「おサイフケータイ」と「NFC」、どちらもスマホのタッチ決済で聞く言葉ですが、実はこの2つ、比べる次元が違うものなんです。この記事では、NFCという国際規格とおサイフケータイという日本のサービスの関係を整理しつつ、自分のスマホがどちらに対応しているかの確認方法まで、まとめて解説します。
NFCは世界共通の近距離無線通信の国際規格そのもの、おサイフケータイはその規格の一部(FeliCa)を使った日本独自の非接触決済サービスの名前です。つまり「NFC対応」だからといって「おサイフケータイ対応」とは限りません。
| 項目 | NFC | おサイフケータイ |
|---|---|---|
| 正体 | 近距離無線通信の国際規格 | FeliCaを使った日本独自のサービス名 |
| 策定・開発 | NFC Forum(国際団体) | ソニー開発のFeliCaをNTTドコモがサービス化 |
| 対応エリア | 世界共通 | 主に日本国内 |
| 主な用途 | 決済・交通系IC・データ交換など規格の総称 | Suica・iD・QUICPay・楽天Edyなど |
NFCとは?国際規格の近距離無線通信技術
NFC(Near Field Communication)は、13.56MHz帯の電波を使い、通信距離10cmほどの近距離でデータをやり取りする無線通信技術です。既存の非接触ICカード規格を包含しつつ、機器同士のデータ交換にも対応する国際標準規格として、NFC Forumという国際団体が仕様を策定しています。
スマホでNFCと聞くと「1つの技術」のようなイメージを持ちがちですが、実際にはNFCの中に複数の通信方式(Type)が存在します。ここを押さえておくと、この後の「おサイフケータイとの違い」がぐっと理解しやすくなりますよ。
NFCの3つの規格(Type-A/Type-B/Type-F)
- NFC-A・NFC-B:ISO/IEC 14443という国際規格がベース。海外の交通系ICカードやクレジットカードのタッチ決済(Type A/B)で使われている方式です。
- NFC-F:ISO/IEC 18092がベースで、ソニーが開発したFeliCa由来の通信方式です。日本のSuicaやおサイフケータイはこちらに当たります。
NFC対応スマートフォンはNFC-F(FeliCa)のカードやデバイスとも通信できるため、「NFC対応スマホ」という表現の中に、実はFeliCa対応かどうかまでは含まれていない、という点がポイントです。
おサイフケータイとは?FeliCaを使った日本独自のサービス
おサイフケータイは、携帯電話に搭載したFeliCaチップを使った非接触型の決済・カードサービスの総称(ブランド名)です。FeliCaは1988年にソニーが開発した非接触IC技術で、2004年にNFCの国際標準規格ISO/IEC 18092の一つとして採用されました。同じ2004年、NTTドコモが最初のおサイフケータイ対応端末を発売し、サービスがスタートしました。
つまりおサイフケータイ=NFCという大きな規格の中の「NFC-F」を使ったサービス、という位置づけです。「NFC」という言葉自体はおサイフケータイよりずっと広い意味を持っている、とイメージしておくとわかりやすいと思います。
おサイフケータイで使える主なサービス
- 電子マネー:楽天Edy、WAON、nanaco
- 交通系IC:Suica(モバイルSuica)
- クレジット系タッチ決済:iD、QUICPay
- 会員証・ポイントカード・チケット:航空会社のマイル、店舗のポイントカードなど
このように、おサイフケータイは決済だけでなく、身分証代わりのカードやチケットまで幅広くカバーしているのが特徴です。
NFCとおサイフケータイの関係を図解で理解する
言葉だけだとイメージしづらいので、包含関係を図にしてみました。おサイフケータイは、NFCという大きな枠の中の、さらにFeliCa(NFC-F)という一部分を使ったサービスにあたります。
実際、NTTドコモは2007年にNFC Forumへ参加し、国際標準化を推進してきました。2016年にはiPhone 7にNFC-F対応チップが搭載され、Apple PayでFeliCaサービスが使えるようになっています。
ちなみに、同じFeliCaチップを使ったサービスでも、Android機種では主に「おサイフケータイ」、iPhoneでは「Apple Pay」という呼び方で提供されているのも紛らわしいポイントです。技術の土台は同じFeliCa(NFC-F)でも、呼び方が違うんですね。
「NFC対応スマホ」なのに「おサイフケータイ」が使えないことがある理由
