金を売ろうとしたとき、「手数料ってどのくらいかかるの?」「手数料無料って本当にお得なの?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、手数料の有無だけで業者を選ぶのは危険です。この記事では、主要業者の手数料を重量別に一覧で比較し、最終的な手取り額で正しく判断できるよう詳しく解説します。

結論
金買取の手数料比較:状況別の最適解

手数料の形態は業者によって異なります。大手貴金属店は重量別の定額手数料、買取専門店は「手数料無料(買取価格に込み)」が主流です。重要なのは最終的な手取り額で比較することです。

100g未満の小口 手数料無料の買取専門店(おたからや・なんぼや等)が有利なことが多い → 相見積もり必須
100〜500g未満 日本マテリアルは手数料無料、田中貴金属・徳力本店は手数料あり → 手取り額を計算して比較
500g以上の大口 大手貴金属店はほぼ全社手数料無料 → 買取グラム単価で選ぶ

金買取手数料とは?基礎知識を3分で理解

金買取の手数料とは、金製品を業者に売却する際に差し引かれる費用のことです。しかし「手数料」と一口にいっても、その形態は業者によってさまざまです。まずは基本的な仕組みを押さえておきましょう。

手数料の種類と形態

金買取における手数料は、主に3つのパターンに分けられます。

形態内容主な業者
定額手数料 重量に応じた固定金額を差し引く。金額は公式サイトに明記されている 田中貴金属、三菱マテリアル、徳力本店など
手数料無料(単価込み) 表面上は手数料ゼロ。その分、買取グラム単価に手数料相当分が含まれている おたからや、なんぼや、買取大吉、コメ兵など
完全無料 手数料も買取単価への組み込みも最小限。市場相場に近い単価で買取 日本マテリアルなど

重要:「手数料無料」という表示だけで業者を選ぶのは危険です。手数料を取らない代わりに買取グラム単価を低く設定している業者も多くあります。最終的な手取り額で比較することが大切です。

スモールバーチャージとは

大手貴金属店で採用されている「スモールバーチャージ」は、少量の金地金(インゴット)を売却する際にかかる小口取引向けの固定手数料です。

田中貴金属工業の公式サイトでは、その理由を次のように説明しています。

「海外から輸入した金・プラチナやお客様からお買取りした地金をそのまま再販するのではなく、溶解・検査を行って信頼のおける地金に製造し直しており、小型の地金はその費用が割高になるためです。」(田中貴金属工業 公式サイトより)

つまり、小口の金ほど1グラムあたりの処理コストが大きくなるため、手数料が高めに設定されているわけです。まとめて売却するほど、手数料の実質負担は小さくなります。

手数料以外に発生しうる費用

手数料のほかにも、以下のような費用が発生する場合があります。売却前に必ず確認しておきましょう。

  • 査定料(鑑定料):金の純度や重量を確認する費用。近年は「査定料無料」の業者が多い
  • 分析料・鑑別料:純度を詳細検査する費用。刻印がない製品などで請求されることがある
  • 宅配買取の送料:店舗ではなく郵送で売却する場合の送料。業者によって無料か有料かが異なる
  • 目減り分の控除:金を溶解する際に生じる重量ロス分。ただし優良店では「0.01%程度で実質無視できる」と説明する場合が多い

主要業者の金買取手数料を重量別に比較【一覧表】

金買取手数料は法律上の上限規制がなく、各業者が自由に設定できます。ここでは主要業者の手数料を公式情報をもとに一覧で比較します(2026年5月時点)。

大手貴金属店の手数料(インゴット・地金の買取)

売却重量 田中貴金属工業 三菱マテリアル 徳力本店 日本マテリアル
500g以上 無料 無料 無料 無料
100g以上500g未満 16,500円 11,000円 6,600円 無料
50g以上100g未満 8,800円 6,600円 5,500円 無料
20g以上50g未満 4,400円 6,600円 3,300円 無料
10g以上20g未満 2,200円 6,600円 3,300円 無料
5g以上10g未満 2,200円 6,600円 1,650円 無料
1gカード(徳力のみ) 無料

出典:田中貴金属工業 公式三菱マテリアル 公式徳力本店 公式(いずれも2026年5月時点)

ポイント:日本マテリアルは重量を問わず手数料無料のため、小口(100g未満)の地金売却には特に有利です。ただし買取グラム単価は日々変動するため、実際の手取り額は相見積もりで確認しましょう。

