「最近SDカード高くない?」と感じた方、正解です。2024年まで下がっていたSDカード(microSD含む)の価格が、2025年秋から急騰し、2026年8月現在も上昇が止まっていません。価格.comの実データで、推移・理由・買い時を整理しました。
SDカードは2025年秋から急騰中。2026年後半に入っても上昇は止まっていません。
- microSDXC 128GB:2,399円(2026年8月13日時点・2024年秋の底値から約2.6倍)
- SanDisk 256GB microSD:11,304円(同日時点・2024年4月比で約4.7倍)
- 2026年第3四半期のNAND契約価格は前四半期比10〜15%上昇の見込み
原因はAIデータセンター向けNAND需要の急拡大。上昇率そのものは前四半期から鈍化していますが、需給改善は2027年以降の見込みで、年内の大幅な値下がりは期待しにくい状況です。
SDカードの価格推移(容量別の実データ)
まずは「どれくらい変わったのか」を数字で見ていきましょう。今回は価格変動が大きいmicroSDXCの128GBと256GBを例に、価格.comの実際の推移データを使って整理します。
128GBクラスの推移
microSDXC 128GB(メーカー問わず最安値ベース)の値動きを時系列で並べると、底とピークがはっきり分かります。
底値で買えた人と今買う人では、同じ1枚で2.6倍の差があります。当時「安すぎて逆に怖い」と言われていたのが、結果的には絶好の買い時だったことになります。
256GBクラスの推移
大容量になるほど上昇率は大きくなります。SanDiskの人気モデル SDSQUA4-256G-GN6MNは、2024年4月時点で最安2,383円でしたが、2026年8月13日時点の最安値は11,304円まで上昇しています。約2年で約4.7倍という動きです。
128GBの2.6倍と比べても、大容量ほど上昇が急なことがはっきり出ています。
NAND不足の影響は「大容量品ほど単価の上昇率が大きい」形で現れます。256GB・512GBを検討していた方は価格感覚の更新が必須です。なお本記事が実価格を追うのは128GBと256GBで、512GB以上は同じ傾向がより強く出ます。
今の価格は「買い」か — 1GBあたり単価で見る
倍率だけを見ていると「もう全部高い」で思考が止まります。そこで1GBあたりの単価に直すと、いま何を買うのが損か得かがはっきりします。いずれも2026年8月13日時点の最安値から計算した数字です。
128GBは「メーカー問わず最安値」、256GBは「SanDiskの特定型番」の価格です。母集団が違うので、単価の差をそのまま容量差として読むことはできません。それでも大容量ほど1GB単価が高くなっているという向き自体は、どちらの数字にも共通して表れています。
通常であれば大容量ほど1GB単価は安くなります。ところが今はその関係が崩れています。NAND不足の影響が大容量品に集中しているためで、「どうせなら大容量を」という買い方が、いまは割高になりやすい状況です。
128GBを2,000円台前半で見つけられたら、いまの水準では十分に安い部類です。逆に2,399円から大きく上振れした値札を見たら、店舗を変えるかセールを待つ余地があります。なお、ここで挙げた金額は上記2製品の実売価格であって、容量ごとの相場そのものではありません。
小容量(32GB/64GB)の推移
32GBや64GBの小容量クラスにも値上がりの波は来ていますが、元の単価が低い分だけ体感は緩やかです。とはいえ、実店舗のワゴンで見かけた500円以下の32GBはほぼ姿を消しました。
なぜSDカードは値上がりしているのか — 3つの構造要因
「いくらなんでも2〜3倍は極端では?」と感じる値上がりですが、実はきちんとした構造要因があります。一時的な品切れではなく、需給構造そのものが変わったというのが正しい理解です。
1. AIデータセンター需要によるNAND・DRAM逼迫
最大の要因は、生成AIブームに伴うデータセンター向けメモリ需要の爆発です。高帯域メモリ(HBM)は標準DRAMよりも大幅に多くのウェハーと製造リソースを消費します。AIアクセラレータ向けの生産が増えるほど、スマホ・カメラ・SDカード向けの民生用メモリが後回しになっていきます。
実際の値上げ幅として、次の数字が報告されています。
同じ原料を取り合う以上、SDカード向けのNANDも無傷ではいられません。
2. メーカーの協調減産と民生向け撤退
もう一つの要因は、メーカー側の供給調整です。2022〜2023年のメモリ不況で各社は大きな赤字を出しており、収益性回復のため協調的な減産に踏み切りました。さらにMicronが民生向けNANDビジネスから事実上撤退したことも、SDカードや民生向けUSBメモリの供給余力を大きく削っています。
実際、SanDiskは2025年9月4日、全フラッシュ製品を10%以上値上げすると発表しました。「AI・データセンター向けへ投資を続けるため」というのが同社の説明です。民生向けだけが安く売られる時代は終わりつつあります。
3. 円安の影響
3つ目が為替です。SDカードのフラッシュチップはほぼすべて海外製造で、国内販売価格はドル建ての原価に大きく左右されます。2025年秋以降にユーザーが「1年半で2〜3倍になった」と体感した背景には、NAND自体の値上げに円安が上乗せされる二重のインパクトがあったと考えるのが自然です。
過去のHDD洪水被害やコロナ禍の半導体不足とは性質が違います。AI需要という新しい巨大顧客が現れ、生産ラインの配分そのものが変わったため、「すぐ元に戻る」とは考えにくいのが現状です。
SDカードとmicroSDで価格の動きは違う?