ここまでの内容を踏まえると、「NFC対応」と書かれたスマホでも、おサイフケータイが使えないケースがある理由が見えてきます。NFC(Type A/B)には対応していても、FeliCa(NFC-F)のチップそのものを搭載していない機種があるからです。
手っ取り早い見分け方としては、本体に「モバイル非接触IC通信マーク」という、かざす場所を示すロゴマークが付いているかをチェックする方法があります。ただしこのマークはFeliCaを含むNFC対応機器全般に使われるものなので、確実に判断したい場合は、設定アプリや本体に「おサイフケータイ」の項目・プリインストールアプリがあるかどうかも合わせて確認するのがおすすめです。
iPhoneの場合
iPhone 7(2016年発売)以降のモデルはすべてFeliCaに対応しています。さらにiPhone XS以降は、日本以外向けのモデルも含めて世界共通でFeliCaチップが搭載されているので、基本的には現行のiPhoneであれば対応を気にする必要はほぼありません。
Androidの場合
Androidは少し注意が必要です。対応の有無を分けるのは「SIMフリーかSIMロックか」ではなく、「日本仕様(国内向け)モデルかどうか」という点です。海外向けのグローバルモデルは、NFC(Type A/B)には対応していてもFeliCaチップが入っておらず、おサイフケータイが使えないことがあります。
もともとは海外メーカーが日本市場向けにだけFeliCaを搭載しないケースが多かったのですが、iPhone 7のFeliCa対応が好評だったことなどもあり、近年はOPPOやXiaomiといった海外メーカーも日本仕様モデルには積極的にFeliCaを搭載するようになってきました。購入前に「日本仕様モデルかどうか」「おサイフケータイ対応と明記されているか」を確認しておくと安心です。
主要スマホのNFC・おサイフケータイ対応状況と価格をチェック
「結局、対応しているスマホはどれくらいの価格で買えるの?」という疑問もあると思うので、iPhone・Androidそれぞれの代表的な対応機種の価格推移をまとめました。買い替えや機種選びの参考にしてみてください。
おサイフケータイ・NFCに関するよくある疑問
PayPay残高払いなどアプリのメインの決済方式はQRコード・バーコードを使ったもので、NFCは使用していません。一方で「PayPayカードのタッチ決済」はクレジットカードのタッチ決済機能なので、こちらはNFC(Type A/B)を使っています。同じPayPayでも決済方法によって仕組みが違うので、少しややこしいポイントです。
モバイルSuicaはFeliCa(Type-F)方式を採用しています。FeliCaはNFCの規格の一つなので、「FeliCaでもありNFCでもある」というのが正確な答えです。おサイフケータイ対応スマホなら基本的に利用できます。
2016年発売のiPhone 7以降のモデルはすべてFeliCaに対応しています。iPhone XS以降は世界共通のモデルでFeliCaチップが搭載されているため、現行モデルを選ぶ分にはほぼ心配いりません。ただし、おサイフケータイという名称ではなく「Apple Pay」経由での提供になる点は覚えておきましょう。
海外のタッチ決済(Visaのタッチ決済など)の多くはNFC-A/NFC-Bを使った方式です。NFC対応スマホであれば、FeliCa(NFC-F)非搭載でも海外のタッチ決済自体は利用できるケースが多いです。国内のおサイフケータイ対応可否とは別軸で考える必要があります。
どちらもFeliCa(NFC-F)チップを使っている点は共通ですが、呼び方と対応サービスの範囲が異なります。Apple PayはSuica・iD・QUICPayの3つが中心で、Androidの「おサイフケータイ」の方が対応サービスの幅は広めです。
Google ウォレットの日本国内向けサービスは、おサイフケータイのFeliCa基盤の上に成り立っています。楽天Edy・nanaco・Suica・WAON・QUICPayなどを1つのアプリでまとめて管理できるのが便利な一方、iDなど一部のサービスはおサイフケータイ(各専用アプリ)の方が対応範囲が広いという違いがあります。
まとめ
この記事のポイント
- ✓NFCは世界共通の近距離無線通信の国際規格そのもの
- ✓おサイフケータイは、NFCの中のFeliCa(NFC-F)を使った日本独自のサービス名
- ✓「NFC対応」でも「おサイフケータイ対応」とは限らない。日本仕様モデルかどうかがポイント
- ✓現行のiPhoneはほぼ全機種FeliCa対応。Androidは日本仕様モデルかどうかを確認しよう
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