買取専門店の手数料(ジュエリー・アクセサリーも対応)

おたからや・なんぼや・買取大吉・コメ兵・エコリングといった買取専門店は、ほぼ全社が「手数料無料」を掲げています。ただし、その表記の内実には注意が必要です。

業者 表示上の手数料 実態 取扱品
おたからや 無料 買取価格に込み 地金・ジュエリー・金貨
なんぼや 無料 買取価格に込み 地金・ジュエリー・金貨
買取大吉 無料 買取価格に込み 地金・ジュエリー・金貨
コメ兵 無料 買取価格に込み 地金・ジュエリー・金貨
エコリング 無料 買取価格に込み ジュエリー・アクセサリー中心

買取専門店は地金だけでなく、ジュエリーや指輪・ネックレスなどのアクセサリーにも対応しているのが強みです。一方、大手貴金属店はインゴット(地金)の買取が中心で、アクセサリーに対応していない場合があります。

「手数料無料」は本当にお得?落とし穴を具体的に解説

「手数料無料」という言葉に引かれて業者を選んだものの、実は損をしていた——そんなケースは少なくありません。手数料がどのように利益として回収されているかを知っておきましょう。

手数料無料の業者が利益を確保する仕組み

手数料を表示しない買取専門店は、どのように利益を確保しているのでしょうか。主なパターンは以下の通りです。

  • 買取グラム単価を相場より低く設定する(最も多いパターン)
  • 査定時に「目減り分」や「加工費」などを名目に減額する
  • 特定の条件(宅配買取・少量売却)でのみ手数料が発生する

つまり、「手数料ゼロ」と「最終的に一番多く受け取れる」は別の話です。手数料の有無ではなく、手取り額の総額で業者を比較することが重要です。

査定時に「別名目」で減額されるパターンに注意

「手数料無料」と謳いながら、査定の場でさまざまな名目をつけて査定額を下げる業者が存在します。代表的な名目は以下の通りです。

  • 「石付きなので正確に金の重量が量れない」
  • 「留め具部分が金ではないのでその分を差し引く」
  • 「溶解・目減り分として○%控除します」
  • 「相場変動リスク分として○%引きます」

一部の措置(宝石部分を除く、留め具を差し引くなど)は正当な査定理由である場合もありますが、根拠の説明なく大きな割合を差し引く業者は注意が必要です。「その控除の根拠を教えてください」と質問できる透明性があるかどうかが、優良業者を見分けるポイントになります。

具体的な計算例:手数料あり vs 手数料無料

下記は、50gの金地金を売却する場合の比較例です(買取単価は2026年3月時点の参考値。実際の単価は日々変動します)。

業者 買取単価(円/g) 手数料 手取り額(50g)
日本マテリアル 28,523円 無料 1,426,150円
徳力本店 28,578円 5,500円 1,423,400円
田中貴金属工業 28,523円 8,800円 1,417,350円

この例では手数料無料の日本マテリアルが最も手取り額が多い結果になりました。しかし、買取単価は業者・日時によって変動するため、別の日・別の重量では結果が逆転することもあります。実際に売却する前には複数社に見積もりを依頼することが大切です。

注意:「手数料2,000円でも単価が高い業者」と「手数料無料でも単価が低い業者」を比較する場合、手取り額が手数料ありの業者の方が高くなるケースも十分あります。必ず「手取り額=単価×重量−手数料」で計算しましょう。

実際にいくら受け取れる?手取り額の計算方法と純度別シミュレーション

自分が売却する金がいくらになるか、事前に計算しておくと業者選びがスムーズになります。計算式と考え方を確認しておきましょう。

手取り額の計算方法

計算式
手取り額 = 買取単価(円/g) × 重量(g) − 手数料(円)

例1:買取単価25,000円/g × 30g − 手数料3,300円 = 746,700円

例2:買取単価25,000円/g × 100g − 手数料6,600円 = 2,493,400円

例3:買取単価25,000円/g × 500g − 手数料0円 = 12,500,000円

インゴットとジュエリーで手数料体系はどう違う?