「フルサイズSDとmicroSDで値動きは変わる?」という疑問もよく聞きますが、基本的には同じ方向に動いています。中身のNANDチップが同じ市場で調達される以上、値上げ圧力はほぼ共通だからです。ただし次のような違いは観測されています。
- microSDの方が値動きが大きい: 民生向けの販売量が圧倒的に多く、メーカーのプライスリストの影響をダイレクトに受けやすい傾向があります
- プロ向けフルサイズSDは比較的落ち着いている: 業務用カメラ・シネマカメラ需要が主で、在庫の回転が遅いため一時的な値動きがワンテンポ遅れて出ます
- 並行輸入品は為替の影響を即反映: 国内正規品よりも値動きの振れ幅が大きく、安い瞬間と高い瞬間の差が目立ちます
2026年〜2027年の価格見通し
ここからは「いつ戻るの?」という一番気になる話です。結論から言うと、2026年中の大幅な値下がりは期待しにくいというのが現時点の専門家コンセンサスです。2026年後半に入った今、当初期待されていた「横ばい〜小幅下落」には至らず、上昇が続いています。
| 時期 | 相場感 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2026年春〜夏 | 上昇(実績) | 128GBが2,399円へ |
| 2026年後半 (現在) | 上昇継続 ただし鈍化 | NAND契約価格 前期比10〜15% |
| 2027年〜 | 下落の可能性 | 需給改善の見込み |
先行きを左右する材料は、いま次の3つです。
値上がりは続くが、ペースは落ちてきたというのが今の局面です。待つ判断をしている方にとっては、あわてて動く理由も、今すぐ諦める理由も薄い状況といえます。
「2027年頃までは高値圏、以降は反動下落の可能性」というのがプライシー編集部の見方です。ただし予想は予想。毎日の価格をウォッチしながら、自分の使い方に合ったタイミングで動くのが現実的です。
今は買い時? 用途別の判断
値上がり時代で悩ましいのは「今買うか、待つか」ですよね。絶対的な正解はありませんが、用途によって判断軸は明確に変わります。プライシー編集部の整理をどうぞ。
- すでに使っているカードの容量が限界
- ドラレコ・防犯カメラで「動いていないと困る」用途
- 旅行・撮影予定が近く、データ記録先が必要
- Switchなど、カードがないと機器自体が使えない
- 今のカードでまだ余裕がある
- 将来のバックアップ用にストックしたいだけ
- 特定の大容量品(512GB以上)を狙っている
- 「最安」で買えないと気が済まないタイプ
今すぐ必要な人
使用中のカードが埋まっていたり、Switchのように「カードがないと起動しない」端末を使っている方は、価格変動を理由に購入を遅らせるメリットは基本ありません。高くても必要な容量を確保した方が、日々のストレスや機会損失を考えるとトータルで安く済みます。
買うと決めたら、1店だけ見て決めない
高騰期は同じ型番でもストアによって数百〜数千円の開きが出ます。特にYahoo!ショッピングはPayPayポイントの還元が乗るぶん、表示価格が同じでも実質の負担額が変わってきます。必要な容量が決まっているなら、Amazonの価格と並べて確認しておくのが確実です。
買い替え検討中の人
スピード重視の新モデルに買い替えたい方は、「今持っているカードで困っていないか」を一度冷静に点検してみましょう。多くの場合、数年前の手持ちカードでも最新機器の運用には十分です。もし本当に必要な買い替えなら、次のセクションの値上がり時代の買い方のコツを参考にしてください。
ストック目的の人
「将来のために予備を買っておきたい」レベルなら、今は急がない方が賢明です。ピンポイントで値上がり真っ最中の時期に予備品を仕込む必要はありません。アプリで価格推移を追いかけておき、相場が横ばいになってきたタイミングや、セール時の瞬間的な値下がりを狙いましょう。
値上がり時代の賢い買い方
相場全体が上がっている時期でも、「買い方」で数百〜数千円単位の差がつきます。損しないコツを整理しました。
1. 価格推移アプリで常にウォッチする
今は「常に上がり続けている」わけではなく、短期の上下動を繰り返しながら全体として上昇しています。つまり瞬間的な値下がりは起きます。
