「あれ、SSDって以前よりずいぶん高くなっていない?」と感じている方は多いのではないでしょうか。PC自作やストレージ増設を検討中の方なら、2024年ごろと比べた価格の変わりように驚いているかもしれません。この記事では、SSDの値上がりが起きている理由・いつまで続くのか・そして損しないための対策を、プライシーの価格データをもとに2026年5月時点の情報でお伝えします。
1TBのM.2 NVMe SSDは2024年〜2025年前半の底値(約8,000円前後)から、2026年現在で18,000〜22,000円台へと約2〜2.7倍に高騰しています。原因はAI需要によるNANDの供給不足・メーカーの戦略的な減産維持・円安の3つ。新工場が本格稼働する2027年後半まで高止まりが続く見通しで、「待てば安くなる」という従来の常識は通用しにくい状況です。今すぐ必要な方は早めの確保を、余裕がある方はセール(プライムデー・ブラックフライデー)を活用して少しでも安く購入する方法をこの記事で解説します。
SSD値上がりの現状|1TBが2年で2.5倍に
まず「どれくらい値上がりしているのか」を数字で確認しておきましょう。
主要SSDの価格推移(プライシーデータ)
プライシーが追跡している価格データをもとに、代表的なSSD製品の相場感を確認してみましょう。以下は国内の主流SSDカテゴリ別の価格変動です。
| カテゴリ | 2024〜2025年前半(底値) | 2026年5月現在 | 変動率 |
|---|---|---|---|
| M.2 NVMe SSD 1TB | 約8,000円前後 | 18,000〜22,000円台 | 約2〜2.7倍 |
| M.2 NVMe SSD 2TB | 約15,000円前後 | 30,000円超 | 約2倍 |
かつては「迷ったら1TB一択」という時代でしたが、今や1TB SSDは「気軽に増設できるパーツ」ではなくなっています。プライシーの価格チャートで各製品の推移を確認してみてください。
円安が日本市場をさらに直撃している
世界的な需給バランスの問題に加えて、日本市場には「円安」というさらなる重しがかかっています。SSDの主要製品は韓国・アメリカのメーカーが製造しており、円安が進むと輸入コストが上乗せされてしまいます。世界的な相場が横ばいであっても、円安が進む局面では「昨日より高くなっている」ということが十分起こり得るのです。
IoデータのSSD値上げ実績:アイ・オー・データ機器は2026年1月14日にSSDを13.0〜34.9%値上げ(165型番対象)。さらに2026年4月1日には個人向けSSDを最大187.7%値上げ(280型番対象)と、わずか数ヶ月で2度の大幅改定が行われています。
SSDが値上がりしている3つの理由
「単なる一時的な品薄でしょ?」と思いたいところですが、残念ながら今回の高騰はもう少し根が深いです。主な原因は3つあります。
① AI需要によるNANDフラッシュの奪い合い
SSDの心臓部である「NANDフラッシュメモリ」の供給が、AI向け製品に大量に流れてしまっています。ChatGPTをはじめとする生成AIを動かすためには、巨大なデータセンターが必要です。そのデータセンターでは、AIの学習・推論データを高速処理するために「エンタープライズSSD(eSSD)」が大量に消費されます。
GoogleやMicrosoft、OpenAIといった巨大IT企業(ハイパースケーラー)が2026年分のサーバー用SSDの供給契約を次々と締結しており、SamsungやSK Hynixの生産能力の大半がこれらAI向け製品に割り当てられてしまっているのです。メーカーにとっては、利益率の高いAI向けeSSDを優先するのは当然の経営判断で、私たちが買う一般向けSSDへの供給が後回しになっています。
Phison社のCEOは「AI革命によるストレージ需要はスーパーサイクル(長期間の価格上昇局面)を引き起こす」と警告しており、この構造的な供給不足はすぐには解消されないと見られています。
② メーカーが「安売り」に戻らない戦略的理由
もう一つの大きな要因が、メーカー各社の「供給調整」です。2022〜2023年にメモリ・SSD市場が大暴落し、主要メーカーが軒並み赤字に苦しんだ記憶がまだ生々しく残っています。その反省から、需要が回復した今も生産ラインをフル稼働に戻すことに非常に慎重になっています。「供給不足の状態を維持して価格を高止まりさせることで利益を確保する」という戦略です。
秋葉原の専門店TSUKUMO eX.のコメントを引用すると、「生産体制は簡単には変わらないため、年末どころか半年先や1年先まで見据えないといけない状況」という言葉が現状をよく表しています。
③ 円安による輸入コストの上乗せ