金の売却品がインゴット(地金)ジュエリー・アクセサリーかによって、手数料の仕組みが大きく変わります。

売却品の種類手数料の仕組み注意点
金地金(インゴット) 重量別の定額手数料(スモールバーチャージ)が設定されていることが多い ブランド刻印(田中・三菱など)がない地金は買取を断られる場合がある
金ジュエリー・指輪・ネックレス 多くの買取専門店は手数料無料(買取価格に込み)。純度換算(18金なら75%)で計算 宝石が付いている場合、金以外の部分は別途査定。純度が不明なら刻印(K18等)を確認
金貨・コイン 大手貴金属店で対応。状態・希少性によって査定額が変わることがある 流通量の少ないコインはコレクターズ価値が上乗せされる場合も

ジュエリーの場合、「18金」なら純度75%として金の重量が計算されます。たとえば18金のネックレスが10gなら、純金換算7.5g相当として買取価格が算出されます。これは目減りではなく、合金の成分比率に基づく正当な換算です。

金買取に手数料がかかる4つの理由

「なぜ手数料が必要なの?」と疑問に思う方も多いですよね。業者が手数料を設定する理由には、正当なコストが存在します。

再精錬・加工コスト

買取業者は、購入した金をそのまま次の購入者に転売するわけではなく、多くの場合「溶解・精錬・再製造」を経て、品質保証済みの地金として再販します。この工程には専門設備・人件費・品質管理費が発生します。

小型の地金はこれらの固定費を少ない金量で負担しなければならないため、1グラムあたりのコストが高くなります。これがスモールバーチャージの本質的な理由です。

溶解時の目減り(ロス)への備え

金を溶解・精錬する際には、どうしても微量の重量ロス(目減り)が発生します。純度99.99%のインゴットでも、溶解・再成形の過程で付着ロスなどが生じます。

優良な業者であれば「目減りは0.01%程度なので実質無視できる」と説明し、過剰な控除は行いません。ただし、一部の業者は実際より高い目減り率を主張して買取額を不当に減額するケースもあるため注意が必要です。

注意:「目減り分として○%引きます」と言われた場合、その数字が妥当かどうか確認しましょう。一般的な溶解ロスは0.01〜0.1%程度です。5%・10%など大きな目減りを主張する業者は避けた方が無難です。なお、18金などの合金の場合の「純度換算(×0.75)」は目減りとは別の正当な計算で、混同しないようにしましょう。

金相場の変動リスクへの備え

金の価格は毎日変動します。業者が金を買い取ってから再販するまでの間に相場が下落すれば、損失が発生します。

例えば、参考として2024年11〜12月の変動を見ると、約1か月で1gあたり700円以上下落したケースがありました。100gの金を抱えていれば、それだけで7万円以上の差損になり得ます。業者はこうしたリスクに備えるため、買取価格に一定のマージンを設けています。

業者の事業維持コストと利益

店舗運営費・人件費・広告費など、買取業者が事業を継続するためのコストも買取価格に反映されています。「手数料がない=慈善事業」ではなく、買取グラム単価の設定で調整されているのが実態です。

手数料で損しない業者の選び方

状況によって「最も手取りが多くなる業者」は変わります。ご自身の売却パターンに合った業者選びのポイントを確認しましょう。

100g未満の小口
まず日本マテリアルをチェック
重量を問わず手数料無料のため小口に有利です。ただし買取単価は日々変動するため、買取専門店との相見積もりも必ず行いましょう。
500g以上の大口
買取グラム単価で比較
大手貴金属店はほぼ全社手数料無料になるため、当日の買取グラム単価の高さで業者を選びましょう。各社の公式サイトで毎日更新される価格を確認してください。
ジュエリー・アクセサリー
買取専門店への持ち込みを
大手貴金属店はインゴット中心のため、ジュエリーは買取専門店(おたからや・なんぼや・コメ兵等)への持ち込みが基本です。複数社で査定してもらいましょう。

相見積もりのコツと注意点

金の売却で損しないための最大のポイントは相見積もりです。1社だけに査定を依頼するのはやめましょう。

  • 同じ条件で比較する:金相場は毎日変動するため、できるだけ同日・同時刻に複数社に査定依頼することが理想です
  • 内訳を必ず確認する:「重量×買取単価−手数料」の内訳を明示してもらい、最終的な手取り額を確認しましょう
  • 即決を避ける:「今日中に決めれば特別価格」といった煽り文句に注意。複数社の見積もりが揃ってから判断しましょう
  • 見積書を書面でもらう:口頭だけでなく、書面で査定内訳の提示を求めることをおすすめします

