいと評価されています。ハンガリー(ブダペスト)は物価安ですが、スリや置き引きが多発する地区もあるため注意が必要です。
まとめ
ヨーロッパで物価が安い国・おさらい
- ✓ ブルガリア・ジョージアが最安水準。1日3,000〜8,000円で旅行可能
- ✓ チェコ・ハンガリー・ポーランドはコスパ抜群の東欧旅行の定番
- ✓ ポルトガルは西欧最安。ユーロ圏でも比較的抑えた旅が可能
- ✓ クロアチアはエリアで物価差大。ザグレブ拠点でドゥブロヴニクに日帰りが節約術
- ✓ オフシーズン旅行・ホステル利用・ローカル食堂活用でさらに節約できる
- ✓ 円安の影響を受けにくいのはユーロ圏外の東欧諸国(チェコ・ハンガリー・ポーランド・ブルガリア)
ヨーロッパはまとめて「物価が高い」と思われがちですが、国を選べば意外とリーズナブルに旅行できます。特に東欧は、西欧に比べて歴史・文化・食の魅力も充実しながら、旅費は3分の1〜5分の1程度で済むことも。ぜひ次のヨーロッパ旅行の行き先候補に加えてみてください。
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