毎日の価格を追うのは面倒ですが、アプリに任せればプッシュ通知1つで拾えます。プライシーのスマホアプリ(iOS / Android対応)なら、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングの横断比較と値下がり通知が使えます。
2. セールイベント狙いは引き続き有効
Amazonプライムデー・ブラックフライデー・楽天スーパーSALEなど、大型セールのタイミングでは依然としてSDカードが値引きされることがあります。ただし「底値からの割引」ではなく「今の高値からの割引」なので、割引率より実売価格を見る癖をつけましょう。
値引き幅が小さい時期は「ポイント還元」で実質価格を下げる
高騰期はセールの値引き幅が小さくなりがちです。そこで効くのが、楽天スーパーSALE・お買い物マラソン・5と0のつく日のポイント還元。値札が同じでも、還元分を引いた実質価格ではAmazonと順位が入れ替わることがあります。
楽天市場でSDカードの価格を見る →3. 信頼できる国内正規品を優先する
並行輸入品の安いカードに飛びつきたくなりますが、値上がり時代は偽造品や中古リマーク品の流通も増えがちです。保証のある国内正規品をベースに、価格を比較した上で選ぶのが結局は安心です。ドラレコ用途など書き込みが多い使い方なら、次のような高耐久モデルが推奨されます。
4. 容量を買いすぎない
高騰期にやってはいけないのが「どうせなら大容量を」という発想です。前述のとおり、いまは大容量ほど1GBあたりの単価が高くつきます。本当に必要な容量にサイズダウンするだけで総支出を大きく抑えられます。
よくある質問
2026年後半の現在も上昇が続いています。TrendForceの予測では第3四半期のNAND契約価格は前四半期比10〜15%上昇の見込みで、上昇率は鈍化しているものの下落には転じていません。専門家予想では需給改善は2027年以降とされており、年内の大幅な値下がりは期待しにくい状況です。
2024年秋の「microSDXC 128GBで909円」のような底値が戻るかは不透明です。メーカーが協調減産や民生向け撤退を進めているため、過剰供給フェーズが来ない限りは元の安値に戻りづらいと考えられます。
価格.comのデータでは、microSDXC 128GBで約2.6倍(909円→2,399円)、SanDiskの256GB microSDで約4.7倍(2,383円→11,304円)の上昇が確認できます。いずれも2024年〜2026年8月13日時点の実データです。
用途の実態に合わせて選ぶのが基本です。スマホ写真メインなら128GB、4K動画を多用するなら256GB、Switch・大容量データ保存なら512GBが目安。値上がり時代は「無駄に大きい容量」を買わないのが鉄則です。
用途・書き込み頻度によりますが、一般的な使い方なら数年単位で使えます。ドラレコ用途は高耐久モデルを選ぶのが基本です。詳しくは関連記事「SDカードの寿命は何年?」をご覧ください。
まとめ
この記事のポイント
- SDカード(microSD含む)は2025年秋から急騰し、microSDXC 128GBで約2.6倍(2,399円)、SanDisk 256GB microSDで約4.7倍(11,304円)まで上昇(2026年8月13日時点)
- 原因はAIデータセンター向けNAND需要の拡大、メーカー協調減産、円安の3つの構造要因
- 2026年中の大幅な値下がりは期待しにくく、専門家予想では2027年以降に需給改善の見込み
- 「今すぐ必要な人」は待たずに買う、「ストック目的」は急がず価格ウォッチで動くのが賢明
- 買う時は容量を買いすぎず、国内正規品を軸に、価格推移アプリで瞬間的な値下がりを拾う
価格推移はプライシーでチェック
SDカードのような変動の激しいカテゴリこそ、毎日の価格をアプリに任せるのが近道です。Amazon・楽天・Yahoo!の横断比較と値下がり通知で、高騰期でも損のないタイミングを見つけられます。
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