主要SSDメーカーは韓国や米国に拠点を持ちます。為替レートが円安方向に動くと、輸入コストがそのまま日本での販売価格に転嫁されます。世界的な需給バランスと円安の「二重の押し上げ」を受けているのが、今の日本のSSD市場です。
いつまで続く?2026〜2027年の価格見通し
「そのうち安くなるだろう」と期待している方には、少し厳しいお知らせになりますが、現実を正確に把握しておくことが大切です。
2026年いっぱいは高止まりが確実な理由
複数の業界関係者・専門家の分析を総合すると、2026年の見通しは以下のようになっています。
| 時期 | 見通し |
|---|---|
| 2026年Q1〜Q2(1月〜6月) | Crucial撤退後の在庫縮小+新生活需要が重なり、供給不足継続 |
| 2026年Q3〜Q4(7月〜12月) | メーカーの供給調整が続き、高止まり状態。安くなる要素が見当たらない |
| 2027年後半以降 | Kioxia北上工場第2棟・Samsung新規ラインが本格稼働し供給量が増加。価格が落ち着く可能性はあるが、AI需要の継続拡大次第では高値維持のシナリオも |
主要メーカーの2026年生産分は既にAI向けで押さえられており、新しい生産ラインが市場に出回る量に影響するのは先の話です。「2026年中に2024年の底値水準に戻る」というシナリオは、残念ながら期待しにくい状況です。
2027年後半以降に期待できる変化
希望の光が見えるのは2027年後半以降です。Kioxia(キオクシア)の北上工場第2棟やSamsungの新規ラインなどが本格稼働し、市場に十分な量の製品が出回るようになれば、価格が落ち着く可能性はあります。ただし、AI需要もさらに拡大し続けている点を踏まえると、過去の底値まで戻るかどうかは不透明です。
「Crucial(クルーシャル)」ブランドが終了:米Micronが2025年12月4日に発表し、2026年2月末をもってコンシューマー向けCrucial製品の出荷を終了しました。1996年創業以来29年の歴史を持つCrucialブランドの消滅は、市場から「手頃で信頼できるブランド」を一つ消してしまいました。残るブランド間の価格競争が弱まり、市場全体の相場がさらに下がりにくくなっています。
今買うべき人・待てる人の判断基準
「値上がりがわかった、で、自分はどうすればいい?」という方のために、状況別の判断基準を整理しました。
あなたはどちら?判断マップ
- PCやPS5のストレージが残り少なく、動作に支障が出ている
- 新しいPCを組む・購入する具体的な計画がある
- 仕事・学業でPCが必要で、待つことで機会損失が生じる
- 狙っている製品の在庫が減ってきている
- 現在のストレージで不満なく使えている
- 用途がWeb閲覧・軽作業程度で容量が足りている
- 2027年後半まで待つ覚悟がある(ただし保証なし)
「待てる人」へのアドバイス:「待てばいつかは下がる」は正しいかもしれませんが、2026年中の大幅値下がりは期待薄です。もし待つなら、次のセール(プライムデーやブラックフライデー)を1つのマイルストーンにするのが現実的です。
セール(プライムデー・ブラックフライデー)を活用する
高騰が続く中でも、大型セール時には一時的に価格が下がる「スポット価格」が出ることがあります。2026年のセール予定は以下の通りです。
| セール | 2026年の時期 | 期待できること |
|---|---|---|
| Amazon新生活セール | 例年3月下旬〜4月頭(2026年も同様の見込み) | ポイント還元・スポット値引き。年度替わりの在庫整理も重なりやすい時期 |
| Amazonプライムデー | 日本では7月開催(公式確定) | SSD・メモリが特に狙い目。ポイント還元・一時的な値引き |
| Amazonブラックフライデー | 例年11月(2026年も同様の見込み) | 年間最大規模の値引き機会 |
ただし、在庫切れのリスクもあります。「どうしても安く買いたい」という方は、プライシーで価格アラートを設定しておくと、値下がりのタイミングを逃さずに確認できます。
値上げ時代のSSD選び・損しない対策
高騰していても「買わざるを得ない」という方のために、選び方のポイントをお伝えします。高くなった分、失敗のない選択をしたいですよね。
規格・NAND・耐久性(TBW)で見る選び方
| 選び方のポイント | おすすめ | 避けたいもの |
|---|---|---|
| 規格(インターフェース) | M.2 NVMe Gen4(主流・コスパ◎) | Gen5(高価・高発熱・一般用途にオーバースペック) |
| NANDの種類 | TLC(耐久性と価格のバランスが良い) | QLC(安いが耐久性が劣る) |
| 耐久性の指標 | TBW(総書き込み量)が十分なもの・保証5年 | TBWの記載がない・保証期間が短い格安品 |