見積書で必ず確認すべき6項目

査定結果を書面で提示してもらったら、以下の項目が明記されているかを確認しましょう。これらが揃っていれば、後から他社と条件を比較検討でき、トラブル防止にもなります。

確認項目なぜ重要か
重量(グラム数) 業者によって測定結果が異なる場合がある。「9.5g」と「10.0g」では手取り額が変わる
純度(K18・K24など) 純度が変われば純金換算量が変わる。刻印と合っているか確認する
買取単価(円/g) 当日の相場と比較して極端に低くないか確認する
手数料の金額または率 定額か割合かを確認し、計算が合っているか検証する
目減り・控除項目の有無 別名目での減額がないか。あれば根拠を説明してもらう
最終的な支払金額 上記すべてを加味した手取り総額が明記されているか

アドバイス:査定の説明が曖昧だったり、重量や単価の内訳を教えてもらえない業者は避けた方が賢明です。透明性の高い業者は、聞けば必ず内訳を説明してくれます。見積書の開示を拒む業者との取引は見合わせることをおすすめします。

売却前に確認しておきたい:金の純度・重量チェック

業者に持ち込む前に、手持ちの金の純度(刻印)や重量をある程度把握しておくと、査定時に適正価格かどうかを判断しやすくなります。精密スケールがあれば手取り額の目安を事前に計算できます。

なお、金の純度(刻印)はジュエリーに刻まれた「K18」「K24」「750」「999」などで確認できます。刻印がない場合は業者の鑑別機器で測定してもらいましょう。

よくある質問

金の買取に消費税はかかりますか?

金(貴金属)の売却は消費税が課税される取引です。ただし、業者が公表する「買取価格」には消費税相当分が含まれているケースが一般的です。田中貴金属工業・徳力本店などの公式サイトに掲載されている「店頭買取価格(税込)」は消費税を含んだ価格として公表されています。詳細は売却先の業者に確認しましょう。

手数料は交渉できますか?

田中貴金属工業・三菱マテリアル・徳力本店などの大手貴金属店は、公式に定めた手数料体系を適用するため、個別交渉は原則できません。一方、買取専門店は「手数料無料」が標準ですが、複数社への相見積もりを伝えることで買取単価が上がる場合があります。「他社でこの金額を提示された」と伝えるのが有効です。

宅配買取と店頭買取で手数料は違いますか?

業者によって異なります。店頭では手数料無料でも、宅配買取では「送料」や「保険料」が別途かかる業者があります。宅配買取を利用する場合は、これらの費用も含めた最終的な手取り額を確認してください。多くの買取専門店は「宅配送料も無料」としていますが、事前に公式サイトで確認するのが安心です。

18金と24金(純金)で手数料は変わりますか?

大手貴金属店の定額手数料(スモールバーチャージ)は「売却する金の合計重量」で計算されるため、純度による差はほとんどありません。ただし、18金などの合金は「純金換算」で買取価格が決まるため、同じ重量でも受け取り額は24金より少なくなります。たとえば18金10gは純金7.5g相当として計算されます。

金の売却益は確定申告が必要ですか?

金の売却によって利益(譲渡益)が発生した場合、原則として確定申告が必要になります。売却益は「総合課税の譲渡所得」として課税対象となります(売却年の1月1日時点で保有期間が5年以内なら短期、5年超なら長期)。手数料は取得費・譲渡費用として控除できる場合があります。詳細は税務署や税理士にご相談ください。

この記事のまとめ

  • 金買取手数料は業者によって大きく異なる。田中貴金属・三菱マテリアルは重量別定額、日本マテリアルは全量無料、買取専門店は「手数料無料(単価込み)」が主流
  • 「手数料無料」だからといって必ずしもお得ではない。買取グラム単価が低く設定されているケースが多いため、手取り額の総額で比較することが重要
  • 手取り額の計算式は「買取単価(円/g) × 重量(g) − 手数料」。売却前に必ず計算し、複数社で相見積もりを取ること
  • 100g未満の小口は日本マテリアルや買取専門店、500g以上の大口は当日の買取単価で業者を選ぶのが基本戦略
  • ジュエリー・アクセサリーの売却は買取専門店が対応窓口として広い。純度換算(18金=75%)に注意して適正価格を確認しよう

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