Gen5 SSDは「最大14,000MB/s超」という数字に惹かれますが、一般的なゲームやWeb閲覧では体感差がほぼありません。発熱が激しく専用のヒートシンクが必要なことが多く、PS5には非対応(PS5はGen4まで)です。現時点では、M.2 NVMe Gen4のTLC搭載モデルが最も現実的な選択肢です。
Crucial撤退後の代替メーカー(Samsung・WD・Kioxia)
「今までCrucialを使っていたのに…」という方も多いでしょう。以下の3メーカーが信頼できる代替候補です。
| メーカー | おすすめモデル(1TB) | 特徴 |
|---|---|---|
| Samsung | 990 PRO | PS5増設の定番。Gen4・7,450MB/sで信頼性・安定性が業界トップクラス |
| Western Digital | WD Black SN850X | ゲーム最適化機能搭載・7,300MB/s。Crucial難民の受け皿として需要急増中 |
| Kioxia | Exceria Pro | 国内製造(四日市工場)・TLC採用・5年保証。日本語サポートで安心 |
「今すぐ全部揃えない」分割購入戦略
「高くてもどうしても必要」な方に有効なのが、SSDを一度に大容量で揃えないという発想の転換です。たとえば2TBを今すぐ買うのではなく、今は必要最小限の512GBや1TBでスタートし、価格が落ち着く2027年以降に増設するのが賢い方法です。
分割購入の目安(自作PC・BTOパソコン向け)
今すぐ:512GB(OS・主要アプリ用)で約12,000〜15,000円
後から増設:1TBを価格が落ち着いてから追加
→ 初期費用を1〜2万円以上節約できる可能性があります。ただし、増設スロット(M.2スロット)が空いているか事前に確認を。
PS5の場合は増設スロットが1つしかないため分割購入ではなく最初から必要な容量を選ぶ必要がありますが、PCユーザーにとっては「今の価格高騰期を最小限の出費でやり過ごす」現実的な方法です。
プライシーで値下がり通知を設定する
「少しでも安い瞬間を逃したくない」という方には、プライシーアプリの値下がり通知がおすすめです。気になるSSD製品を登録しておくと、価格が下がったタイミングでプッシュ通知が届くので、セール時や在庫入荷時の一時的な値下がりを見逃さずに購入できます。
よくある質問
2025年後半(特に2025年秋以降)から急速に値上がりが始まりました。2024年〜2025年前半は底値期間で、1TB NVMe SSDが8,000円前後で購入できていましたが、2025年秋から生成AI需要の急拡大とメーカーの供給調整が重なり、急騰しました。2026年1月のMicron(Crucial)撤退発表がさらに市場を動かしています。
明確な値下がり時期は断言できませんが、業界の見通しでは2027年後半以降が最も有力です。Kioxiaの北上工場第2棟やSamsungの新規ラインなどが稼働し、供給量が増えた時点で価格が落ち着く可能性があります。ただし、AI需要もさらに拡大しているため、以前の底値水準(1TB 約8,000円台)に戻るかどうかは不透明です。
はい、PS5用に人気のM.2 NVMe SSDも同様に値上がりしています。PS5は「読み込み速度5,500MB/s以上のGen4」に対応しており、Samsung 990 PRO・WD Black SN850X(ヒートシンク付き)などが定番ですが、いずれも以前の2倍以上の価格帯になっています。プライシーで価格アラートを設定し、セール時の値下がりをチェックするのがおすすめです。
データ保存用のサブストレージとしてHDDを活用することは有効な対策の一つです。起動ドライブ(OS用)はSSDが必須ですが、写真・動画・バックアップデータはHDDに保管することで、SSDの容量を節約できます。ただしHDD価格も値上がり傾向にあるため、プライシーで比較してから選ぶのがよいでしょう。
まとめ
SSD値上げ・2026年5月時点のポイント
- ✓1TB NVMe SSDは約2〜2.7倍に高騰。2024年の底値(約8,000円)に戻る見込みは2026年中はない
- ✓原因は「AI需要によるNAND供給不足」「メーカーの戦略的減産」「円安」の3つ
- ✓Micron(Crucial)が2026年2月末でコンシューマー事業を撤退。市場の競争圧力が低下
- ✓2026年いっぱいは高止まり確実。値下がりが期待できるのは2027年後半以降の見通し
- ✓今すぐ必要な方はSamsung・WD・KioxiaのTLC搭載Gen4モデルを選ぶのがおすすめ
- ✓セールを活用したい方は、プライスアラートで値下がりを見逃さないようにしよう
プライシーで値下がりをキャッチしよう
気になるSSDを登録しておくと、価格が下がったときにプッシュ通知でお知らせします。高騰が続く今だからこそ、一瞬の値下がりを見逃さないために。
プライシーアプリを無料で使う